大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年10月31日

(平成18年10月31日(火) 9:42~9:53  於:記者会見室)

1.発言要旨

おはようございます。
 本日の閣議ですが、まず内閣官房長官からスリランカ被災民に関する物資協力の実施について御発言がありました。
 それから、テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画の変更について、内閣官房長官、防衛庁長官、外務大臣から御発言がありました。
 それから、総務大臣から労働力調査及び家計調査について御報告がありました。厚生労働大臣から有効求人倍率について御報告がありました。
 次いで、同じく厚生労働大臣から今年度も児童虐待防止推進月間を11月とし、今年で3回目になるという御発言がありました。
 それから、少子化男女共同参画大臣から、全国青少年健全育成強調月間について御発言がありました。
 最後に文部科学大臣から、東北大学の学長について口頭了解の御提案がありました。
 私からの発言はございません。
 以上です。

2.質疑応答

(問)経済財政諮問会議の次回会合について、ただ今準備中だと思いますけれども、テーマと日程について方向性を教えてください。
(答)11月2日にグローバル化を中心に議論をいたします。開催時間はまだ確定しておりません。
(問)グローバル化の議論のポイント、どういうところに力点を置いて議論されるかを教えてください。
(答)EPAの加速や、農業についての取組を中心に今回は専門調査会を開くための論点などの提示があると考えています。
(問)景気関連について、先週末に発表された7-9月期の米国GDPが実質で1.6%増となり市場の予測を下回りました。昨日の株式市場が下げの方向に働くなど、いろいろ影響が出ているかと思いますが、日本経済に与える影響について御所見を教えてください。
(答)成長率は低下しましたが、中身を見ますと住宅投資あるいは輸出、純輸出に低下が見られますが、消費や設備投資はまだ堅調に推移していますので、米国経済の基調は変わっていないと見ております。まだ日本経済への影響もそれほど出ておりませんので、もうしばらく注意して見ていきたいと。
 いずれにしてもアメリカ経済の動向については、ソフトランディングがしっかりとできるかどうかという点を十分に注意していきたいと思っています。
(問)諮問会議の関連で、1つは法人税の改革について民間議員ペーパーの中でも国際競争力を確保するための法人税改革が挙げられていますけれども、それに対して、それであれば輸出産業にしか関係がないとか、あるいは今年の3月決算あるいは中間決算でこれだけ企業が好調な中で、これ以上企業の負担を減らす必要があるのか、むしろ消費を下支えする方が重要ではないかという意見もありますが、それに対する御見解がありましたらお願いいたします。
(答)まさにそれは税全体の中で考える必要があると思っております。ただ、企業は厳しい国際競争をしておりますので、イコールフッティングの観点から何か制度上の問題はないかという点検を行っていく必要があると考えています。
(問)それから2点目ですが、これから5年間で移行すると提示されている新成長経済の持続可能性、すなわち5年間経った後、2010年代半ばに人口減少が本格化する中で、高成長を実現できるという枠組みを目指されているのかどうかについてお願いします。
(答)IT革命が起こり、アジアが成長し、そして国内においては高齢化が本格化し人口減少していく中で、日本経済の新たな可能性を探り、新しい成長の可能性を創っていくというのがこの5年間の課題です。5年間で移行して、その後息の長い成長を続けていくための改革を、この5年間、特に2年間の離陸期間でやるということです。5年間の後も息の長い、持続するような成長の体質といいますか、そういう成長経路を目指していきたいというのが狙いです。もちろん短期的には景気循環はあるでしょうけれども、基本的には強い経済を作っていくというのが目指すところです。
(問)内閣府が去年まとめられた2010年代とか2020年、2030年に関しての長期的な経済の予測の中で、2020年から2030年に関しては……。
(答)それは「日本21世紀ビジョン」のことですか。昨年のことですね。
(問)そうですね。その中で、実質成長率で1%から2%程度を見込んでおりますけれども、新成長経済はそれよりも上を狙っていくということなのでしょうか。
(答)数字までは推計をバックにしているものではありませんのでお答えできませんが、IT経済をより本格的に取り入れ、規制改革を行うということ、あるいはグローバル化により世界市場の成長を国内の活力として取り入れるという改革ができれば、より高い成長を目指すことも可能だと考えています。
(問)次回の諮問会議でグローバル化を中心に議論するということですが、それ以外のテーマを取り上げる可能性というのは。
(答)今の時点はグローバル化ということで考えております。ただ、今最終調整中です。
(問)専門調査会を開くための論点整理というお話ですけれども、グローバル化のテーマで専門調査会を設置し今後議論していく話はもう出ていますか。
(答)恐らくそれは今回ご提案させていただくということになると思います。専門調査会の設置は諮問会議の了解が当然必要です。前回伊藤議員から、専門調査会などを開いて深く突っ込んだ議論をしたいというご提案がありましたので、今回そのような提案がなされる可能性は高いと見ておりますが、了承されるかどうかは諮問会議の議論次第です。
(問)民間議員から提案があるであろうということですか。
(答)恐らくそうなるだろうと思っています。
(問)臨時議員の閣僚等が出席する予定は。
(答)グローバル化ですので、麻生外務大臣、それから農業改革が議論されますので、松岡農水大臣の御出席を予定しています。
(問)首相補佐官の御出席はないですか。
(答)根本補佐官もアジアゲートウェイ構想を管轄しておられますので、ご出席いただきたいと考えていたのですが、御都合が付きませんでしたので別の機会にと考えています。
(問)人口減少の件で、国勢調査の確定値が出まして、改めて人口減少が確認され、この人口減少について色々取り沙汰されていますけれども、人口減少が日本経済に及ぼす影響、それからどのように対応すべきか、その2点について改めて伺いたいと思います。
(答)経済学的に見ますと労働力人口の減少は、経済成長にはマイナスになりますけれども、それほどイコールのものではなくて、例えば高度成長期も人口増を上回る成長を達成したわけですね。ですから、逆に人口減少を梃子にしてより効率的な経済を目指していくということが大事だと思っています。
 人口減少ということで悲観的にならず、むしろそれに対応した経済の仕組みを作っていくと。それで、人口が減る中で質の高い生活を維持するモデルを構築していくという考え方が大事だと思っています。
(問)今朝発表の完全失業率がわずかにアップしたのと、それから総務省の方の家計調査で収入減、消費減という数字が出ていますが、これについて大臣はどのような見方をされていますか。
(答)失業率は0.1ポイント上がりましたけれども、内訳を見ますと、自営業が低下している。雇用者自体は増えておりますので、それほど悲観的に考える必要はないと思っております。
 消費支出については、その背景をもう少し探ってみたいと思っています。いずれにしてもこの消費支出の動向は注意して見ていきたいと思っています。
 一方、供給サイドは百貨店の売行きが少し上がっておりますので、需要、供給両面から注意して見たいと考えています。
(問)政府税調の運営に内閣府がより関与していく案が浮上しているという報道がありましたけれども、そういう方向で現在検討がなされているのかどうかという点を伺いたいと思います。
(答)私はまだ何の話も聞いておりません。
(問)現在の政府税調の運営について、大臣御自身は何か改善すべき点があるという問題意識をお持ちですか。
(答)格別にありませんけれども、今御提案されている専門家を中心とした税の議論がなされるという方向は望ましいと考えています。

(以上)