菅内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年1月16日

(平成19年1月16日(火) 10:55~11:10  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今、閣議を終えてまいりました。
 閣議案件としては、一般案件で、生物の多様性に関する条約第10回締約国会議及び生物の多様性に関する条約のバイオセイフティに関するカルタヘナ議定書第5回締約国会議本邦会議について。一般案件としては、これ一件です。他は、それぞれの大臣が海外出張されて、それについての報告、たしか8人くらいいたのかと思います。以上、そんな内容でありました。
 私も1月7日から15日まで、ベトナム社会主義共和国、インドネシア共和国、インド、この3か国を訪問してまいりました。そのことについて私からも報告をさせていただいたと、そういうことであります。

2.質疑応答

(問)今お話ありましたけれども、アジア3か国を訪問されましたけれども、まず、この訪問の成果についてお聞きしたいと思います。
(答)私は、かねてからアジアの中でも特にこのベトナム、インドネシア、インドは極めて重要な国だと考えておりまして、それは人口が、まずベトナムが8,000万、インドネシアが2億、そしてインドが12億という、多大な人口を持っているということと、同時にこの地域というのは、非常に成長力の高い地域でありますので、これからの日本の将来を考えたときに、こうした国々と日本がICT(情報通信技術)分野において連携と協力していくことというのが極めて重要だという思いの中で、今回、この3か国を初めての海外出張に選んだということであります。
 そして、ベトナム、インドネシアにおいては、首相、大統領とも会いましたし、またそれぞれの担当大臣ともお会いをしました。そして、その分野において意見交換をすると同時にお互いに連携をしていこうという約束をすることができました。インドネシアにおいては、インドネシアの中で、放送と通信が一つの役所になったということもありまして、今までは別々でありましたので、放送分野について新たに協力についての共同声明に署名をしてきたと、そういうことであります。
 結果としてこの3か国を訪問して、私はこの日本の考え方、特にそれぞれの国というのは、例えば携帯電話はみんな第二世代ですから、第三世代に対しての日本の協力の在り方とか、そういうことについてのいろいろな信頼感というのができたのかなと思っております。以上です。
(問)資金管理団体の事務所費等の問題を巡って、与野党から政治資金規正法の見直しとか改正が必要だという意見が出ているのですけれども、この問題について大臣の御見解をお願いいたします。
(答)海外でも連日のように報道されていました。所管大臣としての私の立場で言うならば、国民の関心というのは、やはり「出」についても透明性を高めるべきではないかというのが国民の関心事ではないかなと思います。そういうことで、この点は私も極めて重要だというふうに思います。ただ今まで、なぜ、経常経費という形で領収書がいらなかったのかと、それは、政治団体に非常に負担がかかるということでそうなったということですから。しかし、これだけ国民の関心が高いわけでありますので、各党各会派においてこうした透明性というものを含めて十分にこれを検討していただきたいと、こう思います。
(問)閣議後に総理とお会いになったようですけれども、これはどんなお話だったのでしょうか。
(答)総理とは、この3か国訪問の中で、特にベトナムのズン首相、インドネシアのユドヨノ大統領から、総理にくれぐれもよろしくということでありましたので、そのことを伝えました。
(問)政治資金に関してなのですけれども、大臣の今のお話を踏まえて、経常経費については領収書の添付が今のところ不要ということになっているのですけれども、この領収書の添付を新たに義務付ける、こういったことも見直しの対象になるというふうに。
(答)透明性を確保するのは極めて重要だと思っていますので、その辺も含めて是非それぞれの会派でこれは検討してほしいと、そういうふうに思います。
(問)政治資金収支報告書の施行規則の中で、事務所費については一応例示があるわけですけれども、大臣御自身の政治団体とか資金管理団体の事務所費として、例示されているもの以外で、会合の飲食費とか、冠婚葬祭費、あるいは情報調査代とか、そういったものも支出として含めているケースはあるでしょうか。
(答)それは基本的には組織活動費とか、そうした形がありますよね。その大規模なものは組織活動費、小さいものは事務所費だとか、いろいろな考え方、その辺が非常に曖昧な部分だと思います。
(問)大臣御自身の団体では、そういう。
(答)私のところは、基本的には組織対策費ですか、そういう形です。私のことも議員会館に事務所を置いて云々という話がありましたけれども、議員会館に事務所を置いていいことであって、その中で電話代とか切手代もいいことになっていますから、私もそれでやっている、そういうことです。
(問)つまり、例示されているものに則って処理されているということですか。
(答)そうです。
(問)大臣、外遊のときに情報通信省ですか、といったことをおっしゃったということが流れているのですが、お考えと、どういう手順でこれを進めるのか教えていただきたいのですが。
(答)これはまず、総理が昨年9月29日、所信表明の中で、21世紀に相応しい行政組織の改革、再々編、そして、行政機構全体としてのグラウンドデザインを描くということを述べています。そういった中でこの情報通信分野というのは、日本の実質GDP変動に対する寄与率の40%を占めている部分でありますから、今のままで果たして機動的な対応ができるかどうかと、そういうことをやはりもう一度見直すべきだろうと、そういう中で私が申し上げたと、そういうことです。
(問)情報通信分野、経済産業省とか内閣府、いろいろなところにあるわけですけれども。
(答)いっぱいありますね。文部科学省も。ですから、どういう形にするのが一番いいのかということを含めて、検討をし始めるということです。
(問)検討の手順としてはどういう、経済財政諮問会議とか。
(答)経済財政諮問会議もあるし、党の行政改革推進本部等もありますし、いろいろなところで。総理もそういう形で所信表明をしていますから、その中でいろいろな議論がこれから始まるだろうと、こういうふうに思います。
(問)統合というのは総理とも問題意識を共有されているのですか。
(答)いや、総理が所信表明の中で述べているのですね、このことについて。述べていますから、その中で私は、情報通信というのは、先ほど言いましたけれども、将来的にそれぞれの省庁の枠を越えて機動的に対応する仕組みをつくった方がいいのではないかというのが、私の持論です。
(問)昔は、確かに旧郵政省と旧通商産業省、非常に醜い縄張り争いがあったかと思いますが、最近はあまり聞かなくなったのですけれども、そんなにも弊害があるのでしょうか。
(答)特にここに来てコンテンツのことというのは物凄く大事になってきていますよね。ですから、もう一度それぞれ見直しをして然るべきだと思うのです。
(問)今現在、何か弊害がこういうのがあるというのは、大臣の御実感としてありますか。
(答)やはり私は、国全体として、こうした仕組みをつくった方がいいという、これは私の持論でしたから。
(問)ただいまの質問に関連して、昨日、北畑経済産業事務次官が、予想されたことだと思うのですけれども、昔から、かなり反発というか、言葉はどう表現したらいいか分かりませんけれども、これはやるとなると、組織の問題だから、抵抗もこれから出てくると思うのですけれども、例えば甘利経済産業大臣とこの件についてお話になるような御予定があるのかどうか。
(答)これはやはり役所の人は難しいと思います。これは政治主導でやっていかなければ駄目な問題だというふうに私も思っています。
(問)甘利大臣と、この辺、所管大臣同士でのお話というのは。
(答)もちろんそれは、私は甘利経済産業大臣と極めて懇意ですから、当然そういういろいろな人と相談していくということですね。甘利経済産業大臣だけでなくて、そういう形になると思います。
(問)NHKの受信料の問題で伺います。NHKも経営があるので、なかなか難色というか、うまくいくことは難しいというような会見をされていたようですけれども、この件について大臣はどのようにお考えですか。
(答)NHKは、政府与党合意の中にNHKの改革、それと料金の値下げ、そして義務化、こういうことが合意をされているわけでありまして、私はNHKが当然内部の改革等をまずきちっとやってもらいたい。それと同時に、今、受信料を納めていただいている方が、たしか3,200万人くらいです。全体は5,000万人の方を対象にするということになっておりますけれども、その減免を受けている人を差し引くと4,600万人ですか。この少なくとも1,000万人を超える人が受信料を現在お支払いいただいていないわけですから、受信料を払っていただいている方に対して非常にやはり不公平感が出てきているだろうと。これは私の地元でよく言われました。それと、例えばホテル等に対しての受信料の問題ですけれども、会計検査院の指摘ということで、東横インが部屋数の5%分しか支払っていないということがあったと思います。私が聞くところによれば、それよりもひどい全国的なホテルもあると。そういうことがいろいろ言われていますから、私どもはNHKに対して、公平・平等にしなければまずいという話をしてきたのですが、なかなかそれもできていない。ですから、そういうことを含めて義務化によって、例えば稼働率に合わせるのだとか、そういう形の中でやっていく必要があるのではないかと私は思っていまして、NHKの改革と、その義務化によって生じたものについてやはり国民の皆さんに還元していく、やはり私はこれが基本だというふうに思います。NHKは義務化を求めていますけれども、義務化をして今のままでということは、私は国民が許さないと、こう思っていますので。ただ、これは私どもが決定する立場ではございませんので、それはそういう形で要請をしていくということであります。
(問)今のお話で、2割を削減する、その2割というのは、どういう根拠というか、イメージなのでしょうか。
(答)受信料支払率が、今70%ですよね。義務化することによって、80%から85%くらいまで上がるだろうと、すると1,000億円前後の増収がありますよね。それと、NHKの改革によっても、私は200億円前後というのが当然出てくると思います。そういうものを計算すれば、それくらいに当たるのかなということでございます。特に私自身が思っていますのは、6,000億円の受信料を徴収するのにコストが800億円くらいいつもかかっていますけれども、これはいくら何でも、皆さんから考えても、余りにもひど過ぎるのではないか。例えばこういう改革というのは当然やらなければまずいと思いますし、NHKの経営の改革ですね、これは音楽だとか放送だとかスポーツ、こういうものについて一部、子会社化、今の子会社の統合とか、これも政府与党で合意されていますから、そうしたことをやはりきちんとやってほしいというふうに思っていまして、そういうことをやればその数字というのは全くおかしくない数字だろうと私は思います。
(問)すみません、今、NHKの改革努力によって、200億円くらいと。
(答)はい。200億円前後です。それは私どもがいろいろな計算の中で、それくらいあるだろうと思っています。
(問)増えた部分は、ほとんどやはり還元すべきだと。
(答)私は基本的には還元すべきだと思います。それと今のNHKを支えていただいている皆さんに対してやはりきちっと対応すべきだと、そういうふうに私は思っています。

(以上)