大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成19年2月21日

(平成19年2月21日(水) 17:01~17:18  於:記者会見室)

1.発言要旨

もう既に御存知のように、先ほど日本銀行は当面の金融政策運営について、無担保コールレートオーバーナイト物の誘導目標を、これまでの0.25%前後から0.5%前後に変更するとの決定を行いました。
 本日の決定に至った経済物価情勢及び日本銀行が考える物価安定に向けての道筋については、日本銀行から御説明があるものと思います。
 内閣府の出席者からは、現在、日本経済がデフレから脱却するかどうかの正念場であり、また消費も足元弱いという極めて重要な局面にあることから、日本銀行に対し金融面から責任を持ってしっかり経済を支えていただくことが重要であると強く要望いたしました。
 日本銀行は、政策金利を0.5%に引き上げても、極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持されると判断され、今回の利上げを決定されたものと受け止めております。
 今後、今回の利上げの影響を含め、日本経済の動向を注意深く見てまいりたいと思っています。
 また、日本銀行は政府とマクロ経済運営に関する基本的な視点を共有し、物価安定の下での持続的な成長を図るため、適切な金融政策運営を行っていくことを 表明されております。日本銀行におかれては、政府の政策取組や経済の展望と整合的なものとなるよう、市場の動向にも配慮しつつ、実効性ある金融政策運営に 努め、今後の経済活動や物価の下振れリスクを考慮して、極めて低い金利水準による緩和的な金融環境を維持することによって、今後とも金融面からしっかり経 済を支えていただきたいと思います。  私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今回日銀が利上げを行う要因とされた消費の増加基調の点ですけれども、大臣はかねてから消費は弱含んでいると仰られて、認識が若干違うかなと思ったのですけれども、今回の日銀の政策決定で、この点について大臣の所感を教えてください。
(答)私どもは、消費は10-12月期のGDP速報で戻しましたけれども、夏以降を見れば横ばいであると考えております。日本銀行は、このGDP速報だけではなく、それ以前からの全体の趨勢を見て、そして今後の長期的な観点に立って判断されたものと思っています。
(問)今回、こちらの内閣府の出席者が、利上げを急ぐ局面ではないと考えていると指摘する一方で議決延期請求は行っていないわけですが、ここはどういう理由でされなかったのか、お伺いできますか。
(答)内閣府の出席者からは、今申し上げたような意見を強く申し上げました。その上で日本銀行が判断 されたということです。  議決延期請求を行わなかったのは政府の決定であり、日本銀行の判断を尊重しているということですね。政府としての決定プロセスについては、詳しくコメン トすることは控えたいと思います。政府としては、現在の景気に対する認識については、明確に意見を申し上げたということです。
(問)今、会見の前にペーパーが配られまして、これは異例のことだと認識しているのですけれども、ペーパーの最後に、議事要旨の公開を待たずに本日中に内閣府の対応について公表する場合があると書いておりますが、これに踏み切った理由というのは何でしょうか。
(答)それほど強い理由があるわけではないのですが、前回も記者の方から内閣府の出席者はどういうこ とを言ったのかということを聞かれまして、それは日銀の議事要旨の公表を待たないとご報告できないことになっておりますので、今回は、私どもの出席者がど ういうことを申し上げたか、しっかりと理解していただくことも重要かと思いまして、あえて出席者の方から、そこに書いてあるような了解を求めて配布するこ とにいたしました。特別な意味があるわけではありません。
(問)議決延期請求の関係ですが、先ほどのお話では、内閣府としては利上げを急ぐ局面ではないと。議決延期請求を行使すべきである、あるいはするこ ともあり得べしという判断だったけれども、政府として調整をした結果、議決延期請求は行うべきではないという判断だと理解してよろしいですか。
(答)違います。内閣府としては、現在の景気についてはお配りしたような出席者の発言にあるような認識を持っております。ただ、そのことと議決延期請求をするかどうかという判断はまた別のものだと考えております。
(問)そうすると、この場合でも内閣府としては、議決延期請求権ではなくて、意見表明に止めるというやり方が……。
(答)意見表明は明確にいたしました。その上で議決延期請求をするかどうかは、政府の判断としていたしました。
(問)どうして政府の判断として議決延期請求をしないということにしたのでしょうか。
(答)日本銀行が責任を持って金融政策運営の判断をされたということですね。その日銀の判断を尊重するということです。
(問)今回の利上げの影響を注意深く見ていきたいと冒頭お話があったんですけれども、大臣として、今回のこのタイミングでの25ベーシスの金利の引上げは、経済・物価情勢にどのような影響を与えると分析していらっしゃいますか。
(答)ちょっと今の時点では、どういう影響を与えるかについては、何とも申し上げられません。予断なく注意深く見ていきたいと思っています。
(問)蒸し返すようで恐縮ですけれども、どうして議決延期請求を行使しなかったのですか。日銀の判断を尊重するというのはわかるのですけれども、そ れは結果ですからね。結果をもって結果の説明をされても困るので、どうして行使しなかったのかですね。恐らく程度問題だと思うのですけれども、議決延期請 求権と意見表明との間というのは。その程度の違いがそこまでは及んでいなかったという理解でいいのでしょうか。
(答)意見は表明いたしましたが、金融政策運営は、9名の日銀の審議委員がご判断なされることです。その御判断を尊重するということですね。
(問)今回の消費と物価を日銀がどう見るかが一つ焦点だったと思うのですけれども、物価について、日銀の発表では原油価格の動向などによっては目先 ゼロ近傍で推移する可能性があるということでした。目先を見ますと、ゼロ近傍ですから場合によってはマイナス0.1とか0.2とか、そういうことも見据え た上で、彼らは追加利上げをやったわけですけれども、今まさにデフレ脱却という時に、政府としてはやはりCPIがマイナスに入ってくることは、決して好ま しいことではないと思いますが、そうした物価の見立てを前提に利上げをしたことについて、どのように感じていらっしゃいますか。
(答)日本銀行は、0.5%に引き上げられましても極めて低い金利水準が続くことによって、長期的には物価は安定的なものに推移していくということを責任を持って判断されたのだというように考えています。
(問)大臣は以前から日銀の金融政策に対しては、説明責任を伴うということを言っていますが、今日の内閣府のペーパーと、それから今日の日銀の声明を見ていると、全く見解が違うのですが、これで説明責任が果たせたと思われていますか。
(答)日銀は、今回の判断ではいろいろな角度から、例えば物価をどう見ているか、消費をどう見ているかということについては説明されたと思っています。
(問)それで、日銀と政府との景気の先行きに対する認識が一致しているものと思っていらっしゃいますか。
(答)景気の現状判断については、おおむね一致していると見ています。
(問)先行きに少し差があるということですか。
(答)日本銀行は、フォワードルッキングということで、長期的に判断されると。私どもは、常に足元の景気を判断いたします。足元の景気の現状認識については、おおむね一致していると見ています。
(問)足元でも、消費について内閣府の方が少し弱めに見ていて、日銀の方はそうでもないですよね。消費者物価についてもそうですし。これを見ていると、足元でも一致しているとは思えないんですが。
(答)ただ、足元でも7-9月期に下がったものが10-12月期に戻しております。私どもは横ばいで あると。そこについての認識は一緒であると思います。先行きについて、やや慎重な見方をするか。私どもは、やや慎重な見方をしております。その点は少々違 いますので、先ほど「おおむね一致している」という表現を採りました。ただし、おおむね一致していると考えています。
(問)重なるのですが、今回、日銀が利上げの根拠にしたフォワードルッキングのロジックについては納得されていますか。
(答)それは、金融政策運営をするに当たって、何をどう判断するかということですので、それは日銀の方から御説明があると思います。常に先の金融市場を見て判断されるということだと思います。
(問)それは妥当ですか。
(答)それは、日銀が金融政策運営についてはお考えになることだと思います。
(問)来週の27日に諮問会議がありますけれども、そこで改めてマクロ経済運営を議論するお考えはありますか。
(答)まだそこまでちょっと打合せしておりません。次の議題については、まだ考えておりません。
(問)今回の利上げの影響で、多分企業セクターの方は純利払い負担増が生じて、家計は金利収入の増加が生じると思うのですけれども、そういう意味で は、家計の消費を刺激する面もあって、企業から家計へという流れをある意味では後押しする部分もあると思いますし、そこら辺も踏まえた上での判断というよ うに多分日銀は説明してくると思いますが、それについてはどうお考えですか。
(答)今回の利上げによってどういう影響があるかは、ちょっと今の時点ではまだ何とも申し上げられませんので、御指摘の点も含めて見てまいりたいと思います。
(問)どちらかというと先月の方が市場では利上げ観測が強くて、市場が利上げを織り込むという意味においては、日銀は市場との対話ということで重視 していますけれども、先月の方が利上げ観測が強かったと。こういう中で、また今月は五分五分という観測の中で、市場との対話という点で日銀の運営はどう だったかという御評価を頂けますか。
(答)それは、日本銀行が自らご判断されることだと思います。
(問)大臣として特に御所見は。
(答)コメントは控えたいと思います。
(問)今回、正副総裁の意見が分かれたという極めて異例な形での採決でしたが、これにつきまして、大臣はどのように御所見を持っていらっしゃいますか。
(答)日銀総裁も、前から言っておられるように、丹念にデータを見て、あれ冷静に議論をし、判断していくと仰っておられましたが、まさにそれを表しているのだろうと思います。
(問)正副総裁の意見が分かれるというのも、その表れだということですか。
(答)そのように想像しております。会議の中身については、もちろん知りませんので、副総裁と総裁の意見が分かれたのは、まさに今の状況を冷静に本当にしっかりと時間をかけて判断し、議論されたのだと受け止めています。
(問)後で事務方の方からでも結構ですけれども、内閣府としてこういう紙を出されたことが今まであったのか。それから、今回の議事の中身を含めてについて、それをちょっと教えてください。
(答)先月、私もぶら下がりで記者会見を受けて、内閣府の出席者の発言者を聞かれて、本当はご説明し た方がいいと思ったのですけれども、議事要旨が発表されるまでは発表できません。今回は利上げということもありましたので、しっかりお伝えした方がいいか と思いまして、お配りいたしました。
(問)1月の際には、大臣の方から12月と何が変わっているのかという観点での御発言がありましたけれども、今回、2月と1月を比べて、月例の判断 は変わっていませんし、かつ足元の細かい指標を見ると、家計調査、自動車販売など、むしろ1月時点よりも悪化している中での利上げということですけれど も、これについて御感想、御意見があったらお伺いしたいのですが。
(答)12月から1月の金融政策会合の間は、今仰ったように特段の指標、格別大きな指標はありませんでしたので、判断を変更される場合は御説明をしっかりお願いしたいということを申し上げてきました。
 今回は、QEを含めて幾つかの指標がありました。私どもは足元を見て月例経済報告を判断しております。日本銀行は、金融政策運営という観点から、そのデータを判断されたのだと思います。
(問)国民生活という面では、利上げによって預金金利が上がるといった影響が出てくるとは思うのですが、そのプラス面マイナス面をどの見ていらっしゃいますか。
(答)今、そのプラス面マイナス面についてはちょっと予断を持って申し上げられませんので、注意深く見ていきたいと思います。
(問)今のことにも関連するのですけれども、利上げの影響について、今の時点で判断できないという中にあって、日銀の説明が十分尽くされていたのかと思ってしまうのですが、その辺はいかがでしょうか。
(答)判断に至った説明についてはなさっていると思います。  今後のことは、注意深く見ていかなくてはいけません。
(問)あと物価の下振れリスクについても、依然として内閣の出席者の方から言及されたようですけれども、今回の利上げによってデフレ脱却の見通しに不安は残らないのでしょうか。
(答)その点は、これは注意深くとしか申し上げ様がないのですが、動きとしましては、デフレ脱却に向けてGDPデフレーターもマイナス幅を縮小しておりますし、デフレ脱却が視野には入ってきていると思いますので、今後の推移はしっかり見ていきたいと思います。

(以上)

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