大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年3月14日

(平成20年3月14日(金) 8:45~8:51  於:参議院議員食堂内)

1.発言要旨

 おはようございます。
 閣議、閣僚懇談会では私に関連するものはございませんでしたので、時間がありませんから省略いたします。御質問をどうぞ。

2.質疑応答

(問)日銀の総裁人事ですが、空席になる可能性をどのように認識していますか。その打開策として、差換えや再提示などが模索されているようですが、どのような打開策が必要だと思われますか。
(答)打開策については、まさに今協議がなされているところだと思いますが、私はコメントする立場にはありません。何よりも空席を作らないようにしていただきたいと思っています。
 中央銀行の総裁というのは、日本だけではなく世界にとっても重要なインフラであり、世界の金融資本市場にとっても大事なことです。特に今、中央銀行が連携を取り協調しながら、この金融資本市場の混乱を乗り切ろうと努めているところですので、日本も少なくとも空席ということだけはないようにお願いしたいと思います。
(問)円高についてですが、100円を割りました。日本経済への影響はどのようなことが考えられますか。
(答)水準についてのコメントは控えたいと思います。このところの急激な円高は、急激なドル安によるものです。その背景には、アメリカでの信用不安が続いていること、それから景気の減速感が強まっているというところにあります。
 既に金融政策、財政政策などいろいろな政策を動員してアメリカでも対応が図られているところでありますが、これからアメリカ経済にどのような影響がどの程度のインパクトで起こるのか。それが日本経済にどういうインパクトで反映されてくるのか、十分に注意しながら見ていきたいと思っています。
(問)株価の方も最安値を記録したのですが、これについてはどう見ておられますか。
(答)政府として、マーケットについてはコメントしないことにしておりますので、マーケットの数字についてのコメントは控えます。
(問)景気の先行きについて不安を持っている人も多いと思うのですが。
(答)実体経済ということで申し上げますと、アメリカ経済の減速、原油高の影響が企業収益にじわじわと押し寄せている段階ですので、十分に警戒感を持って見ています。
 今、足元では1月の貿易統計でアメリカ向けの輸出が14.4%減少したことから生産の伸びが鈍化しているといった影響が出てきています。それから、特に中小企業は原材料高を受けて収益が圧迫されてきています。景気の下振れリスクが高まっていると見ていますので、今後十分に警戒していきたいと思います。
 この輸出全体を見ますと、アメリカ向けは減少し、それ以外の地域は増えていまして、輸出全体としては伸びが続いていますが、アメリカ経済減速の影響がタイムラグを伴ってその他の国に波及してくることは十分に考えられますので、その点も今後注意して見ていきます。
(問)円高の日本経済に与える影響ですが、プラス面、マイナス面を両方トータルで考えて、短期的にはどちらが大きいとお考えでしょうか。
(答)それは何とも申し上げられません。もちろん理論的には円高によって輸入価格が円建てでは下がっていくことになりますが、今スピードが非常に早いということもありますので、やや一般論としての円高が及ぼす影響ということと少し様相が違うと思います。
(問)様相が違うとは、どういうことですか。
(答)輸入価格に反映されるまでには、少し時間がかかる訳ですね。つまり、水準の議論と変化の議論です。水準についてのコメントは控えたいと思います。
(問)円高は確かに輸入にとってはプラスですが、同時に資源価格が上がっているので、その円高分のメリットが相殺されるという意見もあるのですが。
(答)つまり、今起こっていることはドル安で起こっている訳ですね。ドル安によって円高が起こり、ドル安によって資金が原油に向かうという形で原油高が起こっていると。ドル安に端を発して円高と原油高という状況が起こっているということです。これは基本的に金融・資本市場の変動がいまだに底打ち感がないまま続いているということに端を発しています。
(問)水準ではなくスピードについて、経済に与えるインパクトをもう少し詳しくお願いします。
(答)やはり急激な変動は望ましくないと見ています。
(問)原油価格についてですか、それとも円の変動についてでしょうか。
(答)何にしても急激な変動は、どういう場合でも望ましくはありません。
(問)なかなか予断を持っておっしゃれないかも知れませんが、今後についてはどのように見ておられますか。
(答)今後については誰も判断できませんし、予測できませんし、私もこれに対して申し上げられません。
(問)一部で106円が分水嶺だと言われている中で99円まで進んでしまったと。これは難しい局面になるかと思いますが。
(答)分水嶺といいますか、アンケート結果では、そういう結果が出ているということですね。業種によっても異なりますし、業種の中の企業によっても異なることです。

(以上)