河上消費者委員会委員長 記者会見

2013年2月6日
消費者委員会

日時

2013年2月6日(水)12:59~13:38

場所

消費者庁6階記者会見室

冒頭発言

(事務局) それでは、寒い中お集まりいただきましてありがとうございました。定例の委員長記者会見を行いたいと思います。
 冒頭、最近の消費者委員会の活動ということで委員長のほうから御報告申し上げて、その後、御質問をお受けしたいと思います。
 それでは、委員長よろしくお願いいたします。

(河上委員長) よろしくお願いいたします。
 報告事項から申し上げます。第1は健康食品の表示の在り方に関する建議、それから、特定保健用食品について消費者委員会からの声明というものであります。これは既に記者会見をさせていただいた部分ですので簡単にお話しいたしますけれども、1月29日の第111回の消費者委員会で、健康食品の表示等の在り方に関する建議を取りまとめさせていただいたところであります。
 健康食品の表示・広告の問題は随分深刻であって、長い間、調査班で検討してきた問題ですけれども、おかげで取りまとめができたわけでして、大きく4点に分かれます。
 1つは、健康食品の表示・広告の適正化に向けた取り組みの強化で、現行法の中でのやれること、それから、さらに制度的に検討すべきことを明らかにしております。
 第2点目が、安全性に関する取り組みの推進ということ。
 第3番目が、健康食品の機能性の表示に関する検討の部分。
 最後に、健康食品の特性等に関する消費者理解の推進、という内容で構成されております。
 これについては、消費者庁及び厚生労働省に対して対応を求めるものとなっております。本日の16時30分から厚生労働省において、厚生労働省のとかしき政務官に対し私から建議を手交するという予定でおります。森大臣に対しても建議を手交するということを考えておりますが、ちょうど今、国会との関係でなかなかタイミングがとれなくて、要請をしているところであります。
 同じ日の委員会で、やはりこれもお知らせをしたとおりでありますけれども、国民に向けての委員会からの声明という形で、特に健康食品の利用について適正な利用をお願いするということを声明として発表させていただきました。
 第2点目が、消費者安全専門調査会の報告書についてです。消費者安全専門調査会は平成24年4月から、消費者事故の未然防止のためのリコールなど注意喚起情報の周知徹底に係る方策について審議を行ってきたところですが、去る1月11日に開催された同専門調査会において報告書の取りまとめが行われました。
 1月29日の第111回消費者委員会において、その専門調査会の座長をお願いしていた松岡座長から報告書が提出され、その件に関して意見交換を行ったところであります。
 消費者委員会としても、この報告を踏まえまして、近々に建議等を行うということを予定しております。
 第3番目が、消費者契約法の見直しに係るシンポジウムについてでございます。これは資料が後ろに入っております。2月2日の13時から16時30分までの時間帯で、シンポジウムを行いました。
 資料をめくってもらいますと次のページにプログラムがございますが、基調報告とパネルディスカッションということで、それぞれワーキングチームで行ってきた検討の概要についての報告と主だった論点について、パネリストを交えて意見交換をする形でやらせていただきました。
 国民生活センターの野々山理事長、さらに阿南長官にもお越しいただきまして、非常に盛会であったと思います。会場は159名の参加者でしたか、狭い会場だったのですけれども、ほぼ満杯で、非常に熱気のある形で、消費者契約法の見直しをするための作業を加速させようという雰囲気が盛り上がったのではないかと思っております。
 消費者契約法そのものの見直しの具体的な中身については、細かい点がたくさんあるので詳しくは別の機会にということにさせてください。他方、民法の債権法改正作業が、今、中間とりまとめに向けて山場を迎えているということで、中間試案のようなものが2月の末には出るということでありますので、それとの関係にもかなり配慮したシンポジウムといたしました。法務省からも責任者の筒井参事官においでいただいて話を伺って、一応、消費者契約法がやるべきことと民法で受けるべきことについての議論はできたのではないかと思います。
 全体の雰囲気からしますと、やはり民法典の中で消費者法の実体的な規範を具体化して取り組んでいくという方向はかなり難しい状況にあるようです。ただ、約款の規制に関しては民法の中で考えようということで、筒井さんは非常に慎重な物言いをする方なのですけれども、「不退転の決意でやる」とおっしゃっていましたから、民法のほうでは頑張るということのようであります。消費者契約法のほうでは、民法で一般化できた部分について、さらに具体的な規範が必要であると考えられる部分を補充していくことになろうかと思います。
 特に話題になりましたのは、インターネットの広告であるとか、広告の部分をどういうふうにしたらいいのかという問題ですとか、契約締結過程で言いますと、今は誤認と威迫・困惑という2つのタイプの具体的なルールしかないのですけれども、やはり受け皿が必要ではないかということで、受け皿規定を設けてはどうかという話。
 それから、約款規制の中でも消費者約款に関して特別に、民法に入らなくても消費者契約法では入れておいたほうがいいルールがあるのではないか。特にわかりやすくとか透明性の原則を具体化したような規定が必要なのではないかという話でありますとか、不招請勧誘とか適合性原則と言われている、民法ではなかなか入りづらいルールですけれども、こういうルールについてもさらに具体的に消費者契約法の中で考慮要素として検討してはどうかといった話もございました。
 業界団体から、業界団体を代表してということでもないのでしょうけれども、東京ガスの佐成さんにお越しいただいて少し意見を伺ったのですが、やはり不当条項リストに関しては、自由な企業活動を制約することになるのは勘弁してほしいということで、かなり慎重な御意見がありました。けれども、他方で、ブラックリストというものは全く禁止してしまうわけではっきりしているのですが、やはりグレーリストのメリット/デメリットをきちんと検証して、必要なものはグローバルスタンダードに合わせて入れるべきではないかという意見もかなりありました。
 それから、インターネットに関する取引については、御承知のとおり、非常に問題が多いということで、現状の分析だけではなくて、さらにこういう点について考えてはどうかという立法に向けた具体的分析も行われたところであります。
 パネルも非常に活発でして、会場からもいろいろな意見をいただきました。中間報告会としては、手前みそですけれども、まあまあうまくいったのではないかと思っております。参加していただいた記者の方もいらっしゃいますので、当日の様子は御存じかと思います。
 これが消費者契約法のシンポジウムに関してであります。
 お手元に、シンポジウムで配付した資料のうちでプログラムと目次等を抜粋したもののみをお配りしております。もし資料の全体版を入手されたい方がいらっしゃいましたら、事務局のほうにお申し出いただければ用意できるかと思いますので、お申し出ください。
 ちょっと分厚くて恐縮ですが、これまでの国生審での報告であるとか、法務省での議論の要点であるとか、改正に向けた立法上の資料のようなものがかなりコンパクトにまとまっておりますので、お役に立てるのではないかと思います。
 以上が報告事項です。
 それから、次が当面の関心事項に関してであります。
 第1が、公共料金等の専門調査会に関するものであります。特に家庭用電気料金の値上げ認可申請に関する調査会であります。
 この状況そのものについては、既に第111回の委員会で簡単に御報告をしたところであります。1月24日開催の専門調査会で、消費者団体からのヒアリング、電力事業者による質問事項への説明、それから、家庭用電気料金の値上げ認可申請に関するチェックポイント(案)の検討をやったということでありまして、このチェックポイントは最終的に消費者庁から2月1日付で公表されています。
 基本的には、東京電力のときの経験が随分生かされておりまして、背景となる事情は東電の場合とは若干違う部分がありますけれども、料金の策定のプロセスそのものについては共通している部分が多く、東電のときのチェックポイントが随分参考になった形でチェックポイント(案)が検討されています。
 今後のスケジュールについては、経済産業省の資源エネルギー庁における審査状況等を見据えて検討中でありますけれども、審査方針(案)が付議された際には消費者委員会としてもしっかりと対応できるように準備を進めてまいりたいと考えております。
 第2番目が、消費者基本計画の検証・評価・監視であります。
 この計画の改定に向けた意見表明をするということになりますけれども、基本計画に盛り込まれた具体的施策の年度前半における実施状況を確認するために、昨年12月に関係省庁に対して集中的にヒアリングを実施いたしました。このヒアリングの結果や昨年の基本計画改定以降に当委員会でもって行ってきた意見表明の内容なども踏まえて、近々、基本計画改定に向けた当委員会としての意見表明を行う予定でおります。できれば2月に行いたいと思っております。
 第3番目ですが、消費者団体等関係団体との意見交換会の開催についてであります。
 2月から3月にかけて、主要な消費者団体・適格消費者団体・事業者団体に参加をいただきまして、本委員会の開催前の時間を利用して意見交換会を実施する予定でおります。全体で3回ぐらい予定しておりまして、第1回目は2月12日の16時からということで、全国消費者行政ウォッチねっと、全国消費生活相談員協会、全国消費者団体連絡会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の4団体との意見交換を実施します。第2回目は2月26日、第3回目は3月12日を予定しております。参加団体は大体決まっておりますけれども、具体的な内容が固まりましたらホームページでアップしていく予定ですので、よろしくお願いいたします。
 4つ目ですが、第7回地方消費者委員会についてであります。
 消費者委員会で全国を少しずつ回っていっているわけですが、黄色い紙が入っているかと思います。次回は3月2日に米沢で行わせていただきます。
 今回のテーマは、「食品表示のあり方について ~健康食品、表示の一元化等新しい動き~」で、我々の委員会でも建議として健康食品の表示の在り方を出させていただいたところですが、食品に関する関心が非常に強いということもありまして、そこで食品表示のあり方についてというテーマでやろうかということで、私の基調講演は一般的な話にして、田島委員に「健康食品等について」という講演をしていただいた上でパネルディスカッションを行う予定でおります。
 記者の皆さんの積極的な参加を期待しておりまして、現地の支局等にもこういうシンポジウムがあるということをお知らせいただけるとありがたいと思います。
 私のほうからはとりあえず以上でございます。

質疑応答

(事務局) それでは、御質問をお受けしたいと思います。

(問) 1つお聞きしたいのは、健康食品の建議を出された当日、特保について声明文を出されています。その中では、消費者委員会は審査する立場というものもあって、特保さえとっていれば、食事のバランス等とは無関係に効果がある旨を示唆したり、あるいは暗示するイメージの広告がある。審査に当たった者としては違和感を覚えるということで、注意しましょうみたいなことだと思うのですが、これこそ健康増進法違反であったりとか、景表法違反である、そういう疑いがある特保であると思うのです。
 消費者委員会は委員会の名において、例えばこういうものを公表したり、事業者名・商品名を公表したり、あるいはこれこそ消費者庁に対して建議を出すとか、つまり放置されているわけですので、国民への声明ではなくて、今回のこの建議自体は、特保に対しては機能性表示の研究の部分だけで建議を出されていますけれども、要するにこういう広告の違反の疑いがあるものに対して出すべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。

(答) 委員会の中では、今の行き過ぎた広告表示に関してはいろいろな意見が交わされているところでして、違反の認定や摘発は、それこそ消費者庁の仕事ということになり、しっかりやって下さいということは当然含まれています。もっとも、今後どういう形でそういうものの判断基準等について意見集約できるかということについてはさらに検討が必要であると思います。
 必要があれば固有名詞を出さざるを得ないと思うのですけれども、広告の世界はなかなか厄介で、つまり、ある意味では表現の自由の問題があります。それで、特保の趣旨ということを考えて、イメージ広告であるとか、特保マークを前面に押し出すようなやり方に対して、どういう形で効果的に抑制をしていただけるかというあたりはもう少し、法令上の根拠も含めて検討が必要ではないかと思います。

(答・事務局) ちょっと補足しますけれども、健康食品の建議は、ここでいう健康食品は特保も含まれますから、いわゆる健康食品だけではなくて、特保も栄養機能食品も含みますから、この建議で言っている内容は特保の広告についても該当するものがあれば当然対象になりますというものです。
 それで、建議は行政府に対して言うものですから、消費者とか事業者に対しては建議では触れられないので、別途、声明文というものをお出しになったと理解していただければと思います。

(答) ご質問は、特定商品の広告についての法令違反の有無まで踏み込んでという御指摘ですので、そこは消費者委員会の立場での物言いとしては、不適切であると思います。

(問) 建議も拝見しましたけれども、建議の中には健康食品の中に特保と栄養機能食品を入れている。いわゆる健康食品というものを分けて書いてあるとはいえ、それ自体が、今まで言われたことも結構ありますので、法執行自体はずっと言われてきたことですけれども、この声明文自体は、消費者委員会は審査する立場というものがあって、責任があるわけで、その表示を許可している。そういう審査する立場に立ってみたときに、イメージ広告、要するに許可された表示以外の強調表示をやっていたりとか、バランスよく食事をする以外の、これだけでオーケーみたいな形でなされている、そういうものが違和感を覚えるという形で、ある特定のものをイメージされて出されているわけですね。
 その声明文自体は国民に対してということをおっしゃいましたけれども、国民があれを見たときに、何がどういう特保で違和感を覚えるのかということがはっきりわかる形でないと注意喚起自体は届かないというのが、これまで消費者庁だってずっと言ってきたことであって、それであればそういうものが放置されていると我々は思うわけで、そうではなくて、放置するのはどこか。要するに事業者に対してではなくて、行政に対して建議という形をとるべきではないかということなのです。

(答) 表示のあり方そのものに対して厳格な執行をお願いしたいということについては、景品表示法とか健康増進法の運用の改善といいますか、制度のあり方の見直しを含めた提言の中に一応入っています。少なくとも消費者委員会におけるいろいろな認可のプロセスで、個別の食品の表示のあり方について何か物申すという立場にはないので、それはむしろ委員の方々が、自分たちがやった認可がこういう形で宣伝に使われているのはいかがなものかというお気持ちがあって委員会に対してもいろいろと意見を下さったので、それを反映したものです。認可プロセスの中で、特保の積極的な意義や趣旨を理解してもらって、今後、業者には関係団体による自主規制も含め、制度趣旨に適った適切かつ抑制的な広告をやっていただきたいと思っています。
 恐らく業者の側の適切な広告表示と食する国民の情報を使っての、いわゆる健康食品も含めた、そういうものの利用、それが合わさって、初めて望ましい効果が出るものです。そこで、国民に対しては、消費者委員会は直接物を言う立場ではないのですが、脱法ドラッグのときに国民に向かって声明を出したのと同じような形で今回やらせていただいたということでございます。

(事務局) ほかにはいかがでしょうか。
 どうぞ。

(問) まず、今の続きなのですが、先日の建議の後の記者会見のときに、一応、この建議をもって回答とするという旨のあれがあったと思うのですが、今後引き続き、この表示もしくは健康食品に関して討議、要は審議を続けられる御予定なのか。それとも、一回ここで切ってしまうのかというところなのです。

(答) 消費者庁から消費者委員会に一定の注文がありまして、こういう表示のあり方について検討してくださいという要請に応える形での専門調査会での活動とそれの取りまとめであったわけで、とりあえず投げられたボールに関しては、これでお答えしましたということにさせていただきました。ですから、ここで一回切ったというほうが正しいかと思います。
 ただ、問題そのものがなくなっているわけではありませんので、それについてはもちろん、さらに検討していくことになります。具体的には何かチームをつくってという形ではなくて、一般的な調査検討の対象になります。

(問) もう一点なのですが、ちょっと踏み込んで、今回は表示に関しての建議となっていますので、主に表示に関してということになるのですが、例えば農水省さんが国の予算を使って食品の機能性の研究を現在行われていたり、文科省さんの科研費のほうでも現在行われていたり、あとは一旦仕分けで中断にはなりましたが、今、形を変えてクラスター予算、要は経産省さんのほうが出している予算で、地方で機能性の研究をなされていたり、そこに医師とか大学の科学者とか、いろいろな方が加わって、現在、機能性の研究がどんどん進められているのです。
 そこは、要はアクセルの部分だと思うのですが、今回のこの表示に関してはどちらかというとブレーキの話になると思うのですが、この辺の整合性がどうも我々業界のほうから見ると、何かブレーキだけ踏んで、アクセルは勝手にほかの省庁さんが踏んでいるという形にとれるのです。
 例えばこの建議、今、厚労省さんと消費者庁さんに出ましたけれども、そういった意味では例えば農水省さんとか文科省さんとか経産省さんあたりに対しても何らかの提言が今後出される可能性はいかがでしょうか。

(答) それは今のところは考えてはいません。ただ、この建議はもちろん、手交したり宛名にして出したところだけではなくて、全省庁に対して回りますので、その意味では尊重していただくことを期待しております。
 機能性表示とかそういう問題については、ここでもちょっと触れていますけれども、本当に今の状態でいいのだろうかということもありまして、表示のあり方の問題としては触れているつもりであります。アクセルというべきかどうかは疑問がありますが、今日の状況からすると、恐らく健康食品そのものを全く否定してかかるということは実際的ではないので、むしろ国民がうまくそれを選択して、自分の食生活の中での補助材料として使えるような環境整備をすることが大事なのだろうと思います。おっしゃるように、アクセルとブレーキは両方必要なことであって、それぞれの監督省庁に対しても機会があれば意見を申し上げることはあろうかと思います。

(問) ありがとうございました。

(事務局) ほかはいかがでしょうか。
 どうぞ。

(問) 安全情報伝達の建議ですが、いつぐらいを目指していますか。

(答) 近々という言い方をしましたけれども、できましたら今月中に何とかならないかということを考えています。
 できれば、次回の消費者委員会で最終的な意見集約を図って、その日にできれば一番いいですし、そうでなくても近いうちにはやりたいと思っております。基本的には報告書のエッセンスに当たる部分をうまく建議の中に取り込んで発出したいということであります。

(問) 何か委員の間で意見の違いがあって議論されているとか、取りまとめに困っているとか、どういう状況で微妙な時間のずれが出てきているのでしょうか。

(答) それは特にございません。むしろ、どこまで踏み込んで文章として書き込むかという点でいろいろと調整をしているところです。

(問) ありがとうございます。

(事務局) ほかにはよろしいですか。
 どうぞ。

(問) 先週、建議を出されたときの記者会見の中で、食品表示一元化について委員長が訂正されたといいますか、ちょっとそれが、1月中旬の記者会見のときの、その後、ウエブニュースで出したものでして、要するに食品表示一元化について消費者委員会が何らかの見解をまとめるかどうかに対して、まとめたい、まとめる方向であるということについて、それは先週の記者会見の中ではそうではない。誤解であるということなのでしょうか。

(答) 私も健康食品についての表示の問題と頭がごっちゃになっていたので申し訳ありません。前にやった記者会見のテープ起こしを見て、これは言い方を間違えたなと思って訂正させていただいたところです。

(問) それで、先週改めて確認しましたけれども、確認したいのは、食品表示一元化について消費者委員会としての見解をまとめることは検討するということなのでしょうか。

(答) そうですね。

(問) 検討しているということですか。

(答) 話題としては、この健康食品のときにも出ていまして、現在、消費者庁でやっている食品表示一元化について、どういう形でまとめたらいいかということについての意見は委員の間で交換しております。意見表明などに結びつくかどうかは、まだわかりませんが、法案として出てきたものについて消費者委員会として何らかの意見を申し上げる機会はあるのではないかと個人的には思っているところです。
 ただ、各団体からもいろいろな意見が出ておりまして、表示の一元化をめぐっても、賛否両論があります。コストの問題もあるのでしょうけれども、どういう形でそれをやっていくのがいいのかということについてはかなり難しい議論が多くて、具体的に、例えば原産地表示をこういう場面で全てにやれるかどうかとか、表示の仕方一つをとっても、果たして消費者団体が言っているようなもの、それから、消費者庁が言っているようなものでいいのかどうかというあたりの個々の品物についての評価は個人的にも相当難しい問題であるという印象は持っております。ですから、簡単にまとめるわけにはいかないと思うのですけれども、意見を言う機会が持てればととは思います。

(問) そうしますと、ウエブニュースで私が発信したものと今の御発言の中での違いを正式に知らせなくてはいけない部分がありまして、もう発信していますので、要するにそのときは、消費者委員会としてはまとめるということは決定していたことのように私は受けとめて、それが今のお話ですと、健康食品の建議と混同されていた。それはテープ起こしのときにわかったのですか。

(答) テープを聞いて文字になったものを私が確認している段階でです。

(問) 委員長が確認されたということなのですか。

(答) はい。

(問) 要するに委員会でまとまっていること、あるいは記者会見の中で質問に対して誤解に基づいた御回答とかがあった場合は、本来は広報なり事務局なりが記者に対して例えば直すとか、そういうものは消費者庁の広報室でもやっていますし、それがあれから2週間たっているわけで、事務局長にはお聞きしたのですけれども、要するに事務局としては、事務局長は消費者委員会委員長の補佐で、例えば委員会で決まっているか、決まっていないかということについて、あのとき、私は確かに消費者委員会として表示一元化の見解をまとめるかどうかということで質問したつもりで、それで返ってきた。
 事務局長は、あの御発言の中で、御発言された後、委員長に対してどんなサジェスチョンをされたのか。あるいは事務局に対して、まとめることですので、事務局としての指示を何かされたのですか。

(答・事務局) しました。

(問) どういうことをされたのですか。

(答・事務局) 質問を聞いたときにちょっと違和感を感じて、ただ、全体を正確に聞いているわけではありませんから、文章で起こしたものでないと確認はできないなと思って、文章で確認して、やはりそうであったというところです。確かに訂正までに間が2週間あったので、それより早く、1週間ぐらいのところで訂正を入れるのはでき得たので、そこは申しわけなかったです。
 ウエブニュースにもう書かれた、出してしまったわけですね。

(問) そうです。
 つまり御存じで、違和感を覚えたということですか。

(答・事務局) いや、まとめていると発言されたような気がしまして、でも、健康食品のほうはそうですが、食品表示はそうではないのだけれども、どうしてそんな発言があったかなというのは、ただ、それも私が聞き間違えたのかもしれませんし、やはり文章になったところで見ないとわからないなとは思いました。

(問) わかりました。

(答) 本当に、これは私のミスですので申しわけないことです。
 健康食品の問題をやっている過程で、私自身は食品表示の一元化の問題そのものにも大変関心がありまして、健康食品についての表示がどうあるべきかということと、食品表示の一元化という問題に対してどう対応するかというのは、いつもリンクさせて問題を考えていたものですから、これは個人的な言い間違いであったということで、申しわけございません。

(問) 最後にもう一つなのですけれども、確認なのです。
 意見、提言、建議の中で、建議というものは法に基づいて、要するに消費者委員会の監視機能の象徴的行為である。それに対しては設置法第8条に基づいた、各省庁に対して資料請求ができるような、それが重たいものであるということなのですが、それはわかるのですが、確認したかったのは、こういう意見、提言、建議、特に建議なのですが、建議をまとめるに当たって、あらかじめその内容を建議対象省庁に対して提示されて調整されているのでしょうか。そういうものとしてやっていますか。

(答) それは、調整をしているというほうが正しいと思います。

(答・事務局) ただ、見せたりはしますけれども、最終的な判断はやはり消費者委員会の委員が決めていますから、言ってきても入れないということはもちろんあってやっている話です。

(問) つまり、反対意見があったとしても、それは委員会の委員のあれに基づいてということですか。

(答) 委員会の委員が、最終的にどうあるべきかを考えて独立して判断します。
 ただ、建議として出してもこれは土台無理な話であると、無視されるほかないというものを声高に言うよりは、実際にやれること、やれそうなことをきちんとやってもらうほうが大事であろうと思いますから、その辺の表現の仕方や踏み込み方については委員の間でも意見交換をする段階で意識しております。

(答・事務局) それで出たものが建議です。

(事務局) それでは、一応、定例の記者会見はここまでということでよろしくお願いいたします。

(河上委員長) どうもありがとうございました。

(以上)