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消費者教育の推進に関する基本的な方針の改定に向けての意見

2017年11月8日
消費者委員会

消費者教育の推進に関する基本的な方針の改定に向けての意見

消費者教育の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)は、消費者教育を総合的・一体的に推進するため、国や地方公共団体の施策の指針となるだけでなく、消費者団体、事業者・事業者団体、教職員、消費生活相談員等消費者教育の担い手全ての指針となるものである。したがって、その内容は、消費者教育全般を範囲とし、それぞれの方向性を示すものとなっている。

ところで、基本方針は、概ね5年ごとに検討が加えられるものとなっている(消費者教育の推進に関する法律(平成24年法律第61号)第9条第7項)ことから、今般策定する基本方針は、平成30年度からの5年間を見据え、消費者教育の方向性を示すことが重要と考えられる。

こうした認識に立ち、消費者委員会は、今後5年間で重点的に取り組むべき事項として、以下のとおり指摘する。基本方針の改定に当たっては、これらの事項について議論を深め、基本方針に盛り込まれることを期待する。

同時に、今般改定される基本方針においては、当委員会の指摘も参考に、消費者教育における今後5年間を見据えた重点事項が明示され、政府全体の共通認識となり、その取組が特に進展されることが必要と考える。

当委員会としては、本意見の基本方針改定案への反映状況等について引き続き検討し、必要に応じ、意見表明を行っていくこととする。

1.成年年齢の引下げを見据えた迅速かつ計画的な対応

当委員会は、民法の成年年齢が引き下げられた場合に、新たに成年となる18歳、19歳を消費者被害から防止・救済するためには、消費者教育の充実や制度整備等が検討されることが必要であるとこれまでも指摘している。まずは、基本方針において、成年年齢の引下げを見据えた消費者教育の充実に向けた対応に重点的に取り組む姿勢を打ち出すことが重要である。

【実現における観点】

  • 18歳の段階で何を身につけておくかを明確にし、予算、人的資源を集中し、最優先事項としての取組
  • 消費者被害未然防止のため、ワンストップサービスの提供等、若者を消費者被害から守るための支援、相談体制の充実
  • 加害者にならないための学びの重要性
  • 学生自身による消費者被害防止に係る取組の支援

2.新学習指導要領の着実な実施と連携した取組

若年層に対する消費者教育の柱の一つは学校教育である。各学校のカリキュラムの基準となる学習指導要領は、概ね10年ごとに改定されており、平成30年度以降、新学習指導要領が小学校、中学校、高等学校等において順次実施される見込みとなっている。この機会を捉え、学校教育における消費者教育を一層充実させることが重要である。

【実現における観点】

  • 新学習指導要領の着実な実施と基本方針の連携の視点の盛り込み
  • 「生きる力を育む」ためには消費者教育の充実が重要であることを強調
  • 「社会に開かれた教育課程」の実施に向け、消費者団体を始めとする地域の人的・物的資源の活用の取組支援、コーディネーターの設置・活動の促進

3.生涯を通じた切れ目のない学びの機会の提供

基本方針において、消費者教育は幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行わなければならないとされている。しかしながら、大学生、社会人、高齢者等については体系的な取組がされにくく、特に社会人については、事業者等が消費者教育に取り組むメリットが見えにくい。こうした消費者教育の機会を敢えて設けなければならないライフステージにある消費者への取組は、重点事項として意識して行うことが重要である。

【実現における観点】

  • 新入学生へのオリエンテーション教育にとどまらず、専門学校、大学教育のカリキュラムに組み込み、小中高から続く切れ目ない学び
  • 事業者に対し消費者志向経営と並び、消費者としての従業員に対する消費者教育の重要性を周知し、事業者による従業員向け消費者教育の強化
  • 高齢者の消費者被害防止に向けた取組
  • 消費者の属性に応じた各種コミュニティ(自治会、PTA、子育てサークル、老人クラブ等)を活用した取組

4.消費者教育の効果測定を行うための必要な調査

消費者教育に関する取組については、その有効性等について事後に十分な効果測定が行われているとは言い難い。効果測定を行うことは、①取組の効果が発揮されているかの把握、②重点的に取り組むべき分野の把握、③限られたリソースの有効活用に資するものである。

具体的には、単に知識の習得状況を把握するだけでなく、消費生活における姿勢・考え方、具体的な行動をどう変化させたか等を把握し、効果の最大限の発揮に向けた改善につなげることが重要である。

【実現における観点】

  • 消費者教育として行ってきた方策の効果の検証
  • 消費者教育の知識に基づき取った行動内容の把握
  • 既に実施されている調査(例えば、金融教育分野における金融リテラシー調査(注) )等を参考とした、効果測定に係る具体的な質問内容や結果の分析手法の検討

以上

(注)

「金融リテラシー調査」(2016年6月17日)金融広報中央委員会、“ADULT FINANCIAL LITERACY COMPETENCIES”(2016) OECD等を参考に、例えば、消費者として最低限身に着けるべき知識、判断力は何かを整理し、それらについて「知識」「行動」「姿勢(考え方)」に関する質問を組み合わせることが考えられる。

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