大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年9月29日

(平成18年9月29日(金) 17:46~18:54  於:記者会見室)

1.発言要旨

 有識者議員が内定いたしまして、先ほど官房長官から発表がありました。お名前は御存じのことと思います。お手元にも資料が配られていることと思います。

2.質疑応答

(問)今回、この4名の方を選考された理由について、大臣の方からお願いします。
(答)基本的に、総理の御判断です。大変バランスのとれた、よい人選をしていただいたと思っています。
(問)もう少し具体的に、この4名の方について、人物像を交えた形で大臣から御説明いただけますか。
(答) 総理の政策運営を担う方々ですので、キヤノンの御手洗会長は国際派として経営をやっておられる方ですし、丹羽宇一郎さんもサービス分野の仕事に長く携わっておられて、しかも非常に豊富な国際経験と、政策に対する豊かな見識を持っておられる方です。それから、学界から選ばれた伊藤隆敏さんは、非常に優れたエコノミストであると同時に、財務省の副財務官をしておられましたし、IMF上級審議役、ハーバード大学客員教授もしておられました。国際金融、マクロ経済分野の非常に優れたエコノミストでいらっしゃいます。それから、八代先生は、社会保障、医療、雇用それから少子化という分野に精通した経済学者です。国際機関での勤務経験もおありです。

 全体として、国際的視野をお持ちであるという共通点があるかと思います。それから、総理が力を入れておられる安全・安心という観点からみて、例えば八代先生は少子化や雇用、それからいわゆる再チャレンジ的な分野でも豊かな見識を持っておられる方だと思います。
(問)民間議員4名が固まったことで、今後初会合に向けてのスケジュールというのはどうなりますか。
(答)私からは、総理になるべく早く1回目の会合を開いていただきたいとお願いしてあります。総理も、なるべく早く開きたいということはご了解いただいております。ただ、国会日程もありますので、まだ今の時点でいつということは決まっていません。
(問)目途として10月の中旬であるとか、そういったところまでは……。
(答)いえ、それも何も決まっておりません。全議員が今日内定したわけですので、全体のスケジュールの中で、なるべく早い時点に第1回目を設定したいと思っています。
(問)残る閣僚のメンバーについては、これまでどおり、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣が維持されるという形でしょうか。
(答)はい、それから日銀総裁ですね。引き続き議員を続けていただくということです。
(問)これでようやく本格的スタートが切れると思いますが、これまでも重ね重ね伺っていましたけれども、新体制になってどういったテーマをご議論したいと今お考えでしょうか。
(答)大きな課題は、「骨太2006」に書かれております歳出・歳入一体改革の中身の道筋を付けていき、来年度予算で確かな一歩を踏み出すということ。それから、もう一つは経済成長戦略で、総理の言っておられるオープン・アンド・イノベーション、これをなるべく具体化していくということで、柱は大きく2つになると思います。

 つまり、総理が政権公約で掲げておられることで政府として取り組むべきこと、それから「骨太2006」で方向性が書かれていることについて、具体化して道筋を付けていくということですね。
(問)この間、与謝野大臣との引継の時にも伺ったことですが、歳出・歳入一体改革の方の中で、社会保障と国と地方のギャップということが大きなテーマだったということでしたが、もう少し具体的に、社会保障と国・地方について、どういった点を議論していきたいとお考えでしょうか。
(答)与謝野大臣から引継いただきましたのは、「骨太2006」には5年間の歳出削減の額は書かれておりましたけれども、その裏づけになる、例えば地方財政はどのような制度改革をするのかというような点はまだ不十分だと。地方財政というのはいろいろな制度が一体になっておりますので、税、補助金、地方交付税、地方債それから再建法制、行政改革といったことを一体として議論していくと。何より新分権一括法で、国の権限を地方に移すというところまで含めて、全体の姿を議論していくということです。

 それから、社会保障については、まだ持続可能な姿を描くに至っていないので、引き続き議論が必要であるという引継をいただいております。私もそのように思いますので、社会保障の持続可能な姿を描けるように議論していく。一体的な取組をということは総理もおっしゃっておられますので、一体的な観点から議論していきたいと思っています。
(問)最初に、バランスがとれた人選だという評価をされましたが、バランスというのはどういう意味ですか。
(答)分野から見ましても、例えばキヤノンはものづくりですが、伊藤忠はサービス分野ですし、それから学界の議員についても国際金融、マクロ経済学の先生と、労働、社会保障等の先生ですし、そうした意味でもバランスがとれていると思います。
(問)大臣は4人の方と御面識はございますか。
(答)はい、あります。何度もお目にかかっているわけではありませんが、面識はあります。
(問)4人の方、全員にあると。
(答)あります。
(問)特に親しい方はございますか。
(答)学界の方お二人とは、以前から面識がございます。どちらも、内閣府で日本21世紀ビジョンを作った時に、ワーキンググループを担当していただきましたので、前からお付き合いいただいています。
(問)今までは本間さんが民間議員の取りまとめをしていました。
(答)それは、特命チームという形を作った時にその事務局長に本間先生がなった時期があるんですね。ただ今回は、どういう形でこの民間議員をサポートする体制をするのかをまだ議論しておりませんので、これから考えたいと思います。
(問)そうすると、民間4議員の方々が幹事役のような形ですか。
(答)いえ、まだ何も決めておりません。
(問)4人の顔ぶれを見て、これまでより改革が加速するメンバーだと受け止めていらっしゃいますか。
(答)これまでのように、改革を加速できると思っています。
(問)細かい話なんですけれども、この4人の方はいつから有識者議員となるのか。前の4人の方はどの時点で正式にお辞めになるのか。
(答)はい。まず、前者につきましては、まだ飽くまで内定です。大学の場合は、総長なり学長なりの承認も必要ですので。それから、新議員の就任の時点をもって前議員の退任が決まるということです。
(問)前回の4人の方は、財務省なり経産省なりの推薦があったと認識しているのですけれども、今回特にそうした各省からの推薦はあったんでしょうか。
(答)いえ、私はそこは存じません。
(問)伊藤さんは元副財務官で、八代さんも経済企画庁に関係したことがありますよね。そうすると、何か役所と関係ない方々とはちょっと言いづらいと思うのですけれども。
(答)ある程度過去に政策を深くかかわった経験がある人の方が、もちろん必須では全くありませんけれども、政策を深くご存じということはあると思います。ただ、それが役所寄りであるかどうかという点は、人によって全く違うと思っています。
(問)むしろ2人とも役所をよく知っているということで、前の大田さんの立場ではないですけれども、役所の様々な権益と戦っていく上で期待できるということですか、このお二人の経歴というのは。
(答)そうあっていただきたいなと思います。それは、まさにこれからの御発言なりで、かつて役所におられたということがどう働いていくのかが示されるのだと思います。
(問)今回の4人の人達は、昨日総理の腹案が話題になりましたが、基本的にはその総理の腹案の方で……。
(答)はい、そうです。
(問)総理から腹案を示された後あるいは今日発表になって、大田さん御自身この4人の方とお話されましたか。
(答)いえ、しておりません。
(問)総理の腹案というのは、今回発表された4人で固まっていたのですか。
(答)いえ、固まっておりません。
(問)大臣から推薦された方というのは入っていらっしゃいましたか。
(答)おおむね共通していました。今回の4人を含めて、他の方々も挙げておりましたけれども、おおむね共通していたと思います。
(問)諮問会議が始まる前に、第1回の顔合わせはいつ頃するかは決まっているのですか。
(答)正式な就任がありましたら、第1回目に向けて準備が必要ですので、4人会というような形では開きたいと思っています。いきなり第1回で初顔合わせいうことはありません。
(問)そこで、大枠のアジェンダ設定みたいなことはされるおつもりですか。
(答)それを議論する必要があります。
(問)4人の力が存分に発揮できるような環境を整えるということですけれども、今までと比べて、例えば内閣府サイドのスタッフを充実させるとか、具体的に考えていらっしゃることは何かございますか。
(答)いえ、特別にありません。
(問)今日、根本補佐官ともいろいろ意見交換されたと伺っているのですけれども、やはり諮問会議の運営などについての意見交換という……。
(答)いえ、諮問会議の運営は私に任されております。根本補佐官は、安倍政権の経済財政政策のうち安倍政権の目玉になるようなものについて、例えば社会保険庁改革でありますとか経済成長戦略でありますとか、アジア・ゲートウェイ構想というところをしっかりと担ってくださると聞いています。その中で、もちろん諮問会議とかかわりが出てくる部分がありますので、そこはお助けいただくと。密接に連携は取りますけれども、諮問会議に関しては私の担当になっております。したがって、それについての意見交換は、今日は特別しておりません。
(問)4人の方への打診は、大田大臣の方でされたのですか。
(答)総理が直接なさいました。

(以上)