岸田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年11月2日

(平成19年11月2日(金) 9:10~9:34  於:合同庁舎4号館 742号室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 本日の閣議は、国会提出案件が19件、政令が4件ありました。
 本日、私の方から2つ申し上げさせていただきます。
 まず1つは、本日の閣僚懇談会において、福田総理から私に国民生活担当大臣として国民が日々安全で安心して暮らせるようにしていくため、行政のあり方の総点検を実施し、緊急に講ずべき具体的な施策については年内を目途に取りまとめを行うよう指示をいただきました。
 これは総理が所信表明演説で述べた政治や行政のあり方のすべてを見直し、真に消費者や生活者の視点に立った、発想を転換するという考えを具体化するものです。
 まず、この行政のあり方の総点検についての指示は、国民が日々安全で安心して暮らせるようにしていくため、各大臣の協力を得て有識者の意見も参考にしながら、国民生活の基本である、「食べる」、「働く」、「作る」、「守る」、「暮らす」、この5つの分野につきまして、消費者、生活者の視点から十分なものとなっているかといった観点から、法律、制度、事業など幅広く行政のあり方の総点検を実施してもらいたいというものです。
 また、この総点検とあわせて、国民生活の安心を確保する上で必要な、緊急に講ずる具体的な施策について、各大臣の協力を得て、年内を目途に取りまとめをしてもらいたいという指示もいただきました。私としては、本日の閣僚懇談会において各大臣において国民の声を最大限反映し、総理の御指示の趣旨に沿った具体的な政策を御検討いただくお願いをしたところであります。総点検については、消費者、生活者の視点から総点検を行う仕組みを整え、来年春を目途に点検結果、今後の政策の方向を取りまとめることを目指しています。
 混乱があってはいけないので確認をしますが、要は、一つは行政のあり方の総点検、そしてもう一つは、緊急に講ずべき具体的な施策の取りまとめ、この2つの指示をいただいたわけですが、後者の、緊急に講ずべき具体的な施策は年内を目途に取りまとめる。総点検の方は来年春を目途に総点検を行う。この2つの指示、それぞれ想定している時期が若干ずれておりまして、確認のために申し上げさせていただきたいと存じます。
 そして、緊急に講ずべき具体的な施策については、時間が余り残されていないため、特に迅速な取り組みが必要だと考えておりまして、本日18時から関係省庁局長会議を開催し、総理からのご指示の趣旨を伝えるとともに、精力的な検討を要請する予定です。
 詳細は国民生活局までお問い合わせをください。
 これがまず1つ目です。
 もう1つが、11月7日8時から、官邸において「第4回普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」を開催いたします。今回の協議会では、普天間飛行場代替施設の建設計画等について協議を行う予定です。
 詳細につきまして、政策統括官(沖縄政策担当)までお問い合わせをください。
 以上、私の方からは2点です。

2.質疑応答

(問)協議会の議題にある設置要綱改正についてはどのようになっているのでしょうか。
(答)設置要綱の改正は、この協議会の主催のあり方についてです。従来、防衛大臣と沖縄担当大臣の共催という形になっておりました。この主催のあり方についてであります。
(問)それは官房長官が主催するということですか。
(答)そういう議論になると思います。
(問)官房長官が主催する意味はどういった点にあるとお考えでしょうか。
(答)今まで3回協議会を開催してまいりまして、協議会のあり方についていろいろな意見が寄せられています。関係者がそれぞれの立場から、より意見を言いやすい、自由に意見が述べられるような環境整備が必要だという意見もありました。官房長官が主催することによって、防衛省をはじめそれぞれの立場での忌憚のない意見の交換ができる、こういった環境整備を行う必要があるということで、検討が行われたということです。
(問)前回までの協議会は議事録に残らない非公式の懇談があったことから批判が起きていたのですが、今回、議事録に残らない非公式の懇談を設けるお考えはあるのでしょうか。
(答)すみません、議事録の取り扱いについては確認させてください。(本稿末尾参照)
(問)先週、総理は独立行政法人の国民生活センターに訪問されて、それで今、国民生活センターは一部縮小の案も出されていますけれども、どのようにしていくかとかということ、具体的に何か目指すべき方向とか、民間でやるには難しいというお言葉もありますけれども、どのようにすべきかというお考えがあるのでしたら教えてください。
(答)まだ正式に何か指示を頂いたというわけではありませんが、国民生活センターを訪問された感想の一端をお伺いしました。やはり国民生活センターの存在というのは大変重要だという御感想がありました。具体的な指示ということについては、特にまだ聞いてはおりません。
(問)独立行政法人のままでいいとか民間でいいとか、何か組織的な改革ということまでは特に。
(答)まだそこまでは、私はまだ伺っておりません。国民生活センターは、商品テスト等大変重要な役割を果たしていると、そういった感想はお伺いしましたが、具体的に組織をああしろとかこうしろとか、そういったところまでの指示は、まだ私は伺っておりません。
(問)中国の遺棄化学兵器問題なのですが、全体の事業費は一体幾らになるのかというのがわからない状態で、納税者から見ると非常に疑問点があるんですけれども、見通しというのはいかがなのでしょうか。
(答)遺棄化学兵器の処理につきましては、平成11年から事業が進められてきているわけですが、今日までさまざまな知見や技術を習得しながら事業を進めていくという作業が進められてきました。そして、本年4月の日中首脳会談におきましても、移動式処理設備を早期に導入する、こういったことが確認をされています。こうした新たな設備の導入とか新しい動きもある中で、今、当初想定していた事業も、やはりどこまで合理的かつ迅速な事業の実施という観点で見直せるか、これを今、行っているところです。今日まで集積した知見や技術をもとに、今、この先どこまで合理化できるか、これを検討しているということでありますので、これは2012年が化学兵器禁止条約上の期限ということにはなっておりますが、それを念頭に置きながら、今、合理化の努力をしているということですので、具体的な数字が出てこないという状況ではありますが、決して無制限に垂れ流しにお金を使っているというような誤解を招かないように、この合理化の結果を早急にまとめたい、そのように思っています。
(問)あと、ハルバ嶺の発掘回収施設について早期に着工したいと政府はずっと言っているわけですけれども、これはなかなか中国側との調整が難航していて着工できていないのですが、政府として大体いつごろまでに着工したいと。条約上の期限に間に合わせるには早くしないといけないと思うのですけれども、そういう見通しというか、目指す方向がありましたら。
(答)中国における遺棄化学兵器、これは大部分が御指摘のハルバ嶺に埋設されていると考えておりまして、ここにおける処理事業、これは本事業の中核であるというふうに思っておりますので、このハルバ嶺における処理事業の推進は大変重要だというふうに認識しております。それで、これにつきましては、先月末も日中の実務者級の作業グループ会合を開催いたしました。この事業を進展させることにおいては、日中の認識が一致しているところでありまして、決してこの事業が日中とも遅れていると認識しているわけではありません。
 いずれにしましても、この中核事業を期限内に終えるためにどうしたらいいのか、日中密接に連絡をとりながら作業しているということでありますので、できるだけ早期に開始できるように努力をしたい、そのように思っています。
(問)今年度予算でも回収施設の整備費というのは計上しているわけですよね。年度内には着工したいというお考えは政府としてはないのでしょうか。
(答)具体的な時期についてお示しするのは、現時点では困難だと聞いております。できるだけ早くということで、しっかりと連携をとりながら、連絡をとりながら、今、作業を検討しているという段階です。
(問)中国との調整はあると思うんですけれども、日本政府の意思として大体いつごろまでに着工したいという、目指している方向というのはないのでしょうか。
(答)このハルバ嶺の事業につきましても、どういった方式で事業を行うか、その部分を含めて全体の合理化努力の中で今、検討が行われています。ですから、その具体的なものが確定しないと着手には踏み切れないということですので、これはハルバ嶺全体、どういった方式で処理をするのか、それを早急に確定する。そして着手するということですので、今のところ、現時点ではできるだけそれを急ぐということで、中国側にも理解をしてもらいながら作業を進めている、こういったことであります。
(問)普天間飛行場移設協議会の出席者として、外務大臣、財務大臣、環境大臣は前回も出席なさっていたのでしょうか。
(答)事務方から回答させます。
(事務方)おっしゃるとおり、外務大臣、財務大臣、環境大臣が出席なさっています。
(問)国民生活の総点検のことなのですけれども、すべての閣僚に、岸田大臣に何らかの形で協力するようにという呼びかけはあったのでしょうか、ほかの閣僚に対して。
(答)まず閣僚懇談会において、総理から発言があって、各大臣に対して、現場感覚で具体的な政策を検討してもらいたいと、そして、岸田大臣には取りまとめをしてもらいたい、こういった指示がそれぞれありました。
(問)普天間飛行場移設協議会について、協議会では大臣からはどういった発言をなさる予定でしょうか。協議会で何の議題について、どういった発言をされるのかお聞かせください。
(答)もちろん基本的なスタンスとしては、政府として地元の意見をしっかりと聞かせていただきながら丁寧に作業を進めていく、こうした思いを伝えさせていただきたいと思いますが、具体的な発言につきましては、やはりまずは地元の皆様方の意見等もしっかり聞かせていただき、また、関係省庁の発言も聞いた上で適切に対応したいと思っております。
(問)協議会の議題として、建設計画について盛り込まれていますが、これはつまり、環境影響評価について話し合うという捉え方でいいですか。つまり、代替施設の機能とか、そういうことではなくて。
(答)それも含めて、建設計画全体が一応議論の対象になると思っています。
(問)代替施設の機能についても話し合うのでしょうか。
(答)議題としてはこういった議題を掲げているということです。当日、参加者からどのような意見が出るかについて、これは別に何か制限をしているわけではありませんので、当日になってみないとわからないのではないでしょうか。
(問)先ほどの行政のあり方の総点検に関することなのですが、そうすると、今、進めている美しい国・暮らし改善プログラムというのは、これは扱いはどうなるのでしょうか。
(答)それは安倍改造内閣で打ち出されたプログラムの話ですが、それにつきましては、基本的な考え方、その国民生活の利便性とか豊かさとか安心・安全、こういったものを大切にしていかなければいけない、そういった部分における政策を点検しまとめていく。こういった考え方は福田内閣においても共通する思いだというふうに思いますが、今回、総理から、また少し整理の仕方とか、具体的な御指示をいただきました。元々の考え方は大切にすること変わらないながらも、新たに具体的な指示が出たわけですから、それに対応した体制を組まないといけないというふうに思っています。前内閣で検討チームを作ってきましたが、この検討チームも改組するような形で、今回の福田総理の御指示に的確に対応できるような体制を作らなければいけない、そのように思っています。
(問)では、この総点検の中にプログラムを組み入れて一本化するということになるかもしれないということなのですか。
(答)実質的にどうなるかわかりませんが、プログラムの考え方は引き続き大切にしつつも、今回の福田総理の指示、新たな指示に対して的確に対応しなければいけないと思いますので、組織も議論も新たにしなければいけない、そのように思っています。
(問)春の段階での取りまとめというのは、具体的な施策をそこで打ち出すのか、それとも消費者重視の施策とはこういうものだというふうな方針みたいなものを打ち出すのか、どんなイメージでしょうか。
(答)差し当たり各省からどんなものが上がってくるのか確認した上で、それをどう総括するか、整理するのか。これは作業を進めていかなければはっきりしないと思いますが、いずれにしましても、総理の指示の基本的な考え方は生産第一の考え方から、生活者、消費者重視の視点、発想に切り替えるということですので、そうした総理の思い、これをしっかり反映できる取りまとめにしたいと思っております。
(問)普天間飛行場移設協議会なんですが、45分程度の中で進行のあり方として、地元の意見をとおっしゃっていますけれども、配分とかというのは具体的に決まっているのか、どっちがどういう流れとか。
(答)時間配分については特段決めておりません。冒頭、設置要綱の改正について説明があって、そして建設計画について、そしてその後、普天間飛行場の危険性の除去について、こうしたテーマで議論をするということで、別に細かく時間配分までは決めておりません。
(問)政府側からの説明がまずあって、それに対して地元側の意見という形で進められることは。
(答)別に説明ではなく、テーマによって想定している流れは違っておりまして、建設計画につきましては地元の意見をお伺いするところから始めるということになっております。
(問)普天間飛行場の危険性の除去というのは、具体的にどういうのを念頭に置かれているのでしょうか。
(答)仲井眞知事もこの普天間飛行場の危険性の除去を公約として打ち出されてきたと聞いております。この辺の対応につきまして意見交換が行われるものだと認識しております。
(問)米軍再編交付金について、自治体によって指定を見送られたり差がつけられたような形になっているのですが、この事態について岸田大臣はどう受け止められていますか。
(答)再編交付金自体は所管ではありませんので、私から具体的に申し上げるのは控えさせていただきますが、やはりこうした交付金をはじめ、さまざまな施策を進めるに当たっては地元の皆さん方のご理解が大切だと思っております。沖縄全体の政策を進めるに当たりましても、地元の皆様の理解は欠かせないと思っておりますので、それぞれの課題や施策の進め方につきましては丁寧にやっていかなければなりませんので、ぜひ関係省庁にも御協力いただきたいと思っております。
 すみません、先ほどご質問がありました移設協議会の議事録について事務方に確認させましたが、公開されており、ホームページからも閲覧可能になっているという報告がありましたのでお知らせします。

(以上)