増田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年6月3日

(平成20年6月3日(火) 9:41~9:57  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。まず閣議ですけれども、私の方から、先日、地方分権改革推進委員会が第1次勧告を行ったということを報告しました。この勧告は、地方分権改革推進法第10条第3項で国会報告ということになっておりますので、第1次勧告を閣議で配付をしまして、この内容で国会報告をしますということを申し上げました。また6月中旬に地方分権改革推進本部を開催して政府の対処方針を決定することとしておりますので、この地方分権改革の実現に向けて関係閣僚の引き続きの協力を依頼しました。今のは地方分権改革担当大臣としての発言です。
 次が総務大臣としての発言でありますが、5月30日に労働力調査、消費者物価指数、それから家計調査の結果を公表しましたので、その内容を報告しました。本来であれば先週の金曜日に報告する案件でしたけれども、閣議が1回取りやめになりましたので、報告が今日の閣議になりました。その内容でありますが、4月の完全失業率が、季節調整値で4.0%、前月に比べ0.2ポイント上昇。消費者物価指数は、1年前に比べて0.8%の上昇となったということであります。それから、全国二人以上世帯の4月の消費支出が31万1千円と、1年前に比べて実質2.7%減少と、2か月連続の減少といった内容の報告をしました。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)2問お願いします。1つは、今お話のあった地方分権改革推進委員会の1次勧告の関係ですけど、例の農地転用の問題ですね。3回にわたって農水大臣といろいろ対応されてますけれども、今後、どう対応されるかというのが1点と、もう1点は、今週末から再開される「くるまざ対話」についてですね、この狙い、定住自立圏構想等いろいろあると思いますけれど、これをどう活かしていくか。この2点をお願いします
(答)地方分権改革でありますが、今の農地転用問題も含め、各府省と、今後政府の対処方針を決めるに当たって、調整、意見交換、折衝、それぞれやっていかなければならないと思っています。農林水産省も意見が大分隔たっているというふうに思いますし、それ以外の省庁も恐らく、あの勧告の内容について対処方針を決めるのに、いろいろ御意見があろうかと思いますので、今週は事務的な調整を進めさせますが、また来週以降、必要に応じて閣僚と調整をしなければいけないというふうに思います。 
 この地方分権改革ですけれども、従来から各府省と調整してきているわけですが、今後は党との調整も必要になってくるので、それもやらなければいけないと思っております。それから、地方団体も、勧告が出たので、意見が様々あると思うので、自主的にそれぞれ御判断をされる話でありますが、地方団体にも理解を求めるということでこちらもやらなければいけないと思っております。政府対処方針を決めるまでには、今、話のあったような府省、党とよくやりますが、併せて、その後も含めて地方団体にもよく理解を求めていかなければいけません。これを、これから3方向、やっていきたいというふうに思います。
 それからくるまざ対話ですが、6月7日(土)に北海道帯広市に行きます。定住自立圏構想の考え方等について意見を聞くということも1つありますが、地域経済が良くない、特に北海道は有効求人倍率が0.32で全国最低ということなので、1番最初に選んでいますが、地域経済の状況をよく聞きたいと思います。ちょうど帯広市が昨年度の「地方再生モデルプロジェクト」、とりあえず緊急にてこ入れしなければいけない8道県プロジェクトの対象となっています。内閣府の地方再生担当大臣として、「アーケード再生による冬のにぎわい創出プロジェクト」を支援しましたので、そういうことで帯広市を選んだのですが、地域経済の状況を聞きたいと思っています。あと、道路の関係でしばらく各都道府県の契約がストップしていましたので、多分、契約はその後、順調に進んでいると思いますが、影響がどうだったのかとか、そういったことを中心に話を聞きたいと思います。いずれにしても今後の政策に活かしていくということですから、今後、農業の問題も含めて、どうしていったらいいのか、様々な意見を聞き、今後の政策に活かしていくということです。
(問)電波利用料の使途とか、道路特定財源の使途を巡って、各省の福利厚生の面で、不適正支出が指摘されているのですけれども、それについて財務省と総務省の方で基準作りという話があるのですが、それについてお聞かせください。
(答)まず電波利用料ですけれども、あれは不適正利用があったと、これはまぎれもない事実です。これは、すぐに正すように指示してあります。電波利用料の使途は、こちらでも基準を作って、各地方総合通信局にも徹底しておかしな利用をしないように、それから、疑問があるようなものは、本省に問い合わせてもらうというような体制作りをします。これは、確実にしますが、それでもボーダーライン上というのはあると思います。特にレクリエーションのようなものは、国民の納得が得られないという基準も、時代とともに変わってくると思います。ですから私は公開しろと言っています。何々を買ったということを公開すれば、さすがに、めんたいこ作りなんか、恥ずかしくて、もうやめようということになると思います。緊張感が出てくると思うので、年度が終わって翌年度に入ってから、できるだけ早い段階でまとめて、どういうものに使ったというものを公開していけばいいのではないか。マッサージチェアがどうしても必要だったら、それをきちんと公開して、皆さんの意見を伺うということにすれば、さすがに、それはやめようということになるのではないでしょうか。それから、ラジコンカーを買ったのですが、あれは子どもの電波教室のときに使うということで、それだったら1,2台、買ってもおかしなことではないのかもしれないので、そういうのを全部公開するように言っています。基準を作って、その使途を全部正すと同時に結果を全部公表していくというのが、総務省としての電波利用料についての対応なのですが、その他、特に問題なのはレクリエーション費用だと思うので、これについてどういう考え方で整理していったらいいのか、これは総務省でその基準作りを行います。
 それで各省にもその基準を示して、それで意見を伺って、政府としての全体の基準を作ればいいのではないかということで、今、その作業にとりかかったということです。総理府時代の昭和41年に定めた「職員のレクリエーション行事の実施要領」というのがありまして、簡単にしか書いてないのですが、「各省各庁は、その所属の職員のレクリエーションについて、次に掲げる業務を行うものとする。」という中で、「レクリエーションに必要な用具、器材施設等を整備すること。」というのが、書いてあります。それを実施要領ということで、今の総務省人事・恩給局、当時の総理府人事局で出しているので、こういったことにも絡んでまいりますから、これについての考え方を明らかにするという作業に取りかかっていきます。
(問)確認ですけど、レクリエーションの費用についての基準ということですか、レクリエーション費用というものに絞っているということでしょうか。
(答)基準は、そこだけでいいのかどうかというのはあるので、もう少し広く見直したらいいのではないかと思うのですが、1番問題になるのはそこのところでしょうね。政府として無駄遣いゼロということで、全般の税金としての使われ方の問題がありますので、そういったものはもちろん見直しをしなければいけないということで、これはそもそも各府省で取り組んでいるわけですけれども、特にレクリエーション費が1番問題になってくるわけで、今まで買っていた根拠もそこにあったわけですよね。ですから、そこの見直しをまずきちんとする必要があるということです。
(問)関連ですけど、総務省の電波利用料と同じように、これから各省に求める基準についても、基本的に使途を定めて、かつ公開ということをお考えですか。
(答)公開がいいのではないですか。各府省に向けてはこれからですけれども、今の特にレクリエーションについては、うちの方で以前、実施要領ということで定めているところですので、ここで基準を細かく作っても、最後、決めきれないところがあると思います。ですから、そういうのは全体的に公開をしていくということが大事じゃないでしょうか。
(問)それに関連してなんですが、その基準作りは、大体どれぐらいまでを目途に作りたいというふうに。
(答)まだ時期は、いつまでというか、どういう作業になるのかは、調べてみないと分からないので、できるだけ早くということになりますね。恐縮ですが、いつまでにそれをまとめるというところまで指示してなくて、今、各府省の実態等も聞いていますから、それを含めてできるだけ急がせるようにします。
(問)いわゆる「ダビング10」の話なのですが、この前の情報通信審議会の方で、総務省と文部科学省と経済産業省と、調整が必要ではないかという声が出たのですが、大臣として、何らかの措置をされていくお考えは。
(答)当事者である、メーカー、それから著作権者側で、よくお考えいただくのが大事なのですが、最後、当事者間でどこかで線を決めてもらうというか決断をしてもらわなくてはいけないと思いますが、その決断をしやすくなるように、意思疎通をよくしていくことを促していくという努力が必要だと思いますので、それは総務省の方でやりたいと思います。
 6月2日という期限を過ぎて、利用者というか、消費者からは、10回コピーできるようにとか、使いづらさはいろいろ指摘をいただいています。これはメーカー側にも当然跳ね返ってくる話ですし、それから著作権者側も自らの主張はもちろんあるわけですが、そういった国民の声に耳を傾ける必要もあると思いますので、最後に、これでいこうというのは、それぞれの人たちに決断していただく必要がありますが、そこに向けての道筋というか意思疎通をよくする、その労は取っていかなければいけないというふうに思っております。
(問)今、ちょっと遅れているのですけれども、2011年の地デジ完全移行に向けての、北京五輪のときに50%の世帯普及率、それに向けて障害になるとお思いですか。
(答)どうでしょうか。ただ、間接的ではありますが、量販店などで聞く限りは、このいわゆる「ダビング10」が、地デジの機器の売れ行きに影響しているというのはあまり聞こえてきてはいないです。これからボーナス期で買い換えがあるときに影響が出てくるかどうか、そこで影響が出てくる可能性はもちろん否定はしきれないと思いますけれども、今販売しているほとんどの機器は、信号を送れば「ダビング10」に切り替えられるような機器になっていると聞いていますので、特にそれによって売れ行きに影響するという声は、量販店からは聞こえてきていないと、私自身は聞いています。オリンピック等の名場面を録りたいという人たちが多いでしょうから、その前に、この問題を解決するということで、関係者の話し合いをしやすい道筋作りをしていかなくてはいけないと思っています。
(問)昨日、与野党が有害サイト規制法案についてほぼ合意したことについて、いかがですか。
(答)まだ詳細、聞いていないのと、委員会がどこにかかるかも聞いていません。与野党サイドになっているのですが、サイトの健全性は、第三者機関が判断をするということですし、私自身も以前この場で、あまり国が関与しないで、第三者機関が自主的に判断する形でいいのではないかというふうに申し上げたことがありますが、そういう内容になっているというふうに聞いています。そういう方向で、しかし何らかの規制は必要だということで、与野党も建設的に折り合ったのではないかなというふうに思います。またよく報告を受けて、こちらもしっかりと対応したいというふうに思っていますが、内容として、今、聞いている限りはよかったのではないかと思っております。
(問)よろしいでしょうか。
(答)ありがとうございました。

(以上)