「第8回地方消費者委員会(札幌)」を開催しました

  • 日時 平成25年5月25日(土)13:30から16:30
  • 場所 北海道庁赤れんが庁舎 2階 2号会議室
  • 主催 内閣府消費者委員会、一般社団法人北海道消費者協会、適格消費者団体・NPO法人消費者支援ネット北海道
  • 後援 北海道、札幌市、一般社団法人札幌消費者協会
  • 当日のプログラム(PDF形式:9KB)

  • 資料集は消費者問題シンポジウムトップページに掲載しています。

地方消費者委員会とは

消費者委員会の委員が地方に出向き、消費者のみなさま、関係各団体のみなさまの声に直接真摯に耳を傾け、問題の解決に効果的に取り組むために、地方の関係団体や自治体などと連携し、意見交換等を開催するものです。

札幌での会合の様子を紹介します

写真集はこちらから御覧いただけます。

消費者委員会のリーフレットを手に話をする河上委員長の写真
河上委員長による基調講演


「第8回地方消費者委員会(札幌)」は、消費者委員会と一般社団法人北海道消費者協会、適格消費者団体・NPO法人消費者支援ネット北海道が主催し、平成25年5月25日(土)、重要文化財に指定されている北海道庁赤れんが庁舎の2階2号会議室で開催されました。
参加者は、北海道、札幌市の消費者行政担当者、道内の消費者団体、事業者、大学関係者、一般消費者など88名で、遠くは東京からの参加もありました。

冒頭、一般社団法人北海道消費者協会の橋本智子会長より「消費者目線に立った消費者庁と消費者委員会が国の行政機関にできたことを我々消費者団体は大変喜ばしく思っている。今日は北海道ならではの意見を発信していただければ」と開会挨拶がありました。
シンポジウムは河上正二委員長の基調講演「消費者委員会の活動と製品の安全」で始まりました。講演の中で、河上委員長は消費者委員会の役割と活動について紹介し、「子供たちへの対応も単に安全な環境を整えるだけでなく、危険なことをちゃんと伝えていくことも大切。そのためには、危険情報や事故情報に関する知識を蓄積し、自ら安全に対する感性を磨いていくことが重要」と述べました。
続いて、北海道環境生活部くらし安全局消費者安全課の近藤隆課長から「北海道における消費者行政の現状と取組」として、道内の消費生活相談体制、消費者事故対応、消費者教育の推進などについて事例を交えた報告がありました。
次に、消費者委員会の夏目智子委員から「消費者事故未然防止のための情報周知徹底に向けた対応策についての建議」(2013.2.12)に関する説明がありました。
その後、消費者庁消費者安全課の宗林さおり課長から「消費者庁における製品安全の取組」として、事故情報の公表・注意喚起の具体的な事例を交えた最新の動きが報告されました。

休憩後、パネルディスカッションが行われました。パネリストは北海道立消費生活センター商品テスト部の梅田裕幸部長、消費者庁消費者安全課の宗林さおり課長、消費者委員会の夏目智子委員、公益社団法人消費者関連専門家会議の長谷川公彦専務理事、適格消費者団体・NPO法人消費者支援ネット北海道の道尻豊専務理事が、コーディネーターは消費者委員会の原早苗事務局長が務めました。
パネルディスカッションは(1)製品の事故情報はうまく集約されているか。(2)事故の分析ができているか。(3)消費者に情報が伝えられているか。を軸に議論が展開されました。
パネリストからの主なコメントには「情報収集は難しいのが現状。火災になれば消防庁から一報が必ず入るが、入ってきにくい情報もある」「消費者事故等の中でも重大事故(死亡や30日以上の治療を要するなど被害が重大であった事案)に該当しなかったために、報告や公表が遅れ、被害が拡大する事故がある」「分析については、X線調査や事故製品で再現させたりしている」「製品における絶対安全はないため、事業者も常に製品安全を求める努力が必要であるし、同時に、消費者自身のリスクに関する予知能力を高める工夫が必要である」「消費者にリコール製品に関する情報等を確実に届けるためには、消費者庁、事業者、販売店、通信販売等のアクセスポイントから、積極的な情報が提供されることも重要である」などがありました。
フロアからの意見には、「消費者団体は、女性や年配者が多いので、若い人、例えば高校生等に教育を行い、消費者行政に興味を持ってもらうことも必要」「商品販売時に、事業者は商品の良い特徴だけを説明するのではなく、こんなリスクも発生しているときちんと伝えるべきではないか。ターゲティング広告だけではなく、ターゲティングリスク広告も必要なのではないか」「リコール情報に関するホームページは、件数が多すぎてあまり見る気がしない。リスクコミュニケーションは大事なので、もっとわかりやすくするよう工夫してほしい」などがありました。


一列に着席したパネリストを会場の後方から撮影した写真
パネルディスカッション


最後に、河上委員長から「どんなものでも100%安全なものはない。経年劣化に伴うメンテナンスは必要。安全は100%ではないことを前提に消費者と事業者が議論をしていく時代になっていくのだと感じた。事故情報を収集して、情報を共有化していくためには、医療機関との連携や、消費者教育においては学校の先生方との連携も深めていななければならない」と締めくくりのコメントがありました。

参加者のアンケート結果から

会場では、参加者を対象にアンケート調査を行い、参加者の声を集めました。アンケートでは、「こんなにたくさんの事故が起こっているとは思ってもいませんでした」「消費者自身の危機意識が足りないための事故なども多いと思う。過保護になり過ぎている気もする。『消費者教育』が急がれると思う」「情報の周知がネットに偏り過ぎているきらいがある。被害に遭いやすい人はネットにアクセスできないか、頻繁に接触できない人が多いことを考慮すべき」など、数多くのコメントが寄せられました。

北海道副知事、札幌市長への表敬訪問

地方消費者委員会の開催前日の5月24日(金)、河上正二委員長と原早苗事務局長が、北海道庁を訪ね、山谷吉宏副知事へ後援のお礼と、リフォーム被害や高齢者の投資詐欺被害など最新の消費者問題について意見交換をしました。
続いて、札幌市役所を訪問し、上田文雄市長へ後援のお礼を述べ、消費者被害防止ネットワーク、消費者教育推進協議会では道と市の連携、さらに社会福祉・教育関係者などとの連携の大切さについて意見を交わしました。

  • 向かって左から原事務局長、河上委員長、山谷吉宏副知事の3名が並んだ写真
    山谷吉宏副知事(右)
  • 向かって左から原事務局長、上田文雄市長、河上委員長の3名が並んだ写真
    上田文雄市長(中央)


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