大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年6月3日

(平成20年6月3日(火) 9:29~9:38  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議は、地方分権改革推進委員会第一次勧告について、環境循環型社会白書について、30日に発表された労働力調査、消費者物価指数、家計調査、有効求人倍率について、スペースシャトル「ディスカバリー号」の打上げについて、四川大地震に対する追加的支援について、TICADⅣについて、石破大臣のアジア安全保障会議への参加について、閣僚懇談会で国民保護に関わる国と地方公共団体の共同訓練の実施について、以上御発言がありました。
 それから、私の方から2点。
 1つは諮問会議です。来週火曜日10日に開催いたします。議題は4つあります。1つは「骨太方針2008」についてで、私から骨子案-これは目次ですね-をお示しいたします。それで議論を行います。第2に、経済成長戦略について取りまとめを行う予定です。3番目に、規制改革について岸田大臣と草刈議長をお招きいたします。4番目に歳出・歳入一体改革で、社会保障について舛添大臣をお招きして議論を行います。
 それからもう1点、明日と明後日に、OECD閣僚理事会が開かれます。これは日本のマクロ経済政策ですとか構造改革について、OECD諸国の閣僚の皆様に直接ご説明する機会ですから、本来私が行くべきですし、最後までその調整を行いましたけれども、国会審議の関係もありまして、木村副大臣にご出席いただくことにいたしました。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)ガソリンのレギュラー価格なのですけれども、卸値の状況で170円台で定着しそうな感じですけれども、この国民生活への影響について、何かお考えをお願いします。
(答)非常に高くなってきました。このガソリンに加えて食料品の値上がり、併せて賃金がなかなか伸びない中で、家計への影響は決して小さくないと思っております。消費者マインドも低下している様子が既に景気ウォッチャーでも現れております。これからの消費への影響は注意深く見ていきたいと思っております。
 それから、やはり企業への影響です。企業収益への影響が顕著になってきておりますので、企業、家計ともに懸念される状態だと思っています。
(問)10日の諮問会議で、歳出・歳入一体改革の個別の論点として社会保障が取り上げられるということなのですが、今与党の方でも例の高齢者医療問題の対策などもほぼ決まりつつありまして、やはり追加的な歳出が必要な内容なども含まれるようなのですが、それに限らず例の2,200億円削減については与党内からもかなり反対の声も上がり始めています。これについて維持すべきかどうかというのを、改めてもう一度具体的にお聞きしたいんですが。
(答)全体として基本方針2006の枠組みというのは守っていくと、最大限削減努力していくというのは既に総論で述べられておりますし、総理からもそういう方向での御発言がありました。それを受けて社会保障をどう考えていくのかを今回議論することになります。やはり諮問会議でもこれまでずっとコスト構造の是正を言ってきており、負担の増加とか給付削減の前に、まずは供給コストを削減すべきだということでプログラムを作っております。ですから、それでどれぐらいのコスト構造の是正ができるのか、今そういう試算を民間議員にはお願いしてありますので、そういうものを見ながら今後2011年に向けての道行きを議論していきたいと考えています。
(問)確認なのですけれども、基本方針2006では2011年度にプライマリーバランスを黒字化しましょうという点は決まっていて、個別の社会保障なり公共事業なりで幾ら減らしましょうということも別表にあって、経済情勢などが急変した場合には考え直しましょうということだったと思うのですが、個別の項目として要するに社会保障の2,200億円減というのは必ずしも維持しなくてもいいということなのですか。今のお話はそういうのを見て考え直そうということなのですか。
(答)2,200億円というのはどこに書いてありません。5年間で1.1兆です。それに向けて削減努力をしていくということです。来年度具体的に金額として幾らになるのか、それが2,000億円なのか2,200億円なのか、2,400億円なのかというのは、シーリングと年末の予算編成に向けて具体的な予算の数字として決まってまいります。「骨太方針」はそれに向けてどういう方向でどういう方針でやっていくかを考えていくということになると思います。やはりこれは最大限の削減を目指して努力していくということです。その姿勢に何ら変わりはありません。
(問)ローマで今日から食料サミットが開かれますが、これについてマクロ経済の観点から、感想ですとか期待感というのをおっしゃっていただきたいのと、それから国内で米の生産調整を止めるべきではないかという議論がありますけれども、これにつきまして経済政策の観点から御検討をお伺いしたいと思います。
(答)食料危機がマクロ経済に対しては、少し長いレンジでは影響を与えますし、既に足元でも食料品価格という形で個人消費などへの影響が当然懸念されている訳ですけれども、この食料サミットの議論そのものが直接的に足元のマクロ経済に影響を与えるということでは多分ないだろうと思います。これは今後のあり方という本当に大きい問題ですから、世界全体の大きい問題ですので、何とか知恵を絞っていく努力は必要であると思っています。
 国内農業に関しましても、前の諮問会議でも議論しましたように、明らかに潮目が変わってきておりまして、食料危機ということを念頭に置いた国内農業のあり方でなくてはいけないと。今までは同じ強い農業であっても、国が開かれていく中で、農業も国際競争力を持っていくことが必要であるという観点でした。ですが、それも当然ありますけれども、さらに食料危機ということを念頭に置いても、国内のためにも強い農業でなければいけない。明らかに潮目が変わってきていると思いますので、この間諮問会議でも議論された平成の農地改革、それから企業型農業経営に向けて、諮問会議でも議論していきたいと考えています。
 まず、米の減反をどうこうするという場合も、コストが下がっていきませんと、農家にとっては大変ダメージが大きくなりますので、やはり生産コストを下げていく、そして大規模化をしていくという道筋なのだろうと思っております。

(以上)