大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年5月8日

(平成19年5月8日(火) 9:37~9:54  於:記者会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
 今朝の閣議ですが、全国交通安全運動について御発言がありました。また、連休にかけてたくさんの閣僚が海外に行かれましたので、一連の御報告がありました。詳細は省略させていただきます。御質問がありましたら、お出しください。
 閣議の報告は以上です。
 諮問会議について申し上げます。
 今日と明日、連続して諮問会議を開催いたします。今日の議題は、冬柴国土交通大臣をお招きして公共投資について議論を行います。併せて、今日から歳出・歳入一体改革のうちの歳出改革の議論を行っていきますので、前回お出しした民間議員ペーパーをベースに、公務員人件費改革についても議論をしたいと考えています。
 2つ目の議題は、政府の資産・債務改革。これは、専門調査会を作って議論してまいりましたので、報告をしていただきます。また、マクロ経済運営について議論します。日銀の展望レポートが出ましたので、それについて議論いたします。
 明日の議題ですが、大きく3つあります。1つは、麻生外務大臣、松岡農水大臣をお呼びして、グローバル化改革について議論いたします。今日の午後3時半ぐらいになると思いますが、専門調査会の第一次取りまとめの御報告をしていただきますので、それをベースに議論いたします。2つ目の議題が柳澤厚労大臣をお呼びして、ハローワークについて議論を行います。これは、ハローワークへの市場化テストの導入についてです。3つ目の議題として、渡辺行革担当大臣をお呼びして独立行政法人改革について議論をいたします。
 来週火曜日の15日に諮問会議を開催いたします。議題は、今最終調整中ですので、決まり次第ご報告いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほどのお話では、今日の諮問会議でマクロ経済政策を議論されるということで、日銀の展望レポートについては、物価の見通しは下げましたけれども、利上げするスタンスは変えていないということで、市場では今後より一層丁寧な説明が求められるという指摘も出ていますけれども、その点を踏まえて大臣の御所感と、あと今日の会議でどういったことを議論されるのかについてお願いします。
(答)今日の諮問会議での議論につきましては今の時点では何とも申し上げられません。内閣府の方から景気の現状について説明をし、日銀からも展望リポートについて御報告があり、それをベースに議論をする予定です。
 物価の今後の動向をどう見ているのかについては、日銀が丹念にいろいろなデータを見ておられますので、それについてはしっかりと説明をしていただきたいと考えています。
(問)来週15日に諮問会議ということですが、OECD閣僚理事会への大臣の出席はどうなりますか。
(答)出席する予定で調整を進めてきましたけれども、5月は諮問会議の日程の確保が非常に厳しい状態で、また5月は骨太方針に向けて一番大事な時期です。15日の前あるいは後でかなり日程調整を緻密にいたしましたけれども、どうしても総理を始め閣僚の予定が合う日がありませんでした。それで、大変残念ですけれども、ここは止むを得ず諮問会議を開催して、OECD閣僚理事会は国会の御同意が得られれば、大村副大臣にご出席いただこうと考えております。
(問)ハローワークの件ですけれども、今日の一部報道では、政府が都内の2カ所で市場化テストを導入するとありましたけれども、この事実関係等についてお願いします。
(答)これについては、明日の諮問会議で柳澤大臣の方から御発表があります。具体的にどういう形で導入するのか、柳澤大臣に検討していただきたいと、前回の諮問会議で総理から御発言があって、それを受けて柳澤大臣の方でご検討いただいていますので、明日御発表があります。
(問)地域間の税収格差の是正について、ゴールデンウィーク期間中に菅大臣から、いわゆる「ふるさと納税」について、総務省として調査研究会を設置して検討していくという話がありまして、これに関連していろいろな方から発言がありますが、大臣御自身はこの「ふるさと納税」という考え方について、どのようにお考えなのか伺いたいと思います。
(答)これは前から言われていた話で、いろいろな形で提言されているのですね。余り政策的に詰めた議論はこれまでなされてきませんでしたので、ここで研究会を作って、具体的に税の理論から見てどう整理されるのかという検討が行われるのは大変いいことだと思います。
 日本では、私もそうですが、出身地からよそのところで働いたり、あるいは転勤で一時住んだりとか、いろんな形で移動がありますので、地域の支え方の在り方としてこういう議論が行われること自体は、意義があることだと思います。実際に、政策でどうしていくかについては、理論的に幾つか詰めなくてはいけない点があるのだろうと思います。実際に納税という形でやるのか、寄附という形でやるのか、これは税理論上も詰めなくてはいけないと思いますので、今後の議論を私も注目しています。
(問)今後、地方分権の議論も諮問会議でなされますけれども、これは税に係る話ですので、具体的な制度設計という話になっていきますと、やはり政府としての課題というのは秋以降の課題と受け止めてもよろしいでしょうか。
(答)それは菅大臣に詳しくお聞きしないと分かりませんが、税の議論であるとすれば基本的には秋以降ですし、今総務省が研究会を立ち上げたということは、やはりそう簡単に結論が出る問題ではないと思いますので、やはり秋以降の議論になるのかなと思っています。
(問)東京地区のタクシー運賃値上げの問題ですが、国交省ではそれは必要だという見解も出ているようですが、改めて大臣の御所感と、それから物価安定政策会議での今後の取扱いについて伺えますか。
(答)タクシーの運賃については、物価安定政策会議で反対だという意見ですとか、非常に慎重であるべきだという意見が多数出ております。物価安定政策会議は、値上げを認めるとか認めないということを決める会議ではなく、意見を言う会議になっております。
 この間の会議でたくさんの質問も出たようです。もう少しデータを示してほしいという質問も出たようですので、それにお答えいただく場を設定したいと思っています。これについては、今日程も含めて調整中です。
 やはり物価安定政策会議で出た意見を見ていましても、私自身も疑問に思っているような点がございます。運転手の賃金が下がっているということが値上げの理由にはなっておりますけれども、では果たしてその業界の中で、労働分配率はどうなっているのか、あるいは業界の需要を掘り起こす努力を喚起するような公共料金の在り方ですね、総括原価方式がこのままでいいのかどうか、やはり検討すべき点はあると思いますので、これについては議論が深まればいいなと考えております。
(問)大臣自身が疑問に思われる点が多々あるということでしょうか。
(答)そうですね。運転手の賃金が下がってきている背景を見ますと、例えば最低賃金が守られていない事業所数も結構あるようですし、そこに問題はないのか、単純に消費者への値上げということでいいのか。業界内の労使問題などが解決されないまま運賃の引上げを行っても、需要減によって本当に問題になっていた運転手の賃金は上がらないということにもなりかねませんので、やはりそこはその構造自体を検討するいい機会だろうと思います。運転手の賃金が下がっているというのもデータとしても出ておりますけれども、その背景、それから消費者にとって規制改革の効果は どう現れてきているのかという点についても、物価安定政策会議でも指摘があったようですので、それについて引き続き質問には答えていただき、議論の場があればと思っています。
(問)2回目以降、再びその議論の場を設けるということですか。
(答)2回目以降といいますか、この間いろいろ出た質問にお答えいただく場を設けたいと思っています。
(問)それは具体的にいいますと、できれば今月中にというぐらいのお考えでしょうか。
(答)まだ日程は再調整中です。そうですね、5月か6月ということでしょうから、そう長い話でもない ですね。その質問にお答えいただく準備の期間などを考えて、そして私も事務方に対し、価格決定の仕組みなどについて内閣府としても検討してほしいという指示は出しました。総括原価方式の在り方というものも少し検討してほしいという指示は出してあります。そういうものの準備が整ってからということになります。
(問)前回の物価安定政策会議で各委員の意見が集約されて、取りまとめという形で文書になっていますけれども、次回の会合で回答の仕方によっては、あの取りまとめが若干修正されたりするということも場合によってはあり得るということなんでしょうか。
(答)取りまとめの文書は、かなりいろいろな意見を包含するような取りまとめになっておりまして、その値上げする場合はというような、条件付きのものになっておりますので、大きくあの方向の中に入るのだろうと思うんですね。ただ、それは今回そのデータをベースに議論を行って、取りまとめすることになると思います。
 その取りまとめというのは、くどいようですが、それで値上げを認めるとか認めないということではなくて、飽くまで意見の集約ですので、もう1回開いたら、またそこでの意見の集約ということになります。
(問)先ほどのお話ですけれども、タクシー業界自体の効率化の取組について、大臣自身も少し疑問の点があるということですか。
(答)需要を上回る台数の供給があって、それで賃金が下がっているということだと思うのですけれども、需要掘り起こしのような努力は果たして十分であったのかどうかだと思います。飽くまで消費者の立場に立って、値上げが認められるのかどうかを考えるのが物価安定政策会議だと思いますので、消費者の立場からどうなのかを、やはり議論しなくてはいけないと考えています。
(問)その点でいいますと、物価安定政策会議は東京地区が対象になっていて、他の地区のタクシー運賃については対象となっていなくて、実際に値上げは認められたところもあるのですが、このタクシー運賃の値上げの決定システムについてはどのようにお考えですか。
(答)ここに答をいれてください
(問)東京地区が非常に影響が大きいからということで、東京地区については物価安定政策会議の議論を聞くと。これは、本当にくどいようですが、ここで決定するわけではなくて、意見を聞くということになっているわけですね。
 実際、タクシーに関しては、東京のタクシー利用というのは他の地域とはやはり違っているところがありまして、他の地域ですと例えばタクシーを自宅に呼ぶ予約ということが割とあるのですけれども、東京の場合は流しで止めたり、あるいは駅の前で並んで止めたりということが多く、なかなか消費者の選択の余地が小さい面があるのですね。呼ぶ場合ですと、いいサービスなどの間でタクシー会社を選ぶ余地もあるわけですね。私は鹿児島の出身ですが、鹿児島でもよく呼んだりしております。関西に住んでいた時も呼んでおりましたが、東京では呼ぶというよりは、最寄り駅までは電車で行って、駅で並んで拾う、あるいは流しを拾うということがありますので、なかなか消費者の選択の余地が小さい面もあると思います。それから、割と遠距離が多いということですね。したがって、タクシー料金も高くなってしまうというようなことがあります。
 そういうわけで、東京地区についてしっかり議論するのは意義があると思っています。
(問)念のためですけれども、国交省は既にタクシー運賃について申請を受けて認可の作業中ですけれども、当然、国交省の結論が出る前にもう一回ちゃんとそういった議論をしましょうということでよろしいですか。
(答)最終的には関係閣僚会議で決定されますので、その関係閣僚会議にかけるに当たって、物価安定政策会議の意見を聞いているわけですね。ですから、結論が出る前とか出る後ではなくて、きちんとその手順に沿って議論が進んでいるということだと思います。
(問)大臣御自身がタクシーに乗って、何か疑問に思われている点はありますか。
(答)最近タクシーに乗りませんので、よくわかりません。

(以上)