大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年5月15日

(平成19年5月15日(火) 9:00~9:13  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議では、格別の発言はございませんでした。閣僚懇談会でもございませんでした。
 幾つか私の方から申し上げます。
 まず今日の諮問会議です。議題は3つあります。
 1つ目に若林環境大臣、麻生外務大臣をお招きして地球環境問題について議論を行います。2つ目に柳沢厚労大臣をお招きして、社会保障制度改革を議論します。3つ目に、香西税調会長をお招きして、税制改革について議論をいたします。
 このうち1つ目の地球環境問題につきましては、非公開の扱いにいたします。これはサミットを控えまして、政府として今最終取りまとめに入っておりますので、そういう状況を踏まえて非公表にいたします。諮問会議の運営細則で、公表することにより我が国の利益に重大な支障を及ぼすおそれがある場合には、非公表扱いにできるとなっております。過去にも、2001年に不良債権問題の議論の時、特殊法人改革等を議論の時に非公表にしています。通常どおり民間議員ペーパーも用意されて議論を行いますが、資料と議事の内容は非公表です。議論の内容は、当然ですが「骨太」には反映されます。
 2つ目です。成長力底上げ戦略推進円卓会議は、国全体では既に開かれておりますが、これを地方に展開することになっておりました。都道府県版につきまして今週金曜日、5月18日に広島県で開催するのを皮切りに、11都府県で開催日時が決まりました。詳しくは事務方にお尋ねいただければと思います。全ての都道府県で6月末までに地方版円卓会議を開催したいと考えています。これは地方のそれぞれの労働局が事務方を務めます。広島県の場合副知事ですけれども、自治体側からは知事、広島県の例で申し上げますと、有識者として修道大学の教授、中国新聞論説委員が出られます。あと産業界、労働界、福祉関係、教育訓練関係が出られます。国側としましては、地方支分部局の局長が出られます。
 国の円卓会議は、できれば5月中に開催したいと前に記者会見で申し上げておりましたが、日程調整が非常に難しくて6月初旬に開催いたします。
 それから、東京地区のタクシーの上限運賃改定につきまして、再度物価安定政策会議を開催するということを申し上げておりましたが、5月31日に開催することにいたしました。前回、4月19日に開催しました時に、委員の皆さんから色々な質問が出されておりますので、これにお答えする機会を設けるということです。こういう議論も踏まえまして、今後政府部内で更に議論していきたいと思います。
 物価安定政策会議は、飽くまで決定する場ではなく、意見を言うことになっておりまして、今回文書で意見を取りまとめることは予定しておりませんけれども、今回の議論もしっかりと踏まえて政府部内で検討していきたいと考えております。
 次回の諮問会議は、来週後半を予定しております。日程が正式に決まりましたらご案内いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日発表の機械受注統計ですが、船舶、電力を除く民需で3月は4.5%減となったわけですが、この評価についてお聞かせください。
(答)2月のマイナス4.9%に続きまして、3月がマイナス4.5%です。これによって、1-3月期は季調済前期比でマイナス0.7%になりました。機械受注の数字自体は割と振れますが、気になりますのは4-6月期の見通しが11.8%の減少になっていることです。ただ、御存知のように機械受注は設備投資の先行指標と言われておりますが、設備投資自体は日銀の短観でも2007年度計画は比較的高い位置からスタートしております。今後法人企業統計といった需要側の統計も含めて総合的に判断していきたいと考えております。
(問)今日の経済財政諮問会議ですが、地球環境問題の扱いについて、非公開というのは、異例の形だと思いますが、サミットを控えてということは分かるのですが、具体的に議論としてはどういった位置付けになるのでしょうか。内容について全く非公開という形になるのでしょうか。
(答)内容については全く非公開になります。内容につきましては、まさにサミットに向けての我が国の取組について議論いたしますので、非常に切迫しているということです。例えば、EPAなども外交交渉に関わるものではあるのですけれども、今回の場合はサミットが6月上旬で、非常に切迫しているということがありますので、この情報が漏れた時に、やはり外交交渉上は大きい影響を与えると判断いたしまして非公開にいたしました。
(問)今の地球環境問題についてもう一つ、重ねて説明していただきたいのですけれども、そもそも諮問会議というものの建付けは、民間議員が高めの提案をして、社会や経済の構造の問題点を浮き彫りにして改革の議論を国民の目に見える形で進めていくということです。非公開のものを取り上げる意味がよく分からないのですけれども、そこのところをもう少し説明していただけますか。
(答)諮問会議自体は、今仰った民間議員の知見を得ながら、総理のリーダーシップで重要政策を審議していくということになっております。今回もその構図は全く一緒で、民間議員からは4人連名の提案が同じように出されて、比較的高めのタマも含めて提案がなされ関連大臣をお呼びして議論いたします。これが総理がサミットに出席する時の重要な材料になると思います。「骨太」はサミットの後でもありますので反映されます。
 ただ、もう一つの諮問会議の役割は、今御指摘があったように問題点を浮き彫りにしながら議論していくということにありますので、非公開ということはなるべくしないようにしてきております。したがいまして、今回は3回目です。諮問会議の歴史の中では3回目ということで、なるべく非公開ということは採らないようにしている。
 ただ、地球環境問題は非常に重要な議題であり、サミットの大きなテーマでもありますので、ここはやはり民間議員を入れた形で政府全体として議論する場が必要であるという判断で議題に取り上げたということです。
(問)税制改革について、今ふるさと納税など色々なものが場外で議論されていますけれども、今日の諮問会議の税制改革の議論は、飽くまで基本哲学という首相から宿題があったものを合意形成すると、これが先になるわけですか。
(答)基本哲学を議論いたします。前回、民間議員からペーパーを出されておりますので、それは今回変えません。同じものを提出していただいて議論いたします。
 前回尾身大臣から税源移譲をして国と地方の税収比率を5対5にするという部分に関して反対意見が出されました。前回は時間が限られていたこともあって、国と地方の税源配分の議論しかできていない点がありますので、今回は別の点を議論したいと考えています。そして、国と地方の税源配分の議論は、次回か次々回の諮問会議で地方分権の議論をいたしますので、そこで行います。今の国と地方の税源の議論は地方分権と税制両方に絡みますので、仕分けとしては、地方分権の議論をする時に継続審議をしたいと思っています。
(問)ふるさと納税もその括りの中で議論していった方が望ましいということですか。
(答)ふるさと納税自体を提案なさるかどうか分かりませんが、今日は少なくとも国と地方の税については議論しないということで、諮問会議にふるさと納税が提案されるにしても、今回はないと思っています。
(問)地球環境問題の非公開扱いの話ですけれども、民間議員ペーパーも含めて非公開ということですね。
(答)そうです。
(問)こういう形でありますと、実際にサミットの時の日本政府の提案があったとしても、それが民間議員の問題意識ですとか、諮問会議の議論と比べて前進しているのかとか、それに及ばない提案に現実にはなっているとかを全く検証の仕様がないわけですよね。直前で微妙な時期になる前にこういうテーマを取り上げて公開で議論するという選択肢はなかったのでしょうか。
(答)仰るように、なるべく公開でやることが望ましいのは事実ですので、先ほども申し上げましたように、なるべく非公開というのは採らないようにはしておりますが、重要なテーマであるからこそ今の時期に民間議員の意見も反映させる形で、総理のサミットに行く提案を作ってもらうということで議題にするということです。
 つまり、色々事態は動いていますので、やはりこの時期に取り上げるということに政府の決定として意味があると判断いたしました。つまり4大臣会合も進んでおります。そこにやはり民間の知見も入れる形で政府全体として議論をしていくということは意義があると考えました。
(問)見えるかどうかより、政府の実際の政策に影響力を与えられるかどうかの方が大事だと。
(答)つまり総理のリーダーシップの下で、民間の知見も入れながら議論するという諮問会議の趣旨を活かすということですね。もちろん見えるに越したことはありませんけれども、あと1カ月を切ったサミットへの影響を考えますと、非公開にせざるを得ないという判断です。
(問)タクシー運賃の件で、また改めて会議が開かれるということですので、タクシーの運賃引上げについての大臣の今の所見と、確認ですけれども、今回も会議は公開ということでよろしいですか。
(答)公開です。
 タクシーの運転手さんの賃金が下がっているということが、今回の値上げの大きい背景になっています。その下がっていること自体は明らかになっておりますけれども、それをそのまま消費者に転嫁する形で解決していいのかという疑問がありますし、これは物価安定政策会議でも出されているテーマです。したがいまして、業界の構造というのをやはりここで議論する必要があるのではないかと。需要は増えないのに供給が増え続けているわけですね。今の運賃では非常に厳しいという申請が出される一方で、供給は増え続けているわけで、ここで一時的に運賃を仮に値上げしても供給が増え続ける、需要に関わらず供給が増え続ける構造があれば、逆の運転手の収入に本当に跳ね返るのだろうかという疑問を拭い去れないわけですね。  したがいまして、消費者にとってもそれからそこで働く人にとってもいい構造、つまり業界内の構造というのをもう一度色々な角度で議論をして、政府として判断するのが望ましいだろうと考えています。

(以上)