第228回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2016年7月12日(火)13:30~14:26

場所

消費者委員会会議室

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、鹿野委員、長田委員、中原委員、樋口委員、増田委員
  • 【説明者】
    株式会社三菱総合研究所
  • 【事務局】
    黒木事務局長、福島審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. オンラインゲームに関する消費者問題について
  3. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 それでは、時間になりましたので、始めさせていただきます。

皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第228回本会議」を開催いたします。

本日は蟹瀬委員が所用により御欠席となっております。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局からお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を付けさせていただいております。

資料1、資料2、参考資料となっております。

不足がございましたら、事務局までお申し出いただきますようよろしくお願いいたします。


≪2.オンラインゲームに関する消費者問題について≫

○河上委員長 本日の議題は「オンラインゲームに関する消費者問題について」というものであります。

オンラインゲームについて、国民生活センターによりますと、平成27年度にPIO-NETにオンラインゲームに関して寄せられた相談件数は、平成28年2月29日現在で約3,400件となっております。また、スマートフォンを利用したオンラインゲーム、いわゆるスマホゲームに関する高額課金については社会的な関心も高まっていると思われます。

本日は三菱総合研究所にお越しいただいておりますが、三菱総合研究所では、消費者庁の依頼により、スマホゲームの市場規模、利用者のゲームに対する支払額等の消費者の利用実態、あるいは消費者トラブルの状況等について調査をされたと伺っております。三菱総合研究所からこれらの点について大変恐縮ですけれども、20分程度で最初に御説明をお願いいたしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

○(株)三菱総合研究所 今回はこのような場をいただき、ありがとうございます。

今回は先ほども御紹介いただいたとおりなのですけれども、昨年度といいましても今年の1~3月なのですが、消費者庁の事業としてスマホゲームの動向について調査をいたしました。こちらについて御報告させていただきます。

資料1と2とありますけれども、資料2はアンケート結果の取りまとめになりますので、資料1を中心に御説明させていただきます。

1ページ目に目次がありますが、今回スマホゲームの市場規模と消費者の利用実態、消費者トラブルの状況の3点について御説明させていただきます。

3ページ目を御覧ください。

まず、スマホゲームとは何かという話なのですけれども、この定義がきちんとされていない状況がございます。主なゲームに関する市場規模を出しているレポートといたしましては、「ファミ通ゲーム白書」、「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート」というものがございます。「ファミ通ゲーム白書」の場合は、ゲームアプリ市場という言い方をしておりまして、スマートフォンとタブレット向けに提供されているゲームアプリ及びフィーチャーフォンのSNSで動作するオンラインゲームを合わせたものとしております。これに対して、日本オンラインゲーム協会さんが発行されている「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート」ではソーシャルゲームとスマートフォン・アンド・タブレットアプリゲーム、ネイティブアプリゲーム、ウェブゲームというように分けて統計が作成されております。ソーシャルゲームと言われているものはどちらかというとウェブブラウザで提供されているものが多く、通常スマホゲームと言う場合、これを外して、スマートフォン・アンド・タブレットアプリゲームとネイティブアプリゲームを合わせたものを言うことが、多いのかなという状況でございます。

市場規模については、4ページ目でございます。

こちらは「ファミ通ゲーム白書」の市場規模になります。2012年から2014年にかけてずっと右肩上がりに伸びてきているところでございますが、ソーシャルゲームもスマホゲームも合わせたものとして大体7,000億円ぐらいの市場規模とされております。去年の2015年のデータはまだ出ておりません。

5ページ目を御覧いただくと、「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート」の市場規模となります。まずこの左下の青いグラフ、こちらはソーシャルゲーム市場と言われるものです。フィーチャーフォンのウェブブラウザや、スマホのウェブブラウザを使って行うタイプのゲームですが、2012年の3,161億円をピークに最近は低調な傾向にあるというところでございます。

これに対して、右側のスマートフォン・アンド・タブレットゲーム市場ですけれども、こちらはいわゆるスマホゲームというものでございまして、スマートフォン向けにアプリとして配信されているゲームがほぼ全てになります。こちらは2013年から2014年にかけて7,359億円ということで、かなり増加傾向にあります。

なお、4ページ目のグラフと比べてみますと、この2つを足してみたら違うのではないかという話はあるのですけれども、それぞれ情報提供元等が違いますので、結果的には違う数字が出てきてしまっているところでございます。

基本的には、以前から問題になっていたソーシャルゲームと言われている市場については下がり気味な状況にありまして、現在はネイティブアプリと言われているものを中心としたスマホゲーム市場が拡大している状況でございます。

それでは、消費者はどのように利用していますかということについて調査させていただいております。

まず、この調査なのですが、資料2の1ページ目を御覧ください。そちらに調査の概要を書かせていただいております。

こちらは2016年2月の半ばから末ぐらいにかけてウェブアンケート調査を行っております。スクリーニング調査と本調査をやっておりまして、15歳以上の一般消費者を対象とし、スクリーニング調査でスマホゲームにお金を支払ったことがある人をそれぞれ抜いてきています。スクリーニング調査時点では1万人くらいにばらまいておりますけれども、本調査で詳細について実査をしたものは700人になります。

まとめとして資料1の7ページ目に大体の傾向を書かせていただいておりますが、スマートフォンの利用者のうち、スマホゲームで遊んだ経験者というのは68.9%おりました。うち、スマホゲームでお金を支払った経験者というのは24.3%でございます。

この中で、実際にこの利用頻度から後のページは実際にお金を払った人について聞いているのですけれども、お金を払った人については約7割がほぼ毎日ゲームをしており、若年層ほどその傾向が強いという結果でした。

支払の状況といたしましては、月間の平均支払額は1,500円未満が6割以上、また、ゲーム1タイトル当たりの支払総額については過半数が1,500円未満ということになっております。20代、30代、50代の年齢層が、ほかの年齢に比べて支払金額が高い傾向がありました。主に購入しているものとしては、全体的にはプレイに有利なアイテムが最多なのですけれども、未成年については有料ガチャが少し多めという傾向がありました。購入目的としては、「欲しいキャラクターやアイテムがあるため」ということが5割弱ということで最多でございます。

未成年の傾向といたしましては、中高生の8割弱、未成年の7割弱は親がスマートフォンの契約者になっておりまして、利用状況について親が確認しやすいのかなという状況ではありました。未成年のうち6割程度は親・家族に相談して、あるいは自主的にお金の支払に関するルールを定めているという状況でございました。

さて、詳細について御説明させていただきますと、まず8ページ目を御覧ください。

スマートフォンの利用者のうち、スマホゲームで遊んだ経験者は先ほど68.9%と申し上げました。先ほど申し上げたスクリーニング調査対象の1万804人のうち、6,373人がスマホゲームで遊んだ経験があるということでございます。そのうち、スマホゲームでお金を支払った経験は、8ページ目の右グラフのとおりですが、ゲームのアイテムを購入したことがあるという人も、有料くじをやったことがある人もそれぞれいろいろあるのですれども、支払った経験がある人は合わせて24.3%であったという状況でございました。こちらは重複回答ありとしていますので、このような結果になっております。

次に9ページ目を御覧ください。

お金を支払った経験がある者を年齢別に分けていきますと、大学生かつ成人している人が最多で36.7%でございました。大学生の中でも未成年と成年を分けて聞いていますので、その中で大学生の成年が36.7%、続いて社会人の20歳代が34.7%ということで、この2つのカテゴリのスマホゲームをやっている人は、3分の1がお金を支払っていることになります。

このお金を支払っている人たちの中で、実際にどのくらい利用していますかという話が10ページからになります。10ページ目を御覧いただきますと、右上のグラフの青と赤で「毎日」と「ほとんど毎日」というものを合わせると約7割が1週間のうち、ほぼ毎日ゲームをしております。これを年齢別に見ると若年層ほど多少多いということになります。60歳代も多かったりするのですけれども、これはサンプル数がすごく少なくなっていますので、その関係であると思われます。60歳代の場合は、そもそもお金を払っている人が少なかったので、偏りが出てしまったところがあります。

11ページ目は支払の状況ということで、調査のときに直近の半年に、月平均で幾らぐらい払っていますかと聞いた結果になります。6割以上が1,500円未満です。これに対して1万円以上支払っているという方はグラフの左上の部分のところなのですが、大体3%程度でございました。主な購入先が右下のグラフにあるのですけれども、プレイが有利になるアイテムなどが多かったということになります。

12ページ目を御覧ください。

こちらはゲーム1タイトル当たりの支払総額ということで聞いております。支払総額ですので、場合によっては2年間、3年間まとめての金額のこともございます。スマホゲーム1タイトルに対してどれぐらい最大払ったことがありますかと聞いたところ、それでも1,500円未満という回答が過半数でございました。こちらについては100万円以上や50万円以上などの回答をした方もいました。1万円以上支払った経験のある者が約16%という状況でございました。

13ページ目を御覧ください。

年齢別にこれを見ますと、先ほどの直近半年の平均の月間のほうで見ますと、どの年齢層においても1,500円未満が6~7割程度でございます。20代、30代、50代ぐらいになりますと、ほかの年齢層に比べて支払額が高い、例えば赤い色であるとか、緑の色とかが多い傾向がありました。

では、実際に何にお金を払っていますかということを14ページ目で見ておりまして、未成年と成年で分けてみたところ、比較的なのですが、未成年のほうがガチャを利用している人が多いという結果でございました。成年はどちらかというとプレイが有利になるアイテムのほうを選ぶという結果でございました。最も購入したものが右グラフになりますけれども、これも同様の傾向が見られております。

15ページ目では、購入理由を聞いております。結果として「欲しいキャラクターやアイテムがあるため」が5割弱を占めました。希少なキャラクターやアイテムなどは、有料ガチャの利用であるとか、プレイを進めていくことによって入手できる場合が多いことから、主な購入先として、プレイが有利になるアイテムやガチャと回答した利用者が多いということになっております。一方で暇潰しや長時間遊びたいという理由を挙げている人たちについては、主な購入先として、プレイ時間延長のためのアイテムを挙げているという傾向が出ておりました。

16ページ目、こちらは未成年の方が実際にお金を利用するに当たって、親との関係はどうなっているのですかということを確認するための設問でございます。オンラインゲームと直接関係のある設問ではないのですけれども、スマートフォンの契約者は誰ですかと聞いてみたところ、中学生、高校生ともにほとんどは親がスマートフォンの契約者となっていますということでございました。大学生になると、自分が契約者になる割合が大幅に増加するということになっております。

これはなぜ聞いたかといいますと、親が契約している場合は、親に通知を行かせることができますので、それによってお金の支払状況がある程度確認できるのではないかということで、どういう状況かを見たというものになります。

17ページ目、こちらも同様にオンラインゲームと直接関係はしませんが、未成年の方々が親とちゃんと支払に関するルールを作っているかということで確認をしたものになります。全体として、お金の支払についてルールがあると回答した人が59.7%でございました。これは親と決めている場合もありますし、自分で決めているルールということもありますが、足して、とりあえずお金の支払についてルールがあるというのが59.7%、プレイ時間、時間帯についてルールを作っているのが33%、その他、ジャンルであるとか、そういうことについてルールを決めているというものが33%いらっしゃったということで、全くルールがないというのが39.7%いらっしゃいましたので、この方々はそもそもお金についても特に何かルールを決めているわけではないということでございました。

消費者トラブルの状況について御説明させていただきますが、次の19ページを御覧ください。

お金の支払に関してトラブルになったケースについて聞いてみたところ、全体の2.3%ということでごく少数でございました。トラブル経験者の大半は成年の利用者でございます。具体的な内容としては「お金を支払って入手したアイテム等が適切に反映されなかった」というものでして、アイテムを買ったのだけれども、そのアイテムが買ったことになっていないとか、若しくは二重課金になっていたようなものがあるなどでございます。トラブル例を幾つか挙げておりますけれども、自分のアカウントを盗まれたみたいなものもありますし、知らないうちに課金されていたというケースについてもあったということでございました。親にばれて怒られたというのは、そもそもトラブル例に入れるのかという話はあったのですけれども、一応そういう回答があったということで入れております。

20ページ目では、そのトラブルが解決したかどうかについて聞いているのですが、トラブルの5割は解決していると回答がありました。支払った全額が返還されている利用者については、大体「期待通りのレベルで解決した」としている一方で、ゲーム内のアイテムによる補填を受けた利用者、例えばお金を課金してアイテムを買ったがそれが反映されなかったときに、そのお金がそのまま返ってくるケースとアイテムが返還されるケースがあったようですが、アイテムが返還される場合には「期待以下のレベルで解決した」としている傾向があります。右側のほうにどのような解決手段があったのかを書いているのですけれども、見ていただければわかるのですが、そもそもトラブルに遭った人の数が全体で16人という状況ですので、参考情報程度と考えていただければと思います。

私からは以上になります。

具体的な話につきましては質疑のときにもお答えできると思いますけれども、資料2に細かい情報は載せている形になります。

以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまから質疑に入りたいと思いますので、今の説明の内容について御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 詳しい御説明ありがとうございました。

6割から7割ぐらいが1,500円未満の課金であるという御報告なのですけれども、中学生ぐらいになるともっとその割合が高いということなのですが、その1,500円というのは、お小遣いのうちの何割程度であるかというデータをとられているのかということと、ほとんどが保護者が契約者で、保護者とルールの話合いはできているということなのですが、これがお小遣いの中に含まれているのか、お小遣いとは別に1,500円ぐらいまでだったらいいよとなっているのか、その辺はわからないのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 今、いただいた御質問ですが、2つとも私どものほうでは把握しておりません。

○河上委員長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 前提条件として、このアンケート調査の対象はどういう条件で選んだのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 こちらは元々のサンプルという意味では、アンケート会社のモニターを利用しております。

○増田委員 モニターの方。

○(株)三菱総合研究所 はい。

○増田委員 モニターとして登録されている方ですか。

○(株)三菱総合研究所 そうです。モニターとして登録されている方を対象としております。中学生についてもモニターとして抱えている事業者さんがありますので、そちらの事業者に依頼した形になります。

○増田委員 モニターとして登録されているとなると、条件として一般の方と少し違って意識が高いという評価がまず感じられるのですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 そちらにつきましては、アンケート調査という形をとる以上、そういう形にならざるを得ないところがあるかなというのはあると思います。もちろん、意識が高い方が登録されているかというと難しいところではあるのですが、本当にアンケートにも協力しない、こういうことを全く考えていないという方は確かにモニターに登録されていない可能性が高いですので、サンプルに多少のバイアスがかかる可能性はあると思っております。しかし、アンケート調査でやる以上回答していただかなければいけないので、結局のところ、どういう方法をとったとしても回答されないということになると、アンケート調査でやる以上はこういう結果になるのかなと思っております。例えばウェブと郵送でそれぞれ同じアンケート調査をしてみてもほぼ同様の結果となりますので、アンケートの手法を変えても大きな違いは出ないと考えております。

○河上委員長 モニター登録するときは何か条件みたいなものがあるのですか。

○(株)三菱総合研究所 それは事業者さんにもよりますので、我々もそこまで正確には把握しておりません。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

樋口委員、どうぞ。

○樋口委員 もしわかればということなのですが、そもそもの前提として、スマホの利用者が世代別でどのくらいいるのかと。この調査結果は、単純に言えば結果を利用者にかければ大体全体の母集団が推定できるということかなと思うのですが、もし世代別にある程度利用率といいますか、利用状況がわかれば教えていただければと思います。

○(株)三菱総合研究所 私どもで今すぐわかる形ではそのデータを保有しておりません。別途アンケートなどでそのようなデータは出ていると思うのですけれども、今すぐこの場にはデータを保持しておりません。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 アンケート結果のほうの22ページに、1タイトル当たりの支払総額が年齢別に出ているのですけれども、ゲームもいろいろな種類があって、例えばこれをもう少し分析すると高額にかけているのがこういう系のとか、何かそういう分析はされていらっしゃるのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 利用しているゲームによって違うのではないかということでしょうか。ここで聞いているのは、あくまで1タイトル当たりどれぐらい払ったことがあるかという経験と、プレイしたことがあるゲームを聞いています。このゲームがこの金額だったという結び付きまでは聞いていないので、出したときにそれが正確ではない可能性があるので難しいかなと思います。

○河上委員長 こういうものをゲームとして購入したというのと課金の額との間の相関のようなものはあるのですか。

○(株)三菱総合研究所 今回その情報は取得しておりません。どのようなゲームをプレイしているかについては、13ページ目に挙げているように聞いております。ここは自由回答で、1つだけ答えてきた人もいますし、いろいろなものを挙げてきた方もいらっしゃいますので、単純にこのゲームがということはなかなか言いづらいところがございます ○河上委員長 感覚的なものでも結構ですが、どうですか。

○(株)三菱総合研究所 このゲームが本当に高額課金の対象となっているとファクトとして言いづらいので、申し訳ありません。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 もう一点補足すると、そもそもゲームタイトルを見ていただくとわかるのですが、明らかに利用者が多いゲームがございます。そうするとそのゲームに払っているかのように見えてしまうのですけれども、そういうわけでもないということもあってなかなか難しいかなというところです。

1タイトル当たりというゲームのほうは、先ほども申し上げたとおりなのですが、今までの総額でございます。ゲームによっては3年間かけてこの金額だという可能性があるのです。つまり、高額課金といっても実際には1か月には1,000円ずつしか使っていないという方でも何万円の数字になってしまうということがありまして、それを高額課金と呼んでいいのかということにもつながってくるのかなと思っております。

○河上委員長 この課金に対しての支払をするときの支払方法などは大体決まっているのですか。

○(株)三菱総合研究所 支払方法というのは、クレジットカードかウェブマネーかとか、そういうことですね。

○河上委員長 いろいろな形があるかと思うのですけれどもね。

○(株)三菱総合研究所 今回そこは調査対象に入れておりません。

○河上委員長 このクレジットに関しての調査はなさっているということは、クレジットによる支払額が比較的多いとか、そういうことでもないのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 今回、支払方法として何を使っているのかというのは質問として入れておりません。

○河上委員長 わかりました。

長田委員、どうぞ。

○長田委員 この場合、未成年のスマホの利用者の契約が保護者であることが多くて、そうすると、その利用実態がわかりやすいのではないかと書いていらっしゃるところがあったと思うのですが、それはどこでわかるのですか。契約が親であるからといって、ウェブマネーというか、そういうもので支払った場合把握できるのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 確かにそうですね。元々クレジットカード決済であろうということを前提にして考えていたというところがあります。設問上そこをちゃんと明確に書いていないので、そういう意味ではウェブマネーのものが混ざっている可能性はもちろんありますので、ファクトとしては言いづらくなっているかなと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

このアンケートには、自由記載欄のようなものもあるのですか。

○(株)三菱総合研究所 はい。

○河上委員長 何か特徴的なものというか、気が付かれたようなものはありましたか。

○(株)三菱総合研究所 今回どちらかというとトラブルがどういう状況かということを調べようというのが最初の考えとしてあったのですが、余りトラブルということを言ってきた人がいなかったというのが正直なところでございます。そのため、自由欄にも余り特徴的なことは書いていなかったということがあります。ですから、そういう意味では我々もトラブルが多くあってトラブルの詳細が出てくるかなと思ったら、そこが出てこなかったというのが感想としてはあります。

○河上委員長 長田委員、どうぞ。

○長田委員 ということは、思ったよりトラブルが少なかったと考えるべきなのか、今回のモニター調査であるというところで、ある意味のバイアスがそこに少しかかっていると考えるべきなのか、どちらとお考えでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 全くバイアスがないということはないと思います。しかし、これだけの数の方に聞いた中で結局トラブルだと言ってきた方が余りいなかったということも言えるのだと思います。

もう一つ、今回、結構高額の支払をしている方もいらっしゃるのですけれども、その人たちがトラブルと言ってきたかというと、そういうわけでもなかったということがあります。先ほども委員長から最初の御説明のときにスマホゲームの高額課金問題が注目されているという話がありましたけれども、その高額課金ということ自体を問題と捉えている人と捉えていない人がいるのだろうというところはあると思います。高額課金自体がトラブルであると選択肢をおいて聞いていたら逆にそれがもっと増えた可能性はあると思うのですけれども、今回はどういうトラブルがあったかということを自由回答で聞いて、何をトラブルと捉えているかを聞くような形にしています。そうすると、そういう話を余りトラブルであると挙げてくる人がいなかったというのは今回の結果としては出てきたかなというところはあります。

○河上委員長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 社会的に見て、どういうものをトラブルと評価するかというところが個人の考え方で違うというのはそのとおりだなと思いまして、高齢者も自分が被害に遭ったことをわかっていないというケースもありますので、一生懸命ゲームをやっている方にとってはトラブルと感じないということがありますね。まずバイアスがかかっているところが少しあって、かつ、トラブルは一般的にどういうことをトラブルと言うのであろうというイメージがつかないということももしかしてあるのかなと。

○(株)三菱総合研究所 そういう意味では、今回はお金の支払に関してトラブルがあったかという聞き方はしています。そのような形で聞くことで、多少お金の方向には寄せた形で聞いている形ではあります。

○増田委員 一生懸命やってしまっているような場合だと、それをトラブルと感じない。端から見ると常軌を逸しているようなケースでもトラブルと感じていない方も実際にはいらっしゃるというのは、御相談を受けている中では感じているところがあります。パチンコ依存症の方なども多分そうだと思いますけれども、その辺のところも気になります。

○(株)三菱総合研究所 そこはアンケートの設計のときに、実際に当方でも検討したところではあります。しかし、例えばここに高額課金ということを選択肢として入れた場合、それがトラブルだと思っていない人も高額課金はしているよと答えてしまう可能性もあるというところをどう減らすのかというところで、今回のような設計にしたということになります。単に本当はトラブルと思っていない人までトラブルだと挙げてくるほうがいいのか、それとも、実際にトラブルだと考えている人が今回出したほうがいいのかということで、どちらを選ぶかということで、まず自分がトラブルだと捉えている人を挙げようというのが今回の調査であったと思っております。

○河上委員長 樋口委員、どうぞ。

○樋口委員 トラブルの問題や高額課金の問題もあるのですが、こう読んでよろしいかということなのですが、私はこの調査を見て非常に驚いたのは、例えばスマートフォンゲームという特定の遊びに中学生や高校生の7割程度の人がほとんど毎日、しかも、時間で言うと3割強の人は1時間以上スマホゲームをやると。スマホが非常に普及してきているわけですから、これだけのことが国民全体で行われているということ自体の、まずそのことがこの調査によると衝撃的な内容だったのですが、もちろんその中にトラブルの問題も出てくるとは思うのですが、スマホゲームがこれだけ普及しているということ自体のほうが非常に大きなことのようにとりあえず直感的に感じたのですが、そこはそういう評価をしてよろしいのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 今回の調査で言えば、スマートフォン利用者のうち7割ぐらいの方がスマートフォンでゲームをしているということは言えるのかなと思いますし、国民の中でも多くの方がやっているということは言えるでしょう。一方で、やっているゲームが何かという話をしますと、暇潰しに少しだけやっている方も多いわけですから、そうすると、昔で言うファミコン的なゲームのやり方とは違っている気もします。ゲームの位置付けが変わっている気もしておりまして、ちょこっと本を読んでいるぐらいの感覚、本ではないにしても漫画を読んでいる感覚ぐらいなのかもしれないなという気もします。

○樋口委員 例えば私たちはスマホ世代ではないのであれですけれども、テレビがよくつけっ放しになって、そういう1世代前の調査をすれば、恐らく1日に1時間程度テレビには向かっているよという中学生、高校生の回答があったかもしれないのですが、そういう層も含む可能性があるということですね。

○(株)三菱総合研究所 そうですね。本当に少しやっているだけというようなイメージでしかない方も含まれていると思いますので、そういう意味では、お金を支払っている方になってくると、大分能動的にゲームをやっている感が出ると思います。そうでない方は、もうちょっとライトな、テレビを見ているぐらいのユーザーのレベルで使っているのかなという気もします。

○樋口委員 わかりました。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

池本委員長代理、どうぞ。

○池本委員長代理 池本です。

これは先ほど質問が出たところの少し確認、補充なのですが、アンケート調査の6ページの、アイテムを購入したことがあると、ガチャを購入したことがあるという、その後の金額のところの内訳はここでは出ていないということだったのですが、クロス集計の仕方によってはガチャの場合が幾ら、アイテムが幾らというものが更に内訳を調べる余地があるのか、それはもうまとめた質問だけなので、これ以上はとりあえず分析は今はできないということなのか、そこはいかがでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 そもそも重複していろいろな課金をしていますので、それでは内訳をなかなかとれないだろうということでそこまではとっておりません。

○池本委員長代理 わかりました。

○河上委員長 大森委員、どうぞ。

○大森委員 動向の12ページの、ゲームの1タイトル当たりにどれぐらいお金を使っているかという円グラフなのですけれども、これは期間を定めていないとおっしゃっていましたね。今までずっとやり続けての金額と。

○(株)三菱総合研究所 タイトル当たりについては、期間は定めていません。

○大森委員 期間は定めていないのですね。これは1人かもしれないけれども、100万円以上使われている人もいるのですね。そのアイテムは何なのですか。

○(株)三菱総合研究所 アイテムですか。どちらに払ったかですか。

○大森委員 ゲームのタイトルは。

○(株)三菱総合研究所 申し訳ありませんが、そこはわからないです。

○大森委員 この人のことについては、詳しく調べてはいないのですか。

○(株)三菱総合研究所 はい。

○大森委員 この1万円以上の利用者とくくっていますけれども、結構10万円以上というのは、人数は減りますが、金額としては積み重ねて1万円と10万円以上というのは大分私のイメージでは違うのです。1つのゲームタイトルで10万円から100万円使ってしまうというのはどういうものがあるとか、そういう分析はないのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 先ほども申し上げたところなのですけれども、この人たちが今、やっているゲームというものは聞いていますが、それがこの本当に払ったゲームなのかという結び付きまではやっておりません。そういう意味では、完全にこのゲームであるということまでは言い切れない。ただ、もちろんこのゲームの可能性があるまでは出すことができます。

○大森委員 でも、わかりませんよね。昔がっとやっていて、飽きて今はこれをやっているとかね。

○(株)三菱総合研究所 そうです。

○大森委員 分析できていないということですね。

○(株)三菱総合研究所 今回のデータでは分析ができません。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

鹿野委員、どうぞ。

○鹿野委員 今、大森委員が質問なさったことと関連する点についてです。お金だけの問題ではないかもしれませんが、お金の問題に関して言うと、課金がなく利用している人が割合的には多いということではありますけれども、一方で、1タイトル100万円以上という人もパーセントとしては少ないとしても、いるということでした。あるいは50万円以上という人も含めると一定存在していて、それがどういう形でそのような高額の課金になったのかは、是非知りたいところです。これについては、今、分析できないというお返事ではあったのですけれども、これは質問項目との関連で分析が今回はできないということなのでしょうか。それとも、そもそもそういうことの分析は、どういう質問をしたとしても難しいということになるのでしょうか。今回されたことについてどうだというのではなく、今後もしほかの形で調査をする必要があるとしたときに、どういうことを考えればよいのかという判断材料としてお聞きしたいのです。

○(株)三菱総合研究所 やり方としては、アンケートでは難しいと思います。アンケートで抽出した上でグループインタビューであるとか、対面のインタビューであるとか、そういう形でしないと全然傾向が違うと思います。お金の支払う対象が、例えばガチャで払っている方とそのアイテム類で払っている方で違うと思いますし、それは大分設問を多く設定すればいけるかもしれませんが、どちらかというと対面でヒアリングしていく形で調査しないと出てこないような気はします。

こちらでも出ているとおり、数としてはそんなに多分高額な課金の方は多くはいらっしゃらないので、その方を抜き出してヒアリングをお願いするという形をとるともうちょっときちんと出てくるのかなと考えております。

○鹿野委員 もう一点、お金のことだけではないかもしれないけれどもと先ほど申し上げたのですが、時間的に相当依存しているような方がどの程度いるのかということについても知りたいというところがあります。今回は課金というところに力点を置いて調査をされたということですから、おのずとそういう分析視点ではされなかったということかもしれませんが、資料1の先ほども指摘された10ページのところで、1週間当たりの利用頻度というものがありまして、7割ぐらいの人がほとんど毎日これを利用されているような結果も出ています。ただ、ほとんど毎日といっても、例えば電車の中でちょこちょことするということもあるかもしれないし、もっと、1日中それに向かっているということもあるかもしれないしと、いろいろなタイプが考えられると思うのですけれども、その1日の内訳というのは、今回はとっていらっしゃらないということなのでしょうか。

○(株)三菱総合研究所 資料2の11ページ目を御覧いただきたいのですけれども、そちらに1日にどのくらいの時間遊んでいるかというのは聞いています。確かに1時間以上と回答する人がいらっしゃる一方で、5分とかそれぐらいで終わらせている方も多い。全体としては大体30分、1時間未満までにはなっているのですけれども、見ると特に若いほうだと1時間以上という方も結構いらっしゃいます。

○鹿野委員 教えていただきました資料2の11ページの母数というのは、先ほどの資料1の10ページで言うと、そもそも余り利用しないという人たちも全部含めてということなのですか。

○(株)三菱総合研究所 1の10ページの人たちと母数は一緒です。

○鹿野委員 ということは、毎日やる人もあるいは余りやらない人も含めてのパーセンテージが、この資料2の11ページに記載されているという理解でよいのですね。

○(株)三菱総合研究所 この2つのクロス集計はこの資料には載せておりません。それは別途出すことは可能ですが、データは消費者庁様のものとなっておりますので、ご相談ください。

○鹿野委員 ありがとうございました。

○河上委員長 長田委員、どうぞ。

○長田委員 資料2の5ページの利用経験のあるスマートフォンゲームの種類で、全て無料のゲームというもののダウンロード経験が80.9%になっています。いわゆるフリーミアムのゲームを入れている人が36.3%で、その人たちに対して、もしこの後の購入経験などを聞くとパーセンテージが大分変わる。元々が全部無料のゲームを入れている人は全然課金のしようもないので、だから、それを省いた形での数字は出せますか。

○(株)三菱総合研究所 それは、どの質問に関してでしょうか。

○長田委員 例えば6ページでスマートフォンゲームでの購入経験を4,391という上と同じ数で見ているのですけれども、だから、この36.3%の人に絞ってもし数値を見るとどうなるかというのは出していただけますか。

○(株)三菱総合研究所 それは本データから導き出すことは可能です。

○長田委員 もしいただければ是非と思います。

○(株)三菱総合研究所 それはフリーミアム型のゲームの中でということで良いでしょうか。

○長田委員 はい。

○(株)三菱総合研究所 わかりました。

○河上委員長 それは後で出していただけますか。

○(株)三菱総合研究所 このデータは消費者庁様に納品しているものですので、消費者庁様にご相談いただきたく存じます。

○河上委員長 お願いいたします。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 資料1の14ページについて教えていただきたいのですけれども、未成年と成年を比較すると、未成年は有料ガチャにお金を支払う割合が高いということで、プレイ時間延長というのは成年に多いようなのですが、これは何かアイテム、サプリみたいなものを買って時間を延ばすというものですね。

○(株)三菱総合研究所 そうですね。回数を増やしたりなどです。

○増田委員 そのほかに、このプレイの有利になるアイテムとガチャで得られるアイテムというものの性質というのは、ガチャの場合、レアアイテムあるいは有利になるアイテムというものも出てくるかと思うのですけれども、内容についてその辺というのはおわかりですか。

何が言いたいのかというと、このガチャを購入するというのはプレイが有利になるということと同一なのか、それとも何か価値がある、売ると高くなるようなレアアイテムなどということも聞くのでそういうものなのか、その辺のところというのは。

○(株)三菱総合研究所 ここはすごく難しいところでもありまして、ゲームによって全くその性質が異なることから、ここは一旦こういう形では引いたけれども、その中を分析するのはなかなか難しいというところではあると思っております。ゲームで強くなるから買うのではなくて、例えばアイドルなどと連携しているようなタイプのゲームの場合には、ファンだから買うというものも含まれます。そうすると、それはどちらに分類すれば良いのかという話になりましたので、一旦こういう形で聞いてみたいという形になります。ですから、プレイが有利になるアイテムと言っているのは、そういうものをはじくことができるだろうということで分けております。

○増田委員 ありがとうございます。

○河上委員長 この調査については継続的にフォローアップするような予定はあるのですか。

○(株)三菱総合研究所 この事業としては昨年度の時点で終わったものになりますので、特に今年継続するという話は私どもでは今のところ把握しておりません。私ども自身が特に本事業と関係なくこのような調査・研究を続けるかどうかというと、継続して何かやりたいなとは思っておりますが、どのような形で、何をやるのかはまだ特に決まったことはございません。

○河上委員長 先ほどから出ていますけれども、かなり異常な額を使ったケースなどを個別に調べてみないとわからないことがたくさんありそうな感じがしますけれどもね。

ほかにはいかがでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 重複になるのですけれども、金額で1,500円というとすごく少なく感じますけれども、中学1年生ぐらいであったらお小遣い全体が1,500円ぐらいの子も結構いると思うので、可処分所得のどれぐらいになるのかとか、それがゲーム代とお小遣いが別なのか、一緒になっているのかで大分変わってくると思うので、その辺も併せて調べていただけたらと思います。

○(株)三菱総合研究所 今回は設問数の限界もありましてそこまでは調べておりませんが、今後やることがありましたらそういうことも含めて考えたいと思います。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。

よろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。本日は三菱総合研究所にお越しいただいて、スマホゲームの市場規模、消費者の支払やトラブルの状況等、その実態について詳細な御説明をいただきました。

当委員会としてスマホゲームに関する消費者問題については、引き続いて有識者へのヒアリングなどを行うといった形で調査を続けていきたいと考えております。何もスマホゲームを敵視しているわけでは全くないのですけれども、それでもって消費者、特に子供や若年者の間で、それに没入してしまって、いろいろな生活上の問題が生じたり、金銭だけの問題ではないわけですので、様々な問題が生じている可能性があるのではないかということを懸念しているものですから、そういうことを含めて検討を続けてみたいと思います。また、いろいろな形でお知恵を拝借できればありがたいと思います。

三菱総合研究所におかれましては、お忙しいところを審議に御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

(株式会社三菱総合研究所退席)


≪3.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は以上になります。

最後に事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議の日程や議題につきましては、決まり次第、委員会ホームページ等を通じてお知らせさせていただきます。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

なお、今後の日程のことでお話がございますので、委員の皆様には、本会議が終わりましたら委員会室にお集まりいただければと思います。

それでは、終わります。

(以上)