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松本消費者委員会委員長 記者会見

2010年10月22日
消費者委員会

日時

2010年10月22日(金)17:30~18:05

場所

消費者庁6階記者会見室

冒頭発言

 8月に記者会見をやって以来2か月ぶりぐらいかなと思います。それで本日は、先ほど開かれました消費者委員会におきまして「決済代行業者を経由したクレジットカード決済によるインターネット取引の被害対策に関する提言」というものを消費者委員会として採択をいたしましたので、そのことについて御報告をするという趣旨でございます。
 いわゆる決済代行業者絡みのインターネット取引におけるトラブルの件数が非常に増えているということが2つの団体、すなわち全国消費生活相談員協会、それからNACS、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会から報告書も添えて消費者委員会に対応を求めるという要請がございました。それを受けまして、消費者委員会として、その2つの団体に委員会にお越しいただいて、被害の実情について、あるいはどこに問題があるのか等についてお話をいただきました。その後、今度はクレジットカードに大変詳しい専門家の方、それから、この問題について裁判等を行っている学者兼弁護士の有識者の先生から、どこをどうすれば被害が防げるだろうかというお話を聞きました。
 そしてその間、消費者委員会としても、委員間で議論をしたり、あるいは事務局の方で集められる資料を集めて分析をしていただきまして、ある程度、こういう方向であれば、問題解決とまでは行かないですけれども、現状よりは被害を少しでも防ぐ方向に行けるのではないかという大体の方向性を出しました。本日、消費者庁、それからクレジットカードを管轄しております経済産業省からそれぞれ、現状についての認識と一定の考えをお出しいただいて、基本的には消費者委員会の方で内部的に検討を進めていたことと一致するということで、このような提言に至った次第です。
 提言の内容は、4ページ(PDF形式:31KB)のところに4点上がっております。
 1つは、実態がまだまだわかっていないということです。被害が出ているということは、相談のところから出てくるんですけれども、業者が何社ぐらいで、どういうふうに行動していて、取引のつながり方、国内のイシュアーから国際ブランドを通って海外のアクワイアラー、そして決済代行業者とネット上の業者という、その経路がそれぞれの決済代行業者ごとにどうなっているのかといった実態がまだ必ずしもわかっていないということ。それから、国際ブランドを通した場合の海外におけるカード会社といいましょうか、アクワイアラーのビジネスの仕方等々もそれぞれあるようでありますから、取引の実態、被害の実態について、もっときちんとした調査が必要であろうということで、業界を担当している経済産業省、それから被害という点では消費者庁の方に調査をお願いするということです。
 それから、2点目が、何といっても悪いのは悪質な業者であります。出会い系サイトを運営している業者とか、詐欺に近い商法を行っている業者でありますから、そういうインターネット上で商売をしている事業者自身の法律違反等をとらえてきちっと処分をすることが必要であろうし、また、そういう業者と取引をしないように、そういう悪質な業態についての注意喚起を消費者にする必要があるだろうということが2点目です。
 3点目が、この提言の中で一番具体的な内容になりますが、通信販売業者が決済代行業者を使っているということの表示を何らかの形で義務付けられないかということです。通信販売業者というふうに一口にくくってしまいますと、ああいう出会い系サイトなどは通信販売ではないと通信販売業界から言われるところもあるわけですけれども、特定商取引法の用語では通信販売というジャンルに入ってくるわけです。特定商取引法の表示義務の一つとして、そういう通信販売業者に決済代行業者を使っているかどうか等の表示をさせることによって消費者に注意喚起をする。あるいは実際に相談が持ち込まれた場合に相談対応が少ししやすくなるようにするという効果を考えております。
 ただ具体的に、表示義務の内容をどのようなものにするのか。表示を義務付けられる決済代行業者を、海外の決済代行業者に限定するのか、あるいは国内の決済代行業者についても含めるのかといった点については、我々としては具体的にこうすべきであるというところに至るまでの議論をしておりませんので、その辺りは担当の消費者庁の方でもっと詰めていただきたい。すなわち、本日の議論でもありましたが、国内の決済代行業者はそれなりの合理的なニーズから出てきていて、ひどいことはやっていないと言われておりますから、悪質業者を傘下に抱えているところの海外の決済代行業者をうまくねらい撃ちにできるような形の規制ができれば、一番負担が少なくて効果が多いものになるかと思います。
 その他、4のところでは、もっと大きな観点からの取組みや検討を関係省庁にお願いしているということです。
 以上が提言の内容です。

質疑応答

(問) ありがとうございます。幹事社から1点だけ質問させていただきます。
 これは非常に対応が難しいと思うんですけれども、今後、各省庁の対応を委員会としてはどのように追いかけ、検証していくというふうにお考えでしょうか。

(答) この課題だけではなくて、今までにも提言を何回かやりましたし、建議も行いましたし、提言や建議とまでは行っていませんけれども、我々が取り上げてきた問題が幾つかございます。したがって、それらとそんなに変わりはないと思います。こういう方向で調査や検討をしてくださいといったことについて、一定の期間が経ちましたら検討状況について消費者委員会に御説明をいただくということをやりたいと思っております。

(問) わかりました。ありがとうございます。
 各社からありましたら、お願いします。

(問) 実際、いろいろと議論等でも紹介がありましたけれども、いわゆる出会い系サイトとかアダルトサイトとかの架空請求とか、そういう被害の中で海外決済代行業者が関与している割合とかについて何かデータ等はお持ちでしょうか。

(答) そういうことについて、消費者委員会の委員の中からもデータがないかという質問が出ているわけなんですけれども、きちんとしたデータはないということです。ですから、そういったことも含めて、1つ目の項目にありますように、実態把握をしてくださいということを経済産業省、消費者庁にお願いしているということです。
 ただ、数字で出せるかといいますと、関係しているカード会社が全部、すなわち日本のイシュアー、つまり消費者に請求するイシュアー、それから、国際ブランドを通して日本のイシュアーに対して請求してくるところの海外のアクワイアラーがすべて協力してくれればそういうデータが集まるかもしれないですけれども、海外のアクワイアラーに対して日本の行政機関が何か求めるというのはほとんど不可能に近いかと思いますから、正確な数字は恐らくつかめないのではないか。被害の中から一定の推測をするというような形でしかできないかなと思います。

(問) 先ほど、国内の信販会社の方はさほど問題なく、海外をねらい撃ちにすれば効果が大きいのではないかというような御発言があったんですが、被害の大半は海外によるものが被害の温床となっているという判断はされているということでいいんでしょうか。

(答) はい。それは、我々が聞き取りをしている限りではそういう認識です。

(問) あと、実際、昨年の割賦販売法の改正のときに、要は直のクレジット契約、加盟店契約の方はクレジット会社の方がきちっとチェックするというふうな感じに改正されたわけなんですけれども、実際、これが事実上形骸化しているという判断でいいんでしょうか。

(答) 完全に形骸化しているというほどの状況ではないと思いますが、もう少し長い目でといいますか、広げて見ますと、悪質業者、すなわちインターネット上で悪質なことを行っているところの業者、特商法上の通信販売業者がいかに消費者からお金を取るかということで、昔で言うところの個品割賦、今の個別信用購入あっせん、それから、貸金業者による実質的なクレジットといったやり方があったわけですが、貸金業法の規制強化、あるいは割販法の規制強化の結果として、その中の一部が昔の総合割賦、今の包括信用購入あっせんあるいはマンスリークリアという形の方に移行してきているという実情があるようです。
 日本の割賦販売法は、個別信用購入あっせん業者については大変厳しい義務が負わされましたが、包括信用購入あっせん業者についての義務は相対的には軽い内容になっているようです。ただ、国内で営業している包括信用購入あっせん業者、いわゆるクレジットカード業者に対しては経済産業省の方の行政指導がかなり行きますから、法律上は個別信用購入あっせんに比べて加盟店管理義務等は弱いところがありますけれども、何かあった場合にはきちんと対応するという状況にはなっているようです。したがって、国内のクレジットカード業者から相手にしてもらえないネット上の業者が海外のアクワイアラーとつないでくれる決済代行業者の方に移行しているという状況はあるのではないかと思います。

(問) いつも提言のたびに聞いているんですけれども、なぜ提言という形なのか。例えば内閣総理大臣に対して勧告して、関係省庁に対する措置要求ということをやってもらうということも考えられたのではないかと思うんですが、提言という形を取った理由といいますか、事情についてお聞かせいただければと思います。

(答) 消費者安全法に基づく勧告というものはかなり対象が限定されております。あそこで言う内閣総理大臣は消費者庁の責任者という意味の内閣総理大臣だそうでありまして、消費者庁がしかるべく対応すればできるのにやっていない事柄についての対応といいましょうか、現在において措置が可能なのにしていない場合にそれをしろということを言うのが勧告です。ですから、現在の特商法をこういうふうに執行すればこれは被害の防止拡大ができるのに、消費者庁がそれをやっていないということであれば勧告になり得るわけですが、今回の場合は消費者庁が具体的に権限を行使して取り締まれるという部分ではないというふうに我々は認識しております。
 もちろん、出会い系サイト等のサービスを提供している業者自身に対して特商法をもっときちんと適用しろというような言い方はできますが、それは決済代行による被害というものとは別の、もう少しストレートな出会い系サイト被害防止のためにこうしろという話になりますから、今回は勧告にはならないタイプのものかと思います。
 それから、建議ですが、どういう場合が建議で、どういう場合が提言かというのは前からいろいろ質問されておりまして、我々もいまだにこういう場合はこうであるというふうにはっきりと申し上げるところまで行っていないわけですけれども、建議の方がやはり中身により具体性があって、担当している省庁に対して、具体的にここをこういうふうに改善しろとか、こういう立法を行えという方向性といいますか、方向性よりもう少し行動の内容自体がはっきりしているものがやはり建議という言葉になじむのではないかという感覚を持っております。
 今回の場合はそれよりはもう少し前の、まずは調査をしてくださいというところから始まっているようなところがありまして、表示の義務づけもこれで一気に問題が解決するというような内容でないというのは皆さんも御理解いただけると思いますが、今までよりは少し消費者に対する注意喚起に使えるだろうという程度であります。考えてみますと、そういうアダルト系のサイトを利用する消費者がそこまで注意してそのサイトにアクセスするかといいますと、余り気にしないでやる方がむしろ多くて、請求を見てから慌てるということが多いのではないかと思います。
 ですので、そういう点から見まして、これが決定的に効果的であるというところまではまだ行かない。まだ我々としても、これだけでは十分ではないという認識を持っている内容であるということもありまして、これ以外のことも含めて、関係省庁でもっと積極的に取り得る手段を考えてください。消費者委員会としても考えます。そういった感じのものです。

(問) この被害が非常に急激に拡大しているので何らかの対応を急ぐべきであると思うのですが、この特商法の場合と結局、11条に基づく表示義務の追加であるとそんなに大変な作業ではないと思うのですけれども、少しよくわからなかったのは、国内はそんなにトラブルがないから国内は外してという、その辺の議論がやはりかなり煩雑なのでしょうか。これは急いでそこの義務づけを、法改正をしてしまうということができないのだろうか。
 それと、さっき委員長がおっしゃっていた、決定的ではないだろうという話はあるんですが、これは行政処分ができたときに少しは効果が変わってくるんでしょうか。

(答) 行政処分というものは国内の業者に対してしか基本的に意味がないわけですから、この決済代行業者が海外にとどまっている限りは、たとえ日本人が経営していても直接的な効果が及ぶ可能性は低いということになります。
 ただ、実質的に日本で営業している、事業を行っているという評価が可能なようなタイプであれば日本の法律を適用するということはありますが、ネット上のものですから、確かに海外に本社があって、日本にいるのは単に勧誘を代行するエージェントだけであるというようなケースの場合に、日本で事業活動をやっているという評価ができるかどうかは、法執行一般の問題ですけれども、なかなか難しいところがあるということです。

(問) それで、具体的に特商法の規定の方法について検討するとしたら、消費者庁のインターネット研究会か何かになるんですか。

(答) 具体的に検討するとすれば、これは内閣府令での表示の義務づけ条項の内容の問題になりますから、消費者庁の特定商取引法を担当している取引・物価対策課が、府令の文言を具体的にどういうふうに改正するか。つまり、新たな文言をどういうふうに加えるかということになります。この点で、府令をどういう表現ぶりにするかはなかなか議論の余地があると思います。
 インターネット取引研究会ではそこまで細かい文言上のことは恐らく議論していなくて、こういう方向で表示の義務づけをすべきであるというような意見が出れば、それをまとめるということになると思います。

(問) 済みません、もう一問、前回の消費者委員会で坂東先生が登録制を入れろ。割販法に登録制を入れてしまうことによってかなり進むのではないかということをおっしゃっていて、この4番はそういうことで、あと、チャージバックのところで、やはりなかなかリーズンがうまく書けないというふうに相談員さんが言っておられるので、その辺、ここの4番についてもう少し御説明いただけないでしょうか。

(答) 登録制の点については、本日の委員会でも経済産業省の課長の説明に対して佐野委員の方から質問が出ましたけれども、経産省側の説明としては、海外で事業を行っている業者に日本国内の法律に基づく登録義務づけはできないということです。それが実質的に日本で営業しているのに登録しないということであれば登録義務違反ということで押さえられるわけですが、実質的にも日本で行っていないという場合であれば登録制を課したところで無意味であって、日本国内で真っ当に代行業を行っている事業者は登録するかもしれませんけれども、それによって被害を予防するという効果は全然出ないということになります。

(問) チャージバックのところは何か考えられるんですか。

(答) チャージバックの点についても、やはり経済産業省の課長が最後のところで説明をしておりましたが、チャージバックというものは国際ブランドの、VISAならVISA、MasterCardならMasterCardの内部の言わば取り決めであって、最終的にはアクワイアラー、海外のカード会社といいましょうか、海外で加盟店を管理している会社を通して、それぞれの加盟店がうんと言えばチャージバックになるという、本来はそういうものらしいんです。こちらの消費者が自分のカード会社を通じて、向こうのカード会社を通じて、販売店まで連絡が行って、こういうことでチャージバックの要求がありますけれどもいいですかということで、はいと言えば完全にいいですが、自動的にチャージバックしろと言えばお金がすっと戻ってくるとかというほどのものではないらしいです。
 ただ、日本の国内のカード会社には、自分のカード会員の保護とか、カード会員との良好な関係を考えて、自腹を切る形でチャージバックをしているところもあるというのが実態であるということでしたから、消費者から見れば、チャージバックであると言えばそれだけで返ってくるような制度であると思っているけれども、実はそうではないということのようです。そこが、法律に基づく権利である日本の割販法の抗弁の対抗とか、あるいは既払い金も返してくれという権利が法律上もあるというのに比べると大変弱いといいますか、不安定な制度であるということになります。

(問) 今の質問にも関連するんですけれども、まず今回の提言の対象の機関なんですが、行政機関はどこを想定されているか。詐欺罪もありますので、警察庁も入っているのか。あるいはアクワイアラーのこともありますので、外務省も入っているのかとか、どこを想定されているのか。
 あと、国際ブランドルールのことなんですけれども、大きな今後の対応として4点目のところに、今の質問の中にもありましたが、海外アクワイアラー等の関係事業者間での紛争処理のルールの見直しというのは多分、チャージバックのことであると思うんですけれども、国際ブランドルールについて、海外優勢の国籍が違うところに対してブランドルールの違反であるということが委員会の中でも出てきましたが、そういうことを遵守するように何か働きかけるとか、そういうこともこの中では含まれているのかどうかということなんです。

(答) 1点目の対象官庁はどこですかということですが、これは消費者庁と経済産業省です。消費者庁は被害情報を集めているという点と、それから特定商取引法の主管官庁であるという点からで、もう一つは経済産業省で、これは割賦販売法を所管しているという点からで、この2つです。

(問) そうしますと、さっき総合割賦のことが出ていましたけれども、その総合割賦に対しての規制強化とかそういうことも「関連法令の見直し」という言葉があるんですが、それも何となく含まれているというふうに思っていいんでしょうか。

(答) 大前提としては、日本の法律、日本の割販法でどこまで、あるいは日本の割販法を改正すればこの問題は解決するんですかという部分がまずあります。そこの点については、まだまだといいますか、日本の割販法をいじるだけでは解決しない問題である部分が大変大きいです。海外のアクワイアラーの下にぶら下がっている決済代行業者ですから、日本の法律が直接には及ばないものを相手にしているということになり、割販法をこうすればすぐどうなるというものでもないだろう。そういうところがありますが、その点も含めて経済産業省に検討をお願いしたいということが含まれています。ただし、日本国内で悪質な決済代行業者がもし活動しているということであれば、国内法の改正というものは焦眉の課題であるということになると思います。
 ですから、むしろ国際ブランドで適切な対応がなされるような働きかけをどういうふうにやるかということの方が重要であろうと思います。ただ、そこでも国際ブランドというものが、VISAにしろ、MasterCardにしろ、株式会社らしいんです。したがって、そこのルールというものは別に国際条約でもガイドラインでも何でもなくて、言わば民間企業の内規のようなものであるということで、そこでもっとルールの内容を厳しくしてもらうとか、あるいは違反の場合の制裁を重くしてもらうというのは、国際企業の社会的責任的なものをもっと強調して、ルールをより消費者志向のものに変えてもらい、そして、その遵守のための体制を、VISAとしてどうつくってもらうか、MasterCardとしてどうつくってもらうかという話になってくるだろう。国際条約等でえいやというふうに行くのはまだまだ、かなり難しいのではないかというのが経済産業省の説明でした。

(問) そうしますと、ここのところは、紛争処理のルールの見直しに関する海外への働きかけといった場合は、これはチャージバックのことであるというふうに思っていいんでしょうか。

(答) そうです。
 それでは、以上で終わります。ありがとうございます。

(以上)

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