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消費者事故未然防止のための情報周知徹底に向けた対応策についての建議

2013年2月12日
消費者委員会

 消費者委員会は、消費者事故の未然防止、拡大防止のための課題の対応策についての調査審議を消費者安全専門調査会(以下、「専門調査会」という。)に提示し、専門調査会は、主に製品のリコール情報を含む注意喚起情報の周知徹底方法に力点を置いて審議を重ね、報告書の取りまとめを行い、第111回消費者委員会(平成25年1月29日)において報告を行った。

 報告書によれば、リコール開始後の未対策製品による重大製品事故の発生件数は、平成19年度以降、継続して年間100件(注1)を超え、減少傾向になっていない。このことから、リコール情報が必要とされる消費者に行き渡っていない、並びに、情報が届いていても消費者が行動するに至っていない状況と考えられる。さらに、消費者委員会が実施した消費者アンケート調査等において、リコール情報等の身体・生命・財産を損ねる危険のある製品に関する情報を入手できていない消費者が増えてきている状況がうかがえる。
 専門調査会の検討では、リコール情報を含む注意喚起の情報が確実・迅速に伝わる体制づくりにおいて、従来よりも更に一歩踏み込んだ対応策の必要性が確認された。

 消費者委員会は、この報告書の内容を踏まえ、消費者庁及び消費者委員会設置法に基づき、内閣府特命担当大臣(消費者)、経済産業大臣等関係各大臣に対して、以下のとおり建議し、各種施策の実施に向けて、早急な対応を求めるものである。
 さらに、消費者委員会は、この建議に掲げた各事項への対応について、本年8月までに報告することを求める。

  • (注1) 毎年、新規のリコールは100 件以上開始されており、経済産業省が公表しているリコール開始後の未対策製品による重大製品事故の発生件数には、リコール開始の契機となった事故が含まれている。

1.行政機関を通じての情報周知の方策

(建議事項1)

 消費者庁は、消費者安全法により事故情報が通知、収集される行政機関を通じたルートについて、情報発信のルートとしても活用できるよう、双方向の流れとする体制を整備し、広く多様なルートを活用するための検討を行うこと。

(建議事項2)

 消費者庁は、関係各省庁<警察庁、総務省消防庁、経済産業省、厚生労働省、国土交通省、農林水産省など>が独自に持っている情報提供のツールや媒体の把握に努め、消費者の属性に応じて、そのツールに伝えるべき情報の掲載や紹介を積極的に求めること。
 また、関係各省庁は、独自に持っている情報提供のツールや媒体について、消費者庁からの協力要請に積極的に対応すること。

具体例としては、以下のようなことが考えられる。
 乳幼児の安全: 母子健康手帳への記載(消費者庁、厚生労働省)
 自動車関連: 運転免許の更新時の機会を利用した周知、自動車関連の税金納付書送付時を利用した周知 (消費者庁、警察庁、国土交通省)
 福祉機器(介護ベッド等): 福祉・介護関係者(ヘルパー等)を通じた周知(消費者庁、厚生労働省、経済産業省)


(建議事項3)

 消費者庁は、消費者安全法第10条において設置が規定されている消費生活センターを、安全に係る情報伝達を扱う情報提供の拠点とする位置づけを図り、さらに情報の重要度合がわかるように発信する情報内容を検討の上、伝達を行っていくこと。

 行政機関が既に持っている情報発信、周知を行うルート、消費者に情報を伝えるツールを最大限に活用し、情報発信の強化を図る必要があることから、上記の対応を求める。


2.事業者等を通じての情報周知の方策

(建議事項4)

 経済産業省は、販売事業者等の実態をより調査し、リコール対象製品を購入した消費者への情報提供に係る消費生活用製品安全法に定められた義務等の具体的かつ効果的な実施方法について検討を行うこと。

 消費生活用製品安全法では、第34条(注2)に製造・輸入・販売事業者による一般消費者への製品事故に関する情報提供、第38条第2項(注3)に販売事業者が製造・輸入事業者が行うリコールに協力する一定の努力義務について定めている。
 リコール情報を含む注意喚起情報の伝達に当たっては、販売事業者等が保有する、リコール対象製品を購入した消費者の情報を有効に活用する事が有益である。
 このため、個人情報保護の観点を整理した上で販売事業者等が消費者の情報を製造・輸入事業者に提供する、又は、販売事業者等が製造・輸入事業者に代わって消費者へ情報を伝達することで、より多くの消費者に情報を届けることが期待できることから、上記の検討を行なうよう求める。

  • (注2) 消費生活用製品安全法 第34条:消費生活用製品の製造、輸入又は小売販売の事業を行う者は、その製造、輸入又は小売販売に係る消費生活用製品について生じた製品事故に関する情報を収集し、当該情報を一般消費者に対し適切に提供するよう努めなければならない。
  • (注3) 消費生活用製品安全法 第38条第2項:消費生活用製品の販売の事業を行う者は、製造又は輸入の事業を行う者がとろうとする前項の回収その他の危害の発生及び拡大を防止するための措置に協力するよう努めなければならない。

3.情報通信技術を活用した情報周知の方策

(建議事項5)

 消費者庁は、リコール情報サイトについて、情報提供のための基本的な方針を検討し、掲載情報の充実を図ること。

具体例としては、以下のようなことが考えられる。
 ・事業者から直接の情報提供が増えるよう働きかけること
 ・掲載情報が分かりやすくなるよう、リコール対象となった製品の写真や図表等の掲載を検討すること
 ・リコール情報検索機能の強化
 ・「重要なお知らせ」、「高齢者・子ども向け商品など」の掲載件数の増加
 ・「重要なお知らせ」等の一覧表示機能の改善


(建議事項6)

 消費者庁は、「リコール情報メールサービス」と「子ども安全メールfrom 消費者庁」との連動を検討すること。また、他省庁や独立行政法人が行っているメールマガジンとの連携も有効であることから、連携に向けて協議を行うこと。
 関係各省庁は、消費者庁からの協力要請に積極的に対応すること。

 平成24年4月に開設された消費者庁のリコール情報サイトについて、より一層の充実を図り、リコール情報発信の総合窓口として広く認知、活用され、リコール対象製品による事故の未然防止に役立てられるよう、上記の対応を求める。


4.製品安全に係る消費者教育・啓発の充実のための方策

(建議事項7)

 消費者庁及び関係各省庁は、消費者の日常生活における危険認知や回避能力の向上のためにも、製品安全に係る消費者教育・啓発の一層の充実をはかること。

 消費者が自立して、自らの安全のために行動することが重要であることから、上記の対応を求める。

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