大田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成18年9月26日

(平成18年9月26日(火) 23:35~24:05  於:記者会見室)

1.発言要旨

 経済財政政策担当大臣を拝命しました大田でございます。よろしくお願いします。
 先ほどの記者会見で、私の抱負は申し上げましたので。

2.質疑応答

(問)就任に当たって、総理からは直接どういう指示があったのでしょうか。経済財政担当として、こういうことをやって欲しいというような。
(答)改革を継続するとの方針の下、「骨太の方針 2006」に基づき、関係大臣とも連携して、「新たな挑戦の10年」における以下の3つの優先課題に全力を挙げて取り組まれたい。
 1、生産性向上・技術革新・アジアの活力の活用を梃子にした新たな日本型成長モデルを構築し、日本経済が直面する人口減少・高齢社会の到来等の課題を克服して、持続的かつ安定した経済成長の実現に努力されたい。
 2、財政健全化に向けて、「歳出・歳入一体改革」の推進に努力されたい。
 3、経済成長の成果を有効に活用しながら、持続可能な社会保障制度の総合的な改革、再チャレンジ支援、総合的な少子化対策等についての取組みを進め、安全・安心で柔軟かつ多様な社会の実現に努力されたい。
 それから、併せて、公共サービス効率化法、つまり市場化テスト法の着実な実施など、経済活性化に向けた規制改革をさらに推進されたいという御指示をいただきました。
(問)今回就任されるに当たって、随分悩まれたという話を伺ったのですけれども、今回の人事の経緯や、途中でどなたかに相談されるような場面もあったのかどうか。
(答)想定外の事でしたし、経済財政諮問会議が非常に重要であり、なおかつその運営が簡単ではないことは、私が内閣府にいる間にしっかり経験しておりますので、私に務まるかどうか大変悩みました。どなたかに相談したということはございません。私なりに、この諮問会議の歴史の1ページを担当させてもらえるならば、覚悟を決めてやっていきたいという気持ちになりました。
(問)諮問会議の役割については、竹中大臣の時代の与党や関係省庁の抵抗を押し切るような形で進めるやり方と、与謝野大臣の時代の与党との調整を重視して進めるやり方、この2つの手法というのがこの5年半の間にあったのですけれども、大臣はどういうものを目指していくおつもりですか。
(答)私は、与謝野大臣になってからの諮問会議を知りませんので、うまく比較はできません。何々大臣の時のやり方というより、諮問会議というのはずっと試行錯誤をしてきました。これからも恐らく試行錯誤していくことになると思います。
 それで、与党とは、うまい連携の方法を工夫しながら、なおかつ、やはり諮問会議の場合は民間議員が自由な発想で高目のハードルを掲げて改革を牽引するという持ち味がありますので、そういう持ち味を存分に生かして、総理のリーダーシップの下で既得権と戦っていく役割を果たしていきたい。それから、諮問会議の功績で非常に大きいのは、政策決定プロセスの透明性を高めたことだと思いますので、その点はこれからも大事にして、国民から見えるように、改革の窓としての諮問会議を運営していきたいと思っております。
(問)諮問会議の民間議員について、4人の方が今回退任されるということで、後任選びということになると思うのですが、今後の人選の基準や時期的な目途についてお聞かせください。
(答)私も、その点は、今の時点では何も存じ上げません。総理からは何も伺っておりません。まだ今日任命を受けたばかりですので、総理の御意向も伺いたいと思っております。
(問)景気認識について、与謝野大臣は個人的な見解として、8月の段階でデフレからは既に脱却しているというお話をされていますが、政府としての脱却宣言はまだされていない状況なのですけれども、今の状況をみて、脱デフレについてはどういう御認識なのでしょうか。
(答)内閣府は4つの指標を見ているわけですね。消費者物価上昇率、それからGDPデフレーター、デフレギャップ、それから生産1単位当たりの労働コスト。この4つの指標を総合的に見て、デフレに後戻りする可能性はないかどうかを見ておりますので、ここを私もまた丁寧に見ていきたいと思っています。その上で判断したいと思います。
(問)今月の月例経済報告で、若干個人消費や輸出入、住宅建設あたりで個別項目として下方修正があったものの、基調判断は引き続き、「景気は、回復している」と。来月、再来月では、いざなぎ景気の長さが意識されてきて、今の景気がどこまで続くのかということに、非常に関心が高まっていると思うのですけれども、今後の景気の動向については、大臣はどのように見ていらっしゃるのか。
(答)まだ基調は変わっていない、景気回復過程が続いていると思います。ただ、幾つかリスクはあり、特にアメリカ経済、原油価格の動向、それから景気回復がこれだけ長期化すると、在庫や設備の成熟化といったことにも注意して見ていかなければいけないと思っています。非常に大事な時期であると思っています。ここでデフレ脱却を確実なものにして、日本経済が成長軌道に乗っていけるのかどうかをしっかりと見極める時期だと思っていますので、いざなぎ景気に並ぶ長さになっても、油断しないで気を引き締めてチェックしていく必要があると思っております。
(問)諮問会議の関係で確認ですが、これまで小泉政権でやってきたこと、「骨太の方針」を軸にした1年間の経済運営のサイクルというのは、今後も堅持するのかどうかということと、与党との関係について、御自身の「経済財政諮問会議の戦い」という本の中でも課題として挙げられているように、与党との協調を重視した結果、先ほどおっしゃった諮問会議の長所である透明性が下がったということとを、大臣はどのように折り合いをつけていこうと考えておられるのか、具体的に教えていただけますか。
(答)まず質問の前半についてですけれども、諮問会議がこれまで作ってきた政策の出口である「骨太の方針」、「予算の全体像」、「予算編成の基本方針」、「改革と展望」は、それなりに工夫しながら作り上げてきたものですし、内閣が何を目指しているのかを国民に示す大事なツールですので、これは基本的に守っていきたいと。さらにそれをよいものにしていく努力をしていきたいと思います。
 それから、後者の党との関係の在り方についてですが、私は今まで事務局として仕事をしておりまして、閣僚になるとまた違った役割もあると思いますので、これからの運営の中で努力していきたい、よいやり方を探っていきたいと思っております。
(問)先ほどの総理の3つの指示に関して、生産性向上やアジアの活力の活用等いろいろな意味で、経済財政担当大臣は幅広い分野での識見を求められると思いますので、最初ですからいくつかお伺いしたいのですが、まず労働開国について、一段と進めるべきなのかどうなのか。
 2点目として、道路特定財源の一般財源化、これについてはどういうお考えなのか。
 3点目として、社会保障の総額管理についてどういうお考えなのか。
 以上、3点お伺いできればと。
(答)いずれも非常に重要な問題で、まず労働開国というお話は、労働力の受入れのことだと思いますが、単純に量的に受け入れる方がよいとか受け入れない方がよいということではないと思いますので、その在り方をやはり検討していかなければいけないと思っております。
 それから、道路特定財源の一般財源化の方針と社会保障の総額管理の問題は、大変重要な問題ですので、これについては議長である総理、あるいは新しい民間議員の方と、その方向性について議論していきたいと思います。
(問)今度、経済財政担当の総理補佐官に根本さんが就きましたが、経済財政担当の総理補佐官である根本さんと大臣との関係は、どのように考えていらっしゃるのか。また、その関係について、もし総理から何か指示があったならばお聞きしたいのですけれども。
(答)総理からの指示は、何もありません。うまく連携を取っていけるように、根本先生ともお話し合いの機会を早く持ちたいと思っております。今日は、根本先生ともお話の時間はありませんでしたので、具体的にはまだ何も話しておりません。
(問)大臣は今日の官邸での会見の中で、既得権と戦う強い諮問会議を目指すとおっしゃっていたのですが、ちょっとあいまいなので、具体的にどういうイメージを持っているのか、竹中さん時代の諮問会議の在り方というものをイメージしているのかという点。強い諮問会議を実現するために、具体的にどのような手だてを考えているのか。その2点をお願いします。
(答)日本経済が大きい転換点にある中で構造改革を進める上では、やはりこれまでのシステムの中でつくられてきた既得権というものは変えていかなければいけないと。それは、竹中大臣の時も与謝野大臣の時も、変わらなかったと思っております。そして、その役割はまだ続いていると。つまり、小泉内閣の下で、大変難しい改革の突破口は開かれました。郵政民営化も、三位一体改革も、あるいは社会保障も、大変重要な突破口は開かれましたが、それを確かな道筋にするのはこれからの課題だと思っております。そういう意味では、既得権と戦っていく諮問会議の役割は依然として大きいと思っています。
 強い諮問会議に向けての取組ですけれども、これについては、民間議員の先生方と相談しながら進めてまいりますし、また民間議員の先生方が、民間議員らしい自由な発想で改革の牽引役になって大胆な提言をしていっていただければと思っています。
(問)具体的に既得権に対する中で一番やり遂げなければいけないというものを、幾つか具体的に挙げてください。
(答)具体的にはそれぞれの問題毎に違いますけれども、例えば供給サイドと消費者サイドに分けた時に、規制改革でも供給サイドのことを慮った規制もあると思います。そうしたことは、それぞれのテーマで具体的に考えていきたいと思います。
(問)就任に当たって、竹中さんから多少のアドバイスなりお言葉なりがあれば御紹介いただきたいのが1つ。それから歳出・歳入一体改革の部分で、これから特に歳入部分について具体的にどうするかということを伺いたいと思うのですが、諮問会議としては、税制改革には、どういうアプローチで取り組んでいこうとしていらっしゃるのか、もしお考えがあれば、教えていただければと思います。
(答)竹中大臣からは、特別なアドバイスなどは何もございません。
 それから、税制改革については、税制の在り方はしっかり議論していかなくてはいけないと思います。2002年も、法人税をめぐってしっかりとした議論をいたしました。やはり、諮問会議も税の在り方について、しっかりとした議論が必要だと思っています。歳出・歳入一体改革の中で、国民の負担を最小にするという点を重視しながら、税の在り方も議論していきたいと思っております。
(問)政府と日銀との関係について、どのようにお考えですか。
(答)日銀の独立性を維持しながら、経済の大きい方向性を共有できるような金融政策をしていただければと期待しています。
(問)ちょうど、大臣が政府からいったん離れて、その間に日銀が量的緩和解除、それからゼロ金利解除という決断をしてきたわけですけれども、それに対して、政府はこれまで異論を唱えることもなかったと思うのですが、今後、年内もしくは年度内にもう一度やりかねないのではないかとマーケットは見ているわけですけれども、そうした中で、大臣として、今後の金利政策の有様等についてどうお考えでしょうか。
(答)経済との整合性を十分に重視しながらということが私の期待することですが、福井総裁にはそれはもう十分に御理解いただいていると思っています。
(問)大臣は会見で、歳出削減の工程表を作りたいとおっしゃっていました。そういう具体策や手法の問題も含めて、個人的なお考えでよいのですが、諮問会議でこういうことを是非やってみたいと思っていることがありましたら教えてください。
(答)すみません。まだそこまで考えるゆとりがありません。
(問)工程表というのは、総理の御指示の中に特に入っていたということではないのですか。
(答)いえ、ありません。
 ただ、これまでも「骨太方針」は、常にではありませんけれども、可能な限り数値目標と工程表を明らかにするということで改革を確実に実行してきたということがあります。これは、これまで作られてきた政策決定プロセスの非常に貴重な成果だと思いますので、歳出・歳入一体改革も、この工程表づくりをしっかりとやっていく必要があると私自身は思っています。
(問)先月のCPIの改定をどのように評価しているかということが1つ。もう一つは、日本の統計制度を見ていると、例えば家計調査や法人企業統計などでいろいろ問題点があるのですけれども、これは今、内閣も、統計本部をつくるという予定だと思うのですけれども、1つはCPIの評価と、全体の統計の評価をお願いします。
(答)すみません。前者のCPIの改定につきましては、私自身、明確な見解を持っておりませんので、発言は勘弁いただきたいと思います。
 それから、統計につきましては、やはりユーザーとしてもなかなか実態が把握できない難しさがありますので、統計の指令塔を作るという動きは期待しています。大変重要なことだと思います。
(問)本部は作るのですけれども、家計調査とか、この間の年度初めの第1四半期その法人企業統計のサンプルの問題とか、いろいろ探っていくと、個別の統計でかなり問題点があるのですよね。景気を正確に判断するためには、それをやはりもっと向上させる必要があるというお考えはないでしょうか。
(答)改革の必要性は、十分、大いにあると思っております。
 ただ、統計というのは、分析に当たっては継続性も重要で、一挙に変えるというわけにはいきません。これだけ統計改革の機運が高まってきて、その一歩を今踏み出そうとしているわけですから、ここで本腰を入れてじっくりと変えていくということだと思います。
(問)金融政策に関して、デフレ基調が強い時においてはインフレターゲティングを採っておいた方が効率が良いという考え方が多くなってきたと思いますけれども、大臣ご自身はインフレターゲティングについてどのようにお考えですか。
(答)申し訳ありません。それは大変重要な問題ですので、経済財政担当大臣として、ここでちょっとお答えするのは控えたいと思います。
(問)それは、今後もうちょっと。
(答)はい。それは重要な議論ですので、いずれ諮問会議でも議論になる可能性もありますし、ここで私が発言することは控えたいと思います。
(問)女性閣僚、2人のうちの1人ですが、その点について、大臣はどのようにお考えですか。
(答)あまり何も感じていないのですが……。それは、2人で嬉しかったとか、そういうことですか。
(問)女性だからこういうところがあるとか、あるいはそういうものは何もないのか、こうしたいとかいう面があれば。
(答)経済財政という分野は、男女の違いはありませんので、私の方から女性だからとか、感じることは何もありません。女性だからこうしたいという格別の感想はありません。
(問)大臣という大役を仰せつかったわけですけれども、公に奉仕していくに当たって、御自分の持ち味というのはどういうもので、それをこの仕事の中でどのように生かしていこうとお考えですか。
(答)持ち味というのは本人には判らないもので、これは周りが決めてくれるものだと思います。正直申し上げて、この大役をしっかりやっていく自信があるかと言われると、今の時点で本当に不安に思っています。ですから、一日一日を大事にして、一生懸命やっていきたいと思います。その中で、もし何か持ち味を周りの方が見つけてくださるのならば、それは大変嬉しいことだなと。
 ただ、その持ち味云々の前に、まずはしっかりと今の経済運営ですとか経済財政諮問会議の運営をやっていきたいなというが正直なところです。
(問)既得権と戦う強い諮問会議というのが一つのテーマだと思うのですけれども、既得権と戦うという意味がよくわからないのですが、既得権を持っている人、既得権をかざす人と戦うという意味と受け取ってよろしいですか。
(答)一つの体制で作られた既得権が次の体制に行く時には、なかなか持っている人たちは改革に反対するわけですね。だから、多くの普通の国民といいますか、その人たちにとってよい社会をつくる時に反対するグループというのは当然あるわけで、そことはやはり戦っていかなければいけないと思っております。
(問)小泉さんは、既得権を持っている人を守旧派と呼んで、それを党内に見出したわけですけれども、今、大臣になられてそういう方が党内あるいは政府にいらっしゃると思いますか。
(答)私は、まだそういう目で党内を見ておりませんので、よく分かりません。
(問)でも、随分昔からご覧になっていたと思うのだけれども。
(答)まだ、よく分かりません。
(問)そういう戦いの時に竹中さんの頃などは、最終的には小泉さんが首相指示という形で後ろ盾になったことで守られた部分というのはあったかと思うのですけれども、今回就任に当たって、そのあたりの新総理の後ろ盾というかリーダーシップについて、何らかの、言質やお言葉というのは何か頂いているのでしょうか。
(答)個人的に何かの言葉を頂いたということではありませんけれども、先ほどの総理が記者会見の中でも、やはり特別な利益を持った人たちではなく普通の人たちのための政治ということをおっしゃっておられましたし、改革をしっかり引き継いでいくということをおっしゃっておられましたので、十分にその姿勢は示しておられると思っています。
(問)民間からの閣僚起用ということなのですけれども、冒頭ありましたが、総理からどのようにお話があったのか、覚えている範囲で教えてください。
(答)正確に覚えていないのですが、私と一緒に内閣で仕事をして欲しいというような言葉でした。
(問)民間人云々といったことに関しては。
(答)いや、それはありませんでした。
(問)大変不安であるという非常に正直な御感想なのですけれども、考えてみると、竹中大臣と同じようなキャリア、同じような学識経験者で、行政経験という意味ではむしろ竹中大臣が就任された時よりも豊富であると。何がそんなに不安なのですか。
(答)初めてのことですし、何が……難しい質問ですね。何が不安か。
(問)キャリアから見れば、もっと自信を持たれてもよいのではないかと。
(答)ありがとうございます。
 ただ……うまく答えられませんね。自信を持てるように頑張りたいと思います。
(問)内閣府の皆さんがいらっしゃる前ではちょっと伺いにくいのですが、竹中さんの時には大田さん御自身がそうだったように、外から大臣を支えるスタッフを集めて回していったという実態があったと思うのですけれども、大田さんはそのあたりはどういう形で自分のスタッフを整えていこうと考えておられるのか、教えていただけますか。
(答)まだ具体的にとても考えるゆとりがないのですが、内閣府の中にも優秀な人がたくさんいるのは、私が一番よくわかっていますので、内閣府の中、あるいは外の役所の人とうまくスクラムを組めればいいなと思います。具体的には、まだ考えておりません。
(問)靖国神社について、各閣僚に聞いておりますけれども、閣僚として靖国神社に参拝するお考えがあるかどうか。それと、参拝についてあいまいにしている安倍首相の姿勢についてどう思うか。その2点をお願いします。
(答)私事になりますけれども、私の父はシベリアに抑留されまして、8年間、大変つらい思いをして、日本に戻ってきました。それから、私の姉は、戦後の混乱の中で5歳で亡くなりました。私は、そんなことを考えながら、いつも8月15日は私なりの過ごし方で、戦争の被害、戦没者のことを考えて過ごしてきました。これからも、そのように過ごしたいと思っています。これまで靖国神社には参っておりませんし、閣僚になったからといってお参りする考えはありません。
 それから、安倍総理の御判断については、総理御自身がご判断なさることだと思っています。

(以上)

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