岸田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年11月27日

(平成19年11月27日(火) 9:45~10:00  於:合同庁舎4号館742号室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件が3件、国会提出案件が19件、条約の公布が2件、法律の公布が4件、政令が2件、報告が2件、配布が1件ありました。私どもの関係案件はございません。
 私の方から3つ申し上げます。
 まず1つ目は、沖縄訪問についてであります。
 去る11月23日から25日にかけて、私は沖縄を訪問いたしました。今回は、石垣島、波照間島、宮古島といった離島を中心に島の暮らしの実情を拝見するとともに、「島のゆんたく会議」などの場を通じて、島民の方々から直接生の声をお聞きする機会を得ました。離島の暮らしには大変な苦労があることを改めて実感する一方で、島に愛着を持ち、すばらしい自然環境や伝統文化に誇りを持って生活しておられる姿勢に接し、感銘を受けました。
 今回得られた経験も踏まえ、今後、離島に暮らす方々により一層安心で質の高い暮らしをしていただけるよう、現場感覚を大切にした、配慮の行き届いたよりきめ細やかな施策を進めていくことが重要と考えており、国としても、沖縄県や地元市町村と連携して支援策を講じてまいりたいと考えております。
 詳細につきましては、政策統括官(沖縄政策担当)にお問い合わせください。
 2つ目ですが、地方再生モデルプロジェクトについてであります。
 このたび、8道県を対象とした地方再生モデルプロジェクトの事業内容が取りまとまりましたので、私からは沖縄県のプロジェクトの内容を報告させていただきます。
 お手元に資料をお配りしているかと思いますが、沖縄県では県の最優先課題の一つである失業率改善に向けた取組を加速させるため、地方再生モデルプロジェクトとして、失業率の特に高い沖縄中部地域を重点地域として、地元の雇用状況に応じたきめ細かな雇用対策を実施することといたしました。実施に当たっては、内閣府にある特別調整費を活用し、支援するとともに、プロジェクトが実効あるものとなるよう、沖縄県に対し助言等を行ってまいりたいと考えております。
 詳細につきましては、政策統括官(沖縄政策担当)までお問い合わせください。
 3つ目ですが、産学官連携サミットについてであります。
 昨日開催しました第7回産学官連携サミットですが、今回のサミットは、大学、企業、自治体のトップの方々など、約750名の参加があり、大変盛会でありました。産学官連携に対する認識と期待の高さを実感いたしました。
 私も基調講演を行い、イノベーションの創出の具体化に向けた科学技術政策の推進についてお話をさせていただきました。産学官連携は、イノベーション創出のための大きな鍵でありますので、昨日の成果について、総合科学技術会議においても十分参考として、科学技術政策やイノベーションの具体化に向けた政策に活かしていきたいと考えております。詳細につきましては、科学技術政策・イノベーション担当にお問い合わせをください。
 私の方から以上3点です。

2.質疑応答

(問)今日、行政減量・効率化有識者会議の座長が総理に現段階のたたき台を報告するようなのですけれども、その中で国民生活センターの統合についても触れるというふうな一部報道があるのですが、改めて国民生活センターと他の独法との統合ということが検討されていることについて、大臣のお考えを改めてお聞かせください。
(答)会議の報告があるということは聞いております。いずれにしましても、国民生活センターは、消費者基本法の中においても、消費者行政の中核機関と位置づけられている組織であります。消費者行政の中核機関としての役割をしっかり果たしてもらうように、そして何よりも、内容において日本の消費者行政がしっかりと充実したものになるような体制を考えていかなければいけない、そのように考えております。
 内閣府においても、また国民生活審議会の中においても、国民生活センターの有り様について議論が行われているわけですが、そういった議論も踏まえながら、どういった体制が望ましいのか、引き続き検討をしていきたいと、そのように思っています。
(問)統合相手の独立行政法人がある意味生産者サイドの認証作業ですか、そういうことを目的にしてつくられた独立行政法人なので、ちょっと性格がずれているんじゃないかというような指摘もあるようなのですけれども、その点について大臣のお考えは、懸念等ございませんか。
(答)仮にこうした独立行政法人の合併が行われるとしましても、消費者行政に支障が生じるとか、後退が生じてしまうということがあってはならないというふうに思っています。あくまでも消費者行政の充実という大きな目的のために何をすべきかを考えなければいけない、そのように思っています。
 どの独立行政法人がどういった形で統合されるのか、その点につきましては、私は詳細を把握しておりませんが、こうした独立行政法人を統合するという中で、今申し上げました消費者行政の有り様というもの、これだけはしっかりと守っていかなければいけない、そのように思っています。
(問)では、合併するかしないかについては、大臣の立場はニュートラルというか、そういうような……。
(答)私の立場は独立行政法人の合併云々を担当するのではなくして、日本の国の消費者行政、国民生活にとって国民生活センターがどうあるべきなのか、これを考える立場だと思っています。
(問)話が変わるのですけれども、遺棄化学兵器の処理事業の問題なのですが、そもそも終戦時に中国に対して旧日本軍が兵器を引き渡したのではないかという指摘があって、そうなると、この事業自体が根底から崩れるんではないかという指摘があるのですけれども、その点についてはどのようにお考えですか。
(答)そういった指摘があるのは承知をしていますが、そういった指摘も受けて、例えば山形県鶴岡市にあるシベリア資料館、この資料につきましても、昨年10月、外務省、内閣府及び防衛研究所関係者によりまして、この同資料館が所有する旧日本軍の引き渡し関係書類の約3分の1に当たる約300冊を調査し、精査をしたところであります。ただ、今のところ、この目録の中にはっきりと化学兵器とわかる記載は発見されなかったというふうに承知をしております。これは引き続き残りの調査の実施を、外務省より同資料館に対し働きかけているところと承知しておりますが、詳細につきましては外務省にお問い合わせいただきたいと思います。
 いずれにしろ、そういった様々な動きの中で、現在のところ化学兵器の引き渡しにつきましては確認をされていない、そのように認識をしています。
(問)今後の事業なのですけれども、事業費全体の概算がわからないということで、納税者から見ると、一体どうなっているんだという声がたくさんあるんですけれども、この概算というのはお示しすることはできないのでしょうか。
(答)この事業につきましては、ご案内のとおり、化学兵器禁止条約に基づいて事業を進めているわけですが、そもそも長期間にわたって大量に埋蔵された化学兵器を処理しなければいけない、世界に類例のない作業をしなければいけないということで、調査を行い、調査の知見を材料にさらに事業を進めていく。そして、事業を進めながら得られた技術や知見を持ってさらにまた事業を進めていくという作業を続けてきたわけです。
 ですから、こうした作業、この知見や技術を習得しながら、またこの先を見通していかなければいけない、そういった作業を繰り返していくことをしてきたわけですし、これからもそうなるわけです。
 そういった中で、本年4月には日中首脳会談におきまして、移動式処理設備の導入を行うということが決定をされています。こうした設備を利用しながら、どこまで合理化できるか、効率化できるか、そしてどれだけ迅速にこの事業を完成できるか、引き続き、現在、検討をしているところです。
 したがいまして、どこまで合理化できるかの検討を行っているということで、確たる数字を申し上げられませんが、いずれにせよ、そういった状況の中で、できるだけ合理化し、効率化して、迅速化することによって、国民の皆さんに納得していただけるような事業の有り様を模索しているということをぜひご理解いただきたいと思います。
(問)現場主義の大臣としましては、ハルバ嶺を見に行かれたいというお気持ちはございませんでしょうか。
(答)国会の日程が許せば、それは一度見ておきたいというふうに思いますが、国会の日程も不透明である上に、聞きますと、12月になりますと気象条件により作業が中断してしまうということも聞いております。日程の問題もありますし、また視察するのであるならば、効果的な視察をしなければいけないと思っておりますので、今申し上げましたような諸事情を踏まえ、今検討しているところです。
(問)前回の会見でiPS細胞の実用化に向けて環境づくりを進めたいという、主導権を握れるような環境づくりというお話がありましたけれども、例えば金額でいうと、規模でいうと数億なのか、数十億なのか、数百億なのか、その辺をちょっと。
(答)このiPS細胞研究は、文部科学省と厚生労働省の基礎研究予算で進められております。このiPS細胞研究を含む再生医療実用化研究ですが、こうした各省の連携のもとに、社会還元加速プロジェクトに該当する施策として登録するなど、バックアップを行っているところです。そして、平成20年度の概算要求におきまして、この再生医療の社会還元加速プロジェクトとしましては、合計で42億円が要求されております。こうした必要な予算措置がなされるように、内閣府としましても、しっかりと支援をしていきたいと、そのように思っています。

(以上)