河上消費者委員会委員長 記者会見

2016年7月26日
消費者委員会

日時

2016年7月26日(火)17:00~17:09

場所

消費者委員会会議室

冒頭発言

(河上委員長) では、よろしくお願いします。

私から報告すべきことは1件のみでございます。

「電力託送料金に関する調査会の報告書について」ということで、本年の5月20日に内閣総理大臣より、送配電事業を行う電力会社の託送料金の査定について、消費者利益の擁護・増進の観点からの問題の所在及び改善方法に関して諮問をするということで、諮問を受けたものについてでございます。これを踏まえて、公共料金等専門調査会のもとに電力託送料金に関する調査会を設置して、検討を行ってまいりました。今般同調査会において報告書が取りまとめられたということで、本日開催の消費者委員会では、古城座長から御報告をいただきまして、当委員会としての答申を決定いたしました。

答申の内容については、お手元の資料にあるとおりですけれども、「『電力託送料金に関する調査会報告書』の内容を踏まえ、消費者利益の擁護・増進の観点から、経済産業省に対応を求めるなど、消費者庁において必要な取組を進めることが適当である」という内容になっております。

なお、この答申につきましては、明日の夕刻の17時15分をめどに、古城座長と一緒に私から河野大臣に手交したいと考えております。

消費者庁、経済産業省においては、この報告書に記載された内容を踏まえて、具体的な改善に向けた取組が行われることを期待しております。

私からは以上でございます。

質疑応答

(問) まず、この報告書なのですけれども、率直にどう受け止めていいのか、評価していいのか、私としてもよくわからないところがあるのですが、委員長としてはこの報告書はどのように受け止めて評価していますでしょうか。

(答) 報告書自体は、今までよくわかっていなかった託送料金の構造とか考え方について明確に整理をしてあるということで、外国との比較なども踏まえながら、日本において今後託送料金の在り方について検討する際の一つの視点というものを明確に示したものということで、これ自身は非常に意味のあることではないかと思います。今回初めてこの託送料金というものが別個に電力自由化に伴って出てきたものですから、今後どういう形でこれが消費者の利益にかなう形で決まっていくのかということを明らかにしないといけないので、その意味でも非常に重要な指摘が入っていると理解しております。

(問) そうすると、単純に高い低いとかというよりも、今まで非常に不透明だった電力料金の中身などがわかってきたことに意味があるということですか。

(答) そうですね。それに、電力の自由化によって、事実上電力料金に対するコントロールというものが、前は消費者庁に協議がかかって、その協議をもとにして消費者委員会に諮問が来て、今回の値上げは適切であるのかどうかということまで含めていろいろ検討して消費者庁に返すというプロセスがあったのですけれども、今後は協議がかからないという前提になったものですから、その意味でも今後の家庭用電力料金の在り方について、消費者委員会としていろいろとコントロールをしていく一つの手掛かりになるであろうと考えております。

(問) ありがとうございます。

(問) 一つ確認なのですが、今回諮問を受けてから答申を出すまでにわずか2か月程度なのですが、消費者委員会としてこれまで諮問を受けて答申を出すまでの期間として、2か月で出すような例というのはあったのですか。今回はとても早いイメージがあるのです。

(答) ほかのもので、食品などはありますかね。決して早過ぎるということではないのですが、御承知のように河野大臣が7月ぐらいをめどに物を申したいということを発言されておられたことは我々も受け止めておりまして、できるだけ早い段階で必要な考え方を明らかにするということは考えてはおりました。それに限定されるつもりは全くなかったのですけれども、いずれにしてもできれば間に合わせたいという気持ちはございました。

(問) うがった見方になるのですが、大臣の意向に沿った報告書ができたようにも見えるのですが、そこら辺はいかがですか。

(答) それはないです。

(問) それはないですか。

(答) はい。内容は消費者委員会独自の判断によるものです。

(問) 話題は変わって、話題のポケモンGOですけれども、ポケモンのゲームについてですが、非常に事故を招きやすいというか、歩きスマホを助長したり、事故につながりやすいものだと思うのですけれども、ああいったものについて、メーカーとかに対応を求めたりとか、消費者委員会として調べたりとか、今後何かされる予定とか、若しくは今の時点での委員長の受け止めなどはありますでしょうか。

(答) 先に配信が開始されたアメリカなどで、プレイ中のユーザーが交通事故に遭ったり、立入禁止のところに入り込んだりというトラブルがあったと承知しておりますし、昨日も日本国内で運転中の人がゲームをやっていて事故を起こしそうになったということで検挙されたということを、ニュースで伺いました。当委員会としては、これを含めて様々な消費者に係る問題について、関心を持って注視して、必要があれば対応していきたいとは考えておりますけれども、現時点でどうするかということについて、まだ具体的なアイデアは持っておりません。みんなに楽しんでいただくのが一番いいのですけれども、あとはマナーと交通ルールなどを含めたルールをきちんと守って行動するという当たり前のことをきちんとやっていただくことが、まず第一であろうと思います。

(以上)