第237回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2016年12月6日(火)14:00~17:04

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、蟹瀬委員、中原委員、増田委員、樋口委員
  • 【説明者】
    公共料金等専門調査会 古城座長
    消費者庁 赤崎食品表示企画課長
    消費者庁 三上表示対策課食品表示対策室長
    厚生労働省 三浦老健局振興課長
    厚生労働省 佐藤老健局高齢者支援課長
    厚生労働省 佐藤医政局総務課医療政策企画官
    友行企画官
  • 【オブザーバー】
    消費者庁 澤井消費者調査課長
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 東京特別区・武三地区のタクシー運賃組替え案について
  3. 健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議の実施報告
  4. 身元保証等高齢者サポート事業について
  5. その他
  6. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただ今から「消費者委員会第237回本会議」を開催いたします。

本日は鹿野委員、長田委員が御欠席となります。また、増田委員が所用によりまして、遅れて御出席となります。

それでは、配付資料の確認をお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記載しております。

今回お出ししています資料につきましては、資料1、資料2-1から資料2-3、資料3-1から資料3-2、資料4、参考資料1、参考資料2となっております。

もし不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。


≪2.東京特別区・武三地区のタクシー運賃組替え案について≫

○河上委員長 最初の議題は「東京特別区・武三地区のタクシー運賃組替え案について」であります。

本年の11月1日付けで東京都特別区及び武三地区における一般乗用旅客自動車運送事業、いわゆるタクシー事業の運賃組替え案について、消費者庁より付議を受けました。本件につきましては、公共料金等専門調査会で検討が重ねられまして、今般、同専門調査会の意見が取りまとめられました。

本日は、公共料金等専門調査会の古城誠座長にお越しいただいております。古城座長におかれましては、お忙しいところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

最初に、審議経過及び意見の内容について簡単に御説明をいただきたいと思います。その後、意見交換を行った上で、当委員会としての意見を取りまとめたいと思います。

それでは、古城座長、よろしくお願いいたします。

○公共料金等専門調査会古城座長 公共料金等専門調査会においては、委員長の御紹介のとおり、東京特別区・武三地区のタクシー運賃組替え案について、本年11月に消費者庁より付議を受け、国土交通省、一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会、学識経験者及び消費者団体からヒアリングを行い、調査審議を重ねてまいりました。

これらを受けて、11月18日及び30日の専門調査会において、意見案について議論を行い、今般、専門調査会意見について取りまとめを行いましたので、御報告させていただく次第です。

専門調査会意見の内容につきましては、事務局より説明をお願いいたします。

○丸山参事官 事務局でございます。

お配りしております資料1を御覧になっていただければと思います。

まず、こちらですけれども、前書きといたしまして、東京都特別区及び武三地区の、今回国土交通省より御提示がありました運賃組替え案について概略を記してございます。

そちらを御覧になっていただきますと、現行運賃につきまして、初乗り距離では2.0キロメートル、運賃については730円だったものが、新運賃案では1.052キロメートル、410円という形になります。加算距離につきましては現行280メートル、運賃は90円となっておりましたのが、新運賃案になりますと、237メートル、80円になるということです。また、時間距離併用制運賃につきましても、時速10キロメートル以下で105秒ごとに90円となっておったものが、90秒ごとに80円という形になっているということでございます。

新運賃案になるということですけれども、こちらにつきましては、現行より初乗り距離を短縮するとともに初乗り運賃を引き下げ、また、加算運賃距離を短縮するとともに加算運賃を引き下げるという内容になっているものであります。これによりまして、基本的に短距離、おおむね4キロメートルまでの利用につきましては、現行運賃より安くなるということですけれども、それ以上の中長距離のほうにつきましては、現行より運賃が高くなるという形になっております。

そこで、以下ということで、「1.結論」「2.結論に至る理由及び課題」「3.留意事項」という形で今般意見を整理させていただきました。

まず「1.結論」でございます。

初めの丸でございますけれども、今回の運賃組替え案については、方向性としては理解できるものの、中長距離、先ほど申しましたように、おおむね4キロメートル以上の運賃の値上げを伴うことの必要性については、必ずしも明白ではないと。それから、運賃組替え案を実施するに当たっては、国土交通省において、この際、丁寧な事後の検証や負担が増加する中長距離利用者への対応等を行うことが必要であるということを述べております。

また、消費者利益の増進を一層図る観点からは、国土交通省は、留意事項に関する対応についても事業者と協力して併せて実施すべきであるということで述べております。

また、次の丸におきましては、公共料金等専門調査会においては、検証に必要なデータ等が整った段階で、運賃組替え後の状況の検証を行うこととしたいということで述べております。

次のページ、「2.結論に至る理由及び課題」について述べてございます。

初めの丸でございますけれども、我が国のタクシー市場においては、利用者の減少が続くなど、厳しい経営環境下にあり、ライドシェア等の新たなサービスが台頭する中で、新たな需要の開拓等を通じて、これまで取り込んでいなかった消費者のニーズをかなえていく必要があるということを述べております。

国土交通省の説明によれば、人口の高齢化や訪日外国人の増加等に伴って、短距離でのタクシー利用の需要拡大が見込まれるということであり、今の運賃体系については、長い間の慣行に基づくもので、必ずしも合理的な運賃体系ではない。それから、国際的に見ても現行の初乗り運賃は標準的とは言えないという指摘もなされていることから、これを正していく方向性については理解できるということで述べております。

次の丸ですけれども、「しかしながら」ということで、初乗り運賃の値下げについては望ましいものの、他方で、中長距離運賃の値上げの必要性は必ずしも明白でない。まず、値上げが妥当であるためには、総括原価方式の考え方に基づいて、事業コストに適正利潤を加えた額の範囲内で値上げがなされることが必要であると述べております。

仮に組替え案における値下げが運送収入の減収をもたらす場合でも、これを相殺する限度の値上げが無条件に許されるわけではない。「なぜなら」ということで、前回平成19年のときの運賃改定から相当な期間が経過しているということから、この間にコストが低下している可能性があり、この場合には、コストの減少によって収入の減少を相殺できるということで、値上げの必要がないからということで述べております。

今回の組替え案においては、簡略な方法で運送収入の増加がないことが推定されており、他方、前回改定時からのコスト低下がないことは厳密には検証されていないということで、今回、このためということで、不必要な値上げがなされるおそれがあるもので、国土交通省は以下の措置を講じる必要があるということで整理をしてございます。

マル1として、運送収入の増減に関する試算の手法の向上を図ること。

マル2として、運賃組替え後に、適切な時期に、運賃組替えの収入増減への影響を調査し、適切な措置をとること。

マル3として、併せて前回の改定時からのコストの低下がないことを確認して説明することという形で指摘をしております。

なお、国土交通省は、これらの措置を行った上で、初乗り運賃や加算運賃の妥当性の再検討を行うとともに、併せて時間距離併用制運賃等の付随する運賃制度についても、現代の交通事情に適合したものであるかという観点から、必要に応じて見直すべきであると指摘しております。また、今回は原価計算書の提出を省略したということでありますけれども、こういった手続が妥当なものであったのかについても検証する必要があるということで述べております。

さらに、今回、中長距離の運賃の値上げを伴うということですので、高齢者や病院通院者など、利用の必需性が高い一方、経済的負担能力の乏しい利用者に不利益を与えることになるということで、その影響に配慮し、必要な措置を検討するべきであるということで指摘をしております。

最後に「3.留意事項」でありますけれども、今回、4つほど項目を挙げて留意事項について整理させていただいております。

まず、組替えに関する丁寧な周知ということです。タクシー運賃は、利用後に事後的に確定する性質のものですので、運賃の予測可能性が高いものではなくてはならないということで、新運賃の導入に当たっては、十分な広報活動により運賃に関して消費者への丁寧な周知を図るべきであるということで述べております。

また、おおむね4キロ以上乗車した場合には現行運賃より高くなる可能性があるということについては、消費者に確実に理解される必要があるということ。それから、幅運賃制度ということをタクシー運賃はとっているということ自体についても余り知られていないという指摘もありますので、こういったことについても消費者の更なる理解向上を図るべきであるということで述べております。

次に、サービスの利便性の確保・向上ということで述べております。初乗り運賃の引下げに伴う需要の増加によりまして、実車率が現状よりも高まる可能性があります。すなわち、タクシーが路上でつかまりにくくなる事態も予想されるわけですけれども、こういった状況が発生していないか注意深く見守って、必要に応じて対策を講じるべきであるということで述べております。

それから、運賃が安くなるということで、短距離の利用であることが見込まれることを理由に、タクシーに乗車しにくくなったりということがあってはならないということですので、運転手のマナー維持等に対して十分な対応策を講じるべきであるということも述べております。

タクシーの配車サービスについてですけれども、事業者間の競争等を通じて、迎車料金の割引等が行われることが望ましいということや、今回、特に中長距離利用者の負担増ということが問題になっておりますので、この負担増を抑制する観点からは、迎車料金の割引とともに、中長距離の利用者への割引等、サービスが充実することが望ましいということで触れております。

それから、スマホによる配車サービスの普及ですとか、事前確定運賃制度の導入等、新しいサービスの積極的な展開を進めるべきであるということで述べておるとともに、「ただし」ということですけれども、消費者が混乱したり、高齢者が使いにくくなることがないように十分な配慮を行うべきであるといったことを述べております。

それから、荷物の多い乗客の方や、高齢者、障害者の方がタクシーを利用しやすくなるよう、ユニバーサルデザインの車両の導入の普及などを進めるべきであるということで述べております。

それから、駅前等でのタクシーへの乗車を円滑にするために、乗り場の利便性の向上ですとか、新規の乗り場の設置を進めるべきということについて触れていることや、深夜や早朝、そういった利用できない時間帯において、タクシーの供給不足が顕著とならないように必要な対策を講じるべきであるということ。

それから、優良なタクシー事業者や運転手等を選定することについて推進するといったことですとか、自らのニーズに応じたよりよいサービスを行うタクシーを選択できやすくするように、情報提供を強化するべきであるということで述べております。

次に、消費者の意見の反映ということで述べております。「例えば」ということでありますけれども、地域協議会の場において、消費者の意見を聴取し、反映させる仕組みを更に充実させるべきであるということで述べております。

最後でありますけれども、持続可能な経営環境のための取組ということで、今回の運賃変更につきまして、国土交通省は、事業者の経営状況につきまして、その影響について監視をしつつ、一定期間の後に事後検証を行うべきであるということで述べております。「ただし」ということでありますけれども、非効率な経営を行っている事業者が退出を余儀なくされるということについては避けられないということで、これを妨げるべきではないということも付言しております。

さらに、国土交通省は、サービスの質や安全性が低下したり、タクシーの運転手の賃金水準や勤務時間等の労働環境が悪化したりすることのないように、継続的に監視を行って、必要に応じて対策を講じるべきであるということや、消費者の利益となるようなより柔軟な運賃設定を事業者が工夫して行うことが可能となるよう、運賃規制全般について不断の見直しを行うべきだということについても述べております。

以上が意見についての内容となっております。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

古城座長は何か付け加えるべきことはございますでしょうか。

○公共料金等専門調査会古城座長 冒頭のところに運賃組替えという概念がありますように、これは国土交通省が初めて出してきたもので、運賃値上げの場合は厳しく審査して、値下げの場合は届出だけでいいというところの真ん中で、一部分を上げて一部分を下げる。収入増を図っていないのだから、簡単に認めるということを出してきたのですが、それはそれで認めないと組替えというものがなされなくなりますので、それはある程度認めているのですけれども、この答申案のポイントは、収入増がなければオーケーだという考え方はとらずに、もしコストが下がっていたら、収入を減らしてちゃんとバランスさせなければいけないのであって、10年前の料金改定時から10年間でコストは低下している可能性があるので、コストが低下しているのだったら値下げだけでやってくれということです。

手続的にはそれで、だから、消費者委員会は反対だという立場はとらずに、国土交通省の説明を認めて、反対だとは言いませんけれども、事後検証してくれという形でまとめているということだと思います。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただ今の説明の内容について、御質問あるいは意見のある方は発言をお願いいたします。

いかがでしょうか。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

御説明ありがとうございました。今、御説明いただいたように、今回の組替えについては認めるものの、検証を行うということが書いてあります。そこで御質問ですが、1ページ目の一番下で、検証に必要なデータ等が整った段階で、組替え後の状況の検証を行うこととしたいとありますが、このデータが整った段階でというのは、おおむねどのくらいの期間を想定しておられるのでしょうか。これは国土交通省の側での資料準備のことだから、こちらで一方的に期間を区切るわけにはいかないのかもしれないのですが、想定されるところがもしありましたら、教えていただきたいと思います。

○丸山参事官 事務局でございます。

こちらの検証の時期につきましては、国土交通省のほうとの調整が必要になるかと思いますけれども、取りまとめをさせていただきました事務局といたしましては、データについては一定の蓄積が必要であるということも考えております。しかしながら、今後例えば2019年10月に消費税の引上げが予定されているということもございますので、その際には、タクシーの運賃について改定ということで公共料金等専門調査会のほうで審議ということについても予想されるということですので、この時期においては、少なくとも必ず運賃組替えについての事後検証を行うべきという形で考えております。それ以上の時期についても国土交通省の調整をし次第、なるべく早くできればということも考えております。

○河上委員長 収入は恐らく夏場、冬場とか、閑散期、繁忙期のようにタクシー業界も1年間の間で増えたり減ったりということはあるのだろうと思いますから、ある程度データを得るためには期間が必要になるということになりましょうか。

○公共料金等専門調査会古城座長 国土交通省は一応簡単なデータで、初乗り運賃の値下げの減収と中長距離料金の値上げの増収のバランスするというものを出しているのですけれども、非常に簡単な手続なので、もうちょっとデータを集めないとわからないということだと思います。費用のほうはもうちょっと検討してもらう必要があると思います。

○河上委員長 ありがとうございました。

ほかにはいかがでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 タクシー運賃というのは、これから高齢社会を迎えるに当たって、病院の行き帰りなどの足になる大変大切なものですし、また、高齢者の交通事故の防止の観点からも、車を持っているよりもタクシーを利用するほうが効率的で安全だよという世の中にしていかないといけないと思うのです。ユニバーサルデザインのものを用意するとか、病院から出たときにタクシーが待っていないような不便のないように配慮するなど述べていただいているのですけれども、高齢者にとってどの点が一番利用しやすいかしにくいかとなると、料金だと思うのです。初乗りは確かに安くなったということですけれども、結構中距離ぐらいのところを安くしていただかないと、なかなか高齢者にとって使いにくいのではないかと思いますので、今後この辺りをもう少し検討していただけたらと思います。

○河上委員長 これは事後検証をしながらということになりましょうか。

○公共料金等専門調査会古城座長 この間のタクシー料金の値上げの原因は、タクシーの本当のコストの増加はないのです。需要は減っているのだけれども、供給は減らさないから、1台当たりの暇な時間が多いので1台当たりの運送提供コストは上がっている。要するに、暇だから上がって、もっともうけないとバランスしないということになって、本当はタクシー業界が需要が減っているのだから供給も減らしてくれたら、コストが上がる理由はどこにもないのです。供給を減らさないから単価を上げないとやっていけないということで上がってきているので、非常に大きな問題です。普通の産業だと需要が大きくなるとお客さんを集めなければいけないので下がるのですけれども、タクシーの場合は需要が減ったのでもっともうけないと収支が合いませんということで値上げしているということで、消費者の恩恵がない形で、恩恵がゼロで値上げされているということになっていますので、国土交通省に反省してもらうとしたら、供給過剰を事業コストに含めなければ値上げせずに済んでいるのです。だけれども、それを供給過剰が生じたからそのコストも回収させてくれというので単価を上げているということで、そこを直さないとなかなか。もし供給が改善されたら、今のタクシー料金もうんと下がります。

○河上委員長 需要に比べて供給が増えているのですね。

○公共料金等専門調査会古城座長 供給が増えているのです。

○河上委員長 そうすると、需要が減っていれば、値段が下がる方向に行かないのですか。今までの利益を確保しようとするから値段を上げざるを得ないということですね。

○公共料金等専門調査会古城座長 簡単に言いますと、今まで需要が10だとして、供給が10だとすると、10を10で割るから1で済みますね。だけれども、需要が5に落ちました。でも、供給が10あると5で賄わないといけないので、10割る5で単価を倍にしないとやっていけませんと、こういうことになるのです。供給を5に減らしてもらったら、ちょうど5割る5で1で前と同じなのですけれども、ここのところの値上げは全部それが理由で値上げしてきている。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 基本、タクシーは総括原価方式でされていますので、今、古城座長がおっしゃったように先に予算ありき、それも経営の費用も全部含めての予算ありきになりますので、それのつじつま合わせが今回の申請だと私は見ています。

もちろん、消費者にとって1.4キロが平均で皆さん乗っていらっしゃるのに、730円払わなくていいのではないかと、この発想は大変いいかと思うので、410円というスタートは、消費者にとってはとてもいい。ところが、中長距離を上げることによってつじつまを合わせていく。これを組替えという言葉で言い替えておりますので、もしこれが仮にこれでいいのだというようにして通ったときに、その後検証はきちんとなされないと、この方式でどんどん値上げをされていくケースが出てくるということなのです。

ですから、今回とても大事なことは、平均なのだから1.4キロで410円という初乗り運賃を決めました。ところが、乗車数がすごく減っています。それを増やすために410円にしました。試算をされているときに、これは去年と同じ予算を確保するための試算なのです。ですから、そこに矛盾があって、中長距離が高くなっていくということになっている。元々その原点が総括原価であるということを私たちがきちんと理解をする。もう少し競争力のある形にタクシーが今度はなっていったほうがいいのではないかというところを、今後見ていかなければいけないかなと古城座長も思っていらっしゃるのではないかと。私は何回も公共料金等専門調査会に出させていただいて、そのように思っている次第です。

ですから、かなり短期間に、これはスタートして半年あるいは3か月後にどのくらい410円で乗る方が増えたか。そして、中距離の人たちがどのぐらい増えたか、減ったか。そういう検証を3か月ごとあるいは6か月ごとにきちんと出していって、この組替えという方式が本当に消費者のためになったかどうかの検証をきちんとしていただけたらいいなと思っています。

○河上委員長 ありがとうございました。

長距離で乗ってくれたほうがランニングコストとしてはどう考えても安くなるはずですね。止めて、開けたり閉めたりということをやらないで、しかも、空で走る可能性は少なくなるわけだから、長距離になればなるほど今までより高くなるというのはどうしても解せなかったのですけれども、それはそういう計算方式の問題だということですね。

○公共料金等専門調査会古城座長 おっしゃるとおりで、大阪などで規制緩和の後、長距離をうんと下げたのは、すごくもうかっているのだから少し下げてお客さんを増やしたほうがいいというように業者が考えたので、委員長のおっしゃるとおり、それが合理的な料金ですけれども、今回の話は初乗りを下げるので減収になるということで、業界のタクシー会社が反対するところが多かったので、多分規制当局はその代わり、中長距離を上げるからということで、収支中立というので組替え案を業界の中でまとめるためにそういうようにした。もちろん、多分業界の中でも初乗りだけ下げて中長距離を上げないという意見の人もいたのだと思います。私の考えたのは、初乗りも下げる、中長距離も下げるのがお客さんを増やすには一番だと思います。それで、その部分は過剰供給力を削減してくれればコストが下がる。全部賄えるということだと思います。

○河上委員長 今回は組替えだからということで、原価計算書の提出を省略したのですね。

○公共料金等専門調査会古城座長 そうしたわけです。

○河上委員長 手続的には原価計算書は要らないということになっていたのでしたか。

○公共料金等専門調査会古城座長 それは今回初めてのアイデアで、2通りの解釈があると思うのです。総括原価だから、国土交通省の言い分は収入増を図った内容、つまり、料金水準は同じだから、その場合は要らないという理屈です。もう一つの理屈は、料金体系の一部でも上がれば、ちゃんと総括原価でオーケーかということを厳しくやるという考え方があるのですけれども、厳しくやると、今回のような値上げもやりたいのだけれども手続が大変だからやめるということになって動きがとれなくなるということがありますし、消費者委員会としても、そこまでやるのは、基本的には初乗りを下げるのはいいことですので、余り手続を厳しく言わないという立場をとっています。その代わり、事後検証をやってくれと。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本です。

1点だけ、これは検証のときに今回出されていた資料と実際の収支構造を見て検証していただくことになるので、一言では説明しにくいのかもしれないのですが、今回出された資料の中で、初乗りを410円に下げることによって、おおむねどのくらいの利用増が図られる前提でその試算をされていたのかという、一番手掛かりになる数字があれば教えていただけますか。

○丸山参事官 そちらの試算についての具体的な数字はございません。大まかな形でこちらのほうの初乗りを下げて中長距離のほうの値上げをすると、運送収入がどうなるのかについては試算として出てまいりましたけれども、それが大体現行の収入と変わらないというような数値結果が示されました。

○河上委員長 よろしいでしょうか。

ほかにはいかがでしょうか。

それでは、専門調査会からの報告について、委員会としての意見案を配付いたします。よろしくお願いします。

(意見(案)配付)

○河上委員長 行き渡りましたでしょうか。

「消費者委員会は、本日、公共料金等専門調査会から、本件に関する意見の報告を受けた。消費者庁において、本意見を踏まえ、国土交通省との調整を進めることを求める」という意見案でございます。

見ていただいたような形で、結論として、一応は認めるのだけれども、事後検証という形で幾つかの課題を条件付けているということと、それに伴って数点の留意事項というものもこれに加えておりまして、この点も含めて認めるということでございますが、これでよろしゅうございましょうか。

それでは、意見案の内容については、皆様の御了解をいただいたということで、原案をもって当委員会の意見といたしたいと思います。

古城座長におかれましては、短期間で難しい問題について取り組んでいただきまして、お忙しいところ、本当にありがとうございました。

また、今後ともよろしくお願いいたします。

(公共料金等専門調査会古城座長退席)
(消費者庁着席)

≪3.健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議の実施報告≫

○河上委員長 次の議題に移らせていただきます。

次の議題は「健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議の実施報告」でございます。

当委員会では、本年の4月に「健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議」を取りまとめまして、消費者担当大臣に、これを発出いたしました。この建議では、特定保健用食品や「いわゆる健康食品」の表示・広告の適正化等に向けた取組の強化や、特保の制度・運用の見直しについて、対応を求めております。

この建議を発出した後、9月には特保の取消事案が初めて発生いたしまして、建議での対応を求めた新たな科学的知見の収集と、それを受けての再審査の実施による事後チェックというものがうまく機能しているのかの確認をお願いしていたわけでございますけれども、実際にはこれが機能していないのではないかということが明らかになりました。

したがって、消費者庁において、今後、建議にどのような形で対応されるのかということを注視してきたところです。

10月28日に消費者庁から実施状況報告の提出がございまして、11月8日、15日と、委員間打合せで議論をさせていただきましたけれども、提出いただいた内容では、どのように建議事項に対応されるのかということが必ずしも明らかでない点がございまして、資料2-2がお手元にあるかと思いますけれども、このような形で、消費者委員会のほうから更に追加質問を消費庁に出したところでございます。

本日は、この追加質問に対する回答を中心に、建議への対応状況について聴取したいと思っております。

また、11月29日に消費者庁より公表されました特保の取消事案発生への対応についても聴取をしたいと思います。

あわせて、9月20日に開催されました第233回消費者委員会本会議で、機能性表示食品制度に関するヒアリングを行いまして、機能性表示食品の買上調査の結果、品質管理上の問題が見つかったことに対しての対応状況についても説明を求めましたけれども、この点も明確な説明が得られなかったために、再度、現時点での対応状況についてお聞きしたいと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

大変恐縮ですけれども、大体30分程度で御説明をお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 消費者庁でございます。

それでは、お手元の資料に即して、できるだけ簡潔にポイントを御説明させていただきたいと思います。

まず、資料2-1です。

実施状況ということで、これは先ほど委員長からお話がありましたように、4月12日付けで建議をいただいております。それについての消費者庁の実施状況ということで、10月28日付けで整理をし、御提出をさせていただいたものでございます。

ただ、先ほど委員長のお話にもありましたように、その後、後発事象がございました。9月23日付けで特保の6品目について、許可の取消しという処分をいたしまして、内容は、本来入るべき関与成分が規定量入っていなかった、その原因も定かでないという事案でございました。この6品目そのものは取消しという形の処分をいたしましたけれども、ほかにも同様のものがないかどうか、こういう問題意識で、9月27日付けで1か月の期限ということで調査をかけました。11月1日に1次報告をいたしましたけれども、うち7品目についてはまだ本当に規定量入っているのかどうか明らかではなかったということで、改めて11月29日に消費者庁のほうで結果をプレスリリースしております。そのときに、併せてこのようなことが起きたという反省の上に立って、再発防止策というのもその時点で整理をして公表をしております。

まずは、後発事象に当たります再発防止策、そこに至る経緯、それを簡単に御説明させていただいた上で、お手元の資料2-1及び資料2-2で追加で説明願いたいと御要請のありました点についても簡単に説明をさせていただきたいと思います。

まず、お手元の資料で言うと資料2-3、説明資料というものがございます。

時間の関係で手短にポイントだけの御説明にさせていただきますけれども、まず、1ページに11月1日付け、調査結果がございます。

先ほど申しましたように9月23日付けで特保の6品目の許可を取り消しております。それを受けてという形になりますが、囲いにあります9月27日付けで調査をかけました。調査期間は1か月ということで、まずは11月1日の時点で対外的に結果を公表しております。全体で、特保の事業者数で言うと201社、品目で言うと1,271ございました。それぞれ結果が出ておりますけれども、2)のマル1にありますように、その時点で、実際に販売されている品目は366でございましたが、7品目は分析中ということで、まだ白黒はっきりしませんでした。これについては、3)その他にありますように、11月末までに報告ということになっておりましたので、その結果を受けて、2ページにあります第2報の調査結果を公表しております。

結果でございます。201社のうち、2社は実は連絡先が不明でした。結果、残りの199社を対象に調査をしたということで、2社それぞれ1品目ありますので、最終的に1,271品目のうち2品目を引いた1,269品目について回答があったということです。このうち、実際に販売されていたのが366品目、これを分析中だった7品目を含めて、全ての品目の関与成分量が定められた量入っている、適切に含有されていたことを確認されております。したがって、許可の取消しになった6品目のように、入るべきものが入っていなかったものはほかにはなかったということでございます。

366品目は実際に売られていましたので、売られているものと、実際に定められた許可のときに入るべきとされていた量の突合ができました。売られていないものは、マーケットにない、世の中に実はないということになりますから、突合もできなかったということになります。現在販売されていない品目数というのが、全部で903品目になります。2と366と903を足し上げると1,271になる。こういうことでございます。

903品目のうち、将来的に特保として販売の予定がないものが196品目。販売準備品目というのが、許可をしてまだ間もない、量産に向けて今、準備中、まだ売られてはいないけれども、近々売る予定があるといったものが該当する。これが39品目になります。これが内訳でございました。ちなみに、196の失効予定品目のうち、11月29日の時点で35品目、実際に失効届が出ております。こういう状況になっております。

こういうものを踏まえて、併せて消費者庁のほうで再発防止策、今後の対策ということで、次の3ページのような形で対応を整理し、公表させていただいております。幾つかの問題意識があります。

3つに分けていますけれども、1点目、許可条件どおりの製品が販売されているか把握できていない。文字通り、入るべき成分量、それが規定量入っていない。許可をした時点ではさておき、その後、実際にどうかという面で見て、これは反省すべき点なのだろうと考えております。

2点目、青囲いになります。許可後に販売の状況が正確に把握できていない。1,270以上の許可品目がありながら、実際に売られていたのが366品目といったようなことで、こういったような点もいろいろ考えるときに、そのうちの判断材料の一つになる重要なファクトなのだろうと思っています。

3点目、新たな科学的知見の報告が法的に明確化されていなかった。許可の取消しをした6件につきましては、いろいろな形で事業者さんとお話をさせていただきましたけれども、入っていなかった事実が判明したのは、かなり古かったのではないかと思っています。それが、遅滞なく速やかに報告がなされていなかった。これについても制度を運営する側として反省すべき点はあったと思っています。

こういう課題のもと、具体の対応ということで右に1から6までを書かせていただいております。

1点目が、買上調査の実施でございます。これは実は資料2-1の中に、10月28日付けの実施状況報告では平成29年度から実施すると書かせていただいておりました。ただ、後発事象でこのような状況だということが判明いたしましたので、前倒しをする形で、一部今年度に買上調査を実施したいと思っております。具体の対象につきましては、今回の調査、9月27日付けの期間1か月の調査の中で、成分の試験の確認時期が平成26年4月から今ということで、2年以上の幅があります。その中でも古いもの及び第三者機関の分析でない自社分析のもの、こういうところにドライブをかけて、実際の買上調査の品目を選んでいきたいと思っております。

2点目は、第三者機関による定期的な分析の義務化及び消費者庁への報告でございます。基本的には、毎年1回、売られている商品について規定量、関与成分が入っているのかどうか、これは第三者の目でチェックをしてもらい、その結果は消費者庁に報告をしていただきたいという内容でございます。これは通知レベルの改正で対応ができると思っております。

3点目は、販売の有無に関する定期的な調査ということで、実は、先ほど1,271品目のうち売られているのが366品目と言いました。それについては、消費者庁のウェブサイトに許可の一覧というものがありますが、11月1日付けでその備考欄に販売しているという事実を書き込んでおります。それは9月27日付けでの情報になりますが、同様の調査を毎年1回やって、その結果をきちんと対外公表している一覧に追記をしたいという内容でございます。

4点目は、新たな科学的知見を入手した場合、消費者庁への報告をきちんとやっていただくということで、これは内閣府令の改正と書いております。現状はどうかというと、直接法令に基づくものではなくて、個別の許可を与えるときの条件に遅滞なく出してくれということをここで書いておりまして、別途、通知レベルでは30日以内というものもお示しをしておったのですけれども、1回許可を与えて売られた後のチェックという面で見ますと、いざ問題が起きたとき、迅速に情報をとる。これが規定になります。その意味では、新たに後発事象で科学的知見を入手した場合、報告をきちんと出してもらう。実効を高めるという観点からは、まずは内閣府令できちんと定めて、法的なオーソライズをまずやっていただいた上で、併せて具体的にどのような内容、情報というのでしょうか。それを出してもらうのか。具体的なわかりやすいニュアンスみたいなものも併せて施行までには検討して、実効ある報告が担保されるような形で検討を進めていきたいと思っております。

5点目、6点目は「済」になっておりますけれども、申請者と連絡がつかない品目について、先ほど言いました公表している一覧に状況等を追記しています。先ほどの調査でも、201社のうち2社は連絡がつきませんでした。本来、これは許可を与えた後、例えば社名が変更する、若しくは住所の変更があれば届出をいただくことになっていますが、それがなされていなかったということで、2社のうち1社については登記も抹消されておった状況でございます。これもそのまま放置もできません。かといって、連絡がつかないということをもって製品そのものの許可の取消しを行えるのかというと、今の制度の中では、それは難しいという判断に至っております。まずは連絡がつかないというところは、それは消費者に情報として提供して知っていただくという観点から、これについては11月1日の時点で対外的に情報公開しているという扱いをやっております。

6点目でございます。失効届の提出要請といいますか、これについても、特保の許可を与えるということは、正に売って、消費者にそれを提供するためのものでございます。許可を与えた後も、企業側の事業展開の一環でもう販売することはないということであれば残す必要はないという判断のもと、企業で失効相当だと判断したものについては、速やかに失効届を出していただく。それについては11月9日付けで今回の調査で事業者が失効と判断したものについては、遅滞なくというようにさせていただいております。あわせて、今後新たに失効相当というものが出てくれば、それについても同様に失効届を出していただく。それを射程に入れた形で11月9日に通知を出しております。

いずれにしましても、1回、許可を与えた後に、どのように適正な制度の運営を担保するか。これが正に一番大事な点だと思っております。そのためには、実際、マーケットで売られているものが、本来の性質といいますか、成分がきちんと入っているのかどうか。これは遅ればせながらになりますけれども、買上げという形でチェックをするとともに、第三者の目で定期的に確認をとる。あわせて、後発事象で当時想定されなかったようないろいろな科学的知見が生じた場合には、それをきちんと出していただく。これがどのような制度を仕組むにしても根本になりますので、まずはその点を法令という形で、きちんと制度的に整えた上で、実際にその運営に当たってどうするのか。それはまだ施行まで間があります。いろいろな方々の御知見も参考にしながら、消費者庁として考えていきたいと思っております。

以上が後発事象、今年の11月29日付けで公表しましたプレスリリースなり再発防止策でございます。

その上で、時間的制約もありますので、4月12日付けでいただいておりました建議について消費者庁がどういう対応をしておるのか、する予定なのか、それについて、資料2-1をベースに御説明をさせていただきます。

まず、1ページ、1の(1)の1)の(ア)になります。これにつきましては、表示・広告の適正化ということで、元になっております通知の規定がございます。これをきちんと見直しをして、必要なことを明記し、いろいろな検討をすべきという御指摘でございます。(ア)であります中ほどの「明記すること。また」とありますが、「明記すること」までの点につきましては、通知やQ&Aで許可の範囲できちんと表示すべきということを既に明記しておりますので、対応済みだと考えております。「また」以下のところ、これは具体的には例えば広告等の表示については必ず国の健康政策・栄養政策として、国民に常に意識してほしい事項と並列して、キャッチコピー的な広告を書いてくれ、そういうルールを設けることを検討すること。こういう内容でございます。この点につきましては、今、広告等については、いわゆる景品表示法なり、そういった法令で規制をかけておりますけれども、基本、これは表示義務を課すものではない。2ページの上にも書かせていただいております。したがって、広告の世界で必ずこういう表示・広告をしてくれまでの表示義務を課すことは難しいというのが今のところでございます。ただ、この点については、事業者に何らかの形で一定の協力を求める方向で対応したいと考えております。

この御指摘については、今、機能性表示食品につきましては、バランスのとれた食生活が大事といった、「バランス文言」と言っておりますけれども、それを広告に掲載することを事業者に勧めております。パンフレットでもそういうことを書かせていただいております。今、機能性表示食品でやっておるようなそういう「バランス文言」の広告への掲載について、特保につきましても追加掲載、これを何らかの形で事業者の方々にやっていただけないか。そういう検討を消費者庁でもしたいと思っております。

その次、2)特保における表示・広告に関する制限に関する周知ということでございます。これについて、違反のおそれのある事例を示した留意事項を消費者庁でも公表しておりますので、御指摘の趣旨を踏まえた対応をさせていただいておると考えております。

その次、3)健康増進法における誇大表示の範囲の一層の明確化ということで、これは健康増進法第31条に、確か見出しが誇大表示の禁止というものがありまして、「著しく」という規定がございます。この具体例をきちんと充実させて広く公開すること等々の御指摘でございますけれども、これにつきましても、広くそういう形で具体例を公開しておりまして、今年の4月1日以降は権限移譲という形で都道府県知事等々に権限を下ろしております。そういう権限の移譲先への周知も行っておるということで、これにつきましては対応済みという理解でおります。

この具体例につきましては、お手元の説明資料2-3の4ページに書かせていただいております。この留意事項の要約版が左側に来ておりますけれども、赤囲いで「著しく」とはということで、具体的にこうなのでというものを紹介したものを広く周知をしております。後でまた内容については詳しく御覧になっていただければと思います。

その次、この資料2-1の3ページ、4)消費者等への周知の強化のところでございます。これは(エ)ということで、いろいろな媒体を使って食育、栄養教育、高齢者への情報提供という視点等々、いろいろな御提言をいただいておりますけれども、これにつきましては、いろいろな周知活動を実施しております。特に食育についても、いろいろな政府の決定というものがあります。それに基づいて推進をしているということでして、詳細は4ページに書かせていただいております。中ほどに黒丸が2つあって、その下に「また、平成28年度から新たに義務化された栄養成分表示」うんぬんというものがありますが、ここがいわゆる消費者教育なり、食育の関係でございますけれども、これについては、食育基本法に基づく第3次食育推進基本計画、今年の3月に食育推進会議ということで、政府が決定したものがあります。そこでいろいろな省庁も関係しておりますけれども、連携してやっていくというような趣旨で、具体の取組方針が明示をされております。

実際に平成29年度のリスクコミュニケーション、これは毎年やっております。平成29年度もリスコミを今、考えておりますけれども、その題材として健康食品、これを取り上げることを今、検討しております。健康食品ですので、幅広く特保も含めてとなると理解をしておりますけれども、そのリスコミの実施に当たっては、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省と連携をしながら、実際にこの取組を進めていきたいと思っております。

あと、今、いろいろな周知・普及を消費者庁でやっております。インターネットを使ったやり方が多いということが実態でございますけれども、新たに来年の1月になりますが、これは口頭の御説明になりますけれども、来年の1月に政府広報室が発行します視覚障害者向けの音声広報というものがあります。「明日への声」という内容だと聞いておりますけれども、その中で、視覚障害者向けのCDを5,000部作る。関係機関に配布予定と聞いています。

では、5,000部作る視覚障害者の方向けのCDの内容というのは、保健機能食品、特保も入ります。保健機能食品について正しく理解し、バランスのとれた食生活に上手に活用するポイントを紹介する。こういう内容のものだと聞いておりますので、またそういったようなものも使いながら、消費者庁だけでなく、政府全体の取組になると思っております。視覚に障害のある方々は、情報を入手する媒体は限られます。そういう方向けにもきめ細かく、文字通り、バランスのとれた食生活があっての保健機能食品なのだ、健康食品なのだ、そういった周知もやっていきたいと考えています。

その次、この4ページの下の(2)になります。制度的な運用の見直しというところでございます。4ページから5ページにかけまして、いわゆる「UMIN登録」と我々は言っておりますけれども、特保の場合、ヒト試験、臨床試験をいたしますけれども、それを一定の水準を維持するためにとるべき手順、やり方というものが定められております。それに従ってやるようにという御指摘と、5ページの(イ)になります。特保の目的、健康増進・食生活の改善、これが正に基本的条件なのでということを明らかにすべきと。その2つの御指摘、御提言をいただいております。

まず、1点目の検証データの質を一定に保つこのUMIN臨床試験登録システムの件につきましては、倫理指針というものに基づいて御指摘の趣旨を踏まえて対応するということを、もう通知に明記しております。倫理試験に従ってヒト試験を実施する。それは「UMIN登録」という形とも同じものだと我々は理解しております。

(イ)の健康増進・食生活の改善、これにつきましても、実際に通知の中に明記をさせていただいております。これはお手元の説明資料の5ページ、6ページになりますけれども、5ページが特保申請に係る申請書作成上の留意事項と書いたものの抜粋でございます。ここに留意事項ということで、本文の3行目に倫理指針というものがあります。それに従って試験計画書を作成し、以下の点に留意のような形で書かせていただいておりまして、下になお書きで、試験計画書について、実施前に登録を行うこと。これが正に御提言の趣旨を踏まえた取組ということで御理解をいただければと思います。

6ページは、健康の増進や食生活の改善、これが一番大事な基本的条件なのだという御指摘でございます。これにつきましては、この通知の抜粋でございますけれども、柱書きのところにはっきり書いておるということでございますので、誤解なく、通知の上では整理がついたと考えております。

時間の関係で、次へ進めさせていただきます。

その次は、資料2-1の6ページになります。2)収去調査の実施というものがございます。

これにつきましては、先ほどの再発防止策と一部重複いたしますけれども、ここには平成29年度から特保の買上げを行い、関与成分の含有量を分析する調査事業を実施予定と書かせていただいておりますが、平成29年度からという悠長な話ではなくて速やかにということで、平成28年度に前倒しをして、これについては取組を行いたいと考えております。

なお、建議で御提言いただいております収去調査に対して、当庁の回答では買上調査というように、買上げと書いております。この違いでございますけれども、まずは買上調査をした上でまた必要があれば、要は違反の可能性が高いと見込まれるような結果が出れば、収去調査に移行するという形で、実質的に御指摘の趣旨を踏まえた対応だと理解をしています。法律上は収去調査と買上調査は別物で、例えば収去調査の場合は無償で現品をとる。食品衛生監視員という一定の資格を持った方が行うといったものだと理解をしております。今回は、一般にマーケット、市場で売られているものを実際に買ってきてというものになります。その上で一定の当たりをつけた上で、本当にこれは違反の可能性があるとなれば、食品衛生監視員の方に無償でという形の収去調査、これも活用することも念頭に置いて対応したいということでございます。

その次の3)規格基準型の範囲拡大検討ということで、今でも一定の要件を満たすものにつきましては、特保の許可を与えるに当たって、食品安全委員会や、消費者委員会の御審議をいただかなくても認められているものがございます。その間口を広げるという話でございますけれども、これはその下にありますように、実際に難消化性デキストリンの中性脂肪に着目したカテゴリーを新たに追加しております。これについては、お手元の説明資料の7ページに追加をしたものが、IVという形で入っております。従前は、そこの時計文字のI、II、III、これしか規格基準型の対象はございませんでした。それについて、今年の9月30日付けでこの通知の改正を行って、一番下、IV難消化性デキストリンの右から2つ目の欄になりますけれども、血中中性脂肪、これに着目したものも対象に加える。そのような見直しを実際にやっております。

その次、6ページの下から、4)特保の製品情報公開の義務化及び内容の充実といった御指摘でございます。

これについては、7ページの実施状況の下4行、特に2行にありますように、来年度必要な調査を実施したいと思っております。これは7ページの実施状況の最初の4行にありますけれども、現在、医薬基盤・健康・栄養研究所にデータベースがございまして、そこで特保の製品情報、収載をいただいており、情報としても公開されています。まず、これをベースに、これを充実させていくというアプローチで考えていきたいと思っておりますが、それについては、当然のことながら、医薬基盤・健康・栄養研究所、ほか、いろいろな関係の方々の御意見を踏まえてと思っておりますので、具体的な情報公開の範囲の方法、これは来年度調査を実施した上で、所要の対応を講じてまいりたいと思っております。

この来年度実施予定の調査のイメージでございますけれども、一番大事な点は、消費者がどのような情報をまず求めているのか。消費者から見て、欲しい情報が何なのかというのと、あとはいろいろな情報を公開する場合は、申請者の権利、知財というものが今、プロテクトされていますので、そういう面への一定の配慮というものが必要になるのかと。そういう観点等々をこの調査の中できちんと詰めて、情報公表及び公表内容の充実に取り組んでいきたいと思っております。

その下の4)5)6)、これは先ほどの平成29年度に必要な調査の中で、遺漏なく所要の対応を講じてまいりたいと思っております。

8ページ、2の消費者委員会として、早急な検討、しかるべき対応を求める事項、この関係でございます。

まず、(1)の1)で、健康増進法の改正関係のものがあります。これはいわゆる景表法の、囲いだと第4条第2項と書いてありますが、今は第7条第2項だと思っておりますけれども、不実証広告規制というものがございます。それを景表法だけでなくて健康増進法にも入れられないか、法の改正ができないか、こういう内容だと思っております。

ちなみに、この不実証広告規制は何ぞやというのは、説明資料の8ページを御覧になっていただければと思います。どういうものかというと、要は、立証責任の負担軽減だと理解をしております。消費者庁が、とある事業者に、まず一定の表示がなされている前提で表示の合理的根拠、資料提出を求めることができる。資料が提出されない、若しくは出されたものの合理的根拠が認められなければ、優良誤認と見直され、行政処分の対象となる。本来的にこれがおかしいと言う場合は、おかしいと言う人がおかしいということの立証をする必要がありますが、これはおかしいと言えば、相手方がこれは正しいのですと言わない限り、おかしいと。ここでいう優良誤認とみなされて行政処分の対象となる。そういうある意味強力な規定だと理解をしております。

この点でございます。資料2-1の8ページに、消費者庁としての考え方を整理したものを書かせていただいておりますけれども、まず、マル1に書いておりますのは、健康増進法と景表法、2つ法律がございますが、縦割りでばらばらの運用をしているのではなくて、一体的に運用をしておる。一体的運用によって適正な執行、迅速な執行を担保しているということが書いてあります。

では、一体的運用はどういうことなのかということが、マル2以下で書かれていますけれども、まず、景表法というのは、マル2の2行目にありますように行政処分、このための法体系であると。では、もう一つの健康増進法はというと、その下にあります行政指導、勧告です。そういう一定の立て付けの違いがあるということをマル2に書かせていただいております。

マル3に書いておりますのは、景表法、これは今、言いましたように第7条第2項に不実証広告規制というものがございます。これについては、文字通り景表法というのは処分のための規定ということで、速やかに改善させるということを、処分というところで裏打ちする形でやっていくということですので、その意味では強い規定になりますから、不実証広告規制のものを取り込んでやっている。

他方、勧告というのは、あくまで行政指導でして、まずは事業者にそういう点、注意喚起をやらせていただいて、表示を是正していく。是正という意味では同じなのでしょうが、手法といいますか、やり方が違う。そういう切り分け的なものがある中で、実際の運用は一体的にやっておるということをここには書かせていただいております。

その上で、9ページの(ア)のところの下3行になりますけれども、健康増進法上の勧告というのは、要は行政指導ということで、具体的な法律効果のない行政指導である勧告に、強力な権限である不実証広告規制を入れ込んで立法化ということは法制上困難というのが、今のところの消費者庁としての考え方ということでございます。

その下の(イ)の「著しく」という点でございます。これはそこにあります健康増進法第31条に「著しく事実に相違する表示」等々、「著しく」というのを2つ、ここにも書かせていただいています。「著しく」というものがあるから、いわゆる監視のハードルを自ら上げてしまって、対応がより狭められておるのではないか。そういう問題意識かと思っております。したがって、「著しく」という文言を健康増進法から取ることについて検討を行うべきという御指摘でございます。

この規定につきましては、説明資料の9ページに抜粋を付けさせていただいております。健康増進法の下のほうに「著しく」というものがあるということなのですけれども、これは本文にも書いておりますように、「著しく」がなくなってしまうと単なる表示の誤り、明々白々な事実関係の誤りのような、そういったような形式的な事実に相違する表示がある。では、必ず行政上の措置である指導をすることになるのかということで、その点についてのマル1の3行目から5行目にありますように、消費者の適正な商品選択に影響を及ぼすような表示の誇張、それが社会通念上一般に許容される程度を超える場合という形で運用するのがいいのではないかということで、実際、この説明資料の9ページを見ていただきましても、景表法にも第5条第1号の規定の抜粋がありますが、「著しく優良であると示し」とか、そういったような規定が入っておりますので、そういうバランス等を考えても、現行の整理というのは、必ずしも現場の運用に当たって不都合な結果を招来させているということまでは言えないのではないか。こういうことをここで整理をさせていただいております。

あと、この法改正の関連では、個別に確認をしたい事項ということで、この資料の2-2で、事項についてお示しをいただいております。

まず最初の不実証広告規制の関係では、この資料でいうと、4ページ目になるのでしょうか。アフィリエイト広告ということに着目して、本当に今、言ったような解釈、運用でいいのかという御提言をいただいております。この点、このアフィリエイターとかアフィリエイト広告というものがありますが、アフィリエイト広告というのはいわゆるインターネット広告のことで、アフィリエイターとは、インターネット広告の掲載先となっているウェブサイトとかメルマガ、そのものというか、その運営者も含めてだと理解をしています。

そういったことだと理解をしていますが、このアフィリエイトサイト絡みの御質問については、消費者庁としては、アフィリエイターによるアフィリエイトサイト上の表示については、景表法では規制の対象外ではある。その一方、健康増進法の規制対象ではあると考えておりまして、そのような表示が虚偽誇大なものであることを予見し、又は容易に予見し得た場合等、特別な事情がある場合によっては、健康増進法に基づく措置をとることがあると。

もう一回ポイントだけ言いますと、アフィリエイターによるアフィリエイトサイト上の表示は、景表法では規制の対象外ですが、健増法の規制対象であって、適切に必要な措置をとり得る、とっているということです。簡単ですが、口頭で御紹介をさせていただきたいと思います。

あわせて、もう一つその次に「著しく」を取る取らないという御指摘の関連で、健増法と景表法の法執行を行う際の考え方の違い、これの御説明というところがございます。これについては、景表法においては、一般消費者に実際よりも「著しく」優良と誤認される表示について措置命令。表示そのものがということになります。健康増進法のほうは、「著しく」人を誤認させるような表示について、違反者に対して表示改善を指導するといったようなことで、規定そのものの解釈なので、信用上はないかもしれませんけれども、その意味では、必ずしも一致したものではないと考えております。口頭の説明で恐縮ですが、補足まで御説明をさせていただきました。

時間の関係もありまして、駆け足で恐縮ですが、その次、資料2-1の9ページから10ページにかけてになります。健康食品の表示・広告に関する監視強化ということで御提言をいただいておりますけれども、その点は10ページにも書かせていただいておりますが、平成28年度、今年度から専門家を活用した監視事業をスタートしております。この10ページのインターネット監視事業、それから、電子商取引表示調査員に委嘱したシステムということで、このような形で一般の方々の御知見も、例えばこの電子商取引表示調査員は、一般の消費者等にも委嘱をするといったようなものでございますので、そういったものを使いながらやっているということを書かせていただいております。

10ページの下から、制度的なところがございます。まず、条件付き特保。これは存在理由を含めてよく検討という御指摘をいただいております。条件付き特保というのは、特保の審査で求められる有効性が一般のものよりもやや低いというか、科学的根拠のレベルが通常のものに届かない。だけれども、一定の製品全体で見ると有効性が確認できるものだということでございます。

これは機能性表示食品という制度ができたので、この存在理由はどうかという問題意識だと思っておりますが、説明資料2-3の10ページを御覧になっていただければと思います。釈迦(しゃか)に説法で恐縮なのですけれども、機能性表示食品ができたから特保が直ちに機能がダブるかというと、必ずしもそうとも言えないと思っております。特保の場合は、個別審査という形で消費者庁の許可のような形で、きちんと内容も許可に当たって要件をしっかりチェックするというものがありますが、機能性の場合は企業の自己責任ということで、疾病リスク低減表示もできない。届出制になっております。その意味では、それぞれ制度の違いもありますので、そういう点も踏まえて考える必要がありまして、この点については、そもそも条件付き特保が十分周知されていないということが御指摘の背景にあるのだろうと思っています。それについては、情報公開の一環で、先ほど言いましたように、医薬基盤・健康・栄養研究所のデータベースを充実する方向で、それに当たって、消費者が何を望んでいるのか、情報として何を欲しているのか、調査をかけることにしておりますので、その中で条件付き特保の必要性も含めて意向把握を行って、今後の検討の中に反映させていきたいと思っております。

○河上委員長 御報告を少し急いでください。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 わかりました。

その次の再審査制の有効性の検証のところでございますけれども、これは先ほど御説明した改善策のところとダブりますので、また質疑応答の中で御意見をいろいろ頂ければと思っております。

12ページの3)の特保の指導要領の改定ということで、審査に必要な検証データ、これを明確化するという点については、12ページの下3行にありますように、また御意見を踏まえて十分検討してまいりたいと思っています。

規格基準型について、12ページ、13ページにかけては、一度お諮りをしてルールも定めて対応しておりますが、そのルールに乗っかって、また追加のものがあれば必要に応じて御意見を伺いながら対応していきたいと思っております。

申し訳ありませんでした。以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただ今の御説明の内容について、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

阿久澤委員、どうぞ。

○阿久澤委員 これは今、御説明いただいた建議、あるいは先ほどの調査結果への対応、どちらでもよろしいですか。

○河上委員長 どこからでも結構です。

○阿久澤委員 では、建議のほうから、ただ今御説明いただいた内容について幾つか質問はあるのですけれども、まず第1点、消費者庁の資料でいきますと、6ページになりますが、私ども委員会のほうで用意したものでは資料2-2の3ページですね。2)の収去調査の実施の内容ですけれども、対応としては買上調査を実施し、問題がある場合のみ収去調査を行うというお話でしたが、これは今までなかったことを、いずれにしても来年度からするというお話ですけれども、ただ、このやることはいいのですけれども、なぜ収去調査を、そして、それを無作為に実施しないのか、あるいはそういうことはできないのか、教えていただきたいです。いかがでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 ただ今の御指摘でございます。

収去調査も重要なものだと思っていますが、まずはある程度絞り込みといいますか、当たりをつけるという意味では、買上調査をした上で、その次の収去調査に結び付けていくのが今のところいいのではないかと思っています。ある程度、この買上げや収去をした実績があれば、将来的には無作為で抽出することもあろうかと思っておりますが、しばらくブランクがあり、そういう中での取組になりますので、まずはある程度当たりをつけるといいますか、そういう前工程を入れた上でより効果を高めるという観点から、これは収去調査をやらないというわけではなくて、まず買上調査をし、その成果も踏まえた上でより有効な収去調査に結び付けていくということでございます。

○阿久澤委員 お答えになっていないのですが、ここに書いてある内容のことを繰り返して、今、口頭でお話をされただけです。この買上げと収去調査ですね。その目的は何なのか。お聞きしたいところですけれども、ここではやめておきます。その目的は製品品質の確認を行う。そして、消費者への不利益を防ぐためということだと思うのです。ですから、消費者庁所管前の厚労省の際は、これを収去調査として年に100件程度は実施していたわけです。消費者が安心して安全な消費生活ができる社会を実現するための消費者庁が、それをしていなかった。また、これからも非常に消極的な買上調査からということで、なぜ今までしていなかったのか、できなかったのか。目的からすれば、これは絶対にやっていなければいけなかったことだと思うのです。その辺のお考えはないですか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 これまでこういう調査をしていなかったということは、阿久澤委員がおっしゃったように、我々としても反省をしているところでございます。まずは、こういう特保の許可を6件取り消したという事態も発生したことを踏まえて、実際に売られているものを入るべきものがちゃんと入っているのか。それを抽出にはなりますけれども、国がきちんとチェックをするということを通じて、今後、反省の上になりますが、この制度の実効性を高めて消費者の方々の信頼を高めていきたいと思っております。

○阿久澤委員 今後、反省を込めてやるということですので、是非、そういう意味では、目的を見据えて、厚労省がやっていたような収去調査を無作為にやっていただければと思います。

○河上委員長 よろしいですか。

○阿久澤委員 この件に関しては。

○河上委員長 もしあれば、引き続きお願いします。

○阿久澤委員 そうしたら、もう一つ気になっているところで、再審査制の有効性の検討と見直しのところです。ここの検討についてなのですけれども、この建議の発端となった議論は特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会における議論にあったわけです。その具体的な説明を建議で今回求めたのですが、消費者庁からの報告ですと、新たな科学的知見の情報収集等に関する今後の検討について検討するとされていまして、建議への対応が行われたとは受け取れないと私自身は考えております。

そこで、建議の内容について改めてお聞きいたします。(イ)に関することですけれども、科学的根拠の報告が1件もない現状が事実と合っているのかどうか、また、その検証が行われたのか、疑問に思われます。もっと言うと、新たな科学的知見ということをどのようにお考えなのかを教えていただければと思います。

もう一点は、(エ)に関してなのですが、更新制の導入検討を行わないというのであれば、更新制の代替となるような試験水準の大幅な変化を再審査制の要件に加える検討を行ったのかということです。この2点です。

この(エ)に関することなのですが、この建議に至った専門調査会の結論では、更新制の趣旨を踏まえた更新制の代替となる再審査制に運用が変わるのであれば、更新制まで求めなくてもよいかなというところだった。こういうことから、建議では再審査制の有効性の検討と見直しとして建議をしたということですので、この2点についてお答えいただければと思います。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 まず、(イ)の新たな科学的根拠の報告が1件もない現状、これを検証したのかどうかという点でございます。この点、悩ましいところではあるのですが、まず、これは事業者が報告を怠った結果、報告がなかったというのか、それとも、報告案件がなかったから、そういう意味での報告がなかったのか。結局どういう評価になるかということかと思っていますが、その意味では、今回の日本サプリの6件を除いては、報告を怠っていた、本来なすべきことをサボっていたといいますか、しなかったという案件があったと言えるものは、今のところ、消費者庁のほうでもここで言うところの検討をいたしましたけれども、報告を怠ったものがあったということには今のところ、ならないというか、そういうものが具体的に何なのかと言われて、これだというものが我々としては言えるものがないということが今の実態でございます。

ただ、これは我々が今、言ったような形で、確かに認識はしていないと言いながらも、より掘り下げて、これは本当に検討する必要がある課題、テーマだとは思っておりまして、その点については、今、内閣府令の改正という手続に着目して、昨日から、実はパブコメもかける形で、内閣府令の改正手続は進めていきますけれども、それとある意味、整合をとる形で、我々も実際にこの府令の解釈、運用に当たってどのような形で科学的根拠、これを事業者の皆様に求めていくのか。もう少しわかりやすく示す余地もあるのではないか。そういう問題意識のもと、考えておるという状況でございます。まず1点目はそういうことです。

2点目の(エ)になります。この試験水準の大幅な変化が起こった場合の対応でございます。先ほどの我々の説明が舌足らずだったのかもしれませんけれども、この点について、我々としても、どういったような場合に、試験水準の大幅な変更に伴って再審査をもう一回やるべきとみなすのか。そういう点については、消費者委員会、ほか、いろいろな方々のお知恵も伺いながら考えていきたいと思っております。定性的に試験水準が少し変わったから自動的に過去もさかのぼって一旦ゼロベースで見直しをし、対応するというよりも、試験水準の大幅な変化の中身に着目して、それが実際に今の評価として改めてきちんと精査をし、ここでいうところの再審査という手続に乗せるべきかどうか。多分、これは実質的な判断も考慮するべきなのだろうと思っています。そういう点につきましては、問題意識は当然我々も持っておりまして、この検討をすることについては、正にそうすべき課題だという認識を持っておりますけれども、具体的に検討の結果どういうルールがいいのかについては、もう少し考えさせていただきたいということが我々の今の見解でございます。

○阿久澤委員 どうもありがとうございます。

今、お答えいただいた中の(イ)の問題ですが、これについては、事業者が報告を怠っていたということで、報告があったのは1件ということを、実際は1件だったということですので、報告の内容には変わりはないのですけれども、新たな科学的知見ということをどのように認識しているのかということが問題かと思うのです。それをお聞きしたかったのですが、お答えはいただけていません。自分で得た知見を新たな科学的知見と言っているのか。また、それに加えて他者が得た知見も新たな知見と言っていいのか、言うべきなのか、そこは言わなくていいのか、どうお考えですか。これは先ほどの取消事案の発生の対応についてでも、そこのところには触れておりますので、関連する内容かと思います。いかがでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今の点でございます。

この新たな科学的知見といいますのは、当然自社で把握した新たな事実、それも含まれますし、広く世の中、特にアカデミアの世界でいろいろな評価というものがあろうかと思います。そこのところでこれまでと考え方が違って、これまでの評価とは違う評価になるといったようなことも当然射程には入るし、今でもそれは入っていると考えております。

○阿久澤委員 そういうことですね。ということは、社会的な、要するに自他共によって得られた新しい知見ということになりますね。そうしますとその知見は、ばく大な量になるわけです。今回、それも府令に入れるということなのですが、それをまた更に義務にするということは、全くその実効性が乏しいのではないかと思いますし、それを事業者に報告させる。消費者庁は何らそこについては勉強しない、調べないという姿勢、これが今の建議の答えの内容にもあるのではないかなと思います。

ですから、新しい科学的知見ということはどのようなものか。そこから考え直して、新たな認識をしていただく必要があるのではないかと私は思います。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今の阿久澤委員の御指摘でございます。

新たな科学的知見ということで、当然特保制度を運用する消費者庁としても、自らそういう情報についてはいろいろな関係の機関と連携しながら知見の収集に努めて、いろいろな発信をしていく必要があると思っております。

今、食品安全委員会とは、いろいろな形でそういうやりとりも事務的にはさせていただいておりまして、そういうものも我々の知見の一つとして、いざこういう判断が求められるときに活用もしていきたいと思っております。

消費者委員会との連携、これはこの(ウ)にも建議の中に入っておりますけれども、その点については、我々もそうですが、また、よく消費者委員会のお考えも踏まえて、この提言を作られたというお立場で、どういう連携を望んでおられるのか。いろいろな形で我々のほうも受け止めて、やっていきたいと思っています。

いずれにしましても、事業者にいろいろな形でこの科学的な知見を報告させるとなると、どういったようなものなのかというのは、ある程度具体的なイメージが湧くような形でお示しをしないと制度の運用が難しいという御指摘はおっしゃるとおりだと思っております。その安全性の観点のいろいろな関わり、チェックといいますのも、消費者庁として主体的にいろいろなところとネットワークを持ちながら、今でも食品安全委員会とは事務的にそのような問題意識のもと対応はさせていただいておりますが、より実効あるものにしていくということもおっしゃるとおりだと思っておりますので、そこはそういう方向でよく整理をし、検討を進めていきたいと思っております。

○阿久澤委員 ありがとうございます。

食品安全委員会とは連携を持っているということで、それはとてもよいことですし、そうあるべきということから、このことについては、機能性表示食品制度の諮問に対し消費者委員会からの答申には附帯意見として食品安全委員会と連携を持ってやってくださいと言ったことが、ある意味、生きているかなと思っています。

(エ)のほうなのですが、これについては、御回答としては、実際にはその詳細については検討は今回はしていないけれども、今後は考えていくという理解でよろしいですか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 この点については、今の阿久澤委員のおっしゃったとおりでして、今、結論が出ている、方向性が出ているとは思っておりません。再審査制の有効性の見直しという重い課題、宿題というものを頂いておる中で、今、とりあえずその6件の許可の取消しに関連しまして、当座の再発防止策というものを御説明をさせていただきましたが、それをきちんと実効たらしめるためにも、ここの(エ)にございます試験水準の大幅な変化というものをどのように位置付けて評価の対象にするのかは、引き続きといいますか、今後ともよくいろいろな方々、特に消費者委員会のほうの御意見もいただきながら、我々のほうは考えていく。そういう御理解でよろしくお願いいたします。

○阿久澤委員 ありがとうございます。

それでは、今、対応についての話になっていますので、そこで気になっているところがありますので、すみませんがもう一点だけお伺いいたします。

今回、買取りというか、商品を提出していただいての検査ということだったのですが、これを抜き打ちにしなかった理由は何でしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 抜き打ちとおっしゃいますと。

○阿久澤委員 今回は提出させたということですね。ですから、それは提出させたのではなくて、こちらからそういったものを回収するというか、そういう形にしなかったのはなぜか。もちろん、提出というやり方もあるのですけれども。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今、阿久澤委員がおっしゃいましたのは、6品目の許可の取消しということで、入るべき成分が入っていなかったと。それがほかにも起きていないかということの調査で、まず、我々が買取りをなぜしていないのかということかと思います。ほかに同様の問題が起きていないのかというのは、速やかに結論を得て、まずは現状を把握し、必要があれば対応を打つという意味では、まずは事業者さんのほうのいろいろなデータ、自社分析のデータもありますし、第三者が調べた結果のデータもありますが、それと、本来許可の条件で認められた量の突合を速やかにするということで、ファーストステップで行ったものでございます。

ただ、今、阿久澤委員がおっしゃった自らが収去調査、又は買取調査の一環でチェックをするのも大事なことなので、それはまず全てに問題がないという一定の心証を得た後のセカンドステップで、平成28年度に前倒しで行っていくという意味で、少しタイムラグはありますが、御指摘の自らのチェック、これは非常に大事な点だと思っていますので、今から前倒しで進めていきたいと思っております。

○阿久澤委員 今回、私の質問している内容は、依頼者が製品を持ち込んだものを第三者が分析したということになるかと思うのですけれども、提出させるということは、基準を満たしているものとして作って提出することも可能なわけですね。また、消費者庁はそれだけの猶予、時間も与えていたかと思います。なお、それにもかかわらず提出が間に合わなかったということも聞いておりますけれども、間に合わなかった理由というのは、具体的にはどのような理由なのでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今、言われた間に合わなかったというのは7件のお話かと思っています。7件は、いずれもアウトソーシングで、外部の分析の第三者機関にチェックをお願いしたと聞いておるのですけれども、たまたま年末が近づき、かつ、限られたキャパのところにそういう分析の依頼が集中的にいった関係で、少し時間が欲しいという連絡があったと聞いております。

○阿久澤委員 そうですか。なかなか消費者庁、優しい対応だったかと思います。

ありがとうございます。

○河上委員長 阿久澤委員から随分いろいろ質問が出ておりましたけれども、結局、この追加質問の部分に余りきちんと答えられていないから、あのような形で質問が出てくるということなのだろうと思います。その意味では、もう少し真摯に追加質問に対して、回答をお願いしたいと思います。

もう一点、先ほど、お口にされたのですけれども、府令の改正をして、そして、それをパブコメに付しているという話があったのですが、今の説明の中では、具体的な中身について御紹介をいただけなかったのですが、どういう形に府令を改正して、パブコメに付そうとされているのですか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 ただ今の委員長の2点目の、今パブコメにかけております内閣府令の案について、これは委員の皆様に資料として席上に配付されておると伺っておりますので、簡単に御説明をさせていただければと思います。

このような形で12月5日付けの意見募集というものがあろうかと思っておりますが、よろしいでしょうか。この中に、後ろのほうに新旧対照表がついておりますので、この条文ベースで御説明をさせていただきます。

新しく第5条第1項に柱書きを立てる。今の第1項は、1項ずつずれる形になりますけれども、新しく第5条第1項ということで、特保の許可、これは健増法第26条第1項に基づく許可ということになります。これを受けた者は、当該特定保健用食品の安全性又は効果についての新たな科学的知見を得たときは、消費者庁に報告をしなければならない。許可を受けている特保商品の安全性、効果についての新たな科学的知見といった内容です。これを報告しなければならないという形で規定に書き込む。

第2項を一部変えておりますけれども、内閣総理大臣は、消費者庁長官が健増法第26条1項の許可を行った特保について、前項の報告について必要があると認めるとき、今でもその他必要があると認めるときというものがありますので、それに加える形で、前項の報告について必要があると認めるときにはという形で規定を追加しているということになっております。

第8条で別途見直しをするのは、いわゆる栄養素等表示基準値という別のもので、本来、昔措置をすべきだったものを今回するということですので、今回は割愛をさせていただきます。規定上は、今の第5条第1項、新しく入るのと、第2項、今で言う第1項がスライドしたものですが、一部規定の追加がある。こういう形になっております。

○河上委員長 ありがとうございました。

この変更に関しては、消費者委員会事務局との間で話合いはあったのですか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 その点は、なかったと理解をしております。

○河上委員長 卒然とこの、新しい規定を読みますと、5条の第1項で、新たな知見があったときに、消費者庁長官に報告すべき義務があるとしており、これは今までも通知でやっていたことですね。それを1項に立てた。第2項を見ると、「前項の報告について」、つまり、事業者からあった報告の中で、報告について「必要があると認めるとき」、その他、必要なとき。「その他」以下は今までどおりの条文ですが、前項の報告について、必要があると認めるときには、食品安全委員会、消費者委員会の意見を聞くのだとしています。つまり、これまでの消費者委員会に対する意見聴取の範囲が変わったのではないかという疑問があります。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今の委員長の御指摘について、我々は変わっていないと思っています。現行の第5条第1項の規定を見ましても、「その他」とありますが、要は必要があると認めるときということで、例えば今回の特保の6件の許可の取消しで見ますと、成分が入っているべきものが入っていなかった。これはもうその時点で特保の要件を満たさないようなものになっておりますので、そういったようなものは、速やかに許可を取り消すということで、ここで言う、「新たな科学的知見が生じたときその他必要があると認めるとき」というのは、例えば作用機序といいますか、因果関係の世界で、当初想定されていなかったようなメカニズムがあるとか、その結果、特保の許可を与えることについて、専門的な御意見を伺う必要があるといったような場合、「必要があると認める」というのは、そのような場合を念頭に置かれた規定ということで考えていまして、そういう観点といいますか、基本的な考え方については、今回変えないという形で整理をし、こういう形で条文化したつもりでございます。

○河上委員長 先ほど、阿久澤委員のほうから新たな科学的知見が生じたときの科学的知見の内容が、誰によって見出されたものかということも含めて御質問があったこととも関係するのです。従来の第5条であれば、「新たな科学的知見が生じたときその他必要があると認めるときは」というようになっていますから、新たな科学的知見が誰によって見出されようが、その件に関しては、消費者委員会の意見を聞かないといけないという形になっていたものを、そうではなくて、消費者庁長官に報告があって、その報告について必要があると認めるときに限って消費者委員会に聞くという形にしている。その意味では、意見聴取の対象の範囲が狭まっていると読まれる可能性がありますね。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 改正後の第5条第2項にありますが、「前項の報告について必要があると認めるとき」だけではなくて、「その他必要があると認めるとき」には、当然のことながら、御意見を伺うということで考えておりますので、今回の第5条第1項、新しく設ける規定に基づく報告がある場合という縛りはかからないと考えております。

○河上委員長 新たな科学的知見が生じたときでいいのですか。それも含むのですか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 この第5条第2項を見ますと、「前項の報告について必要があると認めるとき」ということで、「前項の報告」というのが、今、委員長がおっしゃった第5条第1項。ただ、そのときだけではなくて、その後に「その他必要があると認めるとき」は、当然のことながら、消費者委員会、食品安全委員会の意見を伺うというものがありますので、新しい第5条第1項の報告の有無にかかわらず、必要があると認められれば、食品安全委員会、消費者委員会の意見を聞くと。

○河上委員長 これまでも「その他必要があると認めるときは」とあったわけです。ですから、その部分は変わらない。ところが、「新たな科学的知見が生じたとき」という部分が変わって、その部分について報告があったときに必要があると認めるときという文言に変わっているのでそのような疑問を生ずるのです。こういう事柄に関して、恐らく関係してくる省庁との間で、あらかじめ意見のすり合わせをしておくというのは、これは政令改正をするときの常識だろうと思います。ですから、既にパブコメに出してしまっているということなので、大変遺憾ではございますけれども、こういうことについて、どういう内容にするのかということも含め、更に委員会事務局と御相談をいただければありがたいと思います。

池本委員長代理、お願いします。

○池本委員長代理 資料2-2の3ページ目の一覧表、阿久澤委員から出た買上調査と収去調査に関連して、一点補足で質問させていただきます。

先ほど御説明をいただいた中で、買上調査を行って、違反の疑いがあれば、収去調査に入るという言い方をされました。収去調査は食品衛生監視員が行うものであるとおっしゃいました。その前提として、買上調査というのは、誰がどのような調査を行うものなのでしょうか。どこかへ委託することも含めて、誰がどのようなことを行うものなのでしょうか。

そして、買上調査の結果、違反の疑いが出たときに、それ自体を監視指導などの権限に直接つなげる余地はないのでしょうか。

それから、収去調査を行う場合の実際の調査の中身、程度というのは、買上調査での調査の中身と大きく違うことなのでしょうか。

どうもお話を伺っていると、二度手間になっているように聞こえてならないのです。元々厚労省時代には、無作為の収去調査を一定数量やっていたということを、なぜそういう形にすぐに実行できないのかなということも含めて、その辺りの実情を教えていただければと思います。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今の御指摘でございます。

まず、買上調査を誰がどのように行うのかですけれども、主体は消費者庁になります。具体的な方法については、実際、商品を買ってみて、必要な成分が必要量入っているか等の分析、確認を行うということで、具体的にはそういう知見を持った国の機関等にお願いをするというような形でアウトソーシングといいますか、そういう形で運用したいと思っております。

あと、この買上調査の結果をどのような形でその後の監視指導につなげていくのかですけれども、買上調査の結果、もう明々白々に本来入るものが入っていない、若しくは著しく足りない等になれば、実際のデータを見た上でになりますけれども、直接的に監視指導につながることは大いにあり得ると思っております。

ただ、買上調査をした結果、これは幾つかサンプルを買った上での総合評価になろうと思っています。そういう意味で、もう少し追加的にきちんと調べるべきとなれば、次のステップの一環で、先ほど申した収去調査のようなこともあるのかなと考えています。

買上調査と収去調査がどう違うのかという御指摘でございますが、我々の理解だと、これは昔の厚労省時代もそうだと理解をしておるのですけれども、収去調査というのは、基本的に違反の蓋然性が高いといったものを対象にされておったと理解をしておりますので、そういうものが出てくれば、ストレートに収去調査ということも、これは当然あり得ると思っていますが、今回は違反の蓋然性の高い低い、有無にかかわらず、まず一般的な品質チェックをしないと、これまで品質担保という取組が厚労省時代と違って、消費者庁になってからなされていないということもありますので、まずは蓋然性が高い、低いにかかわらず、一定の買上調査を通じて確認をする。それをした上で、蓋然性が高いものが出てくれば、それに応じた対応ということで、御説明をさせていただいたような2段階といいますか、そういう切り分けをした形の対応を考えているということでございます。

○阿久澤委員 今の関連なのですけれども、食品衛生法、要するに厚労省ではもう既に先ほど私も言いましたけれども、今はもう目的が違うにしても、収去調査をやっているわけです。

○池本委員長代理 無作為でやっているのではないですか。

○阿久澤委員 無作為にやっています。消費者庁自身はそれを厚労省にお願いしてやっていただくということであるならば、かなりの数、特別区、2市以外の東京都における食品検査数は約年間12万件が実際に抜取り調査でされているわけですから、そういったものの中で実施できれば別にわざわざ買取りをしなくても、相乗りする形でそのサンプルを利用すればいいのではないかとも思います。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今、御指摘のありました収去調査については、消費者庁のほうでもよく、今、お話のあった厚労省の運用なりを踏まえて、またいろいろな検討をやらせていただきたいと思っております。

○河上委員長 池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

もう一点、今の資料2-2の2ページ目で、消費者への周知の強化というところについて御質問です。

消費者への周知の方法として、インターネットテレビとか、政府広報とか、あるいは1月からもまた視覚障害者向けの政府広報も利用するということも御説明があったのですが、むしろ消費者委員会からの建議の問題意識は、毎日のようにBSとかCSで健康食品のいろいろな広告が氾濫している。そういう中で、インターネットで広報をしていますといっても、例えば年配の方は余り見ていないわけで、これは多少予算のかかることかもしれませんが、本当に効果的なところへ、多少費用をかけてでも消費者に届く形で広報する必要があるのではないかということで提起したつもりなのですが、そういう辺りは検討なさっているのかどうか。いかがでしょうか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 今の御指摘につきましては、この消費者への周知という中で、媒体について、インターネットに余りウェイトをかけるのではなくて、もう少し幅広くということかと思っています。そういう点につきましては、先ほど申したCDを視覚障害者向けに5,000枚作ってというのも、これは政府広報の一環でやるものなので、まずは御紹介をさせていただきましたが、この建議の中ではBS、CSを含むテレビ、新聞、雑誌という形で、政府広報を実施と書いております点については、我々のほうでもその都度政府広報室のほうには、そういう活用といいますか、そういう媒体を使うことについての希望を聞いてもらえる機会はあります。今の実績は、今年度になってそういったような形で今のところ胸を張って御説明できるものはないのですが、引き続き、そういう媒体に、今、おっしゃった健康食品に関するいろいろな情報の提供、周知すべきという点については、我々も受け止めて、引き続き、関係のところとそういうお願いといいますか、相談、調整は進めさせていただきたいと思っております。

○河上委員長 中原委員、どうぞ。

○中原委員 不実証広告規制について、資料2-2では4ページの一番下のところになりますけれども、意見を申し上げます。健康増進法上の勧告は、確かに行政指導ではあるのですが、法律に基づかずに事実上、何かを求めるという行政指導ではなくて、法律に基づいて事業者の違反行為の是正を求めるタイプのものです。この種の勧告については、処分ではないので抗告訴訟はできないけれども、当事者訴訟で争えるという考え方が有力になっております。そうしますと、事業者に不当表示の違反行為があったのかどうかについて、訴訟で争われる可能性があり、その際に、不当表示該当性の有無について行政側に立証責任を負わせるのではなくて、事業者の側で一定期間内に資料を出していなければ不当表示とみなすというのが不実証広告規制ですので、健康増進法上の勧告についても不実証広告規制を導入することは法制上可能であると私は考えております。

もう一つは、更新制についてです。これはいろいろな経緯があって廃止されたのだと思いますが、今回の調査で、特保の許可を受けているもののうち、現在販売されておらず、今後も販売が予定されていない品目がかなり沢山あることが判明し、それらについて失効届の提出を依頼しているというご説明をいただきました。しかし、本来、こういったものは更新制によって対応するのが最も合理的ではないかと思われます。更新制がなければ、事業者の側は販売をやめたものについても失効届を出すインセンティブがありませんので、放置されてしまいますが、更新制であれば、販売しないものについては事業者の側は更新の申請をしませんので、自動的に失効することになります。また、申請者と連絡がつかないものについても、連絡がつかないだけで許可を取り消すのは難しいですが、更新制であれば、一定の期間が経過すれば失効することになります。更新の際にどの程度の要件を課すかについては検討の必要がありますけれども、更新制がこういった問題に対応するための最も合理的で実効的な仕組みではないかと考えます。

以上です。

○河上委員長 いかがですか。

○消費者庁赤崎食品表示企画課長 2点目の更新制のほうから御説明をさせていただければと思います。

今、委員がおっしゃったように、更新制を導入することによって実際に売られていないものの扱いだとか、事業者と連絡がつかないといったような扱いについては、クリアカットな対応ができるというのは、御指摘のとおりだと思っています。我々も制度を一旦許可した後、要はどうやって実効を確保するのか。それがこの課題の論点でして、それをどのような手段、やり方で担保していくのがいいのか。そういう選択の問題なのだろうと思っております。

過去の経緯で申しますと、平成3年にこの特保ができて、平成8年まで更新制があって、平成9年からなくなったと聞いておりますけれども、一応、制度全体の運営を消費者庁としてやるのであれば、この更新という形で、どのような形でその都度その要件を確認するのかというのはありますけれども、やるというやり方よりも、まずは現行は再審査制となっております。これがきちんとワークするのかどうか。これまでワークしていなかったという御指摘、御批判はそのとおりだと思っていますので、今回は、それを我々のほうでも本当に重く受け止めて、後発事象で科学的知見が生じた場合、届出を受けないといろいろな情報の入手パイプの大きなところが目詰まりを起こしてしまいますので、そこをどうやったらきちんと機能するようになるのか。

あとは、これも阿久澤委員、池本委員長代理からも御批判をいただいていますけれども、実際の現物のチェックすらしていなかった。厚労省のときはちゃんとやっていたという対比で言われておりました。そういう現行制度できちんとこれを機能させるためにどのような取組ができるのか。まずはそれでチャレンジをしてみたい。その結果も見た上で、また、それで不十分という話になるのかどうか。もしもそこまでやってもいろいろな問題がその後も出てきて、制度の円滑な運営がきちんと担保されていないとなると、今、中原委員がおっしゃったようないろいろな御意見も出てきて、いろいろな検討をすることになるだろうと思っています。

まずは一回猶予を頂く形で、現行、こういう再審査制という形の運用になっていますので、それをきちんとワークできるのかどうか。我々としては、今回の見直しを含めていろいろな検討をすることによって、これで十分更新制と同じきちんとした制度運営が担保できるのであれば、今のこのようなやり方で、まずは実効を期していく。それでどこまでできるのかどうか、まずはきちんと我々のほうで対応していき、その結果が不十分だと皆様方が御判断されるのであれば、またそのときにいろいろな御議論があるのだろうと、このように考えております。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

失効届など実際に届出が出なかったら一体どうなるのだろうかとか、ほかにも気になることはいろいろあります。今日、いろいろ御説明をいただいただけでは疑問が晴れるというところまではいきませんでしたので、本件につきましては、もう少し消費者委員会として議論をしてまいりたいと思いますので、一旦引き取らせていただければと思います。

消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

(消費者庁退席)
(厚生労働省着席)

≪4.身元保証等高齢者サポート事業について≫

○河上委員長 それでは、次の議題でございます。次の議題は「身元保証等高齢者サポート事業について」であります。

この案件につきましては、実は本年1月に日本ライフ協会の預託金の流用問題等が発覚しましたことをきっかけに、消費者委員会において調査審議を開始してきたものであります。これまで本会議において3回のヒアリングを実施して、高齢者問題の専門家あるいは消費生活センター、社会福祉協議会などから、本件に係る消費者問題についてお話を伺ってきたところでございます。ヒアリングなどによりまして、高齢者、特に身寄りのない高齢者の方が病院や施設に入る際の身元保証、あるいは日常生活の支援、さらには、自分の死後の事務処理といったようなことを行うサービスを必要としている実態があるということ。そして、これらの需要に対応する形で、サービスを提供する民間事業者がライフ協会のほかにも複数あって、また、一部の市区町村の社会福祉協議会や自治体でもそうしたサービスを提供しているものがあるということが明らかになっております。主にひとり暮らしの高齢者を対象とした、こうした新しい事業へのニーズというのは、これは今後高まることはあっても減ることはないというように思われます。

皆さんのお手元の資料3-1の5ページ目のところに身元保証等高齢者サポート事業に係る当委員会の問題意識というものを簡単にまとめてございます。

まず第1点目として、身元保証等高齢者サポート事業については、日本ライフ協会の破綻などにより、既に消費者被害が発生している状況ではありますが、その事業の実態は明らかでなく、指導監督に当たる行政機関も必ずしも明確ではないということであります。

第2点目として、身元保証人等がいない高齢者が、病院、福祉施設への入院・入居を拒否される実態がございます。実は、介護保険施設の基準省令において、正当な理由なくサービスの提供を拒むことは禁止されておりまして、身元保証人等がいないことは、この正当な理由に当たらないと考えられますけれども、一方で、病院、福祉施設等における身元保証人等へのニーズは強いようでありまして、そうしたニーズにどう対応すべきかという問題もございます。

さらに、第3点目として、身元保証人等高齢者サポート事業は、契約内容が非常に複雑になりがちでございます。また、主な利用者がひとり暮らしの高齢者であるということから、サービスの履行状況の確認も困難であります。事業者に多額の金銭を預託する契約形態でもございますし、消費者被害防止のためには、このサービスを適切に選択するための十分な情報提供とその履行に対する監視といったようなものも必要でございます。

高齢者向け身元保証事業の適正化については、全国都道府県議会議長会、これが本年10月に決議した国に対する提言の中でも、高齢者向け身元保証事業の適正化に関する事項というものがあります。

その中で第1、高齢者に対して身元保証、財産管理等のサービスを提供する民間事業者の不正を防止し、適正な事業の実施を担保するため、実態把握を徹底し、ガイドラインを示すなど、制度整備を進めること。

第2、高齢者が身元保証等の問題で必要な医療及び介護サービスの享受を阻害されることのないよう、必要な検討や対策を早急に進めることということが提言されております。

身元保証等高齢者サポート事業の主な利用者は高齢者でありまして、厚生労働省は「老人の福祉の増進に関すること」「地域における保健及び社会福祉の向上及び増進に関すること」「社会福祉に関する事業の発達、改善及び調整に関すること」「所掌事務に係る一般消費者の利益の保護に関すること」、これらを所掌しております。

本日は、この事業が適正に運営されるための取組の方向性について、高齢者を主に対象とするこの事業に密接に関わると考えられる厚生労働省から御説明をいただいて、若干の意見交換を行いたいと考えております。

厚生労働省におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

大変恐縮ですけれども、10分程度で御説明をお願いできればと思います。

よろしくお願いいたします。

○厚生労働省三浦老健局振興課長 どうもありがとうございます。

厚生労働省の老健局の振興課長をしております、三浦でございます。

本日はお時間を頂いて、感謝を申し上げます。

私ども、お手元に資料を少し用意させていただきました。どのような形で配られているのか私は存じ上げないのですが、横使いのパワーポイント、そちらの最後のページに、今、委員長よりお示しをいただきました問題意識に対応するものとして、私どものほうで調べました結果をまず御報告申し上げたいと思います。

9ページ、一番最後のページでございます。

私自身の御紹介を申し上げますと、私自身は施設の関係ではございませんで、在宅の高齢者の関係の仕事をさせていただいております。したがいまして、今、委員長より御報告いただきました5ページ目のマル2の施設の話を除いた形での私どものほうで調べました内容が、この9ページになっております。

身元保証等高齢者サポート事業、これは新しい造語かと思いますけれども、そちらのほうに内容として含まれておるようなサービスを少し分けて、どのような性質のものかということをまず分類をさせていただいて、それぞれが様々な法律の適用関係はこうなっておるということを私どものほうで関係省庁ですとか、あるいはその実際の事業に当たっていらっしゃる方からヒアリングを行いまして、当方の責任にてまとめさせていただきました。

9ページ目、主にこのサービスとして挙げられておる内容、身元保証と日常生活支援と死後事務というように3つに整理をさせていただきまして、まず、身元保証の保証人代行サービスといったもの、これは実態といたしましては、NPO法人ですとか、一般社団、社会福祉協議会、あるいは在宅の福祉サービスを提供している事業者などが行っておるという実態については確認をしております。

ただ、この事業については、一番下のところに参考と書いてございます。住宅確保要配慮者という単語がございまして、こちらの国土交通省が所管されております住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律というものがございます。こちらのほうで、都道府県単位、あるいは自治体単位で居住支援協議会というものを設けまして、そちらで住宅を確保する施策の一環として、身元保証も含めて、いろいろなサービス事業者を提供するといったような事業、これは安否確認なども含めた形でこの協議会では議論をされているということも含めて確認をいたしました。

2点目でありますけれども、日常生活支援として挙げられている部分、買物支援ですとか安否確認などでございますが、こちらは私どもの正に所管をしております介護保険の中でも、要支援といわれる方、あるいは要介護といわれる方も含めて一定のサポートをさせていただくような枠組みが平成27年度よりスタートしております。

1ページ目から8ページ目まで、それに関する資料を付けさせていただきました。27、28、29という3か年をかけまして、全市町村で実施をしていくということで、内容といたしましては、要介護者、要支援者の訪問介護ですとか、あるいは生活支援をしていく。見守りも含めて日常の困りごと、例えば庭の草を抜いたり、あるいは電球を交換したりといったような瑣末(さまつ)なことも含めて、困りごとについて地域でどのように対応していくのかということを自治体単位で考えていただいて、制度設計をしていただくという事業でございます。

こちらは介護保険、市町村が基本的には保険者となってございまして、1,579ございます。1,579のうち、この4月にスタートができているのが516、おおむね3分の1程度という状況でございまして、この日常生活支援に関しましては、順次拡大をしていきながら、来年の4月には100%になっていく。この準備を市町村に猛烈にしていただいているということでございます。

3点目、死後事務でございます。これに関しましては、更に分けますと、葬祭サービスと金融サービスに分かれた形で実施されているようでございまして、それぞれ全日本葬祭業協同組合連合会というところでは、中小企業等協同組合法に基づくサービス提供が、また冠婚葬祭互助会というところでは割賦販売法に基づきますサービス提供が行われているという状況でございます。

また、金融サービスといたしましては、少額短期保険、いわゆる少短という商品では保険業法に基づいてサービス提供がなされておる。あるいは遺言の信託という形で、信託業法に基づく規制の対象となっておる。このような状況かと思っておるところでございます。

したがいまして、指導監督に当たる行政機関も明らかでなくというように御指摘をいただいておりますけれども、一定の各項目について、それぞれつかさつかさという形で霞が関の中で分担をしながら業務に当たっておるのが実情かと思います。

一方で、御指摘の中でと申しましょうか、このマル3にありますようなサービス選択を適切に行うために、十全の情報提供がなされているのかという観点で申し上げますれば、私どもは高齢者の福祉を所管しております省庁といたしまして、出先窓口として、この資料でも4ページ目に付けております、地域包括支援センターというものが全国に約7,000か所ございます。こういった市町に設置されておりますサービス窓口などで、必要な情報提供を務めさせていただくということについては、むしろ今回、この一連の議論を契機といたしまして、問題意識を持たせていただいておるという状況でございますので、必要に応じて、総合調整機能を有しております消費者庁ですとか、あるいはここに掲げております関係省庁と連携をしながら、必要な措置について考えていきたい。かように思っている次第でございます。

私からは以上でございます。

○厚生労働省佐藤老健局高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。

5ページのマル2の介護保険施設についての御説明をさせていただきます。

介護保険施設、例えば特別養護老人ホームなどにおきましては、身元保証人などがいないと入所は認めないというような施設が一部に存在するという御指摘があるということは、承知をしております。この点におきまして、法令上、介護保険関係の法律におきましては、身元保証人を求めることを明文化した規定は当然ございません。これは契約に基づいて入所が決まるという中で、一部契約締結に当たっての必要上、そういったことを求めるところがあるということではないかと思っております。

ただ、一方で、省令では、身元保証人そのものということではございませんけれども、正当な理由なくサービスの提供を拒否することはできないとされておりまして、そういった規定に基づきまして、入所を希望される方に身元保証人等がいないということが、サービス提供を拒否する正当な理由には該当しないと理解をしてございます。こういったことを踏まえまして、介護保険施設に対する指導監督権限を持つ都道府県などに対しまして、身元保証人などがいないことだけを理由として入所を拒むこと、あるいは退所を求めるといったような取扱いを行うことがないように、適切に指導監督を行っていただきたいということを、私どもとしては各指導監督権者に周知しておる状況でございます。

以上が、介護保険施設の関係でございます。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 厚労省医政局でございます。

同様のマル2のところで、明確に触れてはいらっしゃらないですけれども、病院についても入院を拒否される実態が存在するという点について、一言申し上げたいと思います。

御案内のとおりですけれども、病院についても、身元保証人に関する規定というものがもちろんあるわけではございません。ただ、入院をしたいという患者さんに、身元保証人などがいないことのみをもって、病院への入院を拒むということ自体は、医師法19条で「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」といった規定がございますので、正当な事由に該当せず、不適切であるおそれがあると考えられます。このような場合には先ほどと同じですけれども、病院に対する指導監督権限を持つ都道府県等において、必要に応じて適切に指導等がなされるべきものと考えております。

以上です。

○河上委員長 説明は以上でよろしいでしょうか。

それでは、今の御説明の内容について、御質問あるいは御意見のある方は発言をお願いいたします。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

御説明ありがとうございました。

資料を御準備いただいて、大変参考になりました。私たち消費者委員会では、その資料3-1にもありますような問題意識から、この間、社会福祉協議会とか高齢者のサポート事業をやっている事業者もですし、幾つかの関係団体にも話を聞きました。特にそういう中で印象的だったことは、一つには、この資料3-2の9ページにありますように、様々な分野でそれぞれ断片的に業務を行っているところはあるけれども、例えば社会福祉協議会にしろ、その他の団体にしろ、自分たちが現在やっているところだけでは、例えば死後事務の問題とか、身元保証の問題などに積極的に入っていくといってもなかなかやり切れない。しかも、社会福祉協議会となると、規模的にも、あるいは対象者の収入、資産とか、様々なところで自分たちが全てを賄えるものではないけれども、接していく人たちの中には確実にこういった高齢者のサポート事業を欲している人が沢山いる。そういう人がきちんと手当てされていないという報告でした。

他方で、事業者の団体の方は、今、NPOとかあるいは個人とか、様々な人がこの種の事業をやろうとしている、あるいはやっているけれども、実態はよくわからないということを、複数のそういった声を聞いたわけです。9ページの資料は、これで賄えているという意味では恐らくないのだろうと思います。それぞれが実態を踏まえて、更に範囲を広げるべきところ、あるいはほかの部分との隙間をどちらがどう手当てするのかという課題があるのだろうと思います。正にそういう問題を、実態をまず調べていく必要がある、実態把握する必要があるということが、事の出発点なのですが、その実態把握をする上で最も適切なところは、高齢者の方に日頃接する機会を持っている諸団体の方々にお願いして動いてもらうことに尽きるのではないかと思うのです。その意味で、実態把握をいろいろお願いできるところというと、厚労省であれば地域包括支援センター、社会福祉協議会、民生委員、あるいは病院、あるいは各種の高齢者の施設という、正にそういう現場を持っている方々が沢山いらっしゃるので、そういう人たちにお願いして、もちろん全国全部を調べるというのではなくて、幾つかのところをピックアップしてお願いして、可能な範囲ということなのですが、そういう意味での実態把握をする必要性がないということなのか、それとも、実態把握する立場にないということなのか、実態把握の必要性のことについては、どういう認識でおられるのか、お伺いできればと思います。

○厚生労働省三浦老健局振興課長 振興課長でございます。

私がまず申し上げたいのは、今、おっしゃっていただいた地域包括支援センター、行政の一部でやっておるところもあります。ただ、7割は委託をしております。委託先は社会福祉協議会であったり、医療法人であったりします。私どもは介護保険の制度見直しというものを今、並行して議論しておりまして、その7割の委託を受けておるところの団体からは、今でも非常に業務は厳しいと言われております。必要か必要でないかという二元的な話ではなくて、どうしても業務の中で優先順位をつけていかなければいけないという御指摘を私どもは頂いております。

私どもで申し上げたいのは、今、ある様々な仕組みの中で網がかかっているものは、優良なサービスとして認められるものは沢山あるというのは事実だと思います。そういったものは、きちんとよいものか悪いものかということが消費者に伝わっていないとしたならば、それは改善すべき余地があるのではないかということをるる申し上げさせていただきました。そういう立場でございます。

○池本委員長代理 ちょっとどういうお答えだったのか理解できないのですが、実態把握そのものをする必要があるかないかではなくてとおっしゃったことの意味がよくわからないのです。私たちは、そういうまずは実態把握をする必要があると考え、それを行う意味での適任は、厚労省からそれぞれの関係団体、関係先にお願いしていくことではないか。もちろん、地域包括支援センターも民生委員さんも本当に多忙を極めておられることは重々承知しております。ただ、それに、この業務をこれからずっと継続的な新事業をやってくれということではなくて、これから先、誰が何をどうするのかを把握するためのアンケートなり、調査をすることで協力してほしいということをお願いできる立場は、高齢者福祉部門をおいてほかにないのではないかと思うのでお聞きしているわけです。いかがでしょうか。

○厚生労働省三浦老健局振興課長 権限という形で明確に私どもはそれを持っているわけではないということは確認したいと思います。

また、先ほどからの繰り返しになりますけれども、よいサービスがきちんとあって、それが選べる状況であって、しかも、それでありながら情報として伝わっていないのであれば、そこが目詰まりをしているのではないかということが、私どもの申し上げている次第でありまして、高齢者の福祉一般などという話になりますと、またそれは消極的な権限争いのような話になりますので、あそこの省庁はこういうことをやっていますよというお話をしても構わないのですけれども、恐らく生産的な議論ではないのではないかと思いますので、私はあえてここで申し上げない次第であります。それであるとしたならば、今、わかっていることでできること、かつ現場も含めて負荷の少ない方法で、かつ効果が上がるようなやり方を御検討いただけないかと私どもは考えております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本でございます。

もう一点、施設、これは病院であれ、各種施設であれ、そこの入所に関連して、身元保証人がいないことのみをもって入居を拒んではならないということを通知しておりますということの御説明がありました。

ただ、その施設の側から聞いていくと、もちろん、支払が滞っては困るという債務の連帯保証という意味もあるけれども、亡くなられた後の御遺体の引取りとか、様々な死後の事務的な問題があって、それが、全てが全て例えば自治体の側で引き取るというところにつなげてよいのか。むしろ円滑にやっていくために、ちゃんとみとりができる方は誰なのかということを明らかにしてほしい、その意味での身元保証人を付けてほしいという、いわば現場のニーズも他方ではある。そういうものが、今、ある公的な制度やあるいは民間の制度で足りているのかどうか。現場の人ではそういうものが足りないから、身元保証人を付けてくれということがニーズとして強くあるのだと聞いてきました。その辺り、単に施設の側に拒んではならないというだけでは解決になっていないのではないかと思うわけです。

その辺りも、まずは実態を調査してみなければ、例えば既存の制度につなぐことをしていない問題なのか、既存の制度だけではやはり使いづらいということなのか。そういった現場の認識、実情を把握した上で、先ほどから話題に出ている今ある既存の制度を周知するという対応でよいのか、それでは足りない問題なのか。それから、現にある身元保証、その他の高齢者サポートサービスでやっている民間の事業者をどう位置付けるのかという問題もその先に出てくるのだろうと思うのですが、そこも出発点の実態把握のところが十分できていないために、議論が前に進んでいないのではないかと思うのですが、そこの認識はいかがでしょうか。

○厚生労働省佐藤老健局高齢者支援課長 マル2のほうの実態把握という御指摘であろうかと理解をいたしました。

事業者というのは、いわゆるここでいう高齢者サポート事業なるものの事業者うんぬんということではございませんけれども、介護保険の介護サービスを提供する施設側につきましては、私どもが担当部局になります。これから需要がどんどん増えてくるという見込みがある中で、御指摘のように、まず実態把握をするということにつきましては、どのようなやり方があるのかは、いろいろ検討が必要かとは思いますけれども、一部現場の声として身元保証人を求めているという指摘があるということだと理解しておりますので、先ほど、冒頭に池本委員長代理から御指摘、コメントがありましたように、やり方はいろいろあろうかと思いますけれども、まず実態をもう少しつかんでいくということについては、基本的な認識としては重要なことであると考えております。

先ほど、冒頭申し上げました説明は、今年の3月に全国に周知したという状況でございます。直近のことではございますけれども、認識としては、そういうことかと思っております。

以上です。

○厚生労働省佐藤医政局総務課医療政策企画官 医政局でございます。

右に同じということではありますけれども、病院における身元保証人の取扱いについて若干補足いたしますと、病院と入院することを希望する方との間で、病院側から入院希望者に対して、身元保証人などを求めること自体は可能でございます。それは老人ホーム等においても同じだと思います。その上で、身元保証人がいないことのみをもって拒むといったことについては、先ほど申し上げたとおりの考え方に立っているということでございます。

御指摘の実態把握につきましては、網羅的に全ての病院になどということになると、なかなか事務負担等もございますので、既存のリーガルサポートさんの調査報告もございますので、それも見ながら、病院側としてどう考えるのかといったところ、あの調査内容は、そもそも後見人の話ですし、今回の問題視されている事業者さんと若干違うところもあろうかと思いますので、幾つかの病院団体に対し、その考え方を聴取するといったことはあり得るのかなと考えております。

以上です。

○河上委員長 病院について言うと、医師の締約強制がありますから、身元保証人がいないからといって簡単には入院を拒むことはできない。それはよくわかるのですが、実際問題として、例えば入院した後、亡くなられたりした後に、遺体を引き取ってもらう人が病院としても欲しいだろうし、緊急時に手術をするときに同意をもらう人が欲しいとか、病院としてもいろいろな要請はあるのだろうと思います。病院は病院でそういう事情があるときに、病院へ行く老人の側にしてみると、病院からそういう形で身元を引き受ける人、あるいは保証する人がいないのですかと言われると、これはとても不安です。現に病院の中で何か不幸があったときに、自分は一体どうなるのだろうか。それは市が引き取ってやってくれますと言われたからといって、それで安心できるものでもない。ですから、年をとってきて、身寄りがないということになったときには、誰かしら病院に行くときに付き添ってくれたり、身元保証人になってくれたり、場合によっては遺体を引き取って葬儀をしてくれたりというような人が欲しいという、こういう需要があることは明らかなのではないかと思うのです。

そういうときに、それぞれの業態については、因数分解してみると、担当する部局があるし、場合によっては市やいろいろなところが火葬もしてくれるからといって突き放してしまうわけにはいかないだろうと思うのです。そういう需要に対してひとまとまりのサービスとして事業を行おうとしているものがいるときに、それが今、一体どういう動きをしているのかを、サンプル調査でもいいからまずは調査してみて、できることから対応していく。場合によっては、そういう業態に対して一定のスタンダードを提供して、お金を預かるときには第三者が管理できるように一定の仕掛けを用意しなさいというようなガイドラインを示すとか、幾つかの対応策はありそうな気がするのです。

確かにやるべき行政事務の中での優先度から言って、なかなかコストパフォーマンスから考えて余り上のほうに上がってこないということかもしれないのですが、これからの重要なビジネスでもありますから、そこを厚労省に中心になって一肌脱いでもらえないかというのが、消費者委員会としての考えです。

全てを厚労省にやってもらわないといけないというわけでなくて、恐らく「サ高住」であったり、国交省がやっているようなもの、あるいは、例えば冠婚葬祭互助会などは経済産業省がやっていますけれども、そういう幾つかの関係省庁が協力して問題に対応しないといけないということでして、そこでのいわばリーダー的な役割を演じてもらえるとうれしいということだったわけです。ここから先、どう考えていったらいいのかは私どもも結論までたどり着いていないのですが、それぞれのところに良い制度があるのだからという言い方だけでは十分ではないということではないでしょうか。

○厚生労働省三浦老健局振興課長 まず、行政機関として申し上げたいのは、所掌事務の権限はそれぞれ決まっていまして、私どもには直接の総合調整権限というものはないわけです。ですから、ニュアンス的に内容的に我々がリーダーシップをとることは可能でも、各省、総合調整をするとなると、先日改正がされました国家行政組織法に基づく各省に設けられた総合調整のようなものがないわけではないのですけれども、基本的には消費者庁がまず音頭を取るのが筋だと思います。

それから、私どもも行政需要としてどう考えていくか。あるいはニーズについて、ないと申し上げているつもりは毛頭ないのです。ただ、限られたリソースですので、資源配分がないままに気持ちだけでやると、また部下も倒れてしまいますし、調査をするといっても、私どもは出先があるわけではありませんので、各自治体あるいは市町村にお願いせんといかん、あるいは社会福祉法人にお願いせんといかんという話になってまいります。市町村の話をすれば、先ほどの全市町村で実施する事業というのは、各市町村が今、ものすごい勢いで準備をしているところなのです。そうでなくても、今、負荷がかかっている状況なのです。ですから、そういった現場の状況については、私どもは様々な声を日々頂いております。我々も週末も含めていろいろなところの施設、現場とはコミュニケーションをとっておりますので、そのような中でのこのようなお願いだと御理解いただければと思います。

○河上委員長 もちろん、消費者庁には司令塔機能を果たすことが期待されているわけで、消費者庁にも関わってもらうことが望ましいと思うのですけれども、高齢者福祉の問題の全体の中で占めている重要性から考えると、厚労省が兄貴分であろうと、そういう感じがするものですから、まずはお声掛けをさせていただいたということでございます。

○厚生労働省三浦老健局振興課長 どうもありがとうございます。振興課長です。

高齢社会対応はそれぞれの行政分野でしていかなければいけない分野でありまして、例えば建物や公共交通機関に関しては国交省になりますし、各省庁、行政分野でそれぞれが、例えば振り込め詐欺とか母さん助けて詐欺などを警察庁がやっていらっしゃるのもその一環だと私は思います。ですから、少し高齢者にまつわるというだけで、私どもという期待があるといたしますれば、いささか過分なところはあるのではないかと思います。それに対する手当も含めて御議論をいただけるのであれば、もちろん、それは私も部下に含めて説得できると思いますけれども、なかなかリソースもないままにもう一肌脱いでくれというのは、現状では私は厳しいのではないかと思っております。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 ありがとうございます。

地域包括ケアシステムなど、非常によくでき始めて、実はうちの母は90を過ぎてこういうケアシステムのところに入らせてはいただいております。私はこの問題を扱っているときに、なぜこの問題が起きたのかを見たときに、日本ライフ協会が預託金を流用してしまった。そして、そこで消費者としての高齢者が非常に被害を受けた。それはどうしてなのだろうと思うと、そういう高齢者たちが求めているものは、それぞれに医療であったり、住まいであったり、支援であったり、介護であったりということはわかっているのだけれども、どこかで物理的な安心と精神的な安心を得たい。それを提供している企業がありました、そこを使ってみたらだまされてしまいました、そうしたら両方ともなくなってしまいましたということが、現代の高齢化の社会で起こったのです。そうすると、その問題をどう解決していったらいいか。一つは、事業者を厳しく監視するということはあるかもしれないけれども、それ以上に、私は、恐らくここで私たちが考えなければいけないのは、今、ここで一つ一つ点として存在しているケアシステムを一人の人が全部最後までケアしていただけるようなシステムに行政が変えていってくれる、その仕組みはないのかということが、大きな高齢社会を迎える上で必要なのではないか。

私はこの日本ライフ協会が破綻したことによって起こった問題は、これからの高齢者の在り方を突き付けられてきた問題だと思うので、消費者としての高齢者をどう守っていくのかといったときの、今ある地域包括ケアシステムの連携のさせ方、そういうところをもしどこかの省庁が音頭を取ってやっていただけるとうまくいくのではないかということが、私としての意見なのです。

ですから、非常にそれぞれで一生懸命やっていらっしゃるのはものすごくよくわかっていますけれども、今度は利用する側にとってみれば、一本の線につながっているということが本当はあればうれしいなということが本音ではないかと私はこの問題を捉えています。ですから、そういう視点でもう一度見直していただけるとうれしいかと思います。

○河上委員長 何かございますか。

○厚生労働省三浦老健局振興課長 振興課長でございます。

私も今のお話、きちんと理解できたかどうかはあれですけれども、地域包括ケアシステム自体は、厚労省のみで進めるものではありません。地域包括ケアシステムというと、スライドの中の3ページのところにありますけれども、医療、介護、予防、住まいというものが入っています。高齢者の生活の中で住まいが確実にあるということは基本的な部分だと思います。

また、生活の中では、例えば買物支援ですとか、厚労行政の枠にとどまらないようなお話が入ってまいります。例えば災害弱者にもなり得る存在でもございますので、そういったお年寄りをどう包括的にその地域地域で支えていくのかということに関しては、霞が関の中でも関係省庁とは連携をとりながら、今、正に進めているところではあります。こうした日本ライフ協会の事件、非常に不幸な事件だと私も思います。ただ、こういうことが起きないよう、孤立したお年寄りを作らないということが、私はまずは優先的に取り組むべき課題ではないかと思っております。

そのために、少しわかりづらい資料になりますけれども、幾つか付けておりますのは、地域のお年寄りを連携して、医療、福祉だけでも限りがありますので、例えば自治会さんですとか、あるいはもっと言うと消防さんですとか、いろいろな方が取り巻いていきながら寄り添っていく体制を作っていくのが私どもは優先課題だと思っておりまして、そこに専念させてやりたいというのが私の思いです。

○河上委員長 高齢者の見守りのシステムを作るというのは、消費者委員会からもお願いしている問題ではあるのです。けれども、今回のようなサービスビジネスが登場したけれども、打つ手がわからないといいますか、どこが責任を持ってというか、どこにこの問題についての面倒を見てもらえればいいのかわからない状態の中で、一番関係が深いことを考えて、こういう案を考えたわけであります。

本日は、厚労省からいろいろと御説明をいただいてここまで話が進みましたけれども、意見交換をしながらもなかなか難しいということを痛感しております。この身元保証人等高齢者サポート事業については、当委員会から3つの問題意識を挙げさせていただいて、それぞれの意見に対応するためにどうすればいいのかということについて、隔たりがあるところもございますけれども、ただ、全く無関係であることはないということはもちろん認識しておられるようで、厚生労働省、その他のいろいろな省庁が連携して問題に取り組んでいただかないと、この問題については解決が見えてこない。できれば厚生労働省が中心になってこの問題に取り組んでいただければと考えております。その上で、委員会としては、幾つかの関係省庁を名宛て人とする形で何らかの意見表明をさせていただければと考えているところです。

意見表明の内容について、また厚労省からもお知恵を頂戴して、できるだけ実効性のある形で、しかも、コストパフォーマンスの問題もありますので、何からできるのかということも含めて、今後議論してまいりたいと思います。

この問題につきましては、大変貴重な御意見をいただきましたので、消費者委員会において、引き続いて審議をしてまいりたいと考えております。

厚生労働省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力をいただきまして、誠にありがとうございました。

(厚生労働省退席)
(友行企画官着席)

≪5.その他≫

○河上委員長 次に、議題の「その他」といたしまして、消費者安全専門調査会の議論の再開と、設置・運営規程の改正について、事務局から説明をお願いいたします。

○友行企画官 消費者安全専門調査会につきましては、第1次の消費者委員会、第2次の消費者委員会では専門委員の方が任命されておりまして、テーマはそれぞれ違いましたけれども、調査審議されました報告書が提出され、それを受けまして、本委員会で何らかの意見表明をされたということがございます。

現在、第4次の消費者委員会に入っておりますけれども、より御専門的な調査審議を行っていただくために、消費者安全専門調査会を再開いたしまして、調査審議を行っていただければと考えております。

今回のこの消費者安全専門調査会につきましては、審議テーマといたしましては、消費者庁に集約されております事故情報の収集ですとか、分析ですとか、活用の在り方について、御議論いただければと考えております。

この消費者安全専門調査会を再開するに当たりまして、設置・運営規程を整えていただきたいと思っておりまして、お手元の資料4でございますけれども、見え消しで赤字のところで変更点となっております。大きく内容が変わるものではございませんで、御覧いただきますと、テレビ会議システムに係るようなところが追加になっております。第5条のところと第7条のところがテレビ会議システムを利用した出席者の氏名を入れるですとか、そういった部分につきまして、改正をお願いしたいと思っております。

以上でございます。

○河上委員長 それでは、ただ今事務局から説明がありましたとおり、新たな調査審議のテーマについては専門的な知見が必要ということで、消費者安全専門調査会を再開することにいたしたいと思います。

また、同専門調査会の設置・運営規程に関しましては、今、御説明いただいたような形でテレビ会議等々も可能になるような形で、資料4に掲げた形で改正をしたいと思います。御異議はございませんでしょうか。

御異議がないようですので、消費者安全専門調査会設置・運営規程を改正の上、専門調査会を再開することにいたしたいと思います。

最後に新開発食品の調査部会から報告事項があります。

阿久澤部会長からお願いいたします。

○阿久澤委員 それでは、特定保健用食品の表示許可に関わる答申について、私から御報告いたします。

平成28年9月27日に開催いたしました第36回新開発食品調査部会の議決について、新開発食品調査部会設置・運営規程第7条に基づき、委員長の同意を得て委員会の議決とし、11月30日付けで内閣総理大臣へ答申を行いました。

お手元の参考資料1の答申書を御覧ください。

内閣総理大臣より諮問を受けて、第36回新開発食品調査部会において安全性及び効果について審議を行いました結果、許可表示及びキャッチコピーについて再考を求めまして、それらの回答の内容については部会長一任とされました。その後、指摘に沿った形での回答がありましたので、特定保健用食品として認めることといたしました。

私からの報告は以上となります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。


≪6.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は、以上になります。

最後に、事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程や議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。

なお、この後、本日17時30分をめどに、本会議室、ここにおきまして、報道機関の皆様を対象といたしました委員長記者会見を予定しております。

○河上委員長 本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)