受賞者代表挨拶


第17回みどりの式典 受賞者代表挨拶

春島(倉田) のり 国立遺伝学研究所 名誉教授 
総合研究大学院大学 名誉教授

 天皇皇后両陛下、ご臨席の皆様

 新緑の美しいこの季節に、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、第十七回みどりの学術賞の授与を賜り、また、緑化推進運動功労者として表彰していただきましたこと、誠にありがとうございました。一同を代表してお礼のご挨拶を申し上げます。

 みどりは、人類にとって不可欠な要素であり、みどりにとっては光も微生物も養分も不可欠です。人類の未来には、多様な生物と物質間の相互依存ネットワークの利用が必須です。農業や環境と、様々なビッグデータの連携が未来の展望を開くことを切に願います。

 さて、学術賞受賞者の 津村 義彦 先生は、我が国の森林の成立過程を解明され、また、熱帯材の樹種を識別する技術開発を主導するなど、国内外の森林の保全に大きく貢献されました。

 私は、イネの多様な遺伝資源を利用して、染色体と多様なイネゲノムの遺伝解析により、進化と生殖機構の解明を行い、イネの研究基盤を広くコミュニティーに提供してまいりました。

 また、緑化推進運動功労者の皆さんは、持続性や環境保全に配慮した林業経営、子ども達や高校生が中心となり地域住民とともに取り組む緑化活動など、長年にわたり、それぞれの地域の特性を生かして、みどり豊かな自然を作り出すとともに長く維持することに努力して来られました。

 私たち一同は、今回の栄誉を励みとして、自然と人間との上手なつきあい方を模索しながら、みどりに満ちた自然を守り、育てていくことに尽力して参りたいと思います。

 私たちの研究や活動は、多くの方々に支えて頂いたおかげであります。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

 本日は誠にありがとうございました。