河上消費者委員会委員長 記者会見

2015年4月14日
消費者委員会

日時

2015年4月14日(火)19:12~19:19

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) では、ただいまから、河上消費者委員会委員長の記者会見を行います。

(河上委員長) 少し遅れて申しわけございません。

こちらからの報告事項は2件ございます。

1つは、適格機関投資家等特例業務についてでありまして、これは本日の委員会本会議で、金融庁から適格機関投資家等特例業務と、クラウドファンディングについてのヒアリングを行いました。このうち、適格機関投資家等特例業務について簡単に御報告いたします。

まず、これまでの経緯のおさらいをいたしますと、適格機関投資家等特例業務、いわゆるプロ向けファンド業務では、プロの投資家向けのファンドを高齢者を中心とする投資経験の乏しい方に販売することによりまして多くの消費者トラブルを生じ、深刻な被害が後を絶たない状況にございます。

こうした事態を受けて、当委員会では昨年4月22日に「適格機関投資家等特例業務についての提言」を公表し、金融庁に対して、この適格機関投資家等特例業務における投資者の範囲について、少なくとも億単位の余剰資金をもって、投資性の金融取引を年単位で継続的に行っている投資家であることを要件とするのはどうかといった見直しの提案。それから、悪質業者の排除のための取り組みの徹底を求めたところでございます。

その後、金融庁では昨年5月に適格機関投資家等特例業務の見直しに係る政令、内閣府令案を公表して、パブリックコメントを実施いたしましたけれども、この改正案に対してはさまざまな意見が出されたことから、昨年10月から金融審議会のワーキング・グループで審議を行い、その結果を受けて、金融庁において金商法の改正法案を立案して、閣議決定をされたわけでございます。

今回の金融庁における適格機関投資家等特例業務に係る金商法の改正法案の要点については、先ほど本会議の審議で明らかにされましたし、当方からも申しましたとおり、その販売・運用を行う者について欠格事由を導入したということ。第2番目に、適合性の原則やリスクの説明義務等の行為規制を拡充・強化したということ。第3番目に、問題業者に対する業務改善命令等の監督上の処分の導入や罰則の強化などにより、投資者被害を防止するための措置が講じられることとされているということがございまして、全体的に見た場合、高く評価できるものであります。

適格機関投資家等特例業務に関しては、投資者被害が発生している実態を踏まえまして、国会において本改正法案が早急に審議され、この法案が成立することを期待しており、内閣府令、政令等についても、当委員会の提言、あるいは金融審議会のワーキング・グループの報告に沿って、この投資者の範囲、その見直しなど、消費者被害を防止するための適切な措置をぜひ講じていただきたいと考えているところであります。

もう一つが、消費者行政における新たな官民連携の在り方ワーキング・グループについてであります。

先月24日開催の委員会本会議において、消費者政策における官民連携の在り方と行政の責任等について検討するために当ワーキング・グループを設置いたしました。座長は消費者委員会委員の山本委員でございまして、私も構成員となり、岩田委員をはじめ何人かでこれを構成して、同月31日に第1回の会合を開催したところでございます。

検討を開始した背景は、消費者庁・消費者委員会が発足して5年が経過し、第3期の新しい消費者基本計画が始まる中、消費者委員会として、短期的な課題に対応するだけではなくて中長期的な視野から、今後の消費者政策あるいは消費者行政の在り方について検討して意見表明をすることが必要であろうと考えていたからであります。

消費者委員会内部におけるテーマ検討では、消費者被害が多様化・複雑化する中で、今日では、消費者行政においても消費者センターの民間委託問題、あるいは適格消費者団体に関する諸制度の整備など、民間の力を活用しながら消費者行政をより充実したものにしていくという方向性が展開しており、この動きは今後も進むであろうという議論がございました。そこで、消費者行政においてどのような官民連携が考えられるのか。また、民間の力を活用するとした場合に、政策目的を実現するために行政がどのような責任とコストを負担していくべきかといった点について、ワーキング・グループを設置して議論をしていくことになりました。

第1回のワーキング・グループでは、参考人を招いてヒアリングを行いまして、消費者行政における官民連携の可能性や行政の果たす役割について大変充実した議論を行うことができました。今後、具体的なテーマを整理しながらさらに検討を進めていきたいと考えているところであります。

私から、きょう御報告すべき点は以上でございます。

質疑応答

(事務局) それでは、質疑応答に移りたいと思います。マイクに向かって質問をお願いいたします。

(河上委員長) いかがでしょうか。

特によろしいですか。

(事務局) では、きょうはこれで終わりにさせていただきます。

(以上)