渡辺内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年2月2日

(平成19年2月2日(金) 8:40~8:49  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議は、一般案件、国会提出案件、法律案等ございましたが、私の方からの発言は特にございませんでした。
 どうぞ、皆さんから。

2.質疑応答

(問)今日、補正予算の方が野党不在のまま、このままですと与党単独採決ということになりますけれども、まず現状についての受けとめを。
(答)こういう状況についてですか。やはり非常に不正常な形で残念ですね。補正予算は、いわゆる15カ月予算というわけでは全くありませんけれども、この補正予算と本予算とで、国民生活の安定を図っていこうと。なおかつ将来の財政再建につながる非常に大きな一歩を踏み出しているわけですからね、補正予算、本予算ともにですね。ですから、そういう大事な審議がボイコットされてしまっているという現状については、非常に危惧の念を覚えております。
(問)野党は、ああいった発言をした柳澤厚生労働大臣がいるうちには審議できないという理由でボイコットしておりますけれども、それについては。
(答)ええ、ですから、これは厚生労働大臣そして総理大臣までもが、大変真摯な態度で心からのおわびをしているわけですね。これはわかっていただきたいと思うんです。
 日本には、古来「言霊信仰」というのがありまして、言葉には魂が宿るということですよ。この魂の宿った言葉が、国民の心にすうっと落ち着けば「言霊の幸ふ国」になるんですね。みんな幸せになるということですよ。ですが、言葉に魂が宿らずに空中浮揚をしちゃったりすると、非常に不幸なことになるんですね。ですから、私のおやじもよく失言というのはやっていましたけれども、ああ、これはまずいなというのは、すぐおわびをしました。
 例えばレーガノミックスを解説する中で、アメリカの三つ子の赤字の問題に触れたんです。当時1980年代のアメリカで、過剰消費体質が問題になって、それが貿易赤字、財政赤字、家計の赤字までいって、たまたまNHK特集だったと思いますが、見ていたんですね。チャプター・サーティーンみたいな、個人破産の場面が出てきていたんですね。それを見て「アメリカ人はあっけらかんのカーだね」と言って、別に黒人を侮べつする意味は全然なかったんですが、「アメリカにはいろんな人がいてね、黒人とかね」と言っちゃったんですね。これが大変な問題を起こして、これは失敗したなというので、すぐ即座におわびをしました。
 それだけではなくて、これは生きている間は公表されませんでしたけれども、アメリカのナッシュビルにあるメハリーカレッジという黒人専門の大学でございますが、黒人だけの医学校ですね、メディカルスクール。ここにその後5年間にわたって、合計日本円で5,000万、毎年1,000万ずつ寄附をしました。これは生きている間だれも知らないことだったんですが、死んだ後でジム・アワーさんが、このことをどこかの随筆に書かれまして、それで世の中に出たんですけれども、やはり失言というのは、そういう言葉に魂がこもって、宿っていなくて起こっちゃったことですから、政治家の失言というのは非常に重いものがあるんですね。ですから、まさに魂を込めるのに、私の親父などは大変な苦労をしたエピソードですよ。
(問)次の日曜日に、愛知の知事選挙、北九州の市長選挙があるんですが、地方選挙ではあるんですが、今回の問題で直接選挙に影響を及ぼすということは。
(答)そうですね。現実問題としては、選挙の投票行動にある程度反映されるのかもしれませんし、反映されないのかもしれませんね。今のところよくわかりませんけれども、こういう問題で地方の選挙が左右されるというのは、余り好ましいことではないと思います。
(問)今、先ほど大臣のおっしゃった、魂がこもっていなかったということで失言は起きると。そうすると、今回の失言の、その魂を込めるためには何が必要だと。
(答)ですから、先ほど申し上げたように、魂を込めるために総理、それから厚生労働大臣が真摯に、心からのおわびをしているわけです。それも繰り返し繰り返し言っているわけでありますから、これはまさに魂のこもっていなかった言葉を魂を込めて、1回撤回をして、魂を込めて発信し直そうということだと思いますよ。
 ありがとうございました。

(以上)