内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

内閣府ホーム  >  活動・白書等  >  審議会・懇談会等  >  消費者委員会  >  記者会見  >  2013年  >  河上消費者委員会委員長記者会見

河上消費者委員会委員長 記者会見

2013年8月6日
消費者委員会

日時

2013年8月6日(火)19:15~19:50

場所

消費者庁記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、遅い時間になって大変恐縮ですけれども、今から委員長記者会見を行いたいと思います。
 きょう、2つの案件がございますので、大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
 最初に、委員長から一言御紹介させていただきたいと思います。

(河上委員長) どうも遅くまで御苦労さまです。
 先ほどの消費者委員会において、「詐欺的投資勧誘に関する消費者問題についての建議」と「地方消費者行政の体制整備の推進に関する建議」、この2つの建議を取りまとめましたので、簡単に私から報告をさせていただきます。
 なお、本日の会見には詐欺的投資勧誘対策を担当いただいた山口委員長代理、詐欺的投資勧誘対策と地方消費者行政を御担当いただいた吉田委員にも御出席いただいておりますので、必要に応じて補足発言をお願いしたいと思います。
 まず最初に、詐欺的投資勧誘についてであります。「詐欺的投資勧誘に関する消費者問題についての建議」を8大臣に宛てて発出することにいたしました。そのほかの関係大臣にも一緒に発出いたしますが、8大臣が名宛人ということになります。
 詐欺的投資勧誘の被害実態を見ますと、その対策に特効薬というものがないということでして、さまざまな施策を組み合わせて、これを総動員するという形で対応する必要があるという認識のもとで、次の3点を柱に建議を行っております。
 第1は、取り締まりあるいは被害回復の観点から、関係法令の執行強化及び制度整備を行うということであります。関係法令の執行強化としては、警察による刑法、出資法等を駆使した取り締まり、特定商取引法の適切な執行、消費者安全法による注意喚起や勧告・命令等の適切な実施等が重要であると考えております。また、新たな制度整備としては、特定商取引法の指定権利制のあり方の検討や違法行為による財産の隠匿・散逸防止のための制度の導入の検討などを求めております。
 第2は、犯行抑止の観点からですが、犯行のツールとして利用されるものに関する取り組みの強化であります。詐欺的投資勧誘に用いられる通信手段あるいは送金の手段に関する取り組みといたしまして、携帯電話の不正利用防止法及び犯罪収益移転防止法の本人確認義務を徹底していただくということ。さらに、違反業者に対する是正命令等を行うということを求めております。また、不実な法人の登記が悪用されるという可能性が指摘されているところでありまして、法人登記の申請を担保するための必要な検討についても取り組みをお願いしております。
 第3は、被害の未然防止の観点からでして、消費者への注意喚起や高齢者の見守りの強化を行うということであります。事業者の補足が困難で被害回復が容易でないという実情からいたしますと、消費者が被害をこうむらないように、できるだけ注意を喚起するということ。また、被害者の多くが高齢者であるということを考えますと、高齢者の周囲の者による見守りを行うということが大変大事なことになります。そのための所要の取り組みも求めているところであります。
 関係省庁には、本建議を着実に履行していただくことによりまして、詐欺的な投資勧誘による被害防止等に努めていただきたいと考えているところであります。
 これが詐欺的投資勧誘に関する建議の概要であります。
 もう一つが、地方消費者行政についてであります。「地方消費者行政の体制整備の推進に関する建議」、これは消費者担当大臣宛てに発出することにいたしました。主な建議のポイントは次の2点であります。
 第1は、地方消費者行政専門調査会報告で提起されました、市町村の消費者行政体制整備に向けての取り組み。小規模市町村の底上げを図って、地域力を強化して、消費者行政担当職員の支援を図るといった点ですが、これを着実に実施していただくということです。
 第2は、消費者庁による地方消費者行政の財政支援についてでありまして、これは大きく2つありますが、1つは、国による地方消費者行政の継続的な財政支援に対して、最大限の努力を行うということ。また、国による財政支援を安定的に継続していくに当たって、「地方消費者行政に対する国の財政措置の活用期間に関する一般準則」というものの効果検証を行っていただくことであります。
 地方消費者行政の充実・強化は、第2期の消費者委員会だけではなくて、第1期の発足のときから大きな課題であったわけでして、第2期でも実は親委員会で対応するという形で最重要の課題の一つと考えておりました。今後の消費者庁を中心とした取り組みに期待しておりますし、残された課題も若干ございます。若干というか、かなり大きな問題が残されていますので、今後消費者委員会でも積極的にこれに取り組んで、継続して検討していきたいと考えているところでございます。
 とりあえず、私からは以上です。

質疑応答

(事務局) 最初に詐欺的投資勧誘についてお話をいたしましたので、そちらについての質問からお受けしたいと思います。
 御質問がございましたら、お願いいたします。
 どうぞ。

(問) 特定商取引法の指定制のところなのですが、表現が指定制のあり方の検討と新たな制度の検討になったと思うのですが、そのいきさつについて、なぜ指定制の廃止の検討を求めるという書き方ができなかったのか。補足部分に説明を書いてくださっているのですが、専門用語で非常にわかりにくいところが多く、もう少し平易にわかりやすく説明していただけないでしょうか。

(答) その問題は、実は最初の建議のときから表現としては指定権利制の廃止という形では入っていなかったものです。むしろ制度的に指定権利制の在り方について検討してくれという言い方をして、関係省庁と調整を図ろうとしたのですが、最初から話にならなかったわけです。
 実際に、指定権利制を廃止するということについて、どういう問題があるのか、消費者庁と消費者委員会との意見の対立はどこにあるのかということをはっきりさせるために、委員会で実際に書面を交わしながら意見をぶつけてみました。
 結局、両者の間では歩み寄りがなかったのですけれども、委員会としては廃止を含めた検討が実際に効果的であるし、考えてみる価値はあると考えておりましたので、当初どおりの表現でこれを維持したということであります。途中で修正したという話ではありません。
 そんなところでよろしいですか。

(答・山口委員長代理) 今回の建議、異例なのは建議の後ろに消費者委員会の論点についての考え方が示され、それに対する消費者庁の反論的なものも添付しております。つまり、こういうお互いの議論の結果として、なお、消費者委員会としては建議事項1-2(1)の建議を消費者庁のほうに出したということで、消費者庁としてはこれを重く受けとめて、今後の特商法の改正作業の中では、ぜひこれを詐欺的投資勧誘の対策の目玉としてやっていただきたいということで、改めて検討をお願いしたというところです。

(問) 済みません。この「転換を図ることができない場合、同法に類似する新たな制度の整備を検討することも考えられる」という文章があるのですが、これはどういうことを示唆していらっしゃるのでしょうか。

(答・山口委員長代理) 私どもとしては、直接それは考えられにくいと思うのですが、例えば消費者庁としては、そもそもこういう商品は売ってはいけないという禁止法をつくるというお考えも示されておりましたので、もしそういう方法があるならば、消費者委員会としてなかなか難しいのではないかと思いますが、それはそれとして検討の余地があるのだろうということはあるかと思います。

(問) そういうことで、この類似の制度の整備について検討を行うということが、本体のところに入っているということですか。

(答・山口委員長代理) あと、もちろん特商法の改正以外の形で、別のいわゆる詐欺的な「権利」に対する対応策があり得ないわけではないかもしれないので、それとして考えられるならば、柔軟にということであります。
 あえて言うならば、消費者庁の意見として、特商法の法目的にそもそも違うのだというお考えも言われましたので、それなら法目的を新しく設定した法律をつくるという余地もあるならば、それの御検討も含めてお願いしますということであります。

(事務局) ほかにはいかがですか。
 どうぞ。

(問) 今との関連なのですけれども、この特商法自体が取引類型として訪販、通販、電話勧誘がある。それが今回の場合は非常に被害が多い。取引類型全体を見た取引の適正化ということの転換を図るということができない場合は、新しいというふうに読めるのですけれども。

(答) 建議の中身ですか。

(問) 建議の中身です。
 もう一つあるのは、別紙につけられている消費者委員会と消費者庁との関係の中で、別紙はもちろんですけれども、公開の場での委員会では指定権利制度の廃止、これが一番のテーマになっていて、それが立法論であるか政策論であるかということでかみ合わなかったと。一部では、そこに「廃止」という言葉が書いていないものだから、例えば11ページの中では、3番目の○で「したがって、特定商取引法の適用範囲に権利の外形を伴うものを含める等指定権利の在り方を見直すこと」となっていて、つまり権利の外形を伴うもの、例えば架空権利であったりするかもしれませんが、今の指定権利制度の指定の対象としてもう一つ何か加えるのではないかみたいな読み方もできるので、別紙ではちゃんと「廃止」と書いてあります。それがなぜ「廃止」と書けなかったのか、そこだけなのです。そこがわかりにくい。

(答) 私自身、きょうの委員会の中で発言したのですけれども、ここの書きぶりというのは指定制の廃止を含む検討という意味ですねという話をいたしました。消費者庁との間でいろいろやりとりしたときに、消費者庁からも言われますし、我々もそう思っていたのですけれども、高齢者の詐欺的投資勧誘に対する被害の救済のための救済施策として、特商法の指定権利制の廃止が特効薬だとは思っておりません。これはワン・オブ・ゼムの問題でして、ここで強調していくという話ではなくて、たまたま特商法の法目的をめぐって消費者委員会と消費者庁の間で意見が違ったというだけの話であります。
 消費者庁は、もっと総合的にいろんなことを考えてくれということもおっしゃっていましたし、私どももそれは全然否定するものではありません。ただ、現状の中で考えられる最善の方法は指定権利制を廃止することだろうということで、意見の内容はずっと同じ状態だったということであります。
 既におわかりのとおり、物品と役務に関して指定制を廃止してしまって、それの給付を求める権利としての外形を持っているときは、全て廃止された状態での物品や役務にかかわる権利ですから、論理的にはここに指定制が入ってくる余地はない。そういう理解でおります。

(問) 済みません。書き方としては、現行の特商法であっても役務取引として考えた場合の適用ができる、そういうことをどんどんやるべきだということも書いてありますね。

(答) 消費者庁は、その範囲だったらやれると言っています。

(問) 書いてあるということは、執行の強化ということでしょうけれども、今、それが事例としては余りないわけですけれども、それがなされていないと消費者庁の執行体制をごらんになっていらっしゃるのでしょうか。

(答) 必ずしも十分ではないと認識しています。

(問) やれるのにやっていないということなのですか。

(答) 外形上権利の衣をまとっているというだけで手が出せないというのはおかしいだろうということです。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 そうしましたら、また戻ってもいいですけれども、地方消費者行政について質問がありましたら、お受けいたします。よろしいですか。

(問) 先ほどの詐欺的なものの、自治体に調査したと書いてあるのですけれども、自治体調査の報告書というのはこの中に入っているのですか。

(答) 地方消費者行政ですか。

(事務局) 詐欺的投資ですね。

(問) 詐欺的投資の中で、47都道府県と20政令都市ですか、この結果というのは。

(答) 入っているはずですね。

(答・事務局) この報告の中に入っています。

(問) どこなのでしょう。中を見ているとPIO-NETの分析とか。

(答・事務局) 後ろのほうに参考資料2というものがありまして。

(問) 自治体が特商法を活用できない理由として、建議の中では幾つか書いてありますね。判断ができないとか、適用範囲がわからないとか。それは何ページですか。

(答・事務局) ちょっとページが切れているのですけれども。参考資料の6ページです。

(問) これですか。わかりました。

(事務局) ほかにはいかがですか。

(問) 後でレクをしていただいたほうがいいのかもしれないですが、実は詐欺的投資のところの電話勧誘と通信と訪販のところで、とりあえず指定制を外せと言っていて、全面的に禁止するという3パラグラフ目のここのところをもう少し詳しく、何が言いたいのか教えていただけませんか。もしあれでしたら、後でいいです。
 10ページに、登録制度か届け出の参入規制をかけるということも考えられる。しかし、欺瞞的な取引は具体的に商材を指定することが困難であるからと、ここは一体何のために書いているのですか。

(答・山口委員長代理) 特商法の特徴は、金商法などほかのさまざまな法律と違って、商品によって規制のあり方を個別に定めるということではなくて、どんな商品であっても、どんな役務であっても、訪問販売あるいは電話勧誘販売、通信販売という取引の外形をもとに、こういう契約書の契約事項をきちんと書いた上で消費者に交付しなさいとか、事前に目的を断って消費者に接触しなさいということが定められているわけです。それに違反した場合には、もちろん場合によっては取消権もございますし、あるいは警察の摘発の対象にもなるわけです。最終的には、消費者庁の行政処分の対象にもなるわけですけれども、権利についてはその規制から外れてしまっているわけです。
 これを指定権利を廃止することによって、わけのわからぬ権利、これが一見まともなもののようにして売られているわけですけれども、実際に裁判になると2年、3年かかって、不法行為性が認められたりするわけです。そういういろんな「権利」であっても、やはり特商法の適用対象になれば、政令で定めた契約書にこういう事項をちゃんと明記してくださいと、それを明記した契約書が交付されなければ、クーリングオフも適用対象になるわけです。しかも、取消権などの交渉の余地もあるし、警察の摘発も可能になるわけです。そうすると、お年寄りがあのとき何と言われて契約してしまったのかなどということをフォローしなくても、所定の契約事項が書かれていないという一事をとって刑事摘発も可能になるという意味では、権利をまとった悪質な事業の抑止がより効果的にできるようになるという意味で、消費者委員会としては、最後のほうにも論点整理で出ていますけれども、特商法のすぐれた特色を使える部分が広がるという意味合いで、今、10ページの下のほうには書いているつもりではあります。

(答) 御質問の趣旨がわかりました。
 むしろ、特商法の中でこうやって限られた取引類型だけを取り上げて、指定権利制の廃止といっている意味がわからないということですね。

(問) 普通、指定制を外してしまって、商品と役務と同じように外してしまうというイメージで捉えていたのですが、ここになぜ限定した書き方をされてきたのかがわからない。

(答) これはむしろ、これまで問題となっている事件がほとんどこれに該当しているということなのです。実際に投資勧誘商品が扱われている事案類型というのは、電話勧誘販売と通販と訪販、この3つに限られているのです。特商法というのは今、お話がありましたように、業態でもって介入していくというものです。その一定の取引の業態に特有の規制がかかっているのです。それぞれの規制が例えば警察の摘発の端緒になり得るようなものに効果的な規制になっているのはこの3つなので、差し当たって、これでいこうということになったのだと思います。

(問) 権利取引を禁止するわけではないですね。

(答) 必ずしも禁止するわけではない。

(問) この辺、後で。

(事務局) それでは、ほかにございますが、あれでしたら一旦とじまして、しばらくここにおりますので。

(河上委員長)地方消費者行政のほうはどうですか。

(問) 地方なのですが、この前の専門のところで、かなり報告のところが変わってきているのだと思うのです。ですが、私たちが期待していた財政負担、2回目の建議を引き受けたところが非常にわかりにくいですね。そこからどこに落ちてきているのかがまったくわからなくて、小規模市町村の体制底上げ、どこに住んでいても相談が受けられる体制づくりのどこかに国の根本的な財政負担を求めるようなことが、本当にどうも書き方が、第2回目の建議を受けて、どこが足りなくてどこをどうしろというふうに読めなくて、結局準則を検証しましょうみたいなことで終わっていて、財政支援は大事ですよとは言ってくれているのだけれども、何をどうしろと言っているのかがよく見えない。

(答) 前の建議は生きています。ですから、その建議は建議として引き継いでおります。今回やろうとしたのは、その建議を前提として、さらに具体的に地方消費者行政を活性化するための措置を考えようという各論に入っているわけです。各論のうち、全部はできなかったということは申しわけないのですけれども、時間的な関係もあって、やれたのはむしろ地方消費者行政の各自治体のさまざまな強化のために幾つかの技術的な問題に限られてしまった。
 ただ、少なくとも各自治体がいろんな高齢化率を持っているとか、財政力指数を持っていたり、過疎区分があって、それぞれの事情があるということがだんだんわかってきたわけですので、こうした現状を見える化した上で、今度は具体的に国や県や各自治体の役割分担というところに話を進めないといけない段階まで来ているということだろうと思います。
 今回は、ご指摘のような問題まで行けなかったので、ぜひ、次の段階ではそういうところも検討して、本丸に攻めていきたいと思います。建議はこれ1回で終わるわけではなくて、パート1、パート2、パート3とさらに続いていくと理解していただいたほうがいいと思います。

(問) 特に今回言っておかないといけない、本当は地方と国と市町村の役割分担を明確にしてもらって、一体何を国がなすべきなのかみたいなところに行き届きたかったのだと思うのですが、後で追加されて都道府県で特に役割を補足したところというのはどこなのですか。

(答・事務局) 今回は基礎自治体というか、区市町村のところの現状を分析して、こういう方策をといっていますけれども、その間、都道府県の役割ということを審議したかったのですが、基礎自治体支援における都道府県の役割というところに限定されているので、今後も引き続いての検討を重ねるということになると思います。
 都道府県の役割の中でも基礎自治体支援のところだけ言っているということです。

(答) よろしいですか。

(問) 後で。

(事務局) では、ちょっと遅くなりましたので、一旦ここで終わりにして、委員はもう少し残っておりますので、御質問にいらしてください。
 ありがとうございました。

(河上委員長) どうもお疲れさまでした。

(以上)

内閣府 Cabinet Office, Government of Japan消費者委員会事務局
〒100-8970 東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎4号館8階
電話番号(直通):03-3581-9176