大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年3月28日

(平成20年3月28日(金) 9:10~9:20  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日はたくさんありますので、簡単に申し上げます。
 閣議では、官邸における情報機能の強化について。日ASEANのAJCEP、経済連携協定ですね、この署名が行われたということ。資源確保指針、労働力調査結果、消費者物価指数、家計調査結果について、有効求人倍率について御報告がありました。また、バリアフリーに関する関係閣僚会議の開催。エンデバーの帰還についての御報告もありました。
 閣僚懇談会では、公共工事の品質確保に関する当面の対策について、官房長官、国交大臣、総務大臣から御発言がありました。
 次の諮問会議は、1日を予定しております。国会情勢等で不確定な要素がありますが、1日を予定しています。議題は2つ。1つは電子政府についてで、成長戦略の中の1つです。電子政府についてなので、岸田大臣をお招きいたします。もう1つは、金融資本市場の競争力強化についてで、渡辺大臣をお招きする予定です。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)消費者物価指数は総合で1.0%と最近にない上昇率のようです。それと、食品とエネルギーの続下落についてですが、どのように分析していますか。また景気判断はどう見てますでしょうか。
(答)コアで1.0%、それからエネルギーや制度的要因を除いた「コアコア」と私どもが呼んでいるものは0.3%の上昇です。消費者物価は、わずかながら上昇しているという月例の判断に沿った動きと見ています。
 ただ、景気が足踏み感の中で踊り場に差しかかっており、なおかつ賃金は上がっていない中で、ガソリンや食料品の価格が上がっての物価上昇ですので、決していい物価上昇ではありません。今消費者マインドが悪化しておりますが、これに与える影響を懸念しています。ただ、全体的な景気判断としては、足踏み状態にあるという判断は変わりません。
(問)昨日首相が道路特定財源の一般財源化を提言しましたが、どのような御意見をお持ちですか。
(答)よい新提案をされたと思います。この財政の状況や環境問題を考えると、暫定税率は維持するという大変適切な提案を総理のリーダーシップでされたと思います。何より4月から暫定税率が一時的に下がることになりますと、国民生活への影響は大変大きいものがあります。既にいろいろな動きが報告されています。例えば消費税率が変わる時に買い控え、その反動減となったのと同様の混乱が起こり得る訳ですから、何とか避けなくてはいけないと。総理の提案を受けて、与野党で国民に分かるように協議をしていただきたいと。国民生活影響が大きいことですから、野党も国民に分かる形で協議をして、ぎりぎりまで打開策を探してほしいと思っています。
(問)首相から指示があった成長力強化への早期実施策は、いつぐらいの発表になりますか。進捗状況はどうなっていますか。
(答)今、案を作りまして、今日政調全体会議で与党でご議論いただくことになっています。今のスケジュールでいきますと、4月4日に経済対策閣僚会議を開催して発表する予定にしております。
(問)どのようなところが柱になるのでしょうか。
(答)これまで成長戦略で諮問会議で議論してきたことが、なるべく早く実行するということで取りまとめられますが、大きく5つの柱です。1つは中小企業向けの対策で、IT化の支援あるいはサービス産業の生産性向上プログラムといったものを柱に致します。
 2つ目が産業別の対策とで、この間議論致しました「スーパー特区」を始めとした対策になります。
 3つ目が雇用の改善で、今、新雇用戦略を取りまとめております。新待機児童ゼロ作戦を含む若者、女性、高齢者を念頭に置いた新雇用戦略、これを早期に取りまとめること。また、ジョブ・カードが本格的にスタートします。これらが柱になります。
 4つ目が地域活性化の支援で、地方再生のプログラムを増田大臣中心に作っておりますが、これを早期に実施していくと。
 5番目が安全・安心で、学校の耐震化を早期に実施するとか、それから低炭素社会に向けての取組、これはもうサミットに向けて早急に取り組んでいくということ。
 今申し上げたこの5つの柱で今最終の調整中です。
(問)今日発表されました労働力調査と家計調査についてのそれぞれ評価と認識をお願いします。
(答)まず労働力調査ですが、失業率が3.9%で、0.1%ポイント上がっております。有効求人倍率が0.98から0.97で、若干下がりました。内訳も余り良くありません。雇用者が13万人減少して失業者は6万人増えており、有効求人倍率の中身を見ましても、有効求人数が0.7%ポイント下がり、新規求人数も4.5%下がっており、中身は決して良くありません。それほど非常に大きく下がった訳ではありませんが、雇用の改善に足踏み感があるという判断がそのまま続いており、余りいい数字ではないと見ています。
 家計調査、消費に関しては季節調整済みで前月比2.9%のマイナス、小売業販売額が1.0%のマイナスで、どちらもマイナスになりましたが、これについては1月に大きく上がった反動だと見ています。
 実質消費支出は1月が前月比2.5%増でした。特にモデルチェンジの影響で自動車が伸びた反動で、今回自動車が反動減で落ちております。小売業販売額も1月は0.8%増でしたので、その反動で、消費は、おおむね横ばいだと判断しています。
(問)暫定税率が廃止になってガソリン税が25円下がった場合、それがCPIに与える影響はどのように見ていますか。
(答)蔵出し税ですので、直ちに下がるわけではありませんので、どういう形で影響が及ぼされるのか、これはまだ何とも申し上げられません。ガソリンはもう広範に及びますので、今は何とも申し上げられません。
 しかし、いずれにしましても、蔵出し税の下での最終販売価格をめぐって混乱は避けられないと思いますので、繰り返しになりますけれども、本当に回避してほしいと願っています。
(問)労働力調査について、雇用者数は36カ月ぶりの減少で、中身は臨時と日雇いが減っているということですが、景気の減速感等々は雇用情勢に影響を与えるのかという意味で、大臣はどのようにご覧になるでしょうか。
(答)この1カ月の動きでは、まだそこまで申し上げられません。失業率も、10月は3.9%で、それが3.8%になり、今度また3.9%になったということですので、足元のこの足踏み感が、景気に既に数字となって現れているかは、2月の単月の数字では読み取ることは出来ません。今後の動きは十分注意が必要ですが、雇用は基本的には遅行指標ですので、まだこの踊り場に差しかかったことがダイレクトに現れているとは見ていません。

(以上)