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第246回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2017年4月25日(火)14:00~15:21

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、大森委員、鹿野委員、長田委員、中原委員、樋口委員、増田委員
  • 【説明者】
    消費者庁河内消費者政策課長
    消費者庁金子消費者教育・地方協力課長
    文部科学省高橋生涯学習政策局男女共同参画学習課長
    文部科学省高等教育局大学振興課担当者
    文部科学省初等中等教育局教育課程課担当者
    文部科学省初等中等教育局教職員課担当者
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 成年年齢引下げ対応について(消費者基本計画工程表の検証・評価・監視)
  3. 子ども向け広告の在り方について考えるシンポジウムについて
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 皆様、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから「消費者委員会第246回本会議」を開催いたします。

本日は阿久澤委員が御欠席となっております。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局からお願いします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記載しております。資料1から資料2-1、資料2-2、参考資料1、参考資料2となっております。

不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますよう、よろしくお願いいたします。


≪2.成年年齢引下げ対応について(消費者基本計画工程表の検証・評価・監視)≫

○河上委員長 本日の最初の議題は「成年年齢引下げ対応について」であります。

本日は、消費者庁が示した消費者基本計画工程表の改定素案について、成年年齢引下げ対応に関する個別の施策の状況をお聞きしたいと思います。

今月11日の委員会本会議でヒアリングを行いました際、この消費者基本計画工程表の改定素案のうち、特に消費者教育を中心に幅広い分野に関係する成年年齢の引下げ対応に関しては、当委員会の意見が工程表改定素案の中でどういう形で反映されているのか詳しく確認をしたいと考えているところでございます。少なくとも現時点では、取組の内容が各項目に散らばっておりまして、内容の確認が非常に困難で、かつ一覧性が乏しいと思いますので、本日は消費者庁、文部科学省にお越しいただきまして、説明を詳しく聴取の上、若干の意見交換を行いたいと考えております。

消費者庁、文部科学省におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、説明を20分程度でお願いいたします。

○消費者庁河内消費者政策課長 消費者政策課長でございます。

それでは、お手元の資料「成年年齢引下げに対する対応と工程表改定案の関係」という線表を描いた資料に沿って御説明いたします。

内容的には成年年齢のワーキング・グループの報告書の消費者教育に関する記述が大部分でございますので、まず私から消費者教育以外の部分の御説明をしまして、その後消費者教育に関する部分を消費者教育・地方協力課長から説明したいと思います。

まず、資料1ページ目の一番上ですが、成年年齢ワーキング・グループ報告書の第2の1.若年成人の消費者被害の防止・救済のための制度整備ということで、ここは主として2点ございます。消費者契約法の見直しに関する記述と、特定商取引法の執行強化、あともう一つ、これは後で説明しますが、特定商取引法の省令改正に関する記述があったと思いますが、省令改正に関する記述は線表には書いてございません。これは後で御説明いたします。

まず、消費者契約法の見直しにつきましては、ここの線表にございますとおり、28年度から線が引いてあります。消費者委員会の審議に対し、適切に協力するなど、引き続き分析・検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということで、提言いただいた内容については専門調査会等で引き続き議論するということで、こういう記述になってございます。

4ページ、3の(1)のところに本文の記載がありますが、これのマルニが消費者契約法の見直しということで、こういうように記載しております。

また1ページに戻っていただきまして、特定商取引法の執行強化、これにつきましても、ここの線表にございますとおり、悪質性や緊急性の高いと思われる案件の調査の実施、調査結果に基づく厳正な法執行ということの記述でございます。本文は先ほどと同じでございます。4ページ、3の(1)のマルイチのところで厳正な法執行についての記述が書いてございます。

2ページ、一番下でございますが、(2)のエと書いてあるところでございます。ここは報告書ではいわゆるマルチ商法について、大学生等が被害に陥りやすい心理的な背景、例えばマインドコントロール等について、社会心理学や臨床心理学等の知見を得た調査研究を行うべきであるということでございまして、ここにつきましては、この線表に書いてございますとおり平成29年度以降の理論的、先進的な調査研究、これはいわゆる徳島プロジェクト、徳島県の創造オフィスで検討している理論的、先進的な調査研究ですが、この中で、提言いただいたマルチ商法も含む消費者問題の背景等について、行動経済学の知見を活用した調査研究を行うことについて検討中という段階でございますので、とりあえず線表にはその旨をここに載せさせていただいております。

私からの説明は、最後のページを御覧いただきたいのですが、9ページでございます。今年の1月に頂きましたワーキング・グループの報告書に記載があるのですが、工程表に記載のない項目として3つ挙げてございます。まず1点目が第2の(2)特定商取引法のいわゆる省令改正に関する部分なのですが、これはこの一番下の6.のその他の成年年齢引下げに伴う国民キャンペーンの実施と同じなのですが、特商法の省令改正につきましては、成年年齢引下げのための民法の改正法案の提出状況を見ながら検討ということになっていまして、今、そちらの予定が立ってございません。早ければ今国会に出るという話もあったのですが、現状、出ておりません。今国会中に出るのか、臨時国会で出るのか、来年になるのか、そこのスケジュールが立っていない状況でございますので、それを見ながら返答ということで、もちろんやることはやるつもりなのですが、そちらの民法改正案のスケジュールのめどが立たないので、スケジュールが立てにくいということで記載をしていないということです。

6.の国民キャンペーンも同様でございまして、少なくとも民法の引下げにだと法案が提出するなり成立するなりしてからでないと、まだ法案も出ていない段階から国民キャンペーンをするというのもいかがなものかというので、これも線表には載せていないというところでございます。

ここの部分でもう一つ4.若年成人に向けた消費者被害対応の充実ということで、若者支援機関との連携という提言をいただいております。これについて、内容的には、消費生活センターがこういう若者支援機関と連携するという中身で、基本的には消費生活センターがやる中身ということなのですが、ただ、これに対して政府としてどういう支援施策があるのかないのかということについては、まだはっきりしたことが言える段階ではありません。無いなら無いで記載ができないのですが、そこがあるのか無いのか検討中ということで、これも工程表には載せていないというところでございます。

私からの説明は以上でございます。残りは地方協力課長から説明いたします。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 残りの消費者教育に係る部分について私から説明をさせていただきます。

主にこの工程表の線表に基づいて説明したいと考えております。項目は極力1月におまとめいただいた成年年齢ワーキングの項目の順に沿った形で整理しておりますけれども、複数の項目にまたがるようなものもありますので、行きつ戻りつというのはあるかと思います。

まず1ページ目のワーキングの項目で言う第2の3.と書いてある部分でございますけれども、そこからが消費者教育になります。冒頭に書いてございますのは、全般的な話として成年年齢引下げに向けた動きがある中で、若年層の消費者教育を強化していくということを当庁と文科省で連携をしながら推し進めていくということをまず書いてございます。

個々の項目について、まず(1)アと書いてございますのが、特に小中高を中心に消費者教育の機会を充実していくという提言をまとめていただいた部分に対応する部分ということでございます。これについては、その横に書いてございます学習指導要領の周知徹底であるとか、改訂に向けた検討であるとか、その下の副読本や教材、セミナーの開催といったこと。また、次のページに私ども消費者庁で作った高校生向けの教材のことが書いてございますけれども、それらも小中高の取組の一環として位置付けられるのかなと思っております。

また1ページ目に戻っていただいて、(1)イと書いてある部分が、特に担い手、人材の開発に係る提言をまとめていただいていたものに対応するものということでございますが、その横に書いてございますように、教育委員会と消費者行政担当部局の連携のもと、人材開発等を進めていくといった記述のほか、その下に書いてございます教員向けの研修の機会を増やしていくといったこと。それと、次のページの特に大学での取組に係る部分の中に、教員養成の課程における取組というものも当然含まれますので、そういったものも人材開発に係るものということになろうかと思います。

2ページ目、3点目のポイント、(1)ウと書いてある部分でございますけれども、教育手法の高度化であるとか教材の開発に係ることということでございます。これは横に書いてございますように、先ほど申し上げた高校生向けの教材についてでございますけれども、これは極力生徒たちに考えさせるような内容を意識して作っっておりますし、グループワークなどに使えるようにという工夫はしたつもりでございますし、今年度から実際に徳島を中心に試していただきますので、これを基にアクティブ・ラーニングの視点からの教育の手法等、教員の方々の御意見を聞きながら、そういう教え方の事例というものを集めていきたい。そういうことを考えているということでございます。

(1)エと書いてある部分でございますけれども、これは児童養護施設の児童に対する対応ということでございますが、そういった方を対象にしたプログラムの検討ということを対応するものとして記載してございます。

(2)アが、大学・専門学校等の取組ということでございます。その横にございますように取組事例や先進事例、課題といった情報の共有をやっていきますということで、当然、この中で特に大学生や専門学校生の方がどういった消費者トラブルに巻き込まれているのかといった、そういう被害状況の共有も行っていくということです。

その下、(2)イと書いてある部分については、自治体と大学・専門学校等との連携に当たる部分でございます。その横に対応するものとして「必要に応じた基本方針の変更」と書いてございます。今年度にかけて行うことになります次期消費者教育基本方針の検討の中で、例えば、今、各自治体に消費者教育の地域協議会を作っていただくように我々は働きかけているところでございますけれども、そのメンバーとして、幾つかの自治体では実際にあるわけでございますが、大学・専門学校等がメンバーに入られるということは当然想定されるわけで、そういったことを働きかけていくということを位置付けてはどうか。そういうことを検討項目として考えておるということでございます。

加えて、前のページの一番下のところにございますコーディネーターの話でございますけれども、そういった取組というのも、これは大学に限らないと思いますが、学校と我々消費生活部局の連携という意味では有効な手段だと考えてございます。

次の項目の(2)ウと書いてある部分でございますけれども、学生相談室等を通じた取組を強化しようということでございまして、対応するものとしては、そういった学生相談室等の方々に向けた研修の機会を増やしていくといったことを考えているということでございます。

次のページが、特に相談体制に係る部分についての提言ということでございまして、そのうち、相談体制の強化に当たる部分については、特に3ページの上のほうに書いてございます国民生活センターの経由相談であるとか、あるいはこれは若年成人に限らないことであるのですけれども、自治体における窓口の体制であるとか、そういったものを支援するような取組というものを引き続き行うということに加えまして、2番目の枠の中で、消費者相談110番について書いてございますけれども、被害状況を見つつ、そういったテーマ設定というのは当然考え得るのかなということで記載をしてございます。

その下、6(2)のホットラインの部分でございますけれども、特に詳細の周知についても御提言いただいておりますので、それに対応するものとして消費者ホットラインの周知について引き続き取り組んでいきたいということでございます。

最後の枠の中に2つほど線表がございますけれども、これは特に我々と文科省との連携であるとか、あるいは自治体の消費生活センターの位置付けといったことについてもコメントをいただいているということでございましたので、それに対応するものとして書かれているものを抜粋したという内容でございます。

説明は以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明を踏まえて委員の皆様から御質問、御意見をお願いしたいと思います。

樋口委員、お願いします。

○樋口委員 特商法に関してなのですけれども、今のお話ですと、特商法の省令改正については民法のほうの改正を受けてという話だったのですが、この省令改正ですが、新たに何か規定を創設するわけではなくて、基本的にはこの報告書でも「明らかにする」という語尾になっているように、現行の法律の考え方を省令で確認をするということかと思います。元々、省令ですから、そこで新しい規定を創設するということは適当でないわけでありまして、したがって、若年成人が含まれていることなどを確認するということだと思います。今のお話ですと、タイミングとして民法改正に合わせて対応するというのは一つの判断だとは思いますけれども、確認をするということであれば、本来これは法律の考え方に含まれているということだと思いますので、もう少し早いタイミングということもあり得るのではないか。ですから、必ずしもキャンペーンのように民法改正と直接に連動する必要はないと思ったのですが、その点はいかがでしょうか。

○消費者庁河内消費者政策課長 ありがとうございます。

樋口委員のおっしゃるとおり、そこは民法の改正と関係なくやるという考え方、もちろん民法改正なくやったところで別におかしくない話なので、それをやるのかやらないのかというのも一つの判断でございまして、今、原課の判断として、これは民法の改正と合わせてやるということでございますので、民法改正と合わせてやらなければ絶対におかしいという話でないのは御指摘のとおりだと思いますが、今回は原課のほうでそういう判断をしたということで御理解いただきたいと思います。

○樋口委員 これは要望事項ですけれども、若年成人について、被害が多発しているということは、ワーキングあるいは委員会でも明らかになっておりますので、機会はいろいろあると思いますけれども、できるだけ原課のほうでも早急な対応をしていただくことが特商法の関係の運用として好ましいのではないかと思います。

○河上委員長 ワーキンググループからの報告書が公表された後、大臣が記者会見でやれることはすぐにでもやっていこうと思うというようなお答えをしていたように記憶しております。樋口委員の御指摘のようにできるだけ早くやれることはやっていただければありがたいと思います。私からもお願い致します。

他にはいかがでしょうか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 池本でございます。

資料1の2ページ目、大学・専門学校における消費者教育の推進のことと、大学学生相談室におけるトラブル対応に関連して質問申し上げたいと思います。

先般1月に発表したワーキング・グループ報告書の中では、成年年齢引下げで、直接それによって成人になる18歳、19歳というと、大学・専門学校に入ったばかりの人たちがその対象となるわけで、中学、高校は学習指導要領の改訂だとか、あるいは家庭科の教員だとか、誰が何を教えるということがある程度体系立って整備されてきていて、さらにそれを改定して充実していくという方向性が見えますが、大学の場合には、それぞれの専門の教員しかいなくて、消費者教育を取り上げる人が誰なのかすら決まっていない。そのワーキングでも幾つかの大学での取組も聞きましたが、入学ガイダンスで30分、1時間来てもらって話をしてもらったとか、断片的な取組しかない。一番ターゲットになる世代について体制整備というか、消費者教育の機会をどう確保するのかということ自体がほとんど手つかずではないかということが議論になり、そこに向けて抜本的に取組を強化していく必要があるのではないかという議論をしたはずなのです。それはワーキングの報告書でも、大学・専門学校の教員や職員さんに消費者教育の重要性を認識してもらうためにも、例えば地方自治体の消費者教育推進地域協議会だとか、懇談の機会などで、大学での組織的な取組をどう働きかけるのかということを検討してほしいということで出したのです。しかし、工程表では消費者教育の推進というのは、先進事例などの取組状況を調査し情報を提供する、しかも、これは従来からのその位置付けの再確認にとどまっているのではないか。

それから、学生相談室のトラブル対応と国民生活センターなどと連携をしていくという、これは新たに位置付けられたと理解することができるのですが、一番肝心の消費者教育そのものを全体の体制としてどう取り組むか、そこへ向けた働きかけをどうするかというところが見当たらないのです。これはどうお考えなのか、あるいはどう位置付けることができるのか、あるいは検討したけれども、できないということなのか。そのあたりについてお伺いしたいと思います。

○文部科学省高橋生涯学習政策局男女共同参画学習課長 今の御指摘でございますけれども、大学に関しましては、既に当方で取組状況の調査をやっておりまして、これで優良事例等の普及をやっているというのは御指摘のとおりでございます。専門学校につきましては、今まで大学のように網羅的な調査を行ってきていなかったということもありまして、今年度から専門学校関係者の協力を得て先進的な事例を調査していこうということを考えてございます。そのような取組の中で、例えば文部科学省でやっておりますのは、実証的研究事業ということで、大学などが地域と連携して行う消費者教育の取組について、そのプログラム開発でありますとか、そういった活動についての予算を措置してサポート申し上げるというようなこともやっているところでございます。そういったことが、この帯グラフと申しましょうか、この工程表の中にある取組事例、課題等の情報提供というようなことの中に含まれているのではないかと思います。その中で、今後学生相談等の関係ですとか、国民生活センターとの協力、また、もちろん日本学生支援機構での研修というものは、これも既に行われている研修事業でございますけれども、こういったことも併せてやっていくということを考えておりまして、決して御指摘の点について何も対応していないということではないのではないかと考えております。

○池本委員長代理 御説明ありがとうございます。

今、お伺いした中では、取組状況の調査、大学向けについて調査を実施しておられるということですが、調査結果等に基づいて、それを各大学に情報を還元するという意味で活用するとおっしゃっているのか、それとも、そういった調査結果に基づいて大学あるいは専門学校における取組体制をどう作っていくのかについて何か大学関係者などと懇談をしたり、あるいは検討して提言したりという一定の新たな取組として広げていくのか。どうもこれだけ見ると、先駆的事例や調査結果を情報提供してそれぞれの大学に考えてもらうとしか読み取れないので、そこをお伺いします。

○文部科学省高橋生涯学習政策局男女共同参画学習課長 説明が不十分で申しわけありませんでした。

まず状況調査の報告書というのはこういう形で3年毎にさせていただいているものでございまして、この中には網羅的にどのようなことをやっているというところもありますし、中には特色ある事例については、それぞれの事例についてまとめているというページもございます。こういったものを作って情報提供させていただいているということがまず一つございます。

それから、私どもの文部科学省のほうに消費者教育推進委員会というものがございまして、ここには横国の西村先生ですとか、大学生協の代表の方ですとか、そういった大学関係者の方にも入っていただいておりまして、この調査の内容についても、そういう先生方と一緒にまとめているものでございますが、そういう先生方、また、生協の皆さんと一緒になって、どうやって大学で実際にやってもらうのか、具体的な推進モデルを作っていくのかということを議論しまして、その中で御提言をいただいて進めていっております。

特に私どものほうでは、余り法律でこれをやりなさいということで大学や専門学校に持っていくというのはなかなか難しいので、フォーラムですとかシンポジウムのような形で大学の先進的な事例を広めていくというようなことを考えております。この中で大学生協の方ですとか大学の関係者の方にも参加していただいて、先進事例を広めていく、また、議論を深めていく。もちろんその中には、例えば教員養成の中でどう使っていくのかということも含めてなのですけれども、そういうことをやっております。そういう意味では、今、先生からの御指摘のような調査研究の結果を踏まえて情報提供して、さらにその先にどういうことがあり得るのかということを先生方と議論して、大学の皆さんと一緒に考えていく。そういう施策を進めているつもりでございます。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

実はそういった取組が従来から続いてきているということは、多少ヒアリングの過程でもお聞きした上で、やはり大学あるいは専門学校は、中学、高校のように、誰が、何をやるの、誰がというところの主体がない。だとすると、大学のどういう部署になるのかわからないのですが、例えば先駆的事例、こういう取組がありますという情報提供だけではなくもう少し継続的に、もちろん文科省が全てトップダウンするということではなく、例えば各都道府県の消費者教育推進地域協議会に出てもらい、あるいは定期的に協議をするなどして、大学の側でも本当は困っている問題ですから、一緒に議論しながら作っていくという、これまでとは違う、もう一歩踏み込んだ取組が必要ではないかというような思いがあって、こういう報告書での提言になったわけです。そのあたりのもう一歩先の対策ということで、文科省で全て動いてくださいということだけではない、地域も含めて動きを提起していただくということはどうなのかということです。

○文部科学省高橋生涯学習政策局男女共同参画学習課長 実は、既に大学が地域と一緒になってコンソーシアムみたいな形を作って、地元の商店街ですとか複数の大学が商店街や商工会と一緒になって消費者教育をやったり、それから、コーディネーターに相当するような人材育成をやってみたり、そういう事例は私どもの先ほど申し上げました実証研究の事業の中で行われているわけでございます。そのさらに制度的な裏付けとして、都道府県の消費者の協議会の中に入っていったらどうでしょうかというような御提案というか、御示唆だと理解しておりまして、その辺りのところは私どものほうから各大学にそういう提案をして、一つの地域の貢献ということも含めて、そういうことを大学関係者に提案をしていくということはもちろん可能だと思いますし、今年度の中でそういったことはしっかりとやっていきたいと思います。

○池本委員長代理 ありがとうございます。

これは文科省が大学に呼び掛けて大学の側から動きを作るだけでは、なかなか現実問題動かないのではないかということも我々ワーキングの議論の中でもありました。その意味では、今度は消費者庁の側にもお願いすることになるだろうと思うのですが、例えば都道府県に対して、成年年齢引下げで新たに成人となる者については、本当にこの二、三年のうちに、各自治体で自分の地域内の大学・専門学校には全てに声を掛けて、全てと連絡協議が始まるぐらいの取組を自治体の側からも起こすとか、両方の連絡の動きを始めることを本気で一つのブームを作ってでも流れを作らないと、ずっとこれが手遅れになっていくのではないかという危惧があります。そういう意味で、消費者庁の側も今後の取組の計画の中でしっかりと位置付けていただければと思います。

○河上委員長 大森委員、お願いします。

○大森委員 資料の1ページ目の一番下の帯のところの2つ目のポツのところに「学校における消費者教育の充実に資するための教員向け研修の実施の促進」という帯が4年にわたって書かれているのですけれども、これは具体的にはどのようなことをされるのですか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 既に我々で、例えば国民生活センターで行っている教員向けの研修もございますので、そういったものにより参加いただけるように連携をしながら周知を図っていくということも考えられます。加えて、徳島プロジェクトの中でも、鳴門教育大学の協力を得ながら、そういった教員向けの研修といったことも考えていこうと思っておりますので、それを横展開していくとか、そういったことを想定しているということでございます。

○大森委員 学校の先生のアンケート調査によると、消費生活分野は得意でないという先生がすごく多いのです。免許状更新講習でも消費者教育が義務付けられているわけではありませんし、国センだとか、先ほど文科省の方がおっしゃったフォーラムやシンポジウムに出てこられる方は放っておいてもかなり意識の高い方で、それだけでは全く不十分ではないかと思います。もっと具体的に全ての先生方が消費者教育の必要性を感じて、そのためのスキルアップができるような具体的な計画を書いていただきたいと思います。いつ、誰が、何をするかというのを、すぐに全てができるわけではないけれども、1年目ではここまでいって、2年目ではここまでいってというように見えるような形で示していただきたいと思うのです。もともと興味のある方、関心のある方に期待するというレベルでは足りないと思います。

○河上委員長 消費者庁から何かありますか。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 例えば免許の免許状更新講習での扱いというのは、これも文科省と引き続き相談しないとということなのですけれども、ただ、少なくともそもそも既存の講習の機会が十分知られていないとか、そういうもので生かされていない面もあろうかと思いますので、そういう意味で、より一層の働きかけというものはまずやってみようと思っております。

○河上委員長 文科省からは何かございますか。

○文部科学省高橋生涯学習政策局男女共同参画学習課長 今の先生方の指導をどう充実させていくのかという点についてなのですけれども、私どもが先ほど申し上げました調査とか、私どもとしての受け止め方としては、正直言って、消費者問題、それから、消費者市民社会ということも含めてなのですが、非常に次から次に新しい問題が起きてくるというのが特徴ではないかと思います。

実は私も免許状更新講習で消費者教育を取り上げているある教育学部のところの講習にお邪魔して様子を見せていただいたのですけれども、そこで160人ぐらいの先生方が講習に集まっていたのですが、どういう消費者問題がありますかということを実践に即して勉強しようということで、国民生活センターが作られています問題のリスト、これが配られたのですけれども、160ぐらいある。すごくたくさんのいろいろな問題が起こっていて、特にインターネットを使った問題ですとか、次から次に新しい問題が起きている。私もそれは改めてびっくりしたのです。正直言いますと、どんなに研修をやっても、どんなに先生方に情報提供を差し上げても、なかなかそこのところは追いつかない部分もあるのかなと。

私どもは、先生ができなければ、消費者センターの方ですとか外部の方に学校に来ていただいて、そういった方に子供たちに最新の情報に基づいた説明をしてもらったらどうかということを今、消費者庁と一緒になって、あちこちで進めております。これは先生方一人一人にというよりも、教育委員会や学校の中心となる先生方に、消費者センターや地元のそういう消費者問題に詳しい方々と協力すれば、先生方が忙しい中で、自らが教材開発をしたり、そういうことをしなくても、その子供たちに響くような消費者教育ができますということを消費者庁と一緒になって各地にお願いしているところでございます。それがなるほどと、そういうことで、自分たちで全部抱え込む必要はないのだな、そういった方にお願いすればいいのではないかということが分かってもらえると、非常にそこで消費者教育が実質的に進むということです。

さらに言うと、教育委員会が消費者教育の教育委員会としての実施プログラムを作っていこうというようなところにまで発想が進んで、一つの例では、最近姫路市などでは、市の教育委員会としての全体の消費者教育のプログラムを作っていこうということになっております。それは当然教育委員会だけ、先生方だけでやるのではなくて、地域の方、それから、地域の消費生活センター等の関係の方と協力してやっていこうという形でやっております。ですから、私どもとしては、全ての先生に研修を行き渡らせるというのは、正直言って時間の面、労力の面、それから、先生方が非常にお忙しいということからして、また、消費者問題というのは非常に多様で変化が激しいということからして、なかなか難しいのではないかということも思っておりまして、そこのところはそういう外部の専門家の力を借りたらどうでしょうかというようなことを今、進めているところでございます。

○河上委員長 大森委員、お願いします。

○大森委員 外部の方の協力を得るのはとても大切なことだと思いますが、外部の方を呼ぶということは、学校のほうはすごくエネルギーが必要で、荒れている学校とかだったら、外の人には見てもらいたくないということで、全てのところにそういうスタイルが行き渡るのはかなり難しいと思います。

消費者問題というのは日々進化して、それに先生御自身が対応するのはとても難しいし、まして、教材開発などはお時間も十分とれないと思います。けれども、免許状更新講習というものは全ての先生に対してが行われるわけですので、そのときに、成人年齢引下げに対応するようなプログラムというものを今、徳島で開発されているとお聞きしております。そのパンフレットみたいなものを、免許状更新講習のときは必修で全ての先生に一度聞いていただいて、そのパンフレットの内容が子供たちに伝えられる、そのレベルにしていただくと、子供にかなり伝わると思います。外部の方に来ていただいてとなると、全ての子供に行き渡るのはいつのことになるか分からない。多分、子供たちの被害が先にやってくることになると思います。もうちょっと具体的に波及できるようなことを考えていただきたいと思います。

○河上委員長 増田委員、お願いします。

○増田委員 大学の相談窓口における消費者トラブル防止の強化というところについてですが、私どもの団体では、もう20年以上も前から大学祭へ出店して、直接大学生と接触した啓発・教育を長年続けていますけれども、最近は出店料やテント代を出してほしいとかというようなことがあり、出店すること自体が難しい状況も出てきております。外部の講師、あるいは専門家を活用する必要があると思いますが、外部からアプローチする場合に、大学のどこに連絡をすれば話ができるのか、統一的に、例えば相談室など、連絡のルートを作っていただきたいと思います。連携の仕方、外から入るときの入り口が分からないことが多いのです。学園祭などですと、学生に連絡してくださいと言って携帯電話を教えられておしまいということになり、なかなか連携がとりにくいところがありますので、大学と地域との連携といった場合、そういう窓口を統一的に作っていただく。そういう連携の仕方も検討していただきたいと思います。

特商法に関してですけれども、契約書面の虚偽記載を唆すとか、判断力不足のつけ込み型の勧誘などということは最近に始まったことではなくて、何十年も前から行われているのが実態です。やっと今、そこの部分に日が当たったということなのだろうと思います。是非とも早い段階でそこの部分を手当てしていただきたいと思います。

○河上委員長 今のは御希望ということでよろしいですか。

○増田委員 はい。

○河上委員長 何かお答えになりますか。

○文部科学省高橋生涯学習政策局男女共同参画学習課長 御指摘の大学の窓口という点は、確かに我々としても気が付かなかった視点でございまして、一般的には学生部が学生相談などをやっていることは確かなのですけれども、最近どこの大学もいわゆる大学改革の中で、学生部というものが学生部という名前ではなくなっていたり、いろいろなパターンがあって、例えば国立大学の中でもかなり多様化しておりまして、外から見ると、確かに今、御指摘のような点があるのかなということを改めて気付かされた次第でございまして、その点は担当のところと相談して、場合によっては日本学生支援機構などとも相談して考えてみたいと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

樋口委員、お願いします。

○樋口委員 私も、信州大学に勤務しておりましたので、今、増田委員からご指摘があったことや高橋課長がおっしゃったことに関連していろいろ感ずるところがあります。全体としては確かに日本学生支援機構とか、そういった取組はかなりしっかりやっておられる。あるいは、大学の学生課においても実際にトラブルに直面しているのでしっかり取り組んでいるところも多いと思うのですが、例えば地方の実情を申し上げると、信州大学で1,000人近い教員の中で、消費者教育とか消費者法をやっている先生は1,2名しかいないというような状況だったのです。

他方において、消費生活センターからは信州大学にいろいろと働きかけがありました。これは、大学というものの特徴だと思いますが、熱心な先生が何人かいると、その一定の期間は取組が成功する。そうした背景から、当時は、センターと大学の交流が進んだと記憶しています。ただ、私が非常に心配しますのは、東京や大都会周辺の大学の場合には人材も豊富だとは思いますけれども、地方の大学と地域ということになると、どうしても人材、体制が弱いという問題が出てくる。今、いろいろお話があった中でも、例えば窓口の問題や全体のシステムの作り方についてもPDCAを回すような形で、なおかつ産学連携では非常に広い大学間のネットワークができていますので、これと同じように、幾つかの大学が協力し合うような形で取組ができると、さらに強力なものになるのではないか。産学連携などは正に文科省さんのいろいろな音頭取りもあって幾つかの大学が協力し合う体制ができましたので、今回も、そういう地方での大学間の連携・協力とか、人材、体制面で自主的にやっていけるような仕組みづくりにも、是非留意していただければいいのではないかと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

長田委員、お願いします。

○長田委員 頂いた資料の2ページの一番上の帯のところなのですけれども、高校生向けの教材を作成し、それを、これは徳島県の全ての高校でと伺っていますが、この帯の右側の上のポツ「作成した教材の計画的な配布」というのは、例えば29年度はそこだけを考えているのか、もうちょっと幅広く計画的に配布しようとしておられるのかということを教えてください。

それと「効果的に活用」のところに「アクティブ・ラーニングの視点からの手法等も検討」と書いてくださっていますけれども、これは3年間かけて検討しますという意味なのか、例えば29年度徳島でやったり、いろいろしたものを、30年度以降はまた別の視点で何かに取り組もうとしておられるのか、この帯のところだけでは読み取れないので、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 この部分なのですけれども、1年刻みで今年は何をするという形で具体的に申し上げるのは難しいのです。ただ、少なくとも29年度、今年度に関して申し上げると、徳島でまず全高校で我々の教材を使っていただくことを想定していますけれども、プラスアルファ、部数と実際の需要がどれぐらいあるかにもよるのですけれども、余力があれば、ほかの地域でも希望があれば極力お渡しして、使った感想等もいただこうかと思っております。ある程度それがまとまったところで指導例を改訂するとか、そういう形で広く使っていただけるような形にしようとは思っております。それが1年後なのかもう少しかかるのかは分からないところです。

あと、計画的な配布というところで申し上げているのが、要は、徳島でいつまでも試行していれば良いというわけではなくて、どこかのタイミングでより広くこれを全国的に、この教材なのか、それの改訂版なのかということはあるのですけれども、使っていただけるように我々も考えていかなければいけないかなと思っていまして、それを徳島の試行の結果を見ながらどこかのタイミングで考えていくということでございます。

○長田委員 ということは「作成した教材の計画的な配布」は29年度から出ていますけれども、これはもうちょっと先と読むべきであれば、ここは徳島で一回やりますということがちゃんと帯の中に入り、その後、計画的な配布につながっていくとしていただいたほうが分かやすいと思います。

○消費者庁金子消費者教育・地方協力課長 ただ、29年度時点も、徳島に限定してということではなくてプラスアルファを考えておりますので、そこは書き方が難しいところなのですが、順次30年度以降は我々の希望としては対象を拡大していくことを考えているということです。

○河上委員長 よく理解すればできるだけ早くそれをやりたいという気持ちの表れと、そういうことになるのかもしれませんね。

ほかにはいかがでしょうか。

これは印象になってしまうのですけれども、文部科学省の方々、せっかくいらっしゃるので申し上げますが、今、伺っていると、調査や研究あるいは情報の共有のための在り方というものについて考えるという、どちらかというと実際に消費者教育に当たる一歩手前のところで現在は動いている感じがしてしようがないのです。ところが、御承知かと思いますけれども、今はもう二十になったばかりの子たちがいろいろな形で消費者トラブルに巻き込まれたり、大学の中でネズミ講や連鎖販売のようないろいろな問題が起きていたりする。それが、今度成年年齢が引下げになると、大学1年生ないし高校3年生のところから始まるということになりますから、消費者教育は高校から始めないと駄目だということになります。どう教えることを研究するかということも大事なのですけれども、今からでも早過ぎることはないので、そうした新しい消費者問題についての消費者教育に現実に取り掛かっていただきたい。消費者庁等と協力をして、そのようなプロジェクトをどんどんやっていただけないかと思います。被害が出てからでは遅いのです。以上、我々が考えている意見の中のものと若干温度差を感じてしまうので、あえて申し上げました。

今回の消費者基本計画ですけれども、成年年齢が引下げられた場合にやるべきことと、引下げられるかどうかにかかわらず若年者の保護のためにやるべきこと、やれることがあるはずでして、そのときの内容をちゃんと精査した上でやっていただく必要があります。仮に成年年齢が引下げられた場合には、その被害の防止・救済のために教育等の充実や制度の整備の検討など一体的に取り組む必要があります。その取組の在り方は、できるだけ一覧性のある形で基本計画の中に書き込んでいただきたいと思います。今日はいろいろなところを切り張りして出していただきましたけれども、それだけでも随分分かりやすくなりましたが、基本計画で本文に一覧性のある書き方をしていただくということが望まれます。

その上で、個別の取組につきましては、消費生活センターと大学・専門学校の消費者被害防止のための連携枠組みを強化する。それから、若者の支援機関との連携など、より具体的に書けるものを書いていただいて、推し進めていただくことが望まれますので、その点、明記していただければありがたいと思います。

書いていないものということで最後にまとめてお話しされましたけれども、書いていないものは結局やるのだということでよろしいのですね。

○消費者庁河内消費者政策課長 やります。

○河上委員長 一定の時期が来て条件が整っていけばやっていくということですから、その場合、消費者庁だけではどうしようもないわけです。文部科学省としっかり協力をしてそれを遂行していただきたいと思います。

本日の説明を受けて、成年年齢引下げ対応の個別の取組の内容を含め、工程表改定素案を引き続き精査して、当委員会としては取組の改善、またはさらなる取組が必要だと考えるものについては、しかるべき意見表明をさらに行っていきたいと考えております。そのときは消費者庁、文部科学省を初め、皆さんには、また、いろいろ御協力をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

消費者庁、文部科学省におかれましては、お忙しい中審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

(消費者庁、文部科学省退席)

≪3.子ども向け広告の在り方について考えるシンポジウムについて≫

○河上委員長 次の議題は「子ども向け広告の在り方について考えるシンポジウムについて」であります。

当委員会では今年の2月に子供向け広告についての議論を深めまして、我が国における子供向け広告の在り方について広く発信することを目的としてシンポジウムを開催いたしました。このシンポジウムでは、学識経験者等の方々に、子供向け広告に関して広告に関する法制度や広告が子供に与える影響などについて講演を行っていただくとともに、パネルディスカッションにおいて子供向け広告に対する認識や子供向け広告に関する対応を検討することとした場合、その目的をどのように考えるのかなどについて御議論いただきました。

委員会では、このシンポジウムの報告書の案を取りまとめておりましたけれども、この度取りまとめ作業ができましたので、本日はこの報告書の案について若干議論の上で取りまとめたいと思います。

担当は池本委員長代理、蟹瀬委員、鹿野委員であります。

それでは、鹿野委員から報告書の案についての説明をお願いしたいと思います。報告書は大部ですけれども、できれば15分程度で御説明をお願いいたします。

○鹿野委員 それでは、担当委員として報告書案の内容について御説明をしたいと思います。

資料2-2を御覧ください。先ほど委員長からもお話をいただきましたけれども、今年の2月に「子ども向け広告の在り方について考えるシンポジウム」を開催いたしました。

まず、1ページの1のところに書いてございますけれども、「シンポジウムの開催趣旨」についてご説明します。一般的に子供は理解力や判断力等について発展途上にあるということから、成人と比較して広告の影響を受けやすいと考えられます。したがいまして、子供向け広告を行うに当たっては、そうした子供の特徴等を踏まえた配慮が望まれると考えられますが、我が国におきましては、現時点ではこのテーマに関する十分な議論の蓄積があるとは言えないように思われます。そのため、子供向け広告について議論を深める目的で、学識経験者、事業者等、広告に係る関係者による講演、パネルディスカッションを行う場を設けました。

次に、2の「我が国における子ども向け広告に関する取組」について御説明したいと思います。同じく1ページであります。我が国の広告一般に対する法規制としましては、消費者基本法第15条に「国は、消費者が商品の購入若しくは使用又は役務の利用に際しその選択等を誤ることがないようにするため、商品及び役務について、品質等に関する広告その他の表示に関する制度を整備し、虚偽又は誇大な広告その他の表示を規制する等必要な施策を講ずるものとする」と規定しております。さらに、不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律等の個別の法律において、誇大広告等を禁止行為としたり、あるいはさらに措置命令の対象にする等、具体的な規定を設けております。

しかしながら、先ほど申し上げましたように、一般的に子供は成人と比較して広告の影響を受けやすい存在であると見られるものの、これらの広告表示規制に対する各種の法律には、子供についての特段の配慮規定はございません。

子供の保護に着目したものとして、児童の権利に関する条約は「児童の福祉に有害な情報及び資料から児童を保護するための適当な指針を発展させることを奨励する」としております。

また、子供を取り巻く環境の変化等を踏まえ、広告も含む有害な情報の閲覧機会の最小化手段としてのいわゆるフィルタリングの普及等を内容とするところの、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律が施行されております。さらに、都道府県においては、青少年の健全育成という観点から、青少年保護育成条例に広告に関する規定が設けられております。

一方で、民間においては、子供の保護という観点から、広告表示も含め、事業者団体等による自主的な取組が行われております。例えば一般社団法人日本民間放送連盟は「日本民間放送連盟放送基準」を策定し、同基準の第3章「児童および青少年への配慮」及び第14章「広告の取り扱い」において児童及び青少年に関する規定を置き、さらに児童向けコマーシャルに関する留意事項を別途定めております。

さらに、一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構が策定した「モバイルコンテンツ運用管理体制認定基準」でも、広告掲載基準を設けておりまして、青少年の保護と健全育成の観点から、広告表現・内容、広告掲載手法等に関する規定を設けております。

さらに、民間のガイドラインもあり、特に公益財団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが、平成28年11月に、企業の広告とマーケティングにおける子供の権利の保護等を目的とした「子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン」を策定・公表しております。この報告書案の中にも資料として盛り込まれているところであります。同法人は、上記ガイドラインを、事業者等にその自主的な判断に基づいて広告及びマーケティングにおける指針として活用されることを意図して作成したものであるとした上で、事業者や関連団体に対し、子供への影響という観点から、それぞれの広告・マーケティングの在り方を見直すことを切望しております。

なお、これらの取組を踏まえ、子供向け広告に関する取組について考えるに際しては、その前提として、具体的に年齢に応じてどのような問題が生じているのかについて調査が必要だと思われます。また、仮に調査を踏まえ何らかの施策を考えるに際しては、その施策と事業者の表現の自由との関係について留意すべきであろうと思います。

次に、3ページの3の「諸外国等における子ども向け広告に関する取組」についてであります。海外においては、子供向け広告について法律で規制している国もあります。例えば、スウェーデン、ノルウェーでは、12歳未満の子供に対するテレビ広告は禁止しております。また、カナダのケベック州では、13歳未満の子供に対するテレビ広告が禁止されております。

また、EUでは、2005年のEU不公正取引指令の中で、「攻撃的取引方法」の例として、子供に対して直接的に広告対象商品の購入を勧める広告を行うこと、又は子供向け広告対象商品を購入するよう両親その他成人に説得することを子供に対して直接的に勧める広告を行うことを明示しております。

海外における事業者の自主的取組の例としては、国際組織に関するものとして、国際商業会議所による「広告およびマーケティング・コミュニケーションの実施統合ICC規定」があります。この規則では、子供及び若者に対する広告につき「経験のなさや信じやすさを悪用してはならない」などと規定しているところであります。

また、諸外国の自主規制としては、例えばアメリカにおける「子ども広告審査ユニット」による子供向け広告の自主規制ガイドライン「Self-Regulatory Program for Children's Advertising」に基づく運用なども挙げられます。

これら諸外国における取組は、我が国における子供向け広告について考える際に参考になるものと言えますが、我が国について考える際には、これらの取組の成立に至る経緯や社会的環境といった背景事情等にも十分留意する必要があると思います。

4の「今後に向けて」というところでは、これまでに申し上げたことやシンポジウムでの議論などを踏まえまして、委員会しての考えをまとめました。子供向け広告の在り方を考える上では、子供の年齢、社会生活に対する知識、経験及び能力等に応じて、子供が段階的に経験を積んで成熟した消費者になっていく環境を整備するといった視点が重要です。そのためには、行政、事業者、学校、保護者が連携していく必要があり、また、子供自身が広告の持っている意味を見抜く力をつけていくことも促進されるべきであって、消費者教育と併せて考えていかなければならないと思われます。

本シンポジウムは、子供向け広告の在り方について考える議論の第一歩であり、今後、関係者においてさらに議論が進展していくことを期待するとともに、本報告書が、関係者における具体的な取組の検討に資することを願っております。

また、当委員会としましても、子供向け広告に関する今後の状況を注視し、必要に応じて、子供向け広告の在り方について検討を深めてまいりたいと思います。

さて、以上が報告書の第1ですが、報告書の第2のところには、シンポジウムの開催報告についての資料が載せられています。時間の関係もございますので、ごく簡単に御説明したいと思います。

シンポジウムは、大きく2つの部に分かれます。第1部では、基調講演、リレー報告が行われました。まず、冒頭の基調講演において子供向け広告に関する論点整理として、東京大学の宍戸教授にお話をいただきました。

続くリレー報告では、JAROの今泉様から「JAROに寄せられた子ども向け広告に関する相談の概要」、森弁護士から「広告と子どもの保護に関する制度」、関東学院大学の天野准教授から「広告が子どもに与える影響」、NPO法人親子消費者教育サポートセンター加藤理事長からは「子ども向け広告とマーケティング 現状と問題点」、事業構想大学院大学の田中学長からは「広告・マーケティングの社会的役割と子どもへの影響を考える」、それから、公益財団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの堀江マネジャーからは「子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン」をテーマにして、それぞれ御報告をいただきました。時間の関係で、これら講演や報告の内容について具体的に御説明するということはここではできませんけれども、報告書に要旨としてまとめておりますので、別途御覧いただければと思います。

続く第2部では、学識経験者や事業者等の方々によるパネルディスカッションを行いました。パネルディスカッションでは、まず第1部に引き続き、宍戸教授、森弁護士、加藤理事長に御参加いただくとともに、あらたに日本菓子BB(ベター・ビジネス)協会の天野常務理事にも御参加をいただきまして、子供向け広告に対する認識や、子供向け広告に関する対応を検討することとした場合にその目的をどのように考えるべきかなどについて御議論をいただきました。

パネルディスカッションにおいて、私はコーディネーターを務めさせていただきましたが、議論の終わりには私からも若干のコメントをさせていただきましたし、また、シンポジウムに出席した委員からもコメントをいただきました。そして、シンポジウムの最後には、河上委員長から総括するコメントをいただいております。これらにつきましても、要旨として報告書にまとめておりますので、御覧いただければと思います。

最後になりますが、冒頭申し上げましたように、今回のシンポジウムは子供向け広告について考える議論の第一歩と考えております。今後関係者におかれまして、さらに議論を進展させていただくことを期待したいと思いますし、この報告書がその議論にお役に立つことを願っているところです。

以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、御質問、御意見のある方は発言をお願いします。いかがでしょうか。

長田委員、お願いします。

○長田委員 とてもいい資料になったと思います。この子供向けの広告について、全般的に広い視野から、さまざまな視点から見て提言をするというような組織が今まで日本にはなかったとも言えるかと思います。消費者団体などで都度、いろいろな提案はされてきていますけれども、全体的に大きく見てということがなかなかなかったのだと思っています。ですから、今、鹿野先生がおっしゃったように今後の議論の進展に大きく期待したいと思っておりますし、国際的な流れとともに、また、日本という場所での子供向けの広告にどういう配慮が必要なのかということも含めて、できれば消費者委員会としても今後もウオッチをして、必要があれば検討する姿勢を持っていけたらいいなと考えました。

○河上委員長 ありがとうございます。

ほかにはいかがでしょうか。

増田委員、お願いします。

○増田委員 健全な教育をするという意味で、子供向け広告の今回のシンポジウムをきっかけとした報告書というのは非常に有益なものになったと考えます。成熟した消費者につながるということは、先ほどの若年成人のところにもつながっていくのだろうと思います。子供のときからこのような教育あるいは適切な広告をしていくということについては、将来の消費者トラブルの未然防止になっていくのだろうとも考えますので、活用していきたい、情報提供していきたいと思います。

○河上委員長 自画自賛みたいで恥ずかしいですけれども、私も同感です。ほかにはいかがですか。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 今回の報告書もそうですが、こうあるべきだというものを委員会としてかちっとした結論を提言するという性質のものではない。広告という表現の自由のことでもあるので、いろいろな観点、留意事項、考え方、それから、諸外国も含めてこれまでの取組などの情報提供をするということで、報告書が作られたと理解しています。正に議論の第一歩としての資料だということですから、例えばこれをテレビやインターネットなど、さまざまな分野での広告に係る業界の関係の方あるいは子供たちの教育に係る人たち、いろいろなところへこれを問題提起して、それぞれでまた議論していただくということの呼び掛けを委員会としてもしていく必要があるかと思っています。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

ほかにはいかがですか。よろしいですか。

委員の方にも随分参加していただいて、最後のまとめの発言をお願いしてあるものですけれども、全体としては、150ページぐらいになるのでしたか。分量が結構あるので、本日、皆様にお配りするというのはなかなか難しいことになりました。しかし、できるだけ冊子形式にして、要望に応じて読んでいただけるようにしたいと思います。このような形で、報告書案を原案どおり取りまとめさせていただきたいと思います。

先ほど、池本委員長代理がおっしゃったように、これは一歩ということですので、これを踏み台にして様々な子供向け広告の問題についてこれから議論をして、具体的に何らかの提言ができるのであれば消費者委員会としてもまた意見表明の可能性を考えてみたいと思います。

では、以上のとおり、原案のとおり取りまとめることにいたします。

≪4.その他≫

○河上委員長 次に「その他」ですけれども、消費者委員会に寄せられました各種の意見等の概況についてでありますが、事務局から御報告をいただければと思います。

○丸山参事官 お手元のほう、右肩に参考資料1ということで、横組みの資料があろうかと思います。こちらにのっとって説明させていただきます。

こちらですけれども、1月1日から3月31日までに当委員会に寄せられた要望書・意見書・声明文等の一覧となっております。この間、委員会に寄せられました意見書等につきましては、全体で27件となっております。

具体的に、1ページ目、左肩のところに分類がございますので、そちらを御覧になっていただければと思いますけれども、取引・契約関係ということで17件となっております。中身といたしましては、成年年齢の引下げですとか消費者契約法に係るものが比較的多いということになっております。

6ページ、左側のところに食品表示関係ということでございます。こちらは5件となっております。中身といたしましては、機能性表示、それから、原料原産地表示ということになっております。

9ページ、下のほうですが、こちらのほうは食品表示を除く表示関係ということで1件となっております。

10ページ、消費者教育関係ということで1件、11ページ、公益通報者保護に関しての1件とその他2件となっております。

説明については以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

この意見書は既に委員の方々のお手元に渡っていて読んでいただいているものですけれども、この会議の場で何かコメントなり発言なりがございますようでしたら、お願いいたします。いかがでしょうか。特にございませんか。

それぞれについて、また委員会の中で生かせる点がないか精査したいと思います。考えを深めるべき論点について、意見書も大いに参考にさせていただきながら活動を進めていきたいと思います。

それでは、本日の議題は以上になります。


≪5.閉会≫

○河上委員長 最後に事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議につきましては、日程が決まり次第、委員会ホームページを通じてお知らせさせていただきます。

また、本日17時を目途に報道機関の皆様を対象とする委員長記者会見を予定しておりますので、併せてお知らせさせていただきます。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。

(以上)

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