増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年6月9日

(平成20年6月9日(月) 17:16~17:30  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 地上デジタル放送の関係について発表いたします。今日で、アナログ停波を予定している2011年7月24日から逆算して1140日となりました。あと3年あまりでございまして、デジタル化の最終段階ということでございます。先程、私が本部長であります、省内の「地上デジタル放送総合対策本部」の第2回会合を開催いたしました。お手元に「地上デジタル放送推進総合対策」の骨子が配られていると思います。簡単な2枚紙でございますが、この骨子を先程の会議で決定いたしました。この骨子を軸にして夏までにこの内容を充実させて、夏に「地上デジタル放送推進総合対策」というものをまとめる、こういうことです。
 それで、骨子の方を御覧いただきたいと思いますが、1ページに送信側、受信側の現在の状況が書いてあります。それを踏まえた上で、2ページから3ページにかけて、「国の取組」、「関係者に期待する取組」、「国民運動の展開」と書いてあります。それぞれ大事なのですが、一番、肝要なのは、2ページに書いてある「国の取組」のところかというふうに思います。2ページに、1)から4)まで書いてございますが、特に1)の「経済弱者支援」、2)「都市受信障害対策共聴のデジタル化支援」、3)「周知広報・相談体制の強化」について力を入れております。それから4)は、衛星というのは最後のセーフティネットでありまして「衛星セーフティネットの準備」、これは時間が必要ですので、われわれもきちんと行う。
 2ページ目の柱書の2行目から3行目にかけて「今後数年間にわたり相当規模の対策を実施」とありますが、これは想定で2千億円ほどを想定しております。今後数年間で1)から4)の対策を足し上げると、大体2千億円くらいになろうかということです。これについて対策を実施するということです。当然、今年の夏に、来年度に向けての財務省に対する概算要求がございますが、その中で、それを意識した要求を私どもとしては行っていきたいということです。
 それから、2ページに、「政府一体となった体制の強化の検討」と書いてありますが、先般の改正電波法に対する附帯決議の中でも政府の取組体制の強化という御指摘をいただいております。現在、内閣官房に関係省庁連絡会議が設置されていますが、この地上デジタル放送は壮大な国策で進めるプロジェクトでありますので、効果的な体制の構築を図るべく、相談をして、できるだけ早急にそういった体制を立ち上げたい。また、総務省内の体制強化として、総務本省及び11ある地方総合通信局等にデジタル放送受信者支援室(仮称)を設置するということです。
 それから、2ページの3)「周知広報・相談体制の強化」のところで、「都道府県単位の相談窓口の設置等」と書いてありますが、大体50ヶ所です。現在、地方総合通信局等ごとにブロック単位になっているのですが、それを都道府県単位に切り替えるということです。
 3ページになりますが、これは従来から、放送事業者、メーカー、販売店などにもいろいろお願いしていますが、相手のあることですから「関係者に期待する取組」という形で書かせていただいております。実際には、それぞれの関係者もこのことを理解していまして、放送事業者は、今、デジタル中継局整備などに取り組んでいます。放送画面上で、周知広報もはじめている。メーカーは低廉な5千円以下のデジタルチューナーの実現ということに取り組んでいる。販売店もチラシをおいて必要な消費者への説明をしていますが、その全部を含めてより強力にやっていこうということであります。
 それから、3ページの下の方に「国民運動推進本部の設置」と書いてありますが、これは私が本部長になりまして率先して国民運動を推進していきたいということであります。
 この地上デジタル放送については、ちょうど3年前になりましたということで、今年7月24日にも様々なイベントの実施について、今、関係者といろいろ相談をしております。具体的には国民の目線によく触れるようなイベント、行事を行って、更に認知度と、それから一体となって成功に向けて進んでいくということをアピールしていきたいというふうに思っております。
 大変概略ではございますが、私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)予算規模なのですけれども、2011年度までに2千億円だということだと思いますけれども、来年度はどの位の予算要求をされるのか、あるいは、この中で優先的に取り組まれるものがあるのかないのかお願いします。
(答)ほとんどのものは、2011年度までにと考えておりまして、それで2千億円ですが、実は、その後も受信者側の対策ということで、若干、2011年度以降も続くものがあります。2011年度までに終えるものよりは、ずっと量が少ないのですが、多少、2012、2013年度までの対策も含めているということです。ただ、主眼はほとんど2011年度までに終えておかなければいけない。
 それから、来年度にどの程度の予算規模になるか、どこを来年度に重点的に行うか、これは今後概算要求、8月末までに省内でよく詰めたいと思います。当然まだ、財政当局とは折衝しておらず、これから概算要求に入って初めて行っていく話になりますが、情報通信審議会の答申が今月末位を予定しております。そこでの議論も含めて、それを咀嚼して内部でよく調整をして今、お話になったような点についても、予算を組み立てていきたいということです。今日の段階ではどこに重点を置くか、どこにお金が一番かかるのか、来年度の規模がどの位になるのか、もう少し時間をいただきたいと思います。
(問)今年度は、同様の予算がどの程度計上されているのでしょうか。
(答)今年度は50億円です。
(問)かなり増額されているということですか。
(答)今年度のものとはガラッと切り換えるということです。いよいよ腰を据えて乗り出していくということです。
(問)今言われた50億円は、2千億円に含まれるという理解でよろしいでしょうか。
(答)これは項目としては、引き続きということですが、ただ、全く新たな気持ちでやるということですね。全体の規模が非常に大きいので、項目的には引き続きになるということですが、あまり50億円の枠に捕らわれずに予算要求をしたいと思います。
(問)新規に2千億円というイメージでよろしいでしょうか。
(答)来年度は2千億円ではなくもっと額は小さい、数年にわたって2千億円になりますから、ほとんど新規ということになります。
(問)来年度から3か年というふうに考えていいのでしょうか。この2千億円に相当するのは。
(答)先ほど言いましたように、項目によっては、2011年より後に続くものも若干あります。あれは何だっけ。(事務方:セーフティーネット等は2011年以降も続きます。例えばですが。)ただ、額としてはたいしたことないです。概ねは2011年度までの3か年ということになります。
(問)経済弱者支援ですけれども、デジタルチューナーと受信機購入に対する支援を含めてそれ以外の支援で、この2千億円のうちどれくらいの予算を見込んでいますか。
(答)経済弱者支援以外のものですか。
(問)この2千億円の中で、経済弱者支援がどれくらいのお金を占めるのかということを教えて下さい。
(答)それはまだ、明らかにするにはもう少し中で詰めることが必要です。チューナーやアンテナ等、そんな話になっていると思いますが、もう少しお時間をいただきたい。
(問)今のところですけど、1)から4)まででざっくりと大体割合的にどの位というのは教えていただけますか。
(答)お話しすることはできません。一番この中でお金がかかりそうなというのは、もう少し詰めます。6月9日段階なので、もう少し詰めないと駄目です。今日は、ほぼ2011年度までにやる対策で、項目と全体の大きなざっくりとした総額を総務省として決めて、省内で細部の積み上げの作業を行っているのですが、総額を明らかにして、これから財政当局とやっていきたいと、こういう意志を明らかにしたということです。
(問)大臣が本部長を務められる「国民運動推進本部」はいつ作って、各界からというのは、どのような方がお入りになられるのでしょうか。
(答)放送事業者、メーカー等の皆さん方、放送事業者はもちろんキー局だけではなくて地方も含めてです。それから販売店を中心とした流通関係、地方公共団体、あと、当然消費者ですね。ユーザーの皆さんの代表といった方に入っていただくということであります。それで、ちょうどアナログ停波の3年前にあたる今年の7月24日に、「国民運動推進本部」の第1回本部会合を開催できるように準備をしていく、そんな腹づもりをしておりまして、大体メンバーも決めておりますけれども、確定次第、明らかにしたいと思います。第1回は今年の7月24日開催で考えています。
(問)「政府一体となった体制の強化の検討」のところですが、連絡会議の体制強化というのは、今までと体制が変わったりすることがあるのでしょうか。
(答)今までは関係省庁連絡会議は、課長クラスなのです。これは当然もっとレベルを上げなくてはいけない。それからIT戦略本部ですね。IT戦略本部は総理が本部長ですけれども、あの中でも地上デジタル放送のことを取り上げているということなのですが、これは、ICT全体の中で一部分ということなので、もっと地上デジタル放送だけということで体制強化すると、レベルを上げていこうというふうに思っています。
(問)課長級から局長級にというふうにですか。
(答)もっと上まであげなくてはいけないでしょう。ちょっとそこは内閣官房との調整があるので。改正電波法に対する附帯決議もこの間あったので、十分こちらも問題意識をもっていて、それに向けていろいろ調整しているという段階です。
(問)「周知広報・相談体制の強化」のところですが、今、11あるところをこれから50に増やすということですか。
(答)今、地方総合通信局が置かれているブロック毎にあるのですよ。あれ10いくつ(事務方:秋から10。)じゃあ今年度が10だね。(事務方:10です。)これを来年度は各都道府県でやりますから、それをプラスしていくつ。(事務方:トータルで50くらい)トータルで50くらいです。
(問)今年度10できて、来年度50ということですか。
(答)そうです。
(問)ありがとうございました。
(答)ありがとうございました。

(以上)