大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年7月17日

(平成19年7月17日(火) 9:40~10:01  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず、閣議の御報告からいたします。今朝の閣議では、「警察白書」、公益法人の改革について、それから昨日の中越沖地震、あるいは台風第4号について御発言があり、農水大臣の欧州訪問の結果、それから宮澤喜一元総理の葬儀について御発言がありました。
 閣僚懇談会では、総理から、新潟県中越沖地震について、スピード感を持って対応するようにというお話がありました。
 閣議と閣僚懇談会の報告は以上です。
 続きまして、月例経済報告等閣僚会議の御報告をいたします。
 今月の基調判断ですが、「景気は、生産の一部に弱さが見られるものの、回復している」ということで、先月から判断に変更はありません。
 今月の動きとしまして、消費総合指数が引き続き改善していることから、消費は持ち直していると判断しています。一方で、生産の一部に弱さが見られ、生産は横ばいになっております。また、企業の業況判断が横ばいとなっています。しかし、企業収益は改善しております。それから、2007年度の設備投資計画についても増加が見込まれております。引き続き、景気回復の基調はしっかりしたものであると判断しています。
 先行きにつきましては、原油価格の動向が内外経済に与える影響等に注意する必要がありますが、景気の回復基調は続くと見ております。
 今日の月例経済報告等関係閣僚会議では、時間が非常にタイトであったということもありまして、御質問は一つだけ、渡辺大臣から、2006年度に名目成長率が実質成長率を下回るということが続いたわけですが、その背景をどう見ているのかという質問がありました。
 私から、実態経済については昨年の夏から消費の伸びが落ちており、その背景に、賃金の伸び悩みがあること。それから原油価格が上昇し、それだけ海外に所得が移転したということが背景にあると。しかし、需給ギャップは今、プラスになっておりますので、デフレ脱却に向けた動きは続いていると見ているという回答をいたしました。
 月例経済につきましては以上です。
 それからもう一つ、私から御報告があります。
 4月25日の諮問会議で、成長力加速プログラムを確実に実行するために、タスクフォースを設置すると申し上げましたが、このプログラムの具体的な施策を盛り込んだ骨太方針が取りまとめられましたので、明日タスクフォースの初会合を実施いたします。
 タスクフォースの役割は3つあります。1つは、成長力加速プログラムが実行されているかどうかフォローアップを行うということ。2番目に、効果の測定を行うということ。それから3番目に、追加策の検討を行うということ、この3つです。
 メンバーとしましては、民間議員4名に加えまして、早稲田大学の川本裕子先生、九州大学の先生、それから東京大学先端研の元橋先生、それから経営共創基盤の松本順さんの4名です。松本さんは、産業再生機構にいらして、今回、地域力再生機構研究会の委員にもなっていただいています。地域力再生機構は、成長力加速プログラムの一環でもあり、非常に中小企業にお詳しい方でもありますので、メンバーにお入りいただいております。
 それから、タスクフォースと並行して、内閣府の経済社会総合研究所で生産性の研究を実施いたします。この研究では、政策面と計測面の両方から、日本の生産性の状況をどうやって上げていくかということを研究していただきます。政策面では先生、元橋先生にお入りいただきますし、計測面では研究所長の黒田先生が御専門でいらっしゃいます。これに加えて、慶応大学の中島隆信さんにもお入りいただいて、研究を進めていただきます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)月例経済報告は、景気にかかわる主な点での判断の変更はありませんでしたが、中身では一部で米国向けの輸出等が下方修正されています。懸念事項を含めて、改めて景気の先行きについてどのように見ていらっしゃるかということを、アメリカの動向も含めてお願いします。
(答)アメリカの動向につきましては、ここへ来てサブプライムローンの問題がやや懸念されます。それと、アメリカ向けの輸出がやや落ちている、これが生産の弱さをもたらしていると考えられますので、その点は注意して見ていきたいと思っております。
 ただ、ISM製造業指数は比較的好調ですし、よい指標、悪い指標が混在しているところですので、今後の動向を注意したいと考えております。
 それから、国内で見ますと、消費は持ち直しておりますが、やや消費者マインドで、景気ウォッチャー、それから消費動向指数に弱さが少し出ておりますので、この点も注意したいと思っています。
 ただ、消費者マインドというのはやや振れがあり、背景がはっきりしない点もありますし、消費総合指数自体は持ち直していますので、これらを注意しながら見ていきたいと思っています。大局的には、景気回復の基調が続いているという判断を続けています。
(問)タスクフォースについてですが、どれぐらいのペースで開催されるのでしょうか。
(答)これは、まさにタスクフォースですので、8名全員、あるいは今度お加わりいただいた専門家の4名全員でお集まりいただく会合以外にも、例えば効果の計測をどのような関数で行うか、あるいはどのようなモデルを作っていくのかといったやり方を詰めていかなければいけませんので、随時会合を持つことになると思います。全体で集まってフォローアップしましょうという会合以外に、例えばさん、元橋さんだけおいでいただいて計測手法を検討したり、あるいは関係する民間議員と専門家とが集まって追加策を検討したりといった打合せは、随時行うことになると思います。
(問)中越沖地震の経済に与える影響について、どのようにご覧になっていますか。
(答)まだ今の時点でどれぐらい影響があるのか把握できておりませんが、こちらとしても状況をなるべく早く掴みたいと思います。一部で生産停止や稼働停止になっている企業もありますし、まだ再開の目途が立っていない企業もあると聞いています。今後、被災状況をしっかりと見極めていきたいと思います。
 それから、中・長期的に懸念されますのは、今回の月例の閣僚会議用資料の最後のページに「夏休みの旅行動向」というのを出しております。真ん中あたりの北陸をご覧いただきますと、九州、沖縄、北海道は上がっているのですが北陸が下がっておりまして、これは、能登半島地震の影響がまだ続いていると見ていますので、こういう中長期的に持続する影響というのも懸念されます。今回のことが、これからの例えば観光といったものにも影響を及ぼすと思いますので、当面の被害、それから中長期の被害の両面から今後とも見ていきたいと思います。
(問)ちょうど2004年に踊り場入りした時にも地震あるいは台風、IT調整があって、何か今の動きが似ているような感じもしなくはないのですが。
(答)ただ、台風被害はこれからですので、本当にこればかりは祈るしかないわけですけれども、踊り場入りした時は多数台風が来ていたのですね。それも激しい雨が続くということがありました。それから、確かにこの地震の影響は懸念しておりますが、そうした自然災害以外の面が影響しておりまして、中国向けの輸出が落ちたということがありますし、ITがアテネオリンピックの後の調整局面にあったということがあります。
 今回は、ITは軽い生産調整に入ってはおりますが、あの時と比べるとまだ国内要因なのですね。海外まで広がった調整にはなっていません。したがって、あの時の踊り場の状況とは明らかに違うと見ています。
(問)当面と中期の影響を見極めてからきちんと対応したいということですが、経済財政の面でどんなような対応が考えられるのでしょうか。
(答)まずは、被害状況を把握するということですね。そして、激甚災害の前提となる調査がしっかり行われるように、なるべくこれを早くやっていかなければいけない。あとは、政府全体の対応になると思いますので、まずは被災状況を把握して、できる限りの対応を取っていくということだと思います。経済活動に限っては、今の時点では何とも申し上げられません。まず余震がないようにということを祈るばかりですね。
(問)消費について、今回、基調判断は据え置かれましたけれども、さっき仰ったように、マインド面で低下していると。マインドは低下しているけれども、基調判断は据え置いた根拠といいましょうか、メカニズムを教えていただきたいのが1点と、マインドの低下の背景には何かしらの定率減税廃止の影響が出ているかと思うのです。これは一時的な影響というよりも、恒久的につながる可能性があるということを考えると、今後、消費に関しては、下振れリスクの方が高まっていると読めるのか。その2つをお伺いしたいのですが。
(答)マインドは、常に消費の実体の補足として見てきております。今回も、基本的には消費総合指数を中心に見ておりますので、基調判断は変えておりません。
 それから、マインドの背景として、消費者態度指数を見ますと、雇用環境、耐久消費財の買いどき判断、暮らし向き、収入の増え方、すべての意識指標が低下しているのです。ですから、どの要因なのかが少しわからない点があります。
 それから、景気ウォッチャー調査についても、今、御指摘の税負担感の増加を指摘するコメントがありましたが、それ以外にガソリン価格の上昇という点もあります。それから、景気ウォッチャー調査を実施するときが25日から29日だったか、ちょうど税負担感の増加を実感しがちな時期であるということもありますので、これが一時的なものであるのか、持続的なもので今後も続くものであるのかは、もう少し見てみないとわからないと考えています。この消費者態度指数がすべての意識指標で低下しているという、これは全体に低下していますので、どの要因かがわからないところがありまして、もう少し様子を見てみたいと思っております。実体的な消費そのものはそれほど悪くないし、持ち直しているという見方は続けています。
(問)確認ですが、マインドの低下は一時的なものなのか、持続的なものなのかということですか。
(答)はい。それは、引き続き見ていきたいということです。
(問)今週木曜日に、村上ファンドの村上世彰被告に判決が出ます。この村上ファンドが日本経済やマーケットに与えた影響をどうお感じになっているのか、改めて教えてください。
(答)もちろん、犯罪、違法行為自体は当然よくないことですし、そこはまさに裁判、司法の判断を待つしかないわけですが、全体としてM&Aですとか、そういう企業行動に与えた影響はプラス面もあります。株主の発言という意味で、プラス面もあると思っております。まさに裁判の判断ですが、違法行為があったからあのような行動がすべて悪かったとか、よく言われているような拝金主義であったとか、そういう一面的な見方は避けたいと思います。

(以上)

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