大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年12月1日

(平成18年12月1日(金) 9:26~9:46  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議ですが、最初に予算編成の基本方針について、私の方から発言いたしました。
  「「平成19年度予算編成の基本方針」は、人口減少や厳しい国際競争に打ち勝ち、新たな成長経済を目指すとともに、これまでの財政健全化の努力を継続し、歳出改革を強化するとの方針を示したものです。我が国経済を中長期的に新たな成長のステージへと引き上げていくためには、「成長なくして日本の未来なし」との理念の下、イノベーションの力とオープンな経済システムにより日本経済に新たな活力を取り入れる必要があるとともに、財政健全化に向け、歳出・歳入一体改革に正面から取り組み、平成19年度予算において責任ある第一歩を踏み出していくことが重要です。
 この基本方針では、持続可能な「創造と成長」を実現する観点から、「活力に満ちたオープンな経済社会の構築」と「健全で安心できる社会の実現」に向けた取組を重点的かつ効率的に推進することとしています。また、今後5年間に実施すべき歳出改革の初年度として、社会保障、公共投資、地方財政の分野において具体的な方向性を示すとともに、新規国債発行額について前年度の水準より大幅に減額することとしています。」
 ということを述べた後に、この基本方針の取りまとめに際し、ご協力いただいた閣僚に御礼を申し上げました。
 それから、この基本方針について、内閣総理大臣、財務大臣から御発言がありました。
 その他、高市大臣から、18年版「少子化社会白書」についての御報告がありました。併せて、12月3日から9日までの障害者週間について御発言がありました。
 それから、総務大臣から18年度特別交付税について御発言がありました。
 また、総務大臣から労働力調査、消費者物価指数及び家計調査の結果について御報告があり、厚生労働大臣から有効求人倍率について御発言がありました。
 外務大臣から、スーダンにおける平和の定着支援に対する緊急無償資金協力について御発言がありました。
 閣僚懇談会では、御発言はありません。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど、菅大臣から報告があった指標の関係で、まずCPIについて全国の生鮮食品を除く総合指数で前月と同水準で、東京都区部は11月分で前月比0.1%の下落になっておりますけれども、この物価の指標をどう見られているのか、デフレ脱却の判断、金融政策に与える影響も含めてお願いします。
(答)基本的に、前と同じような状況が続いていると考えています。コアコアの指数が前年比マイナス0.4%で、ゼロ近傍での若干のマイナスという状態が続いておりますので、基本的にはこれまでと同じ状況が続いていると考えています。
(問)金融政策に与える影響は、あまり……。
(答)ええ。今の時点では同じだと考えています。
(問)労働力調査なのですけれども、完全失業率が前月から0.1ポイント減って4.1%となっており、雇用形態別に見ると、正社員が前年に比べると3四半期連続で増えておりますけれども、非正規社員の方も増えてきていて、4-6月期の非正規社員の割合よりも7-9月期の方が高まっているという結果についてどう見られていますか。
(答)全体としては、今回の調査は比較的よい数値であったと考えています。就業者が増加し、失業者が減少したということで、よい形での失業率の低下であったと思います。失業率の低下であっても、その背景によっていろいろありますが、今回は就業者が確実に増ええ、失業者が減るというよい形の失業率の低下であったと思います。
 今、御指摘のように、非正規社員が若干増えております。これは、昨日の諮問会議でも議論したように、正規も増えておりますので、非正規・正規、両方増えたということで、そのこと自体はそう悪い指標ではないわけですけれども、雇用形態によって格差が固定化することのないよう、諮問会議としても労働の中身について、今後議論していきたいと思います。
(問)家計調査の10月分が発表されて、全世帯の消費支出が前年同月比で実質2.4%の減少ですけれども、9月の6.0%減少から、マイナス幅は縮小しているものの、依然マイナスでありますが、これをどう見られていますか。
(答)前月比で見ますと、季調済で4.1%のプラスですので、前の月の落込みはカバーされたと見ています。
 ただ、これも住居あるいは交通・通信、自動車を除きますと前月比0.9%増で、やや増加幅は小さくなります。
 全体として消費はそれほど強くはなく、やや弱い基調が続いておりますけれども、10月はまだ非常に暖かかったこともありますので、この状況はもう少し見る必要があると考えています。
(問)道路特定財源について、当初、諮問会議は道路特定財源の議論にはあまり積極的ではなかったと感じられましたが、昨日になって急にあのような話が出てきました。多分官邸の意向だったと思いますが、このあたりは少し分かりにくくて、最初から来年度予算編成の基本方針の中に道路特定財源の話についても、国債発行額についてと同様の少し踏み込んだ表現を大臣と民間議員が協力して盛り込むように目指すというシナリオも考えられたと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
(答)道路特定財源につきましては、大きい方向は既にもう決まっておりまして、具体的にそれをどうするのか。一般財源化の範囲や、その内容がポイントになると思われます。それについては、総理からの指示で今週になって動き始めたという点があります。諮問会議としては、総理からも諮問会議で検討するというお話がありましたし、消極的では全くなく、流動的に必要に応じて議論したいという構えはずっと持っておりました。
 昨日の時点で、今週に入って議論が動き始めたこともあり、それを受けて民間議員からも前向きな発言があり、総理がそれを受けて明確な発言をされたという流れになっています。政策を議論する場としての諮問会議の役割は果たしていると考えています。
(問)ただ、民間議員なので、あまり政治のスケジュールに囚われ過ぎない方がよろしいのではないかということも考えられるのですけれども、そこはやはり総理の意向次第で議論していくことになるのですか。
(答)いえ、そういうことはありません。民間議員としては、大きい方向性をしっかり守るということは前から一緒です。
 ただ、今週に入って動き出したこともあって、新聞記事等で重量税だけになってしまうのではないか、後退するのではないかという懸念が急速に出てきて、やはりこれはここで発言すべきという判断をしたのだと思います。
(問)労働市場の労働ビッグバンについて、昨日も似たような問題意識があったかと思うのですけれども、専門調査会でこれから議論を始めるに当たり、労政審との役割分担との棲み分けの問題がどうしても出てくるだろうというところがあります。なかなかそこからの進め方が分かりづらいのですけれども、双方が協力しながらということもあったと思います。しかし、全く同じものが出てくるのであれば、これは屋上屋と言われかねないと思いますし、違う方向性が出てきた時にはどのように調整するかといった問題もありますが、そのあたりのことはいかがお考えでしょうか。
(答)これは、諮問会議でどのテーマを扱う時も出される話で、政府税調との棲み分けはどうなのだ、財政審との棲み分けはどうなのだ、社会保障審議会との棲み分けはどうなのだと、常に出てくる話ですけれども、お互いが対立するわけでもなく、同じ安倍内閣の下で政策を作るわけですから、基本的には連携する。ただ、その観点がやはり違いますので、諮問会議はマクロ経済との整合性であったり、経済のあるべき姿に照らし合わせて議論する点がありますので、異なる角度から複数の場で議論すること自体に私は意義があると考えています。労政審も既に議論の途中ですので、その様子を見ながらそれを後押ししたり、あるいはもう少し先の中長期的な方向について諮問会議で議論したりという関わり方になると思います。これは、例えば政府税調との関わり方についても、同じような形になると思います。
(問)やはり船頭多くしてといいますか、議論がより錯綜してしまい、さらに調整に時間が掛かるといった懸念もりますが、そのあたりはいかがでしょうか。
(答)諮問会議創設以来、そのことは言われてきましたけれども、1つの役所の中で議論されていたことが諮問会議という舞台に上ることで、例えば諮問会議に出席している閣僚の間で異なる意見が出てきたり、あるいは有識者議員の立場から議論が出てきたりして、それが国民にとって問題点や政策が決まる過程が分かりやすいという効果を持ってきたと思うのですね。ですから、1つの役所の中で担当しているからそれで十分だということであれば、諮問会議そのものが不要なわけで、むしろ横断的に取り組む課題が増えて、それが国民に見える場でさまざまな角度から議論されるというところに意義があると考えています。
(問)専門調査会なのですけれども、設置時期はいつ頃になりますか。
(答)昨日、(労働の専門調査会の設置について)御了承いただきましたので、ワーキンググループをどうするのか、設けるのか設けないのか、それからメンバー選定をこれからやりますので、できればもう早い時期に、年内と考えておりますけれども、ちょっと今の時点で時期は申し上げられません。
(問)EPAやグローバル化の時の議論の際にも専門調査会を設置することになったと思うのですけれども、そちらの方はいかがでしょうか。
(答)今、決まる最終段階に来ておりますので、次回の諮問会議もしくはその次で。委員御本人の了解を得なければいけませんので、今そのプロセスに入っております。もうじき発表できると思います。
(問)次回のテーマは、どんな感じですか。
(答)この時期はいろいろなことが動きますので、12月7日開催予定ですけれども、テーマは今、最終調整をしております。そろそろ中期方針の議論も入らなくてはいけませんし、予算編成の時期でいろいろなことが動いておりますので、もう少し待って発表したいと思います。
(問)集中審議について、残されたやるべきテーマとしてどのようなものをお考えなのですか。
(答)まだ規制改革、公務員制度改革、生産性改革というテーマがあります。それから政府の改革で、例えば政府系金融はもう法案作りに向けて進んでいますので、これは様子を見ながら、必要があれば諮問会議で議論いたします。そうでなければ、政府の改革については来年に入ってからになるかもしれません。
(問)道路の件で、総理があそこまで明言なさったので、ぜひ大臣自身のこの道路特定財源の見直しについて、「こうあるべきだ」というお考えを伺いたいと思うのですが。
(答)総理も言われましたように、まさに国民の期待に沿う形で改革してほしい、道路特定財源の全体にわたって見直しをし、有効活用していく。道路だけに絞った議論が多いのですけれども、これはやはり財政全体の問題ですし、財政体質を変えるという点からこの問題は捉える必要があるのだろうと思っています。
 したがって、財政全体の考え方に立ちますと、この道路特定財源自体を有効に活用することが必要で、国民が必要とする歳出に有効に振り向けて、なるべく将来の国民負担を小さくしていくという視点が一番大事だと考えています。
(問)昨日民間議員の方から、これはまさに安倍内閣の試金石だという話が出たのですけれども、その「試金石」の意味ですが、やはり来年度予算で金額という意味も含めて一般財源化を成し遂げてこそ、「試金石」をクリアできるという意味なのか、それとも再来年度でもっとというお考えなのか。民間議員は、どのような意味で「試金石」と仰ったのでしょうか。
(答)既に示されていた大きい方向に沿った形で具体案が取りまとめられるかどうかが「試金石」の意味だと私は受けとめています。
(問)年内に具体案を作るというところが大きな目標けれども、その実施時期等についてはまだ……。
(答)これからの議論なのだろうと思います。
(問)この関連で閣僚懇では今日特に発言はなかったということですけれども、閣議の場で、総理や他の大臣から道路特定財源について何か発言はありませんでしたか。
(答)ありませんでした。
(問)日銀の金融政策についてお伺いしたいのですけれども、日銀は年内の追加利上げについて排除しないという考えを示しておりますが、足元の景気、消費が強くないという状況の中で、この早期利上げの是非についてお考えをお聞かせください。
(答)利上げについては、まさに日銀がお決めになることです。政府としては、今の状況が前と比べて変わったのかどうか、幾つかの角度から多角的に見ていきたいと。前から4つの指標を設けていますので、それをよく見ながら景気の判断をしていきたいと思っています。
(問)年内に利上げということになっても、それは日銀の判断に任せるということでいいのでしょうか。
(答)状況に応じてだと思います。
(問)関連して、今日のCPIコアなのですけれども、2カ月連続で物価の上昇率が鈍っていますが、その中での利上げの必要性については、大臣はどのように。
(答)今回、CPIが0.1%ポイント下がったのは、石油の寄与度が下がっておりますので、状況は変わっていないということだと思います。
(問)諮問会議での道路特定財源の議論について大きな方向性は以前から示されていたということですが、安倍内閣の試金石とまで言うような問題について、基本方針の案の段階では民間議員から特段の発言がなくて、それで塩崎官房長官などが会見で具体的な話をし始めた後になって、民間議員がこういう発言を始めるというのは、やはり後追いの印象があると思うのです。こういう形での発言であると、諮問会議の位置付けが、むしろ低下する方向に働くのではないかと思うのですけれども、このあたりを大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)むしろ、民間議員は、まさに基本方針に書かれた方向で進むと思い込んでおられたわけですね。
 ところが、新聞報道で重量税だけ一般財源化するという話が出てきたりして、これはやはりおかしいのではないかということだったのだと思います。まさに、完全に一般財源化、総理も国民の視点に立ってということを言っておられて、その方向での具体案取りまとめと思っておられたのだと思います。
(問)先ほど、年内の利上げは日銀に任せるかという質問に対して、状況に応じてだと思うと仰いましたが、今のように物価がなかなか上がらず、消費が弱い状況が続くと、政府としてはやはり反対の立場を採るという意味で仰ったのでしょうか。
(答)まだ起こっていない事態について、先のことを申し上げるのは控えたいと思います。こちらとしては、今の経済状況を常にきめ細かく判断し続けるということです。

(以上)

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