大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年9月25日

(平成19年9月25日(火) 9:23~9:35  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今朝の閣議での御発言は、町村大臣から出張の御報告があったこと1件だけです。
 今日の閣議で、安倍内閣は総辞職いたしました。前回のさよなら会見から、まだ1カ月ですけれども、1年にわたりまして皆さん方には大変お世話になりました。ありがとうございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)確認ですが、今日は総理の御出席は。
(答)はい、今日出席されました。
(問)まず総理から何らか御発言があったかどうか、閣議でのやり取りについてお聞かせ願えますか。
(答)与謝野官房長官から詳しいお話があると思いますが、総理からも、これまで幾つかの大きな政策として、教育基本法、防衛庁から防衛省への再編あるいは地方分権、それから財政改革など、いろいろな大事な政策をやれたことへの感謝と、途中で健康問題で辞めざるを得なくなったことについて、申し訳なかったという趣旨のお話がありました。
(問)もう一点、安倍政権で経済財政担当大臣をされて、成果として上がった部分はどういったところがあるかということと、今後の課題として残っている部分はどういうことがあるか、それぞれお聞かせ願えますか。
(答)安倍内閣は、政治とカネの問題などいろいろありましたが、政策については着々と、将来への道筋を付けることができた内閣であったと思っています。
 経済財政政策につきましては、大きく成長力を付けるということと財政再建を進めるという車の両輪でやってきました。成長力につきましては、本当の意味で足腰を強くしていかなくてはならない部分に、具体的な政策を実行することができたと。もちろんこれから実行していかなければならないわけですが、まず人材については、就職氷河期の時のフリーターや子育て中の女性を対象にしたジョブカード制度をスタートさせました。地域についても本格的に再生させるための地域力再生機構を準備しています。中小企業については、IT化を中心に生産性向上プロジェクトを実施するということで、これまで比較的取り残されてきた部分について、本格的な政策を入れる道筋を付けられたと思います。財政再建については、歳出・歳入一体改革をしっかり守ってきたということと、それを5年間にわたってチェックする仕組みを入れたことは、私は、この中期の予算管理という意味では、評価出来ることであったと思っています。
 行政改革についても、公務員制度改革、独立行政法人改革、それから道路特定財源の改革、いずれも諮問会議で最初のスタートを切れました。社会保障制度改革については、まず高コスト構造是正ということで、プログラムを策定中です。
 ということで、必要だと考えてきたことの道筋は付けられたと思っています。ただ、今の2つ目の御質問になりますが、あくまで道筋であって、今取りかかったところです。ですから、道半ばと言うよりも、実行という意味では半ばにも行っていない、ようやくスタートをしたところです。そういう意味で、ここで終わってしまうのは本当に残念な思いです。これからの課題としては、これをしっかりと花開く制度にしていってほしいというのが、私の願いです。
 一年を振り返りまして、安倍内閣の一員であったことは、誇りに思っています。
(問)今後の課題の件ですが、高齢者の医療費負担増を凍結しようというお話が与党の間でされているのですが、これをどう思われるかという点と、今後こういった財政支出が増えるような案件がいろいろ出てくるのではないかと。特に選挙を意識した中で、そういう発言、考え方がいろいろ出てくるのではないかと思いますが、そのことに関しましてどのようにお考えか、この2点についてお願いいたします。
(答)その2つの御質問に共通する答えになりますが、「骨太2006」、「2007」を通して私たちがやってきたこととは、歳出増は負担とセットで議論するということなのですね。何か歳出増を行う時は負担を併せて議論するということが、この2年間努力してきたことですし、その習慣を身に着けなければならないと思っています。
 したがいまして、高齢者医療制度においても、やるはずだった改革をやらないというのは新たな歳出増に等しいわけですから、その負担をどうするのかということを併せてこれから検討していかなくてはいけないと。それ以外の歳出増の話が出てきても、全て負担とセットで議論することが必要です。それは高齢者医療にしても、誰か別の人が負担を負うわけですから、その方々の納得が得られるのかどうか、そういう議論をしていかなければならないと。そして、その時にどのような負担が発生し、その負担はどこに帰着するのかということを、国民の皆さんに見せながら議論する場が諮問会議だと思っております。そういう意味で、諮問会議は常に受益と負担をセットで議論していくという、大きな役割を担うと考えています。
(問)今のお話に関連するのですが、同じように道路特定財源の一般財源化についても、新しい総裁からは、やはり慎重な意見、考え方が既に出始めています。これについてコメントを頂ければと思います。
(答)これについては、安倍内閣の下で大きな方針は出されておりますので、それに則って具体的に議論していく段階だと思っています。これもいろいろな選択肢はあるわけで、その選択肢を示しながら議論するということだと思います。道路を必要とする意見あるいは負担を重視する意見、あるいはその財源をどこに求めることがいいのかといったことも、選択肢を示しながら議論することだと思います。
(問)これについても、当然既に示されているように、2008年の通常国会において法案提出を検討しながら考えておられるのでしょうか。
(答)一応それで取りまとめはなされているわけですから、そこを目指して、例えば諮問会議でもそういうことを目指して議論するのだと思いますが、その後どうなるかは、これは立法府の議論になってまいります。あるいは政府・与党の議論になってまいります。
 つまり、道路特定財源にしても、受益者は誰なのか、負担者は誰なのかということを明確にしながら議論することが必要だと考えています。
(問)自民党の新しい四役が出揃いましたが、その顔ぶれに対する率直な御感想と、今まさにようやくスタートしたばかりとおっしゃった改革が、その改革路線が今後も維持されると思われるかどうかという2点をお聞きしたいのですが。
(答)まず前者については、経験豊富な方が四役に就かれておりますが、これは基本的に党の御判断ですので、私からのコメントは控えたいと思います。
 それから、2つ目につきましては、日本経済が取り得る政策の範囲というのは、もうそれほど大きくはありません。これからのグローバル化や少子高齢化を考えますと、それ程取り得る選択肢の幅はないし、改革を停滞させているゆとりもありませんので、そこはもうしっかりと改革をしていかなくてはいけないのだと思います。少々時間的な遅れがあったりしても、大きい方向性は揺るがすことはできないと思います。私はどういう立場になるか分かりませんけれども、民間にいてもどこにいても、改革の必要性は主張していきたいと考えています。
(問)その意味で、福田新総裁は総理に就任すると思われますが、福田新総裁に対する期待、改革に対する期待についてはどのようにお考えですか。
(答)福田総裁は、小泉内閣で官房長官を長く務められましたので、その時の改革の難しさも意義も十分に御存じの方だと思います。これからも、その改革路線を継続することを言っておられますので、それをしっかりと継続していただきたいと思っています。
 これまで地方など言っておられる点も、先ほど申し上げた人材とか中小企業とか地方といった、これまで成長で遅れてきた部分について既に「骨太2007」でも具体的な政策も取り組み始めていますので、これを継続していただきたいと希望しています。
(問)今日の午後の予定といいますか、もし新総理からお電話があるとする場合に、どちらでお待ちになられる御予定でしょうか。
(答)当面部屋に帰って箱詰めなどをしようかと思っておりますが、その先のことは分かりません。
 どうもありがとうございました。

(以上)