大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年7月15日

(平成20年7月15日(火) 10:32~10:42  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今朝の閣議ですが、通商白書についての御発言があっただけでした。
 諮問会議は、22日火曜日を予定しています。議題として、これからシーリングに向けての議論が始まります。来年度予算の具体的な議論に入りますので、通常予算編成の具体的な議論に入る前に、まずマクロ経済の動向を押さえると。これまでのマクロ経済の分析として、経済財政白書を紹介いたしますし、それから日銀からもマクロ経済、これは日銀展望リポートの中間見直しも含めてお話があると思います。
 それから、そのマクロ経済を押さえた上で予算の全体像について、民間議員から提案がなされます。この予算の全体像を作成するに当たっての民間議員の資料として、来年度の経済の想定、これはまだ余りにデータが不足しておりますので、想定という形で出されます。これは民間議員の意向を踏まえて内閣府で作成したものが出されます。
 それから、予算の全体像を民間議員が提案するに当たってもう一度参考試算を見直すということで、「進路と戦略」の改定が出されます。したがって、大きい議題としては、今後のマクロ経済運営ということが1つ、それから予算の全体像ということについて議論がなされます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、英国の投資ファンドのTCIがJ-POWER株の買い増し中止命令に従うということを発表しました。しかし、TCIのアジアの代表は声明の中で、コーポレートガバナンスの向上という目的を持った投資家を安易に公の秩序に対する脅威と認定する日本政府の姿勢には戸惑いを覚えるというふうに発表しておりまして、まだやはり不服の思いを抱いているという印象が強いというふうに思います。この一件は、一義的にはJ-POWERを所管する経産省、それから外為法を所管する財務省のマターではあるんですけれども、「骨太」にも盛り込まれましたグローバル戦略の中で、外資規制のあり方というものを考えていく上で、政府全体に投げかけた波紋というのは小さくないというふうに考えます。改めまして、この一件が残したものについて振り返っていただきたいと思います。
(答)J-POWERとTCIの話というのは現在の外為法の中で判断がなされております。これについての、これは判断がなされておりますので、コメントは避けますけれども、基本的には内外無差別で投資を扱わなくてはいけないと。ただ、内外無差別の原則を適用しない例はどういう例なのか。それは安全保障であったり、それはどういうケースが内外無差別の原則の外にあるのかというのを考える1つの重要なきっかけになったと思います。こういったことも受けて、これから年度内に外資規制のあり方について政府全体で検討を進めます。これは当面、私のところで政府全体の意見を整理していきたいと思っています。
(問)今仰った政府全体の検討ですけれども、これはいつ頃スタートして、各省のどういったレベルの人たちで検討するのか、そういった具体的なイメージがもう少しございましたらお願いします。
(答)具体的なイメージを今固めているところです。決まり次第、御報告いたします。年度内が〆切ですので、そう悠長にはしてられませんから、なるべく早くプロセスを決めて取りかかりたいと思っています。
(問)次回、諮問会議で予算の全体像についての議論が始まるとのことですが、「骨太」では「骨太06」「07」にのっとり最大限の削減を行うという昨年と同じ表現でまとまったわけですが、予算の全体像についても、大臣のお考えとしては去年同様、社会保障費については2,200億円削減、公共事業費については3%削減、こういう数値目標を盛り込むというお考えなんでしょうか。
(答)具体的中身は、これは民間議員の提案ですので、昨日も4人会が開かれて、今民間議員の中で詰めていただいていますけれども、今度は具体的な来年度予算の議論ですので、数字は入ってくると見ています。
(問)要するに、去年と同じ数字は当然入れるというお考えでしょうか。
(答)数字が同じになるかどうかは民間議員の提案ですけれども、当然数値は入ってくるということです。
(問)私がお伺いしているのは、最終的に諮問会議として取りまとめる予算の全体像のところでそういう去年と同じ数字は入れたいというように思っていらっしゃるのかどうかと。
(答)最大限の削減というのを数字にしていくということですね。
(問)先ほどの外資規制のあり方についての検討に関することなんですが、検討のポイントというのは内外無差別の外にあるものはどういうものがあるのかというところがポイントになってくるということでしょうか。
(答)そうです。
(問)それから、検討の場というのは、諮問会議とはまた別にということになるんですか。
(答)諮問会議と、当然それは成長戦略の1つでもありますので連携はとりますけれども、具体的な検討は政府全体で検討するということになっておりますので、私のところで検討を進めて、随時諮問会議の場で議論をしていくということになります。つまり、1から10まで諮問会議で議論するということではありません。
(問)昨日、大臣の島根県への御出張が発表されましたけれども、この目的とどういった点に関心をお持ちか、そういったことをお聞かせ願えますか。
(答)成長戦略を取りまとめるときに、何人もの方にヒアリングをいたしました。その中に、一橋大学の関満博さんという中小企業を本当によく歩いておられる方がいらっしゃいます。日本だけじゃなくて、中国、アジアの中小企業をずっと見てこられて、最近は中山間地域にも関心を持っておられます。そのときに、やっぱり今島根が、新産業創造プロジェクトというのをここ数年やっていて、かなり企業誘致を何百件かやって成功事例を作り出しているのですね。関先生も本もまとめておられるんですけれども、常に産業を見るときに、最先端と最後尾を重視すると。先端で何が起こっているか、最後尾で何が起こっているかを重視していると。
 島根というのは、一般的には公共事業への依存度が非常に高いところですけれども、ここで実は新しい新産業を作る動きが起こっていると。もともとあそこはタタラ、製鉄ですね、タタラの伝統があったり、日立の特殊鋼の企業があったり、そういう基盤があるんですね。そこに、県外から企業誘致することで、産業集積を新しく作っていると。しかも、そのときに松江高専を中核に入れて、産官学の連携をとっているという幾つか面白い試みを、伺っており、ぜひ時間ができたら見たいなと思っておりました。
 したがって、幾つか製造業で新しく起こっている動きですとか、群言堂って御存じですか。群れるという字に「言う」、「言」ですね。今、東京でも京都でも結構話題になっているファッションなんですけれども、和風のテイストというか、作務衣みたいな非常に着やすい素材で、ごく自然の素材で、ロハスってはやっていますけれども、ヘルシーなライフスタイルを表したようなファッションで、それも島根の本当に小さい、石見銀山の近くから生まれているんですね。
 最初、奥さんのパッチワークから生まれた群言堂という、これはかなり今成長しています。そういうものがありますし、「おたまはん」という玉子かけ御飯の醤油、これは最初関西風おたまはんで、売れて次に関東風おたまはんを出したというような、幾つか面白い事例が島根にあるんですね。ちょうど時間もできましたので、水、木で見学していきたいと思っています。

(以上)