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河上消費者委員会委員長 記者会見

2015年8月18日
消費者委員会

日時

2015年8月18日(火)16:00~16:20

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、時間になりましたので、消費者委員会河上委員長の記者会見を始めたいと思います。

では、委員長、よろしくお願いします。

(河上委員長) 先ほど消費者委員会を傍聴された方は御存じかと思いますけれども、「電子マネーに関する消費者問題についての建議」を取りまとめましたので、冒頭、私から簡単に内容を御報告させていただきます。

まず、建議の取りまとめに至る経緯について御説明いたしますと、インターネットによる取引の拡大に伴いまして、クレジットカードあるいは電子マネーなど多様な支払手段が利用されるようになっているところであります。この内電子マネーは、ほかの支払手段と比較して歴史が浅いということがございますけれども、利便性の高い支払手段として今後も利用が拡大することが見込まれておりまして、発行額も年々増加しているということであります。それに付随して、一方で電子マネーに関わる被害も発生しているわけであります。

国民生活センターなどに寄せられた相談事例を見ますと、加盟店の悪質な行為や電子マネーのIDが詐取される、そういういろいろな被害が発生しておりまして、電子マネーの健全な市場が形成されているとはなかなか言い難い状況にございます。

消費者が安心して電子マネーを利用できる環境の整備が十分ではないということであり、このような現状を踏まえ、今年の8月には当委員会の本会議において、金融庁及び一般社団法人日本資金決済業協会から、電子マネーに関する消費者被害の実態と求められる対策などについてのヒアリングを行いました。その後も引き続いて検討しまして、本日の建議の取りまとめに至った次第です。

建議の内容については本日の本会議で説明したとおりですけれども、皆さんのお手元に資料がございますが、大きく次の3点を柱に建議をまとめております。

第1は、加盟店管理及び苦情処理体制の整備であります。電子マネー発行業者の加盟店の悪質な行為によって被害が生じたという事例がありまして、こうした被害を防止するためには、加盟店が消費者に対して悪質な行為を行った場合、電子マネー発行事業者は当該加盟店との契約を解除するなど適切な加盟店管理を行っていただく必要がございます。そのため、電子マネー発行業者の加盟店の管理義務をより明確にする観点から、電子マネー発行業者の加盟店管理責任を法令などにおいて明文化すべきであると考えた次第です。

また、電子マネー発行業者における苦情処理についても、電子マネー発行業者が紛争解決に必ずしも協力的ではないという報告もあります。そのため、電子マネー発行業者は苦情処理について、より徹底して対応すべきであると考えております。

第2の柱ですけれども、これは電子マネーのIDを詐取されることによる被害の防止対策であります。電子マネーの利用における被害の主な類型の一つとして、消費者に対して架空の料金を請求するといった不正な請求を行いまして、その支払を電子マネーで行うように指示する事例がかなり見られます。具体的には、コンビニエンスストアなどの電子マネー販売店で消費者に電子マネーを購入させて、そのIDを取得するといったものなどです。

電子マネーは匿名で、誰でも比較的簡単にコンビニなどで購入して利用することができまして、それを他人に譲渡することもできるといった特徴があります。こうした特性を逆手にとられて消費者が被害に遭ってしまうケースがあるわけです。匿名性がありますから、その限りではなかなか加害者にまでたどり着きにくいといった問題も生じております。

そのため、電子マネー発行業者に対して、販売時に注意喚起の表示をしていただくことや、被害発生状況のモニタリングや分析を通じた被害の予防や救済に向けた取組を促すことが適当であろうと考えております。また、高額あるいは非常に大量の電子マネーを購入しようとする消費者がいる場合に、その販売店の従業員などから注意喚起の声掛けをしていただくことによって現実に被害を未然に防いだ事例もございます。この声掛けには被害予防が大いに期待されますので、電子マネーを販売する事業者に対して、従業員からの声掛けを行うなどの取組について引き続き積極的に取り組んでいただけるよう協力を要請することが重要であろうと考えております。

第3の柱は、消費者教育及び情報提供に関わる点です。消費者が電子マネーの特徴あるいは利用に関する留意点をきちんと身につけ、詐欺に遭わないための知識を手に入れて適切に行動することができるようにすることが必要で、そのためには消費者教育や情報提供の推進を行うことが重要であろうと思われます。既に関係行政機関等においてこうした取組を実施しているところもございますけれども、被害防止を図るためにはそうした取組を一層充実させ、継続して取り組んでいただくことが必要であろうと考えているところであります。

以上の三つの点を柱にして建議事項が作られております。この建議に関しては、金融御担当の内閣府特命担当大臣へ、着実に履行し、電子マネーに関する消費者問題に対して今後適切に取り組んでいただくようお願いしたいと考えております。

私からの説明は以上ですので、あとは御質問の中でお答えしたいと思います。

質疑応答

(事務局) 御質問のある方は挙手をお願いします。

(河上委員長) もう既に記者レクがあったと聞いておりますので、問題の構造の概要はおわかりだろうと思いますけれども、何か追加的に御質問があれば。

どうぞ。

(問) 2種類の電子マネーのトラブルがあるのですが、この10年間で相談件数が80倍に増えている中で悪質型の法改正を求めている、義務付けを求めているということで理解したのですが、これで大体射程というか、これで被害が救済される範囲がどのくらいの割合なのかをお教えください。

(答) 現在の電子マネーに関する紛争全体についてなかなか実態が把握できていない部分がございます。それゆえ、これがどのくらい効果があるかはやってみないとわからない部分があります。少なくとも、クレジットカードなど銀行系の振込などではかなり被害が落ちているということがありますから、同様な仕組みでもって対応策をとっていけば同じように被害は相当減っていくのではないかとは期待しております。

(問) では、4,574件の中でどのくらいが悪質加盟店型で、どのくらいがサーバ型のプリペイドカード詐欺かというのはわからないということですか。

(答) これは事務局で具体的な数値は答えられますか。

(事務局) わからないです。

(問) プリペイドカード詐欺のほうは手の打ちようがないという、詐欺をさせたところにほとんど足がつかないという状況の中で国民生活センターが取り組んできたことと同じようなことが建議の内容になっていて、それはある意味で一つ意味があるのかなとは思うのですが、本当に有効な方法がなくて、業者に注意喚起を求めるとかそういうことにとどまっているのですけれども、建議の中で書かれている上限額ですが、資料の中に大体9割が5万円未満ということがあるのですが、これは高額なものがどのくらい残っていて、どのくらいが適当な額だと考えていらっしゃるのか。あと、販売時の注意喚起と上限額の引下げに加えて販売方法の見直しというものが入っているのですが、これは何を考えられているのかお教えください。

(答) プリペイドカードという言葉が出てきましたけれども、この建議が対象としているのはサーバ型電子マネーと呼ばれるものです。サーバ型電子マネーは、具体的なお金の流れそのものは若干異なりますけれども、クレジットカードにおける決済の仕組みと非常に似ているのです。ですから、その限りで単純に例えばPASMOやテレフォンカードのようなプリペイドカードとはひと味違って、比較的加盟店管理が容易になるというか、その可能性の高いものということになります。クレジットカードに関して建議を出して、現在、経産省のほうで対応していただいているのですが、それと同じ形の規制の枠組みを考えるということが比較的容易で、効果も期待できるのでこれを対象としているということになります。

プリペイドカードの場合は、一旦お金を払い込んでお金は移動してしまっています。ですから、その限りでは、匿名性があるということもありますが、なかなか尻尾をつかみにくいという問題があります。それ自身についてもちろん考えないといけない部分はあるのですけれども、現時点でまず対応できそうなものということで今回の建議に至っていると御理解いただければと思います。

2番目の質問は何でしたか。

(問) 上限額をどの程度と考えていらっしゃるか。今、高額なものでどのくらいのものが残っているのか。

(答) これは資料の中にあったと思います。

(事務局) 参考資料の5、7ページの注釈7です。

(答) そこに大体の数値が出ております。

(問) 確かにネットで買うと50万円のものがいまだに残っているのですが、それは多過ぎるとお考えなのでしょうか。

(答) 個人的には多いと思います。ただ、委員会としては、上限額を定めるという程度の抽象的な方向性のみをメンションしてあります。委員会では10万円という数字を述べたことがあります。しかし、全体の枠組みからいうと5万円以下で9割以上です。ですから、余り大きい金額を一気に使うのはいかがなものか。強制の通貨、兌換(だかん)紙幣でも1万円ですものね。ですから、電子サーバ型の中とはいえ5万、10万という辺りを超えたら異常なお金の使い方だと思いますけれどもね。

(問) 販売方法は何を変えろとおっしゃっているのですか。

(答) 販売方法そのものについては注意喚起をしていただくことと、余りにも異常に高額あるいは多数のものを購入するお客さんに対して声掛けをしていただくという形で、水際で止めてもらうことが打ちやすい手かなと思います。

(問) コンビニの店員たちに協力をお願いしてもらうと。それは経産省とか各省を通じて行ったほうが効果があるだろうということですか。

(答) そうですね。今もやっているところは部分的にはあるのですけれども、それを更に広げていただくということです。

(事務局) ほかにはございますでしょうか。

(問) 別件でいいですか。

今日の特定商取引法の専門調査会ですけれども、訪問販売と電話勧誘販売の勧誘の方法の検討の在り方のまとめ方に関して事業者側の意見に寄っているのではないかということで消費者側委員の意見をバランスよく入れろという意見が集中したのですが、こういう案を消費者委員会の事務局でまとめてきたというのはどういう理由でこういう案になったのでしょうか。また、1週間しかありませんけれども、それを受けて今後どのようなまとめ方をされるのでしょうか。

(答) 消費者委員会の事務局でこれまでの議論をまとめて、その対立点を明らかにすることと、できれば合意ができた範囲で方向性を示すために、できるだけバランスのとれた記述を、という意識でまとめているところであります。

消費者側の方から見ると消費者の意見が十分に反映されていないではないかという御意見もある一方で、事業者側の方からは消費者の意見ばかりが書かれているではないかという意見もあるということであります。ただ、これまでの議論を振り返ってみて、ここのところは非常に大事なので追記して欲しいという形で今日も御意見が随分出てきました。何度も繰り返して同じようなことが出てきている部分は少し内容を整理して、全部を全部追記することはできないかと思いますが、なるべく御意見を反映できるように対応したいと思います。要は問題点と対応策の方向性が理解しやすいように、バランスよく両者の意見が整理されていくことが大事なのだろうと思います。

もう一つ、先ほども委員間打合せの中で話題になっていたのですけれども、事業者と消費者の間の意見対立を明確に強調して、お互いに対立をはっきりさせていくこともさることながら、むしろそれぞれの意見のいいところをうまくとり入れて、お互いにこの制度全体で市場を良くしていくためにはどういう形が最も望ましいかという観点から、折り合いがつくような形での整理をしていく姿勢が大事だろうと考えているところです。

まだまだ完成途上の「中間取りまとめ」ということになりますので、これからいろいろな意見がまだ出てくると思いますけれども、できるだけ両者の意見をバランスよくくみ上げていきたいと考えております。

(事務局) ほかに御質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。

それでは、委員長会見をこれにて終了させていただきます。

(河上委員長) どうもありがとうございました。

(以上)

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