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「消費者問題シンポジウム in 浦添」を開催しました

「消費者問題シンポジウム」とは

消費者委員会の委員が地方に出向き、消費者、関係各団体のみなさまの声に直接真摯に耳を傾け、問題の解決に効果的に取り組むため、地方の関係団体や自治体などと連携し、意見交換等を開催するものです。

浦添での会合の様子を紹介します。

「消費者問題シンポジウムin浦添」は消費者委員会と消費者市民ネットおきなわが主催し、「消費者被害をなくすために」をテーマに平成27年7月11日(土)浦添市てだこホールで開催しました。

会場の様子
(会場の様子)

当日は台風9号の影響が心配されましたが、沖縄県、那覇市をはじめ近隣の市の消費者行政担当者や相談員のほか、消費者団体、弁護士、司法書士、事業者、学生、一般消費者など約80名の参加がありました。

開会挨拶を行う三宅理事長
(開会挨拶を行う三宅理事長)

冒頭、消費者市民ネットおきなわの三宅理事長より、「本日は台風の影響が残る中、ご参加いただきまことにありがとうございます。昨日、インターネットで、羽田からの飛行機が那覇空港に着陸できず引き返したという記事を見て、今日の会合が開けるか心配しておりました。資料は残念ながら届いてないということですが、先生方のお話だけでも十分に大きな勉強になると思います。

沖縄はマルチの発祥地と言われているように、様々な消費者被害があります。マチ金の問題、金融商品被害の問題など今も継続して発生しています。被害回復そのものが困難な詐欺なども多発しています。より被害にあわないことがもっとも大事と考えますが、そのためには、まず私たち自身が自立した消費者市民であることが大事です。さらには、被害をこうむる前の予防ネットが必要と考えます。振込詐欺などの被害に対して、市民が現実に被害をこうむる前の働きには、銀行の役割は非常に大きいと思っています。そうした観点から、今回はパネリストとして銀行協会からも参加頂いています。

被害の発生を防ぐことが、もっとも重要と考えます。消費者市民ネットおきなわは、違法な取引の差し止めのできる適格消費者団体設立に向けて現在準備しているところです。参加いただいた市民の皆様、行政の方々、積極的に最後まで参加いただき、消費者被害の救済のための大きな出発点として、このシンポジウムを位置付けていただければと思います。」との開会挨拶がありました。

  • 基調講演を行う河上委員長
    (基調講演を行う河上委員長)
  • 河上委員長の基調講演の様子
    (河上委員長の基調講演の様子)

シンポジウムは河上委員長による基調講演「消費者委員会の活動と消費被害について」で始まりました。

まず、消費者委員会とはどういった組織でどういう活動をしているのか、消費者委員会の役割、審議体制などについて説明しました。

次いで、消費者被害については、「高齢者の被害が多い。最近はインターネット経由、デジタルコンテンツに関する被害、サクラサイトの被害といったものや投資勧誘の被害が多発している。しかも被害額を見ると多額であり、高齢者が、なぜこんなにお金持っているんだろうと思う方がいるかもしれないが、これは『いのち金』なんです。若い人を狙うよりは高齢者を狙うほうがいいということで、しかも名簿屋みたいなところには、かつて被害にあっている高齢者リストのようなものを持っているということもあるのだろうと思います。高齢者被害は尽きない。高齢化率が全国的に上がっているが、それ以上に国民生活センターに寄せられる高齢者からの被害の届け出は上がっている。高齢者が、なぜこんなに被害にかかるのか。これまでの経験やノウハウが活かせない、また孤立している高齢者も多くなっていることがある。

高齢者被害も含めて大変な額の消費者被害が出ています。消費者庁推計では6兆7千億円。これが加害者集団のところに流れず、まっとうな市場に流れれば、どれだけ経済施策の効果があることか。規制改革会議では、いろんなプロジェクトをたてて、皆が豊かになるようにと言いますが、6兆7千億円のお金を健全な市場にまわすことができれば、どれだけよい経済効果があるだろうと思います。事業者対消費者が対立するのではなく、皆で被害を抑制することで全体がWIN-WINの関係になることを行政のトップなどはもっと認識すべきです。消費者問題への投資はいってみれば、経済投資効果としては最大の投資。その意味では、消費者団体、消費者行政に関わっている方々には、もっともっと自信をもって取り組んでいただきたい。

沖縄の消費者被害を見ていたら、ある特徴がありました。沖縄は人間関係が深い。ですから、マルチの被害が多い。相手を信用するということになれば、名義貸しのトラブルなども多いようです。また、県民所得も少ないとか生活が大変、借金をしないと生活できないということで多重債務が多いのも特徴のようです。いずれにしても、まずは高齢者の見守りの仕掛けが必要。これは一番最初に考えないといけない課題の一つであろうと思います。

消費者被害といったときに、被害の多様性にも目を向ける必要があると思います。被害の原因となる部分は、必ずしも一様ではなく、対策もきめ細かく、それぞれの問題ごとに手を打つ必要がある。

問題が出てくる局面もいろいろありまして、製品の欠陥、安全などから出るものから、取引上の財産被害から起こるもの、あるいは、高齢者や幼児被害、IT化に伴うリスク要因の変化などもあるので、これが一概に問題として一つの切り口だけでやれるものではないということを理解しておく必要があります。さらに問題を見ていくときに、予防の話と実際に被害にあってしまった時の救済の話、特に今問題になっているのが、裁判で勝っても実際に相手から損害賠償をとるための責任財産、その人たちの財産がどこにあるか分からないということがあります。口座凍結など保全の措置をとるための手段を考えないといけない。さらに経済法の人たちは市場の環境整備ということを言いますが、どの局面から規制をかけるのがもっとも効果的か、非常に大事な課題となるわけです。

問題への対応の話では、まず考えられるのが情報のアプローチ。高齢者にいろんなことを教える、あるいは子供たちにいろいろ情報を与える。こんな被害がありましたなど。しかし、適切な情報の共有で消費者が本当に守られるかどうか、これは怪しいと思います。怪しいというよりも無力ではないかとさえ思います。つまり、ある事柄が頭の中で分かっていても、腹で分かっていないことがありますよね。例えば、3.11の東日本大震災で5万人の人間が被害にあいましたね。5万人、それはひどいねと思ってもですよ、だからといって地震に備えて、こういうことをやっておこうと本当に考えるかというと、普通、人は他人事としか考えない。腹で分からないと自分がその時にどういう行動をとらないといけないかは、なかなか分からないということがあります。高齢者でも、啓発教育に出ていた人、出ていない人がいますが、実は啓発教育に出ていた人のほうがひっかかることがあります。つまり啓発教育をもって、こんな被害が出ていますということを知っているのに、俺は騙されないと、どっかで思っている。そうならないためには、情報提供には限界があるということを前提として、例えば、反射神経を鍛えるとか見守るということが大事です。情報を提供するだけではだめで、場合によってはリスクから遠ざけることも必要となります。

危険予防と危険回避措置については、まわりの人間と一緒になって対策をとっていくという意味では、連携が何よりも大事となってきます。支援、見守りといったようなことが大きな課題になるだろうと思います。ここらへんは消費者の課題と考えられていますが、事業者もこれからは消費者に向くことが必要だろうと思います。消費者の利益をちゃんとみてない事業者は、やはり消費者に見放される。消費者が正しく、まっとうな事業者を選択するようになれば、事業者は淘汰されざるを得ない。それを考えればこれからの事業者は消費者志向で経営したほうが、むしろ自らも発展するということがあるわけです。消費者も賢くならないといけませんけれども、事業者も消費者の方を向いて事業をするということを強調していくことが必要ではないかという気がします。

さらに、規制の実効性確保のために何が必要か。まずは行政としては、規制を迅速かつ効果的にするために体制をきちんと整えるということ。消費者の意見をちゃんと聞いて、あるいは情報を収集して、そのフィードバックをすることによって、問題を先読みしてそれに対する対応策を考える。さらに官民連携ではありませんけども、社会的連携を確保するために、今は消費者相談員と弁護士と警察くらいしか連携ができていないとしても、例えば学校の先生であるとか、福祉関係の人、お医者さん、いろんな方たちと連携することによって、その問題に対してスクラムを組んで対応できるようにする。そのフォーラム作りをする。そのような場の提供のために、行政はしっかりやる。そのための支援を行うことが行政として必要であると考えます

最後は、沖縄の多重債務問題についてです。お金はそう簡単には手に入らないというのが前提で、今あるお金でどう生活できるかというようなことを考える。まともな金銭感覚を小さいころから育てる。金銭教育は大事だろうと思います。

いずれにしても、消費者に期待されるところは多くて、『消費者が市場を適正なものにしていく選択を行うんだ』『その力を養うのが消費者教育なんだ』と理解したうえで、今後の消費者問題に対して力強く、皆で手をたずさえて頑張っていただきたい。」

と述べ、次の報告者である消費者センター沖縄の仲宗根理事長につなぎました。

  • 報告を行う仲宗根理事長
    (報告を行う仲宗根理事長)
  • 仲宗根理事長の報告の様子
    (仲宗根理事長の報告の様子)

仲宗根理事長は、「沖縄県の被害相談の現状と課題」と題する報告を行いました。

「消費者センター沖縄を皆さんご存知でしょうか。相談員で立ち上げた団体でして、会員数36名の少人数で運営しております。主な事業は、県や各市町村の消費生活相談業務の受託事業でして、私も日頃は沖縄県消費生活センターで相談員として勤務をしております。相談員として勤務して15年になります。それでは沖縄県の被害相談の現状と課題を報告させていただきます。

ご存知の方がほとんどだとは思いますが、センターの業務がどういったものがあるか説明いたします。まずは消費生活相談。その次に消費者教育講座などの啓発活動、3番目に消費生活情報の提供。新聞やラジオなどでの情報発信。最後に商品テスト。消費者からの持ち込みがあったものなどについて安全性のテストをします。

相談の件数は平成18年から平成25年の間、だんだんと減ってきています。減少の理由は、1つ目に、サラ金問題の減少があります。過去ずっと相談の中では年間トップでした。ところが、平成18年に貸金業法の改正があり、県を挙げて取り組んだことで減少できました。2つ目に、マルチ商法などの被害の減少もあります。高齢者の姉妹が次々に被害にあうという事例が問題となり、それを受けて平成20年に特商法および割賦販売法の改正がありました。3つ目には、市町村の相談窓口の拡充などがあげられます。減少してきているとはいっても、高齢者の苦情相談は増加傾向です。

消費生活相談で最も多い相談は何か。平成25年度では、1位はデジタルコンテンツ、2位はサラ金、3位は賃貸アパート、4位は自動車、5位は健康食品でした。1位から4位はこの3年間順位が変わっていない状況です。

3位の賃貸アパートは、退去に伴う原状回復費の問題など、4位の自動車は、沖縄は車社会ですから、中古車が買ってすぐ故障したなどのトラブルです。今回は苦情の多い商品役務の中で、1位デジタルコンテンツ、2位サラ金、5位健康食品について、事例を交えて紹介させていただきます。

1位のデジタルコンテンツ。これは各県どこも一緒の状況だと思いますが、若者から高齢者まで多くの被害相談があります。ワンクリック請求や架空請求です。毎日のように相談が入ってきます。相談員が一番頭を抱えているのが出会い系サイト、サクラサイトです。SNSから副業サイトの広告を見て、登録し、次々にポイント料を請求され、一か月内で130万円払ってしまったという事例があります。

2位のサラ金は、過去から相変わらず多い相談です。こちらで感じるのは、生活苦でちょっとしたお金でトラブルになっている人が多いと感じます。例えば奨学金を返すために消費者金融にお金を借りて返済できなくなった。携帯端末買取もあります。これは、携帯端末5台購入し、宅配で送れば50万円融資するとあったが、1台1万円で買い取られただけであったなど。他には、他県ではまだ見られない沖縄県特有の相談で、共済加入し貸金業者から借入するものがあります。これは、普通のノンバンクでは借りられない人の相談です。8万円借りて、20%を共済業者に支払う。資金的に苦しい方が借りるので、返済できず借り換えをする。その借り換えに対しても共済加入料の支払いがある。そして多重債務に陥っていく。問題点は利息と共済加入料を合わせると法定利息を大幅に超えるということです。業者は任意加入というが、相談者は加入が条件だと言っています。今年の5月の新聞記事で、共済業者と貸金業者が出資法違反の疑いで逮捕されたとありました。3年間で1千人のお客さんがいて、なんと11億円余の貸付金額で2億円あまりの利息を得ていたということです。いかに暴利をとっていたか。逆にいうと、沖縄県はこれだけ資金需要があるというのも別の意味で問題かなと思います。

5位の健康食品、これは高齢者に多い相談です。送り付け商法や訪問販売、SF商法、ハイハイ学校などあります。

高齢者が高額被害にあうことが増えています。劇場型やマルチ商法があります。過去の被害を取り戻せると誘う手口もあります。

最近多く寄せられる被害相談ではインターネット通販があります。これは若者に多い相談です。プロバイダの変更に伴うトラブルも増えています。今の料金より安くなると勧誘を受けて変えたが、むしろ高くなった。解約料を請求されたなどです。

今後の課題としては、一つ目に、消費生活相談員を配備した相談窓口の拡充があげられます。相談員が設置されているのは1県12市町1社協です。高齢化社会に向かう中、高齢者の方は、杖をついてきたり、介護者に付き添われてきたりするケースが増えています。身近に相談員がいれば助かるのではと思うことが多いです。二つ目は、消費者教育、啓発の実施です。相談の多くは女性が多い。消費生活は幅が広い。消費者教育推進法ができている。これを意識した取組みが必要です。コーディネーター的役割が出来る人材、団体の育成が必要です。三つ目は、一人暮らしの高齢者は被害にあいやすいので、見守り体制の構築やサポーターが必要と思います。四つ目は、被害が多発しているサクラサイト、これは規制が必要ではないかと思います。五つ目は、電気通信事業の契約トラブルが増えている状況ですので、早期解約制度の実効性が期待されます。六つ目、消費者被害の事前防止に向けて、適格消費者団体の設立が必要と思います。設立に向けて、是非皆さんの支援をお願いしたい。」と述べて、報告を終えました。

休憩では、共催相手である消費者市民ネットおきなわの事務局からお知らせがありました。「本日参加者の安冨祖愛子さんから手作りの沖縄のお菓子の差し入れがありました。カウンターに準備しておりますのでどうぞ遠慮なくお召し上がり下さい。」

休憩後、パネルディスカッションが行われました。パネリストは消費者庁消費者教育・地方協力課の吉田課長補佐、沖縄県子ども生活福祉部消費・くらし安全課の嘉手納課長、先程報告を頂戴した消費者センター沖縄の仲宗根理事長、うりずん法律事務所の原田弁護士、沖縄県銀行協会事務局長の仲村事務局長、コーディネーターは消費者委員会の石戸谷委員長代理が務めました。

コーディネーターの石戸谷委員長代理、パネリストの吉田課長補佐、パネリストの嘉手納課長、パネリストの仲宗根理事長、パネリストの原田弁護士、パネリストの仲村事務局長
(コーディネーターの石戸谷委員長代理、パネリストの吉田課長補佐、パネリストの嘉手納課長、
パネリストの仲宗根理事長、パネリストの原田弁護士、パネリストの仲村事務局長)

冒頭、報告をされた仲宗根理事長を除く各パネリストよりご発言を頂戴しました。消費者庁の吉田課長補佐から消費者被害防止に向けた国の取組みについて、沖縄県の嘉手納課長から沖縄県の消費者被害防止に向けた取組みについて、うりずん法律事務所の原田弁護士から詐欺的商法の被害を中心に弁護士業務の中で実際に扱った事例についてなど、沖縄銀行協会の仲村事務局長から銀行協会での相談状況や取組み、特殊詐欺被害防止活動について、またコーディネーターの消費者委員会の石戸谷委員長代理から、最近の消費者分野の法改正の動きなどについて説明がありました。パネリストの発言を受けたのち、討論を行いました。

「先程、吉田さんからは、どこに住んでいても質の高い相談を受けられる地域体制をとの話があり、嘉手納さんから沖縄のセンター設置状況の話がありました。沖縄県の現状としては、割合的には3割設置とのこと。センターとしては、少ないかなと思います。仲宗根さんの資料にも課題として出ていますが、そのあたりセンターの設置状況についてコメント頂けますか。」

「全国と比較すると本県の設置状況はかなり低いという状況です。背景の一つは、消費者行政の歴史が浅いということがあります。もう一つは、沖縄県内の市町村は41とかなりの数があること。そうすると1市町村あたりの人口規模が小さいなどあり、なかなか相談員の配置が進まない、あるいはセンター化に向けてのコスト的問題、相談件数など考えると、なかなか体制整備に二の足を踏んでいるという状況です。」

「そこをカバーするために広域連携などの話になると思いますが、仲宗根さん、広域連携について、現場の問題がありましたらお願いします。」

「財政的に常設はなかなか難しいというのは感じます。ただ、それにしても、やはり広域でもいいので、担当職員だけに相談窓口を任せるのは、数年ごとに配置換えもありますので、やはり月に何回でもいいですし、巡回でもいいし、広域で消費生活相談を受ける。あるいは、市町村をまたいで、広域で週何回でも設置していただくことが非常に大切と考えます。相談を受ける時、高齢者が非常に増えている。杖をついてきたり、介護の方に付き添われてきたりと。また被害の手口が非常に複雑化している。どういった位置づけで、なんで自分がこういうトラブルに巻き込まれているのか分からない。例えば、債権の請求がきた。ずっと昔のことだけど、しかも借りたところではないところから法的手続きをとると言われ、夜も眠れないなど。そうすると、電話だけではなかなか分からない。消費者の顔を見ながら、契約書を見ながら、受け答えしながら、この時、こういうことで契約しましたね、こういうことじゃないでしょうか。整理してあげると、自分の解決の糸口が見えてくる。そうすると精神的にも安心して、暗い顔もだんだん明るい顔になっていきます。また、地域との繋がりが大事。例えば民生委員の方であったり、介護の方であったり、ケアマネージャーであったり、自分は一人ではない、心配ないんだなと思える環境にあることは非常に意義があると思います。広域でもいいので、消費生活相談員を配置するような取組みを是非やって欲しい。電話だけでは伝わりにくい。内容も本人も分かっていない現状がある。是非、力を入れて取り組んで頂ければありがたい。」

「私は鎌倉のほうでやっているので、よく分かります。安心の拠り所は、センターなんですよね。近くにあって、心配してやってくれる。各地事情があって、単独では難しいところは広域連携で工夫してやっていくのは当然だと思います。吉田さん、全国で工夫してやっていると思いますが、うまくいった事例がありましたら紹介願います。」

「国としては、消費生活センターを是非作って下さいということを申し上げています。それはなぜかというと、大きな理由の一つは、センターを作ると、相談の掘り起しに繋がるからです。センターができることによって、眠っていた被害、泣き寝入りになっていた被害が表面化する。それがセンターを設置することのメリットの一つだと思います。広域連携は各地で進められている状況です。例えばある県では、既に消費生活相談窓口については全ての市町で置いているところですが、全ての市町をセンターがカバーできるようにと、センターの広域連携というもう一歩踏み込んだ取組を進めています。それから、新しい話では、市町間の連携だけでなく、県と市町が一緒に消費生活センターを作るという事例も出ています。県のセンター設置のノウハウを活かして市町村でも設置をしていくという取組みです。」

「県と市町村の役割分担は現実問題として難しいところもありますが、共同してやっていくというのは初めて聞きました。非常に面白い、うまく進められれば大変いいですね。県の方では、広域連携など進めていると思いますが、検討状況はどうでしょうか」

「センター設置で掘り起しに繋がるというのはその通りだと思います。相談体制が十分でない地域では、人口当たりの相談件数が他の地域より低いという現状があります。本県の市町村の相談体制を強化するには、広域化は重要な選択肢であり、今後、例えば、名護市を核にして北部地域の広域連携を関係市町村と模索するなど検討していければと思います。」

「是非、推進をお願いします。原田さん、弁護士の活動はいかがですか。」

「弁護士会単独で消費者被害に関して特別にではないが、沖縄弁護士会の消費者委員会があり、そこと沖縄県の消費生活センターとは以前から連携しており、2カ月に1回、情報交換会を開催し、そこで事例交換や勉強会をしたり、消費生活センターに持ち込まれた事案で弁護士でないと対応できないものは弁護士会にまわしてもらったりしています。これだけでは十分ではないと感じていて、これからは個別の市町村とか地域の社会福祉協議会などと連携できればなと思っており、また弁護士会としても対応を検討しているところです。」

「消費者問題といっても、幅が広く、分野ごとに分かれている。そこを連携しながらやっていくことを模索しやっているところ。司法書士の先生方もやられていると思いますが、本日、会場へお越しになっていると思います。いかがでしょうか。」

「沖縄県の司法書士のほうでは、仲宗根さんの報告でありましたように、共済の貸付に関して、出資法違反ということで対応していこうと司法書士会の消費者委員会を中心にマニュアルを作って、法的にここが問題だと周知して、情報提供したりしているところです。」

「いろんなところが力を合わせながら、消費者被害の救済、防止をしているところですが、防止ということでは、見守り体制が大事になってくると思います。地域によっては、高齢化率がすごいことになってきているところもある。見守り体制をどう作り上げていくか、大きな課題になってくると思います。消費者安全法に地域協議会と入ったと思いますが、その辺の状況をご説明いただけますか。」

「高齢者の見守りについて、実態的にはどの地域でも、なんらかやられていると思います。例えば、声掛けをする、ちょっと最近元気かなと気にしてあげるということも、広く言えば見守りです。消費者安全法という法律がありまして、この法律を昨年改正して、見守りネットワークとして組織だってやっていこうということで盛り込んだのがこの改正の中身です。見守りのしくみ自体は来年4月に改正法が施行される予定ですので、そこから正式に立ち上がります。どういった内容かというと、消費生活センターだけでなく、高齢者と日常的に接触のある方、介護の方、弁護士、司法書士、あるいは地域の自治体の皆さんに見守りネットワークとして組織いただいて、日々の日常の高齢者に対する気づきを消費者被害の防止という観点で活動いただくというもの。具体的な事例でいいますと、北海道では消費者被害防止ネットワークということで、センター、自治体の福祉部局、地域包括支援センター、教育部局、消費者団体、地域の自治体などで広くネットワークを作って取組みしているところ。難しいことではなく、日々気づいたことを消費者被害に役立てていくためのネットワークです。目標は人口5万人以上の全ての市町村に作ることです。我々としては、とにかく各地に作っていただくべく働きかけているところです。」

「他の部局とも関係してくるということですが、仲宗根さん、この辺については、これから準備することになりますか。」

「消費者団体としては、今のところはなかなか準備できていない状況ですが、ただやはり相談窓口にいると、これは非常に必要だと痛感します。センターとしては消費者問題の解決やアドバイスをする力はありますが、市町村津々浦々やっていくツールがない。できれば地域の見守り役として、地域包括センターの方や、ヘルパーさん、なんらかの弱い立場に接する方々をネットワークにして、その方々と関わってサポートしていく、関われる体制ができればと思います。繋ぐ役割の方が何名かいれば非常に強いものができるのではないかと常日頃、相談の現場にいて感じるところです。」

「他の部門との連携とかになってくると、嘉手納さん、今後の進め方などはどうでしょうか。」

「高齢者被害の防止をしていくには、地域の見守りは不可欠と思います。直接、高齢者の世帯を訪問して、被害にあっている状況がないか見ていく、話を聞くということが、被害の防止に繋がる取組みになるのだろうと思います。各市町村にそういうネットワークが構築されることが望ましい。県として取組みを進める体制を整備して参ります。見守りの仕組みは既にあると思います。民生委員や地域包括支援センターなど、既存の仕組みを活用しながら、そういう方々に消費者問題の理解をしていただく機会を設けながら進めたいと思います。」

「この問題は、各地がどういう風につくりあげるか検討中の課題と思います。消費者教育推進法が先に出来ており、それとの関係など各地、知恵を絞っているところだと思います。見守りを広くとらえると、銀行協会の仲村さんのところに関係していくものだと思います。何か被害を防いだ例などを紹介いただければと思います。」

「特殊詐欺の未然防止の事例がございます。昨年の11月24日の新聞記事を紹介します。見出しが、お手柄、詐欺被害防止。琉銀親泊さんに感謝状という記事です。昨年9月に県警と沖縄総合事務局、県銀行協会が合同で作成した防犯チェックシートを活用し振込詐欺を発見し、被害防止にあたったものです。この事案は90万円あまりという通信料の請求を受けて、20代の女性と母親が琉球銀行にきてATMで振込をしようとした。その振込のお手伝いをしたのが親泊さんです。女性は弁護士の口座に、裁判の供託金の振込を通信会社から指示を受け、今日中に振り込まないと供託金が200万円になると焦りを見せていた。詐欺だと気づいた親泊さんは、特殊詐欺の手口を列挙した防犯チェックシートを示すなどして振込を思い留まらせたというものです。もう一つ記事を紹介します。県内特殊詐欺が半減、水際対策が効果という記事です。全国で特殊詐欺被害が増加する中、県内では半減した。県警が金融機関と共同で作成した防犯チェックシートの活用など意識の高まりがある。との記事です。重要なのは特殊詐欺にあわないようにすることが大切。未然に防ぐことが大切。積極的に取り組んでいきたいと考えます。」

「高齢者の見守り体制関連でお話を伺ってきました。その流れで被害救済の連携体制なども出ましたが、被害救済という関係ですと、金融分野では金融ADRがありますが、ADRとは裁判外紛争処理というものです。裁判ではなく簡易迅速に紛争を解決するという制度。苦情あっせんをやりまして、そこで解決しないものは調停、裁定をしてまとめると。まとまらない場合は裁判になっちゃいますが。裁判と違って短い時間で手間暇かからず解決が図れる制度です。その辺はどうでしょうか。」

「金融ADRについて、全国銀行協会の相談室が受付しておりまして、全国からきた訴え、それと銀行の見解、あっせんをするという内容ですが、沖縄県内ではこの2、3年使われたことがないというのが現状です。」

「金融ADRについては思い入れがありまして、10年くらいやって法制度までになった。件数的にはリーマンショックのあと、だんと増えたけど、今は円安株高で落ち着いてきていますが、知らないから使ってないともったいないなと思います。ネットでもいくらでも情報出ていますのでみていただければと思います。」

「仲宗根さんの最後の課題としてあげられている、適格消費者団体について。これについては、どなたからご発言ありませんか。」

(会場から手が挙がる。)

フロアから発言する消費者市民ネットおきなわの宮城理事・事務局長
(フロアから発言する消費者市民ネットおきなわの宮城理事・事務局長子)

はいさい、ぐーすーよー、ちゅーうがなびら、消費者市民ネットおきなわ事務局長の宮城です。2006年に消費者市民ネットおきなわを立ち上げて、適格消費者団体目指して取り組んでおります。是非沖縄に適格消費者団体を作りたいとこの間、勉強会を続けてきました。2007年に施行された消費者団体訴訟制度とは、申請に基づいて総理大臣が認定した適格消費者団体が事業者の不当な行為に対する差し止め請求権を行使できる制度と規定されています。これまでの訴訟制度では、消費者が被害を受けた時に自分の受けた被害に対してしか訴訟を起こせなかった。内容的にも、被害を回復することに限定されていて、大元になっている契約を差し止めたり是正をしたりすることができなかった。今回、訴訟制度が出来て、できるようになったということです。ただ、訴訟ができるのは、非常に厳しい条件の中から総理大臣の認定を受けた適格消費者団体だけだということで、懸命に準備をしてきたわけです。現在、沖縄弁護士会の消費者委員会を中心に21名の弁護士の先生方、5名の司法書士の先生方、県や各市町村で活躍している相談員の方々29名、生協などの消費者団体の方44名、合計100名余の会員の皆様がいろいろ取り組んでいます。適格消費者団体になったら、権限を持って訴訟ができる。それができるまでの予行演習もかねて、県内で起こっている問題のある商取引に対して是正の申し出活動を行っています。まだ請求権はないが、是正された事例もあります。例えば電気供給約款を変えて欲しいと申し出て、今年の3月に是正をしていただきました。一方で、こんなにひどいことをしていると是正を申し入れても、なしのつぶてで無視されることもあります。消費者被害を食い止めるためになんとしても、沖縄県で適格消費者団体を作りたい、成功させたいと考えております。幸い、いろんな準備に沖縄県からもバックアップをいただきながら進めることが出来ています。スケジュール的には今年の中くらいには申請すべく準備しているところです。15センチほどの厚さの申請書類が必要と聞いており、非常に気の遠くなる思いですが、頑張りたい。是非皆様の支援をお願いしたい。」

「私も、神奈川で適格消費者団体を作りたいということで進めているところ。お互いに頑張りましょう。黒木事務局長いかがでしょうか。」  「私は、適格消費者団体の消費者支援機構関西で当初活動しておりました。是非やっていただいたらいいと思います。皆さんとってもやりがいがあったと言ってくれています。例えば、鉄道の定期券払い戻しの問題がございました。関東では間違って購入した時に7日間払い戻しができますが、関西では3日間しかできなかった。これも、お願いをしたら改善され7日になりました。地域の皆さんの役に立つということで、是非こちらでも頑張っていただいて、身近な問題の解決に役立てて頂ければと思います。どうぞ頑張ってください。」

「会場からの質問、意見はいかがでしょうか。」

「石戸谷コーディネーター資料の中に、割賦販売法改正に向けてのところで、マンスリークリアに対する抗弁権接続については消極という記載がありますが、どういう意味でしょうか。もう一点、高齢者の地域の協力ということで、私は66歳で、様々な同年齢や高齢の方とお付き合いしていますが、各地にあるシルバー人材センターであるとかデイケアセンター、デイサービスセンター、老人クラブ連合会など、そういうところはお話すれば、うてば響くように対応してくれるのではないかと思います。是非そういうところも視野に入れて頂きたいと思いました。」

「ワンポイントだけ回答します。マンスリークリアというのは、サクラサイトなどの支払いはだいたい翌月払いであって、そういうものは解決するまで支払を止められるという法律上の手当てがないので、これをいれてくれというものです。そこは、膨大な決済量があり、導入すると信販会社の負担が大きいという声があり法案としてどう出てくるか分からないところで、消極と書いています。」

「会場から他にはございませんか。」

「多重債務の問題が平成17年頃から出てきた時に、沖縄の窓口は少ない状況であったと思います。今回の消費生活相談窓口も少ない。本年度から生活困難者自立支援法に基づいた窓口についてもだいたい同じような設置状況です。という状況において、一つのモデルケースが必要ではないか。多重債務の時に相談者の問題は複合的に絡みあっていました。これは消費生活の問題、社会保障の問題などという形で包括的な窓口、連携というモデルケースを人口が少ない市町村では作れないかなと思っています。成功事例を是非作って欲しい。消費者教育、社会保障学習とセットでやっていくなど、いろんな窓口との連携、情報交換をどう図るかが課題と思うが、どのような認識でしょうか。」

「県の方では生活困窮の自立支援は別のところで所管しています。連絡会議などで多重債務などに関する課題もそこに位置づけられており、そこに参加し情報共有、問題の認識を図っているところです。消費者トラブルの背景には、貧困、家庭の問題、知識・情報不足等様々な要因があります。相談員には、これら要因を把握し、関係機関に繋ぐ役割も求められております。関係者が認識を共有し、連携を強化することで掘りさげた解決に結びつけていくことが期待できます。消費者問題を所管する立場からどのようなアプローチが可能か取組んでいきたいと考えています。」

「会場から他にはございませんか。」

フロアから発言する三宅理事長
(フロアから発言する三宅理事長)

「被害相談の窓口、いろんなところで救済の窓口を作るのは是非必要と思うが、その中で、出てきた被害情報の収集、被害情報の集中、被害情報の開示が必要になってくると思います。いろんな場所、地域で被害が発生し、それについての相談があって、どこかでその情報が集中していかないと、県内でこれだけの被害が出ていますよという情報が明らかになってこない。そういう中でどこかで情報が集中されるような制度が必要と感じます。もう一点、集中された情報が開示できるかどうかという問題があります。今、適格消費者団体を作ろうと動いているが、その中で被害情報の開示ができるかどうかという議論がある。適格消費者団体となった段階で消費者センターと協定を結び情報の開示を求めることができるという適格消費者団体が全国にはあると聞いています。被害を救済する窓口は必要と思うが、情報集中するほうがいいのかはあるかもしれませんが、集中、開示をどんなふうにするのか方向性があれば教えて欲しい。制度として、市町村の窓口で相談を受けた時に、そこだけで終わるのか、全体としてまとめるのか、それとその利用の仕方として適格消費者団体が情報に接することができる制度ができるかどうか。」

適格消費者団体への相談の共有は、長年の課題となっています。結論から申し上げますと、まだ検討中です。考えないといけないのは、相談する側の立場と受ける自治体の立場、相談情報を利用する消費者団体、弁護士などの方の立場、その三者のそれぞれの思いを考えなくてはいけません。長年の課題と申し上げたのは、三者の合意が得られるような結論を得られていなく、個別には対応があるにしても制度として共有されるということにはなっていないところです。」

「県のほうでは、被害の情報について取りまとめて、整理しているということは行っていません。ただ、消費者安全法で、生命や財産に大きな被害が及ぶ事案というのは直ちに国へ情報提供することになっています。そういう仕組みにはなっています。」

パネルディスカッションで意見を交わすコーディネーターの石戸谷委員長代理とパネリストの皆さん
(パネルディスカッションで意見を交わすコーディネーターの石戸谷委員長代理とパネリストの皆さん)

パネルディスカッションの最後に、各パネリストからまとめや感想などのコメントを頂戴しました。

消費者庁の吉田課長補佐から「基調講演で河上委員長から官民連携のお話がありましたが、高齢者の見守り活動は官民連携の最たるものだと思っています。なおかつ、今日から誰でもできる官民連携の活動だと思います。具体的には、ご近所で高齢者のお宅でやたらとリフォームをしていたり、やたらと宅配業者がくるなどは、消費者被害にあっている可能性があるので、センターに連絡をいれていただければ、これも立派な見守り活動なんです。今日から誰でもできる見守り活動ということで意識していただければと思います。」

沖縄県の嘉手納課長から「基調講演で消費者委員会のこれまでの取組、現在の動きなど最新の情報を御紹介いただき、消費者行政の体制整備に大きな役割を果たされていることに感銘を受けたところです。吉田さんからは全国の取組みの紹介をいただき、こういったことを参考にしながら本県の消費者行政、あるいは官民で連携しながら、どうやって消費者問題に対して関係を作っていくか、非常に考えさせられました。」

消費者センター沖縄の仲宗根理事長から「相談員の側から問題と思っていること、サクラサイトについて最後に申し上げます。これまでは数百万など大きな被害でしたが、最近の傾向としては10万円程度となっています。そして直接振込するというもの。例えば決済代行業者と繋がっていると、そこを糸口に解決もあります。10万円くらいだと弁護士に相談するのも躊躇されます。そうすると直接サイトと相談することになります。非常にやっかいな問題です。副業サイトに手を出す方は、生活困窮している方が多い。それにひっかかって、結局、借金するなどもあります。格差の中で生まれる資金需要というところもあります。現金を口座に振り込んだ費用が少額です。非常に難航します。しかしながら、相談者には非常に大切なお金で是非取り戻してほしいという相談です。このような現状があることを最後に一言申し上げます。」

うりずん法律事務所の原田弁護士から「仲宗根さんから比較的少額の被害が多数出ているとありましたが、被害の早期回復のために、できるだけ早く弁護士に相談してほしいといっても実際に被害額が少額だと現実的に難しいだろうと思っていて、より重要なのは相談員の方とか市町村との連携を弁護士としてもどう考えるか。例えば被害にあった本人からの相談ではなくても、その相談にあたる相談員さんの相談を弁護士が受ける体制など、今後考える必要があると思います。」

沖縄県銀行協会の仲村事務局長から「金融リテラシー推進。賢い消費者になっていただきたいということがあります。中学生、高校生、まだ社会に出る前の人たちに土曜日の出張講座を行っています。教育関係の方がいらっしゃいましたら、是非申し込んでいただけましたらと思います。その中には、家族で防ごう金融犯罪、特殊詐欺被害を防止しようというものもあります。全国銀行協会も活用して頂ければと思います。」

コーディネーターの消費者委員会の石戸谷委員長代理が「時間がなくなりましたので、まとめは委員長総括でやっていただけるものと思います。私の方は、もともと理屈よりも気合いと気持ちで動くものでありまして、台風のさなかにお集まりいただいた皆様の情熱に触れまして一首浮かびましたので、これを感謝の気持ちとして、かつエールとして贈りたいと思います。『台風の 荒波残る 浦添の 空に輝け 遥かなる虹』。」と述べパネルディスカッションを締めくくりました。

会合の最後に、河上委員長の総括を頂戴しました。

総括コメントする河上委員長
(総括コメントする河上委員長)

「パネルディスカッションの最後に石戸谷委員長代理の一首が出ましたので、これ以上、私が何を言うかという気持ちですが、台風と一緒に委員会がきて、ご迷惑じゃないかと危惧しておりましたが、なんのなんの熱心に議論いただき敬意を表したいと思います。しかもパネラーの名前を書いた紙も手製のものですし、先程の休憩のお菓子もお手製のものをいただき、15回シンポジウムを行っていますが初めてのことです。非常に手作り感のある、あたたかいシンポジウムができ、個人的に大変嬉しく思っています。

先ほどのパネルでは、嘉手納課長が一番難しそうな顔をしておられました。行政の立場で何ができるか一番考えている方だと思います。消費者委員会は好き勝手いいますけど、消費者庁が悩んでいるというのと似ています。しかし、力強く、地域の見守りの体制、これは早めに体制づくりができるように是非取り組みたいとおっしゃっていた。大変心強く思いました。是非頑張っていただきたいと思います。

相談員の方々が本日はたくさんいらっしゃると思いますが、これはなかなか大変な仕事です。事業者と接して『暗い夜道は気を付けろよ』と言われながら帰った相談員の方も少なくないと思います。それだけ怖い思いをしながら相談者のために一生懸命頑張る相談員の方々があってこそ、センターは頼りになる場所だと言われてきたわけで、これからも是非頑張っていただきたいと思います。

沖縄で感じたことは、生活困窮を舞台にした、いろんな多重債務であるとか様々なトラブルに巻き込まれる方がけっこういるということ。さっきも会場から司法書士会の方がおっしゃっていました。そういうものに対して、消費者問題はなかなか手が出せない部分がありますが、少なくとも公的な低利の融資が行われるなど、いろんな制度の在り方がありうるんだとうと思います。社会生活全体の枠の中で、消費者委員会としても考えないといけないなと痛感させられた次第です。

あと、ネットワークを作るのがまだまだ難しく、いろんな地域で試みがあるが、それがなかなか育たない。やはり行政がフォーラムの場を作ってあげて、少しずつ少しずつネットワークを広げていく、その時は事業者の方を排除しないことも大事だと思います。事業者は製品の危険性や取引のノウハウを一番よく知っています。よい事業者の力を借りながらネットワークを大きくしていくこともやっていかないといけないのではと思います。いろんなところで模索されていると思いますが、是非、沖縄が一つのモデル地区になって頑張っていただければと思います。

最後に、本日ご参加いただいた皆様へ。『一穂の麦』で200粒あるわけです。それが落ちて3回くらい続くと、もう沖縄県民全員に消費者マインドが伝わるわけです。この『暑い沖縄』で、皆様の『熱い気持ち』を是非これからも育てていっていただければと思います。」と総括し会合は終了しました。

参加者のアンケート結果から

会場では参加者にアンケート調査を行いました。アンケートには、

  • 高齢者の問題の一つとして消費者問題の実態を知ることができました。吉田さんの総括として「すべて見守り活動につながる。」という言葉が印象的でした。地域の見守り活動、とても大切で重要ですね。
  • 沖縄県の消費者被害の状況、特に高齢者を取り巻く現状について詳しく聴けたことが良かった。見守りの活動などできることを考えていきたい。法律で詐欺行為に網をかけることが重要と再認識できた。
  • 高齢者被害が増えています。見守りネットワークの重要性を感じています。各市町村に早急に消費生活相談員が配置され充実した相談対応を望みます。高齢者、福祉サービスの官庁等との連携を考えるべきだと思う。弁護士会でもそうだが、高齢者の消費者問題を解決するため、別々に行動すべきではない。
  • 相談員として他部署との連携が大切だと思いますが、連携するためにはどのように話を進めたらよいか悩んでいるところでもあります。
  • 消費者問題と貧困・社会保障の関係性をどうコミットするのか?縦割りではない問題の取り上げ方について言及がなかったのが寂しかった。

など、数多くのコメントが寄せられました。

沖縄県への表敬訪問

開催前日である7月10日(金)河上委員長は表敬訪問のため沖縄県庁を訪ね、沖縄県子ども生活福祉部の金城部長へ開催にあたっての後援のお礼を述べ、当シンポジウムついて、沖縄県の消費者被害、取組みについてなど幅広く意見交換しました。

金城沖縄県子ども生活福祉部長と撮影
(金城沖縄県子ども生活福祉部長と撮影)

以上

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