菅内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年3月23日

(平成19年3月23日(金) 8:46~8:59  於:参議院議員会館)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議ですが、一般案件として、「自衛隊法第82条の2第3項に規定する弾道ミサイル等に対する破壊措置に関する緊急対処要領に係る内閣総理大臣の承認について」等2件、そのほかに、質問主意書、政令、人事、その後に、久間防衛大臣から、今申しあげました「自衛隊法第82条の2第3項に規定する弾道ミサイル等に対する破壊措置に関する緊急対処要領に係る内閣総理大臣の承認について」の報告がありました。また、伊吹文部科学大臣から文部科学白書について、松岡農林水産大臣からインドネシア訪問の結果についての発言等がありました。さらに、閣僚懇談会において、冬柴国土交通大臣より地価公示について発言をされました。
 私からでありますけれども、今国会に提出予定をいたしておりました放送法改正案の中で、NHKの受信料支払義務化の件でありますけども、昨年6月の「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」を受けて、NHKの内部改革、受信料支払義務化、受信料引下げ、こうしたものを一体として早急に検討するということでありました。私自身は、受信料支払義務化と同時に、2割前後の値下げ、そして、NHKの内部改革、子会社の統廃合、更に6,000億円の受信料を集めるのに800億円近い費用がかかるという、こうしたことに対しての改革というものも求めてまいりました。さらに、受信料引下げを「NHKの改革の思いがあるかどうかという意味の試金石だ」という話をさせていただきました。そういう中で、NHKは、受信料引下げも視野に入れた経営計画というものを、本年の9月に提出するということであります。そういう状況下においては、受信料支払義務化だけ先行するということは、到底、国民の皆さんの理解を得られない、そういう判断をいたしまして、今回の放送法改正案からは取り下げるという決定をいたしました。以上であります。

2.質疑応答

(問)受信料支払義務化を放送法改正案に盛り込まれないという話ですけれども、今後9月にNHKが出してくる計画を見て、改めてその義務化の是非について検討されるということでよろしいですか。
(答)そうですね。今申し上げましたけど、「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」というのは、NHKの経営改革、受信料支払義務化と受信料引き下げはセットでありますから、やはりここはきっちりと担保できなければ国民の理解を得られないと思いますし、今の料金体系そのものが非常に不平等、不公平な状況に放置をされております。受信料支払対象が約5,000万件、受信料を支払っていらっしゃる方が約3,300万件で、そういう中身を含めると非常に不平等でありますので、できるだけ早く是正をしなければならないという思いが非常に強かったものですから。しかし、受信料支払義務化をするには、目に見える形で受信料引下げというものを行わなければ、国民の皆さんの理解というのは簡単に得られない、そういう思いでありますし、NHKの内部改革も、当然、これも目に見える形で行わなければならない、このことはあくまでもセットであると、そういう考え方であります。
(問)ほかに焦点だった命令放送の見直しと、放送局への新しい行政処分の件なんですけれども、それについてはどういう方向で検討されるのでしょうか。
(答)命令放送は、昨年、私がNHKに対して行ったときに、「命令」という言葉に対して、非常に違和感を覚える方がおられました。そういうことも含めて、これについては、最終的に、近いうちに判断したいと思います。
 それと、再発防止策でありますけれども、ねつ造された番組があれだけ堂々と国民の前に流されたわけでありますし、そして、その翌日から、スーパーに行ったら納豆がなくなっていたというほど、やはり、放送の国民生活に対しての影響というのは、大きいと思っていますので、再発防止策というものは是非国会に提出をしたい、こう思っております。
(問)昨日、東京都知事選挙などが告示されまして、統一地方選挙がスタートしましたけれども、地方分権の重要性が叫ばれている中、今回からいわゆるローカルマニフェストが解禁になりまして、そういう新しい動きも出てきているんですが、そうした中での統一地方選挙ということに対して、大臣の御所見をお聞かせください。
(答)統一地方選挙は、ある意味で4年に1回、地域の住民の皆さんが自分達の意思表示を行うことのできる公的な機会でありますので、是非、多くの方に投票所に足を運んでいただきたいと思います。そしてまた、首長選挙につきましては、初めてマニフェストが認められた選挙でもあります。それぞれの候補者がどのような約束を地域の皆さんとされるかということをしっかりと吟味をしていただいて、また、その後もそうしたことが実行に移されるかどうかも含めて、地方行政に興味を持っていただける意味で一つの効果があるのかなということで、期待をいたしております。
(問)受信料支払義務化の件ですけれども、閣議で報告されて了承を得たという、そういうことですか。
(答)いや、閣議に報告はしていません。まだ、党内で、部会もこれからありますから。それと同時に、できるだけ早く、この放送法改正案そのものについては閣議決定をして、法案化をスムーズにいくようにしたいということであります。
(問)閣僚懇談会で話されたということでもないんですか。
(答)違います。
(問)命令放送の応諾義務のところについて、文言をまだ最終調整するというお考えなんですか。
(答)そうですね、いろんな意見がありますから。今日も自民党の会合があるというふうに聞いています。そこで方向性が出るんじゃないかなというふうに思っています。
(問)応諾義務がなくなっても構わないということなんでしょうか。
(答)やはり、国民の皆さんの大事な税金も投入をしておりますし、更には災害だとか人道的な問題というのはいつ起こるかわかりませんので、そういうものは何らかの形で必要かなというふうに思っています。
(問)すみません。再発防止策について、施行を凍結するような案が出されているのですが、そういったものは政省令の中で規定をするのでしょうか。
(答)まだ法律を出す前の段階ですし、法律を出して、いろんな議論もあるでしょうから、そういうものを見極めた上でという形になろうかと思います。
(問)テレビ朝日の君和田社長が、昨日の会見で、再発防止計画について、電波監理審議会にかけるということであれば、電波監理審議会はそういうことを判断できる体制にしなければいけないんじゃないかという問題提起をされていますが、これについて如何でしょうか。
(答)この再発防止策というのは、できるだけ国民の皆さんにオープンにしてわかりやすいもの、ガラス張りでなきゃならないと思っていますから。そういうことを十分に踏まえながら、きちんとやっていきたいと思います。
(問)今の電波監理審議会がそういう放送内容の真偽を判断する体制にないのではないかという問題提起なんですが、その点はいかがですか。
(答)どういう形で発言されたのか、私、まだ詳細に把握をしていませんので、仮定のことについてお答えすることは控えさせていただきたいというふうに思います。その発言は昨日ですか。
(問)そうです。
(答)できれば、自分達でしっかりしたものがあれば、全く問題がないわけですから。今回の経緯を見ても、あの「発掘!!あるある大事典II」のねつ造放送があって、民放連はこれについて何一つ早急に動くことができなかったわけですから。私どもがそうしたものを見た上で、非常に深刻な状況にあるという中で、私自身が再発防止策の検討をした結果、それと同じようなものが出されてきているわけです。本来であれば、こうしたことについて、民放が、自浄作用というんですかね、そういうものが働いてくれるのが一番よかったわけでありますけども、ここ何回も同じようなことの繰り返しでありますから。そういうことは是非、自分たちもしっかりと反省してほしいなと思いますし、やはり公の電波を割り当てられているという自覚と責任というものをしっかり持って、放送を行っていただきたい、こう思っております。

(以上)