大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年1月18日

(平成20年1月18日(金) 9:38~9:45  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今朝の閣議で、まず私の方から、「平成20年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」、それから「日本経済の進路と戦略」についてご報告し、閣議決定をしていただきました。
 「進路と戦略」については、総理から次のような御発言がありました。
 人口減少やグローバル化等の大きな変化に対応し、新しい成長の姿を確立することは、我が国にとって重要な課題である。直面する課題を乗り越え、希望と安心の国をつくっていくためには、副題にあるように「開かれた国、全員参加の成長、環境との共生」という考え方を重視しつつ、将来を見据えた改革を進めていく必要がある。その際、国民一人一人の目線に立って取り組んでいくことが重要である。閣僚各位におかれては、自らのイニシアティブの下で、この日本経済の「進路と戦略」で示された経済財政政策の中期方針を具体的な政策に結実させ、それを着実に実施していただきたいと。
 財務大臣からは、平成19年度補正予算及び平成20年度予算について、国会提出の報告がありました。
 官房長官からは、今国会提出の法律案の数の御報告がありました。
 閣僚懇談会では、泉大臣から、国民との政策対話の御報告がありました。
 来週は、諮問会議の予定はありません。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)通常国会が始まりますが、国会における経財相としての課題を一度整理してお話ししていただき、どういう審議を望まれるかを一言お願いいたします。
(答)今、日本経済は極めて重要な時期にありますので、「進路と戦略」に沿って経済政策、成長戦略を実行していくことが必要です。より良い改革ができるように、経済政策について審議が深まることを期待しています。
(問)地域力再生機構の法案は、どのぐらいのタイミングで出したいというのはございますでしょうか。
(答)まだ具体的な時期ははっきりしませんが、予算関連法案としてしかるべき時期に提出いたします。
 それともう一つ、私の担当では市場化テストの基本方針の改定案を提出いたします。これは予算関連法案でありませんので、その後の審議になります。
(問)あともう1点、先日大臣は米国経済の減速に関連して、アメリカでこれから出てくる経済指標に注目したいと仰いましたが、住宅着工など余り良い数字ではありませんでした。このことを踏まえまして、内外の経済環境や景気認識についてお話しいただけますでしょうか。
(答)昨年の暮れから今年にかけて出されたアメリカの実体経済に関する指標が、いずれも芳しくありません。CPIは比較的落ち着いていましたけれども、耐久財受注、製造業の景況感、雇用、小売売上高、住宅着工は、いずれも芳しくありませんので、減速懸念が強まっていると見ています。これが今後どうなるか。特に28日の大統領の一般教書演説、29日から30日にあるFOMC、それから31日の10-12月期の米国のGDPですね。この辺りに注目しながら動向を見たいと思います。
 日本経済に関しては、輸出減として波及してくるのかどうか。アジア新興国にどう影響を与えて、日本から中国を始めとした新興国への輸出に何らかの影響が出てくるのかという辺りを見ていきたいと思っています。
 もう一つは、日本の金融資本市場も動揺しておりますので、円高原油高が企業収益にどういう影響を与えるのか。それが物価上昇を通じて、消費者マインドにどういう影響を与えるかという点を見ていきたいと思っています。
(問)アメリカの景気減速懸念に伴って、株価がまた激しく下がっています。今日も400円以上一時下げていますが、この企業行動や消費者心理、消費者の実際の支出に与える影響というのはどう見ていらっしゃいますか。
(答)消費者マインドへの影響は考えられますが、消費者マインドは少しラグをもってデータが出てまいりますので、今の時点で何とも申し上げられません。それから消費者以上に企業に影響を与える可能性もありますので、特に円高の影響がどういう状態かをよく見ていきたいと思っております。
 私どものアンケート調査では、為替の損益分岐レートは106円となっております。今その水準に来ておりますので、これによる企業のマインド、企業収益への影響を注意深く見ながら、いろいろな分析もしていきたいと思っています。
(問)プライマリーバランスの黒字化について、増税か歳出減を更に進めるかは今後の議論というお話でしたが、現実的には増税なしでの黒字化というのは難しいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
(答)昨日お出ししたのは、2011年度のプライマリーバランスがこのままいくとどれぐらいの赤字減になるかということであって、対応策そのものはまだこれからの検討課題なのですね。マイナス7,000億という数字は、また変わり得ます。そして、それは2011年度の時点で対応されていなくてはならない額ということですので、足元ですぐに例えば増税しなければならないとか、14.3兆円の歳出削減計画を更に上乗せしなくてはいけないということではありません。だからこそ、年に2回その経路は確認している訳ですね。ただ、その11年度まで何もしないで、最後に帳尻合わせるという訳にはいきませんので、昨日の諮問会議でも出ていたように、税制の抜本改革の議論もしっかりと進めながら今後の経路を見て、まずは「基本方針2006」の歳出削減をしっかりと守っていくような議論をしていきたいと考えています。

(以上)