大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年11月2日

(平成18年11月2日(木) 9:22~9:36  於:記者会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
 今日の閣議で閣僚からは発言がありませんでした。閣僚懇談会においても発言はありませんでした。私からも発言をしておりません。
 閣議については以上です。
 今日の諮問会議について、私の方から少し補足をさせていただきます。
 前回の記者会見の時に、本日の諮問会議ではグローバル化改革のテーマを取り上げると申し上げましたけれども、それに加えてマクロ経済運営について議論することにいたしました。これは予算編成の基本方針に向けての審議をスタートするところですので、なるべく早くマクロ経済運営について議論したいと考えておりましたが、今回はグローバル化改革のテーマで臨時議員をお二人お呼びするため、時間がきちんと取れるかどうかわかりませんでしたので、前回の会見では申し上げることができませんでした。その後の調整の結果、どうも時間が取れるようですので、マクロ経済運営を議題に加えて審議いたします。
 それから、次回の諮問会議は来週の後半ということで日程を調整中です。テーマについては、臨時議員の日程の最終確認が必要ですので、まだ最終調整中です。決まり次第、申し上げます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)諮問会議でのマクロ経済についての議論の関係で、今日、一部報道で19年度の国債の発行額を27兆円以下にする話が出ていますけれども、それについても議論はなされる見込みなのでしょうか。
(答)まだ27兆円以下という報道の事実についても私は確認しておりませんので、コメントは控えたいと思いますが、来年の予算の枠組みについての議論は今日はなされないと考えています。
(問)今日以降、話し合われる可能性はいかがでしょうか。
(答)予算編成の基本方針の中で議論に上る可能性は十分にあります。
(問)それともう1点、閣僚の資産公開について、大臣になられたということで初めて出されまして、その御感想と資産公開制度の在り方そのものについての思いをお聞かせください。
(答)閣僚になったらやるものだというのはわかっておりましたので、あまり隠す財産もありませんし、格別の感想はありません。資産公開はやはり最初になった時点と次の機会との違いが大事なのだと思っています。
(問)補足ですが、マクロ経済を議題にするというのは、金融政策などが中心でしょうか。
(答)金融政策は日銀の管轄ですけれども、政府の経済運営ももちろんありますので、それは両方です。今日は、政府の方からも経済についての現状の報告を簡単にして、日銀の福井総裁からも景気の現状について簡単に御報告いただいて審議に入りたいと思っています。
(問)関連で、ガソリン価格が140円を切るところまで来て、更に一部安いところで130円台前半という価格も付いており、下落傾向にあるわけですけれども、これが日本経済の景気に与える影響について教えてください。
(答)ガソリン価格の上昇というのはいろいろなところでじわりじわり効いてきておりましたので、少々下落するのはいいことだと思いますが、まだガソリン価格自体が定まっておりませんので、これについては今後の動向をしっかりと見ていきませんと、これで下がっていくとも言えませんし、少し原油価格が振れていますので、動向を見たいと思っています。
(問)全般的な景気について、11月に入ったこともあり、何か大きな変化を感じられているかどうか。更に懸念要因はどういうものが挙げられるか教えてください。
(答)消費、所得面が少し弱いので、注意して見ていきたい。それから、IT関連の在庫の動向も注意が必要だと思っています。
(問)景気は結構厳しい状況になりそうだということですか。
(答)いえ、腰折れ懸念ということは考えておりません。そういう心配はしておりませんけれども、足元の消費などの少し弱い動きは、注意して見ていく必要があるなと思っています。
(問)今の景気の関連で、アメリカのGDP成長率がこの間1.6%と潜在成長率を下回る数字で、かなりマーケットに影響がありましたが、それについての感想と、併せて日銀の展望レポートでの景気認識と、今の足元の景気実態に、ややズレが生じてきているのではないかという見方も今市場にありますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
(答)アメリカはやや減速感がありますけれど、景気の下落と減速は明らかに違いまして減速というのはソフトランディングできるかどうかの調整の過程だと思っております。それほど心配はしておりませんが、この減速がどういう具合になるかやはり注意しながら見ていきたいと思います。
   それから、日銀の展望リポートですが、今の御質問と少し違って、現状については概ね一致した見方だと思っています。企業部門から家計部門に波及しながら景気回復は続くという点は同じように見ております。日銀は、今後の経済物価動向で上振れリスク、下振れリスク両方挙げておられます。これに関しましては、私はやや下振れリスクの方を注視して見ていきたいと思っています。
(問)その辺りは今日の諮問会議でも、いろいろと福井総裁との議論になるのでしょうか。
(答)景気の現状自体の認識は同じですので、それは内閣府から景気の現状について御報告をさせていただくと。それから、福井総裁から恐らく展望リポートを引きながら御説明があると思いますので、見方についての議論が出る可能性はあります。ただ、どういう議論が出るかは私の方からは全然わかりません。
(問)資産公開について、今回の対象として首相補佐官は対象になっておりませんが、これは公開対象とするべきとお考えでしょうか。
(答)すみません、ちょっと考えておりませんでしたので、答えは控えさせていただきます。閣僚が対象ということですから、やはりそこは区別したということだと思います。
(問)日銀の展望レポートを踏まえた金融政策の判断ですけれども、福井総裁は依然として年内の利上げの可能性を排除されない考え方を会見でも仰っているのですが、その点についての大臣自身のお考えと、今日の諮問会議でマクロ経済政策運営を議論される中で、インフレターゲット論や、金融政策の枠組みの議論を行う可能性があるのか、その点を2つお伺いできますでしょうか。
(答)まず、1つ目の御質問ですけれども、日銀は政府の政策運営や経済の動向、あるいは市場の動向ということを見ながら、これからも責任を持って金融面から経済を支えていただきたいと思っております。
   それから、後半について、具体的に何をどうするという議論ではなくて、マクロ経済運営を適切にやっていくという時に大事な視点は何だろうかという確認が今日はなされるのだと見ています。
(問)あともう1点よろしいでしょうか。多分、一昨日だったと思うのですけれども、官房長官はデフレの認識について、「逆戻りをする恐れがあるので各指標を注意深く見ていく」と仰っていたのですけれども、これまでのどちらかというと「逆戻りするかどうか慎重に判断して見極めていきたい」という言い方に比べると、やや後退感を感じるのですが、デフレ脱却に向けた認識について、現時点での大臣のお考えを教えていただけますか。
(答)私は官房長官の記者会見録を見た時気が付きませんでしたので、官房長官の認識も変わったとは受け止めておりませんが、少なくとも私自身は認識を変えておりません。デフレが後戻りしないかどうか、もうしばらく様子を見たいという判断に変わりはありません。
(問)政府税調の在り方について見直しが進むのではないかという観測もありまして、塩崎官房長官も元々政府税調というのは内閣府に置かれている調査会なので、原点に戻った議論がなされることになると思うと仰っていますけれども、内閣府としての関わり方はどうあるべきかについての大田大臣御自身の御見解を伺いたいのですけれども。
(答)あれは財務省、総務省の協力を得ながら内閣府の企画調整課が庶務を行うということになっているのですが、官房長官の下に置かれ、官房長官の指揮の下にあるということですので、私の担当ではありません。
   原点に帰るという形を採るかどうかは、総理や官房長官の御判断だと思っています。
(問)御本人の関わり方はこれまでと変わってくると。
(答)いえ、私自身は変わりません。諮問会議で税制を議論する時には、これまで同様、税調会長にお出でいただいて議論するということは、これからも続けていきたいと思っております。
(問)資産公開のことで細かいことで恐縮ですけれども、「なった年と次回との違いが大切」と確か先ほど仰ったと思うのですけれども……。
(答)辞める時です。つまり、今どれだけ持っているかということが大事ではなくて、任期中に何があったのかを公開していくのが重要なことだと思っています。
(問)そういうことに意義があるという御趣旨であると。
(答)はい。つまり、今多い少ないが問題ではないと。
(問)資産公開の件で、株式投資等が盛んになっている中で、株式の投資はなさっていらっしゃいませんよね。
(答)はい。
(問)定期預金が一番多いと。これは何か個人的なお考えがあって、こういうことになっているのでしょうか。
(答)正直言うと、あまり株式投資に個人的には関心がないということがあります。それに去年の夏までは役所におりましたので、元より株式投資はしないということもあります。
(問)関心がないというのは、どういった意味で関心がないということなのですか。お金儲けとして関心がないのかということですけれども。
(答)もちろん株価の動向は仕事の上でも関心は持っておりますけれども、私自身の貯金を株に向けたり、増やしたりすることにあまり関心がなくて、自然に銀行だけになったということです。貯蓄から投資へといっているのですけれども。

(以上)