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第215回 消費者委員会本会議 議事録

日時

2016年3月23日(水)9:44~11:30

場所

中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室(東京都千代田区霞が関3-1-1)

出席者

  • 【委員】
    河上委員長、池本委員長代理、阿久澤委員、大森委員、蟹瀬委員、長田委員、中原委員、樋口委員、増田委員
  • 【専門調査会】
    特定商取引法専門調査会
    後藤(巻)座長
    村座長代理
    消費者契約法専門調査会
    大澤委員
    後藤(準)委員
  • 【説明者】
    消費者庁
    井内審議官
    加納消費者制度課長
    桜町取引対策課長
    金融庁
    黒井総務企画局企画課信用機構企画室長
    西尾監督局総務課金融会社室長
    大畠総務企画局政策課企画官
  • 【事務局】
    黒木事務局長、小野審議官、丸山参事官

議事次第

  1. 開会
  2. 特定商取引法及び消費者契約法の改正について
  3. 電子マネーに関する消費者問題についての建議の実施報告について
  4. その他
  5. 閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

≪1.開会≫

○河上委員長 皆様、本日はお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。

ただいまから「消費者委員会第215回本会議」を開催いたします。

本日は、鹿野委員が所用により御欠席となっております。

それでは、配付資料の確認につきまして、事務局からお願いいたします。

○丸山参事官 お手元の議事次第の下部のほうに配付資料一覧を記しております。

資料1-1から資料1-9までが、特定商取引法、消費者契約法の改正に係る資料となっております。

資料2-1、資料2-2が、「電子マネーに関する消費者問題についての建議」、金融庁説明資料となっております。

それから、参考資料1、参考資料2となっております。

もし不足がございましたら、事務局のほうまでお申し出いただきますよう、よろしくお願いします。


≪2.特定商取引法及び消費者契約法の改正について≫

○河上委員長 それでは、最初の議題ですが「特定商取引法及び消費者契約法の改正について」であります。

特定商取引法及び消費者契約法に係る規律の在り方を見直すことについては、内閣総理大臣からの諮問に対しまして、ともに本年1月7日付けでそれぞれ答申を発出いたしました。その後、消費者庁において法改正に向けた検討が進められ、3月4日に各改正法案が閣議決定の上、国会に提出されました。本日は、それぞれの改正法案の内容について消費者庁から御説明をいただき、その後、質疑応答、意見交換を行いたいと思います。

なお、本日は、特定商取引法、消費者契約法の各専門調査会で御検討を行っていただいた専門委員の方々にも御出席をいただいております。消費者庁、そして専門委員の皆様におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。

それでは、消費者庁から御説明をいただきますが、大変恐縮ですけれども、特定商取引法の改正法案、消費者契約法の改正法案の順で、それぞれ10分程度でお願いいたします。

○消費者庁井内審議官 消費者庁審議官の井内でございます。

この場をお借りしまして、改めて、特定商取引法及び消費者契約法の見直しに関する答申を本年1月に出していただきましたことを感謝申し上げます。既に委員長より御案内のように、両法律の改正案を国会に提出させていただいているところでございます。消費者庁としましては、国会における御審議にしっかり対応してまいる所存でございますので、消費者委員会の皆様にも、引き続き御指導、御協力を是非よろしくお願いしたいと考えております。

それでは、それぞれ担当課長より、国会に提出しております法案について御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

○消費者庁桜町取引対策課長 取引対策課長の桜町でございます。よろしくお願いいたします。

私のほうから、特定商取引法の改正法案について御説明申し上げたいと思いますが、資料1-1を御覧いただければと思いますけれども、1ページ目は、特商法、消契法の全体像でございます。左上にございますように、高齢化社会の進展、悪質事業者の手口の巧妙化という、これは委員会のほうでも御議論いただいたときの背景事情でございますので、こういう両法案に共通する背景事情、あるいは政策課題と言ってもいいと思いますが、これを行うための改正ということで、2本ございますけれども、まとめて御審議いただけるように今、お願いをしながら進めているところでございます。

中身でございますけれども、特商法につきましては、1ページおめくりいただきますと「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案」ということで1枚にまとめさせていただいております。これは1月に答申、その前に年末に報告書がございましたけれども、その中でさまざまな課題について、特商法に関しまして御指摘をいただいていたところでございます。その全体の中で、政省令で対応すべきもの、あるいは解釈の変更で対応すべきもの、こういったものが実は結構ございますけれども、それを除いた、法律の条文を改正することによって対応しなければならないものをまとめたものでございます。

ポイントが4つ、5つございます。1番目が左上のところでございますけれども「悪質事業者への対応」ということで、これは執行強化という論点で、専門調査会のほうでは随分御議論をいただきました。ここの真ん中のところに対応イメージがございますけれども、まさにこれが典型的な事例でございますが、この絵にございますのは、業務停止命令を受けたA社という会社が、健康食品αの電話勧誘販売を行っていたということで、特商法に違反することによって業務停止命令を受けたという事例でございます。

ところが、このA社の元取締役が新たにB社を起こして代表取締役として就任をする。あるいは、元営業部長がC社という、これはもともとある会社に役員として就任をするということで、A社は業務停止命令を受けても、B社、C社を通じて、今までと何ら変わらない勧誘行為が続いていくということでございますので、これが今、特商法が毎年100件ぐらい、都道府県も含めて国と都道府県で処分をいたしておりますが、それの1割ぐらいがこういった事例になってきております。これは非常に重い事実ではないかと認識をしておりまして、このB社、C社をしっかり押さえないと、この業務停止命令の実効性がないのではないかというのが、まさに専門調査会で御指摘いただいた点でございました。

それを踏まえて、ここのB、Cにバッテンを付けさせていただいておりますけれども、こういった行為ができないように、上のところに書いてございますけれども、業務停止を命ぜられた法人の取締役やこれと同等の支配力を有すると認められる者等に対して、停止の範囲内の業務を新たに法人を設立して継続すること等を禁止する、こういう禁止措置を法案の中に盛り込ませていただいております。

この禁止措置につきましては、対象は役員のみならず、同等の支配力を有すると認められる者と書いてございますけれども、従業員は当然含まれますし、また、場合によっては社外の人間で、調査会では黒幕的第三者というふうに御議論いただいておりましたけれども、そういった人が外から糸を引いているという場合にも、この禁止命令の対象に含まれるということで整理をさせていただいております。

これは具体的には業務停止をかけたときに、個別に誰がどういう役割を果たすことによって違反行為が生じたのかということを精査いたしまして、業務停止命令と恐らく同時になると思いますが、業務禁止命令を個別の個人にかけるということになると思います。それに違反をいたして、このB、Cのような行為を継続すると、紫色の字で書いてございますけれども、比較的重い刑罰が待っているということで担保をしたいと思っております。個人が3年以下の懲役または300万円以下の罰金、法人の場合は3億円以下の罰金ということでございます。

それから、これと併せまして、これも御指摘いただいていたことでございますけれども、業務停止命令期間の伸長も図りたいということで、まさにここにありますのが典型でございますけれども、悪質事例に対応するために、今、最長1年のものを2年に延ばす。新たに設けさせていただく業務禁止命令につきましても、この業務停止命令と合わせますので、最長2年ということになるわけでございます。

それから、行政調査に関する権限も強化をしたいということでございまして、立入検査に入って供述をとったりするときに質問をしたりするのは、今、任意の協力でやっているのが現状でございますけれども、法律上の権限として明定するということをしたいと思っております。

それから、罰則につきましても、この部分も引上げを図っております。今、報告徴収、立入検査などの忌避等については、100万円以下の罰金というもののみが定められているところでございますけれども、これに懲役刑を付加いたしまして、6月以下の懲役というものを合わせて法定刑として定めさせていただいているところでございまして、新たに追加をする質問権限についても、これに対する拒否、忌避などについては、同様になるということでございます。

それから、その下に刑事罰の強化というのがございますけれども、これ以外にも、今回、悪質事業者に対してしっかり対応するべきであるというメッセージをいただいたと思っておりますので、全般的に罰則の引上げを図っております。法務省、法制局と調整をいたしまして、かなりぎりぎりのところまで引き上げようということでやってまいりました。2つだけここに挙げさせていただいておりますけれども、不実告知に対する法人への罰金、これは直罰が付いておりますけれども、現在、300万円以下の罰金のみということでございますが、これを1億円以下に抜本的に引上げをしようと。それから、業務停止命令違反に対する懲役刑の上限も、今は2年でございますけれども、これを3年に引き上げる。こういった各所で刑事罰は強化をしております。

以上が1番目のところでございます。

2.の「所在不明の違反事業者への対応」ということで、公示送達によって処分できないかという御議論がございました。これを踏まえまして、今、民法を使って簡易裁判所にお願いして公示送達でやっているところがありますけれども、特商法上にもこの公示送達制度を明定させていただいて、特にインターネットの通販事業者などで所在不明の事業者はおりますので、迅速に処分ができるようにしたいと思っております。

3番目、右上でございますけれども「消費者利益の保護」をしたいと思っております。これは、専門調査会で必ずしも明示的にそんなに深く御議論いただいたところではないと思っておりますが、悪質事業者に対応して、しっかり救済も含めてやるということは重要ではないかという御指摘はいただいていたと思いますので、それを踏まえまして、こういった措置を設けたいと思っております。

これは、業務停止命令を受けた悪質事業者に対しまして、不実告知あるいは重要事項の不告知、こういったことをやった場合に、現在でも特商法上、取消権が認められておりますが、実際にお金を返してもらったり、取消しの効果を生ずるのは当事者同士の交渉に委ねるしかないというのが現状でございますけれども、なかなか消費者にとっては厳しいところもございますので、行政としても後押しをしたいという趣旨でございます。消費者利益を保護するために必要な措置を指示できる。この指示というのは行政処分の1類型でございますけれども、そういった指示ができるということを明示したいと思っております。

対応イメージというのがございますけれども、典型的には、このイメージに書いてございますように、返金をするための、不実などで消費者に物を売った場合に返金をさせる、こういった計画を作らせて、行政がフォローアップをしていく。こういったことを指示できるようにしたいと思っております。この指示に違反をすれば、更に業務停止命令の期間の伸長でございますとか、あるいは刑事罰も、この紫のところにございますように、今回これも引上げをいたしておりますが、これまで指示違反は100万円以下の罰金のみでございましたけれども、6月以下の懲役というものを追加いたしまして、こういった刑事罰でも担保していきたいと思っております。

それから「過量販売への対応」というものも答申でいただいているところでございまして、訪問販売ルールにあります規制、これは行政処分のみならず、民事上の申込みの撤回、解除といったようなものを電話勧誘販売にも盛り込むということで、同様の規制を盛り込ませていただいております。

最後に「その他」のところでございますけれども、指定権利制を見直すべきである。権利の部分については、商品・役務と異なって、個別の政令指定制に現行法はなってございますので、後追い規制的な対応になっているのではないか。その法の抜け道をかいくぐるような形で、さまざまな権利と称するものが1つの消費者をだます商材として使われていて、それが問題になっているのではないかという御指摘をいただいていたところでございます。

これにつきましては、平成20年改正で商品・役務の政令指定制を外したわけでございますけれども、そのときの議論にさかのぼりまして、今回、5年後見直しでございますので、もう一遍そこを見直しまして、商品と役務と権利という、この3つの概念を再整理させていただいております。基本的には、権利と呼ばれて商材にして、ツールにされているものも、ほとんどが役務で読めるのではないかと整理をいたしました。これは法制局との間でも整理をいたしましたので、そのことをまずはっきりさせたいと思っております。

それで、役務でどうしても読み切れないものとして、被害実態に応じて規制をかける必要があるのではないかというものについては、法律上、明定をさせていただいております。具体的には、株式、社債、その他の金銭債権、こういったものについて明定をさせていただいているところでございます。これらによって、基本的には後追い規制にならないようにカバーできているのではないかと考えております。

それから、その下のファクシミリ広告につきましても、明示的に宿題をいただいている点でございますけれども、電子メール広告と同様のオプトイン規制をかけることを、ファクシミリ広告についても導入したいと思っております。

あとは、指示する場合の公表について、これは事実上やっていたものを、最近は個人情報の保護なども必要性が高まっている現状でございますので、あえて法律上も明定をしたいということと、それから、後で消契法のほうで御紹介があると思いますが、取消権の行使期間を特商法につきましても、現在6か月のところを1年に伸長するということもさせていただいております。

施行期日は公布の日から1年6か月以内、これは平成20年改正と同様でございます。こういった整理をさせていただいて、今、国会に提出をさせていただいている状況でございます。

以上でございます。

○消費者庁加納消費者制度課長 消費者庁の加納と申します。

それでは、私からは、消費者契約法について御説明をいたします。

資料1-1の3枚目を御覧いただきますと、今回の改正法案の概要について図で書いてあります。御案内のとおりでありますけれども、消費者契約法は、消費者と事業者の間に適用される一般的な消費者契約に関する民事ルールでありまして、「契約の取消し」と「契約条項の無効」を主な内容としております。

「契約の取消し」につきまして、現行の規定は、マル1からマル4まで、不実告知などの一定の不当な勧誘があった場合に消費者が契約を取り消すことができるとするものでありますが、これを、被害実態を踏まえて適切に充実させていくというのが今回の改正の内容であります。

課題として3つ枠で囲っております。1つ目は高齢者問題でありまして、判断能力の低下等につけ込んで大量に商品を購入させる被害事案というのがございます。これは、先ほど特定商取引法の中で過量販売の解除権のお話がありましたけれども、特定商取引法は訪問販売や電話勧誘販売などの特定の取引類型について適用対象とするものでありますが、必ずしもそういった取引類型に当たらない、例えば店舗における販売でありますとか、そういった場合にも同様の被害事案が見られますので、それを踏まえまして、消費者契約法の中で規定を取消権という形で設けたいというものであります。

具体的な規定ぶりにつきましては、資料1-8に新旧対照表をお付けしておりますので、そちらを御覧いただきますと、その1ページに第4条がありまして、上段の改正案の新しい第4項というのが、今回の過量な内容の契約の取消しであります。

条文の構造を御説明いたしますと、この第4項は2文から成っておりまして、1文目が、1回の契約で過量になる場合について規定をし、2文目で、次々販売など、重ねて契約を締結することにより過量になるといったような場合を念頭に置きながら条文を書いております。

ポイントとなりますのは、過量についてどのように考えるかというところでありまして、2ページの1行目に「通常の分量」というのがありまして、その後に括弧書きで、消費者契約の目的となるものの内容等に照らしというような書き方をしておりまして、こういった形で、具体的にどういった考慮事情があるのかを明確に書き下ろして過量性を判断するという枠組みにしております。また、そういった通常の分量を著しく超えるということを知っていた場合に、その勧誘により消費者契約の申込みなどを消費者がしたという事業者の認識を要件とするような形になっております。

2文目を御覧いただきますと、先ほど申し上げましたように、これは次々販売などを想定した条文でありますが、同種契約という形で、括弧書きで定義付けておりますけれども、同種契約を締結し、その同種契約の目的となるものの分量等、それから今回契約する分量等を合算した分量等が通常の分量等を著しく超えるものであるというような書き方をしております。

続きまして、資料1-1の概要図のほうに戻っていただきますと、課題の2つ目として重要事項の範囲の拡大であります。枠の中に書いてありますように、現行の規定では、重要事項は契約の目的物に関する事項となっておりますが、必ずしも契約の目的物に関しない事項についての不実告知による被害事案があるということを踏まえまして、重要事項の範囲を適切に拡大するというものであります。

条文の書きぶりは、先ほどの資料1-8の2ページ、現行では第4項が重要事項の規定でありますが、項がずれまして第5項に重要事項というものを規定しておりますけれども、その3号で新たに規定を設けるというふうにしております。

3ページになりますけれども、3号としまして、物品、権利、役務等の消費者契約の目的となるものが消費者の生命、身体などの重要な利益についての損害、危険を回避するために通常必要であると判断される事情と書いております。ここは、被害事例を念頭に置きながら、契約の締結の必要性に関する事情というものの中身を具体的に書き下ろすことで、適用範囲を明確化しようとしているものであります。

それから、資料1-1に戻っていただきまして、課題の3つ目は、取消権の行使期間を経過した被害事案があるということでございます。特に高齢者被害などにおきましては、高齢者がなかなか相談に行ったりしないということを踏まえまして、適切にこの期間を伸長するということでありまして、現行の行使期間、短期のほうでありますけれども、この6か月というところを1年に延ばすということをしております。

それから、小さい字で最後に「このほか、取消しの効果についても規定」と書いております。これは現行の規律を維持する観点から、いわゆる現存利益の範囲において返還するというような規律を設けるものでありまして、資料1-8の新旧対照表で言いますと4ページ、6条の2という規定がありますが、それがその規定になります。

以上が「契約の取消し」に関する改正内容であります。

続きまして、資料1-1の3枚目の2の「契約条項の無効」であります。現行の規定は、マル1からマル3まで、いわゆる不当条項ということで規定を設けております。そのうちマル3でありますが、これは一般条項と言われることがありますけれども、第10条という規定でありまして、点線の枠囲みで現行の規定の内容を書いておりますけれども「黒丸1民法、商法等の任意規定の適用による場合と比べ消費者の権利を制限する条項であって、黒丸2信義則に反して消費者の利益を害するものは無効」とするという規定であります。これがいわゆる受け皿規定として機能しているものでありますが、適用範囲が必ずしも明確でないという問題がありますので、できるだけ、何が不当条項になるのかということを明確化する観点から、具体的に規定を設けていくというものであります。

課題は2つありまして、1つ目の枠囲みでありますけれども、消費者の解除権を一切認めない条項というものであります。これは第10条の不当条項に該当すると判断した裁判例もあるところですけれども、不当条項の中身を具体的に明らかにするというものでありまして、改正内容としましては、事業者の債務不履行等の場合でも、消費者の解除権を放棄させる条項を無効とするという内容を設けております。

新旧対照表、資料1-8で言いますと、8条の2というところがそれに該当いたします。

それから、資料1-1の3枚目の課題の2つ目であります。先ほど御紹介しました法10条の黒丸1の民法、商法等の任意規定というところでありますが、任意規定というのは当事者間の合意で内容を変更することができる趣旨の規定と考えられておりますけれども、これは、民法第何条、あるいは商法第何条というような明文の規定がある場合だけではなく、一般的な法理なども含むとする趣旨の最高裁の判決がありますので、それを踏まえまして、必ずしも明文の規定ではない法原則、これを例示することによって、その点を明らかにするという趣旨の改正をしております。

具体的には、法10条の例示を加えるということでありまして、※の中で書いておりますように、消費者の不作為をもって意思表示をしたものとみなす条項を例示として書き下ろすといった手当をしております。

具体的な書きぶりは、資料1-8の第10条、6ページの上段のところが、そのようになります。

そのほか、資料1-1の3枚目の最後の細かい字のところで「民法の規定による」という文言、これは現行法で申し上げますと第8条になりますけれども、事業者の免責条項を無効とするという規定がありますが、その事業者の損害賠償責任、不法行為に基づく損害賠償責任の根拠規定を、民法の規定によるという限定を付しておりますけれども、それを外すといった手当を講じております。

それから、この消費者委員会の専門調査会で余り議論されていなかったことで、適格消費者団体による差止請求に関しても、一定の手当を講じておりまして、新しく取消し事由として設けました過量な内容の契約の取消権については、新たな不当勧誘として位置付けまして、それについては適格消費者団体による差止請求の対象にするといった手当を講じております。

大体、以上が消費者契約法の改正の内容になります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明の内容について、御質問、御意見のある方は発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

大澤委員、どうぞ。

○消費者契約法専門調査会大澤委員 専門調査会の専門委員を務めておりました大澤と申します。本日、オブザーバーですが、質問させていただきたいと思います。

消費者契約法の重要事項の範囲の拡大というところについて、確認をさせていただきたく思います。こちらの拡大というところで、法案で言いますと5項の3号かと思いますが、こちらは契約の締結の必要性というものを、より具体的に書き下ろしたものであるという御説明があったと思います。これにつきまして、次のような2点の場合をどのように考えればいいかを教えていただければと思います。と言いますのは、今日の資料1-1の例としては、床下にシロアリがいて、家が倒壊してしまうという事例が出ていまして、この場合には、このまま放置しておくと家が倒壊するという損害が生じてしまうので、それを回避するために、例えばリフォーム契約をしたとか、そういうことだと思うのですが、例えば、次の2点の場合はどのように解釈をすればいいのかを教えていただければと思います。

まず1点は、今後、法律上、消火器を必ず設置する義務が生じたので、消火器を買ってくださいという場合に、消火器を付ける義務は法律上、実は義務にはなっていないにも関わらず、これは法律で義務になったのだから急いで買ってくださいと言われた場合に、これは消費者にとっての損害又は危険を回避するためにというところで言いますと、危険ということになるのでしょうかということです。

2つ目の事例は、やはり似たような事例で、今後、黒い電話は使えなくなりますので、新しい電話機に替えてくださいと言われた場合、これも、損害または危険という文言からいいますと、若干しっくりこないところがありまして、例えば消費者にとっての不利益を回避するためにということであればしっくりくるのですが、今のような消火器を付ける義務が生じましたとか、あるいは黒電話は今後使えませんので新しいのに変えてくださいという事例において、損害または危険を回避するため、に当てはめるということなのでしょうか。それとも、この場合は当たらないということなのでしょうか。教えていただければと思います。よろしくお願いします。

○河上委員長 いかがでしょうか。

○消費者庁加納消費者制度課長 いずれの場合も該当すると考えておりまして、損害と言うべきなのか、危険と言うべきなのかはありますけれども、要するに、例えば黒電話のケースでありましたら、電話が使えなくなるといった不都合が発生するわけでありますので、それを回避するためと。消火器についても、一定の法令違反が生じるということになりますので、そういった不利益を回避するといった形になるのではないかと思います。

○河上委員長 村座長代理。

○特定商取引法専門調査会村座長代理 オブザーバーの村でございます。

特定商取引法の改正法案について御質問させていただきたいと思います。

権利の拡大の部分についての質問なのですけれども、特定権利ということで、1号、2号、3号という形にするという御説明だったのですが、1つ目の政令で定めるもので、現状だと3種類の権利のみが指定されています。ここで政令で定めるものと、これは法案の話ではないのですが、どれぐらい政令で追加をされる御予定なのかということと、それから、実際に電話勧誘や訪問勧誘で被害が出ているもので、例えば外国通貨を買いませんかという取引とか、お水の採掘権とか、何とかの特許権とか、そういうよくわからない権利のようなものも、いろいろなタイプのものが被害で出ています。

今回の特定権利で読むと、どれにも入らないのかなという感じがしておりまして、ただ、役務でかなり読めるというような御説明もありましたので、今、3つばかり例を申し上げたのですけれども、こういうものについてはどこかで読めるのか、あるいは今回の対象にはなっていないのかも含めて、お教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○河上委員長 いかがでしょうか。

○消費者庁桜町取引対策課長 まず、後のほうの御質問から申し上げたいと思いますが、基本的にみんな役務で読めるのではないかと思っております。役務は、さまざまな商材を持ち出して商売をしている人がおりますけれども、ほとんどのものは、投資をして、それに対するリターン、配当を受ける、まさにそういう役務を提供する契約だったりしております。

あるいは、第三者が介入するような場合もよく御指摘いただいておりますけれども、これも契約上の地位を移転する役務を提供する契約になっていたりとか、分解をして考えれば、形上は権利と称しているものは多々ございますけれども、ほとんどのものは役務で読めるのではないかと思っております。

読めないのがここの2つ、株式と社債については、単純な役務ではなくて、株主としての議決権の行使とか、もう少し役務プラスαがあるのではないかということで、役務ではなく、権利として法律上明定をさせていただいていますけれども、この2つについては、政令で何らか指定するというものでもなく、このまま包括的に対応できるような形になっております。

1番目の御質問に戻りますと、1号の政令指定制を残した形になっております。これをどうするのかというところにつきましては、これは具体的に何を定めるかというのは、まだ法制局と調整できておりませんので、法案が成立すれば、その後の政令プロセスでやっていきたいと思っておりますけれども、こういう公開の場で余り個人的な意見を申し上げてもあれなのですが、個人的には、この1号は保険のようなものだと思っておりまして、今、申し上げたように、基本的には役務で相当読めていて、読み切れないこの2つだけ、2号、3号で書いてあるという整理でございますので、基本的にはそれで対応できると思っております。

役務で読めるところについては、逐条解説にしっかり書きたいと思っておりますので、現場の相談員の方が迷ったりすることのないように、なるべくはっきり書きたいと思っております。それで対応できるのではないかと思っておりますが、1号の保険と申し上げましたのは、御指摘いただいたように、今、3つほど指定権利として定めておりますけれども、そういう整理からすれば、恐らく、今、定めている3つの権利もなくなるのではないかというのが、私の個人的な今の感触です。むしろ、それも全て役務で読んでいくということになるのではないかと思いますが、申し訳ありません、これは法制局と何の調整もしてございませんので、どうなるかはわかりません。そうではなくて、保険と申し上げたのはまさにそういう意味なのですが、何かやはり残るのではないかというものがもし出てくれば、それを何らかここで定めていくということで、法改正をすることなく、政令の迅速なプロセスで対応できるのではないかと思っておりますけれども、現状では、余りないのではないかと思っております。もし出てくれば、それをなるべく包括的、抽象的に定めるような形にして、その場合においても後追い規制にならないように対応できるようにできるのではないかと思っております。

○特定商取引法専門調査会村座長代理 ありがとうございました。

今の関係で1つ教えていただきたいのですが、現状の商品、役務の分類で言いますと、役務の定義というのは、労務の提供とか便益の提供を多分役務というふうに、条文上は定義はありませんけれども、そのように定義付けて解釈をしてきたのだろうと思うのですが、役務の考え方そのものがちょっと広くなるというか、変わるという理解でしょうか。それとも、そうではないのでしょうか。そこのところがよくわかりませんでしたので、教えていただければと思います。

○消費者庁桜町取引対策課長 御指摘のように、役務の定義がこの法律の中ではないという状況になっているわけでございまして、他法令とか、あるいは一般社会通念上の役務という概念、さまざまなものを参考にすると、平成20年改正で指定役務制がなくなって以降の役務の特商法上の捉え方というのは、正直申し上げて、やや狭過ぎたのではないかという感じがしております。したがって、役務という概念自体は、他法令でも一般でも相当広い概念だと思いますので、その本来あるべき役務という概念にもう一遍立ち返って、特商法上の役務というものも捉えるべきではないかと思っておりますので、そういう意味では、今までの役務とは違うと申し上げていいのではないかと思っています。それをはっきりさせたいと思っております。

○河上委員長 よろしゅうございますか。

早くそうしていただければよかったですけれども、ほかにはいかがでしょうか。

後藤座長。

○特定商取引法専門調査会後藤(巻)座長 オブザーバーの後藤と申します。よろしくお願いいたします。

私からは、専門調査会の審議に参加させていただいた感謝の気持ちと、それから若干の御要望をさせていただきたいと思います。質問ということではなくて、そういう形での発言ということであります。

まず、専門調査会で事務局の方々の仕事ぶりを目の当たりにし、本日御説明いただいたような大きな成果に結び付いたわけでありますが、大変敬服しております。この点は審議に参加した者として、この場で消費者庁・消費者委員会のご担当の方々にお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

それから、要望ということでありますけれども、幾つかありますが、1つだけ、気になっていることでありますが、消費者契約法と特定商取引法に共通した問題で、勧誘の問題でありまして、消費者契約法のほうはかなり中身に入って深く議論されたのですけれども、特に現状を変える必要はないというのでしょうか、法案として出されることはないという状況になっておりますけれども、やはり引き続き議論する必要があるのではないかというのを個人的には感じております。消費者契約法については、次の段階が予定されているということでありますので、その機会も含めて、より深い議論をしていただきたいと思います。

特商法のほうは、むしろ勧誘について、どこまで中身に入れたかという問題を感じておりまして、そういう意味からいいますと、それなりの時間をかけたのですけれども、やはりなお一定の必要性が認められるというようなことがあれば、その時期には議論の課題に上げていただきたいというのが個人的な気持ちであります。

以上、よろしくお願いいたします。

○河上委員長 これは何かお答えは要らないですか。

○特定商取引法専門調査会後藤(巻)座長 質問ではありませんので、ここでこういう発言内容があったということを残していただければ結構であります。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。

池本委員。

○池本委員長代理 池本です。

特商法、消契法、それぞれについて質問がございます。

特定商取引法、さまざまな論点について精力的な改正を提案していただいています。個々の法律だけではなくて、政令、省令事項も含めて報告書には出ていて、それもしっかりと実現していただきたいということは、まず第1のお願いでありますが、特に積み残しの課題が特商法についても二、三あったと思います。今、後藤先生からも指摘がありましたが、特商法で言うと、訪問販売、電話勧誘販売についての勧誘規制の在り方については議論が十分、意見の一致を見なかったというところがありますが、これはやはりその実態をどう見るか、あるいは具体的にどういうルールとするかということについて議論が深まらないままに平行線をたどったというところがありました。この辺り。

それから、インターネット取引の中で虚偽広告があった場合に効力をどうするか。これは、どちらかというと議論の時間が余りとれなくて、見送りになったというような印象を受けております。

そういった課題について、まずは現在の改正法案、そして政令、省令という改正をしっかりと実現していただくことが先ではありますが、その後、必要に応じて速やかに検討に入る。特に特商法の改正法の1番後ろ、附則の6条に、5年を経過した場合において、施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるというのがあります。これは、特商法改正のときは大体いつもこういう5年後見直しというのが入るのですが、何も今回積み残しになったような課題、あるいはそれ以外の分野でも、特商法というのは本当に新しい事態が次々と起きてくる分野ですから、そういうものについては、5年ということにこだわらずに、状況によって必要に応じ、また検討を行うという理解でよろしいのかどうか。その辺りの見解をお伺いしたいという点が1点です。

消費者契約法につきましては、今回、法律の改正あるいは解釈による対応ということで方向付けができたものと、それから、なおその要件の在り方や具体的な整理の仕方について、引き続き検討を行うという課題がたくさん残っていると思います。調査会の報告書では、これは一旦これで終了して、後日また検討を必要に応じてというものとはニュアンスが違って、むしろ引き続き検討を行うという形で確認をしているところです。その意味では、消費者庁、今回の法改正をまずはきちんと実現するところが当面は不可欠ではありますが、それを受けて、残りの課題についても引き続き、不足する情報を集め、委員会での検討と連動して検討作業を進めていただくという理解でよろしいのかどうか。特に消費者庁では今、公益通報者保護法とか新しい法改正の検討課題もたくさんあるということはもちろん承知しているのですが、その辺りの今後の課題の進め方について、それぞれ御意見をいただければと思います。

以上です。

○河上委員長 では、お願いします。

○消費者庁桜町取引対策課長 まず、特商法のほうから申し上げたいと思いますけれども、御指摘いただいた勧誘、それから通販の虚偽・誇大広告取消権、委員会の中の御議論で御指摘のような積み残し的な結論になっていると理解をしております。これは積み残され方も各論点によってそれぞれございますので、これはまさにいただいた答申をしっかり踏まえて今後につなげていく。具体的なことは今の段階で申し上げられることはありませんけれども、勧誘については執行の強化とか、あるいは自主規制とか、新たな法規制については共通認識が得られなかったものの、やるべきことは御指摘いただいております。それをどのように進めていくのかというのは、しっかり考えていかないといけないと思っておりますし、また、通販の虚偽・誇大広告の取消権についても、特商法のみならず、景表法も含めた他法令の執行をまずやって、その状況を見て、必要に応じて検討が行われることが期待されるということになっておりますので、まずしっかり執行しながら、執行の足元、現場をよく見て、どのように進めればいいのかというのをしっかり検討していかなければならないと思っております。

それから、次の法改正でございますけれども、御指摘いただいた附則6条の5年後見直し規定というのは、これは例文でございまして、どの法律でも大体今入るような形になってございますが、この5年後見直し規定は、5年たたないと見直せないという趣旨の規定ではございませんので、法律はどの法律でもそうだと思いますが、当然のことながら時代の要請に応じて、必要があればいつでも変えるということではないかと思いますので、必要が生ずれば、しっかりそこは必要な対応をするということかと思います。

○消費者庁加納消費者制度課長 消費者契約法でありますけれども、基本的には池本先生がおっしゃったとおりに私どもも理解をしておりまして、まずは当然ですけれども、今回の法案の成立に向けて万全を期したいということでありますが、国会の審議の中でもいろいろと御意見、御指摘もあるでしょうし、そういったものを踏まえつつ、専門調査会で積み残されている論点についての検討を引き続き、消費者委員会において検討するということになっておりますので、その検討が行われるものと認識をしておりますが、消費者庁としてもそのように対応していきたい。

ただ、積み残された論点が積み残しになったのには理由がありまして、それはやはりいろいろと慎重な御意見もあったわけでありますので、そういうことを踏まえた検討が求められることになるだろうと思っております。

○河上委員長 ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。

どうもありがとうございました。

今般の改正法案ですけれども、基本的には答申にのっとって検討をしていただいたということで、答申に示された事項がほとんど、場合によってはそれをそんたくしてさらに踏み込んだ形で改正法案を準備していただけたと理解しております。この点につきましては、消費者保護の観点から大いに前進が期待できるものと感じております。消費者庁が答申から後、非常に迅速に作業を進められて、今般、法案が閣議決定されたということについて、その御努力には心から感謝申し上げたいと思います。

また、消費者庁におかれましては、消費者被害の防止のために、今後、政省令の整備であるとか、あるいは解釈として明確にすべきところでお約束いただいた部分が何か所かございますが、そういったことについても速やかに解説等の準備をしていただく。そして、制度の消費者及び事業者に対する周知等、今後も一層の御尽力をお願いいたします。なお、本件に係る今後の取組については、消費者基本計画の工程表の中にきちんと盛り込んでいただけることを期待しております。

これまで調査審議に御尽力をいただいた各専門調査会関係者の皆様には、この場を借りて改めて感謝の言葉を述べたいと思います。本当にありがとうございました。

専門委員の皆様と消費者庁におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。

(消費者庁、特定商取引法専門調査会・消費者契約法専門調査会専門委員 退席、金融庁 着席)

≪3.電子マネーに関する消費者問題についての建議の実施報告について≫

○河上委員長 続きまして、議題は「電子マネーに関する消費者問題についての建議の実施報告について」でございます。

当委員会では、昨年の8月に、電子マネーに関する消費者問題についての建議を取りまとめまして、金融担当大臣に発出いたしました。この建議では、電子マネーの加盟店管理及び苦情処理体制の整備、電子マネーのIDを詐取されることによる被害の防止対策並びに消費者教育及び情報提供等について、消費者庁にその対応を求めてまいりました。

本日は、この建議への対応について、その実施報告をいただきたいと思います。

金融庁におかれましては、お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございます。

それでは、20分程度で御説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○金融庁総務企画局企画課黒井信用機構企画室長 金融庁信用制度参事官室の黒井でございます。

今、御指摘ございましたとおり、電子マネーに関する消費者問題についての建議ということで、昨年8月に建議を受けまして、その実施状況については、今年の2月までにその報告をするようにということで御指示をいただいたところでございます。そうしたところもございまして、2月末時点での実施状況については、こちらの資料2-1、実施状況の報告ということで報告をさせていただいているところではございますけれども、その後、3月に入りまして、更なる対応をさせていただいた部分もございますので、説明につきましては、資料2-2「御説明資料」で説明をさせていただきたいと思っております。

それでは、資料2-2の1ページ目からでございますけれども、先ほど御指摘がございましたとおり、建議につきましては、大きく分けて3項目、そのうちの1つ目といたしまして、電子マネーを利用した取引における悪質な加盟店による消費者の被害の発生あるいは拡大の防止及び回復を図るために、加盟店の管理と苦情処理体制の制度整備に向けた措置を講ずるということで、建議事項1に関しては、その中でも分けますと、大きく2項目、御指摘をいただいたところでございます。

こうした御指摘を受けまして、私どもの金融審議会の中の「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」という、決済関係について検討する場で、消費者委員会からの建議を踏まえまして御議論いただいたところでございます。その中では、特に加盟店の管理に関してかなり深い議論をいただいたところでございます。この資料の1ページ目で挙げさせていただいておりますけれども、消費者委員会の建議の中では、私どもの法律の中で定めております公序良俗違反という要件につきまして「犯罪行為に使用されるなどの悪質性が強い場合などが該当すると考えられるが、加盟店管理義務をより明確にする観点から、悪質な加盟店による被害の防止に資するように電子マネー発行業者の加盟店管理責任などを法令などにおいて、明文化することが求められる」とされたところでございます。

これに対して、公序良俗違反というものがどこまで含まれるのかということに関しまして、ワーキング・グループの審議の中では、公序良俗違反という中身が、犯罪行為のみならず社会一般的に悪質とみなされる行為が広く含まれるというような御指摘を学識経験者などからいただいたところでございます。

こうしたところもありまして、このワーキング・グループの中では、消費者被害の実効的な防止・解決策を講じるとの要請に的確に応える必要があるものと考えられるという指摘がありました。また、同時に、イノベーションをいたずらに阻害しないとの要請にも十分留意することが適切である、こうした形でワーキング・グループの中で報告書が取りまとめられたところでございます。

これを受けまして、私どもといたしましては、1ページめくっていただきまして、2ページ目でございます。いろいろ御議論いただいた加盟店管理はまた追って御説明いたしますけれども、まず「苦情処理体制の整備」につきましては、先ほどのように建議の中で、電子マネー発行業者に対して、苦情処理についてより徹底させる必要があるという御指摘をいただきましたので、今般、3月4日でございますけれども、「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」を閣議決定して国会に提出させていただきました。その中で、資金決済に関する法律を改正いたしまして、法律上、電子マネー発行業者を含めた前払式支払手段発行者について、苦情処理体制を整備する必要があることを明確化するということで、苦情処理に関する措置を求める条文を加えることを内容とする法律案とさせていただいたところでございます。

この法律につきましては、今国会に提出をさせていただきまして、御可決いただければ、施行期日につきましては公布の日から起算して1年を超えない範囲で政令で定める日から施行することとされているところでございます。

続きまして、もう1枚めくっていただきまして「加盟店管理義務」でございますけれども、先ほど申し上げたような形で、建議の中では、加盟店管理責任などを法令などにおいて明文化することが求められているところでございますけれども、法律上課されている登録拒否要件、あるいは登録の取消要件の中で、公序良俗に反する恐れのないものであることを確保することが法律上求められていることもございますので、その法律上求められている公序良俗違反が、犯罪行為に該当するなどの悪質性の強い場合のみならず、社会的妥当性を欠く恐れがある場合を広く含むものであることを、私どもの事務ガイドラインにおいて法律の解釈を明確化することで、御指摘の中身について対応させていただき、実効的な防止・解決策を講じるとの要請に応えていきたいと考えているところでございます。

こうした制度整備を受けまして「監督上の対応の徹底」をさせていただきたいと考えておりまして、具体的には、加盟店管理体制及び苦情処理体制の整備が適切に行われているかについて、重点的にモニタリングを実施するとともに、体制整備が不十分な業者に対しては、指導を徹底し、継続的なフォローアップを実施してまいりたいと考えている次第でございます。

続きまして、建議事項の2につきましては、西尾のほうから説明させていただきたいと思います。

○金融庁監督局総務課西尾金融会社室長 監督局の金融会社室の西尾でございます。

建議事項2につきましては、私のほうからその進捗を御説明させていただきたいと思います。

建議事項2につきましては、大きく分けて2つ建議を頂戴しておりまして、1つは、消費者が電子マネーを詐取される被害が発生している電子マネー発行業者に対して、各発行業者のウェブサイトでの注意喚起であるとか、販売上限額の引下げ、若しくは販売方法の見直し、あるいは被害状況のモニタリング、分析を通じた予防、救済に向けた取組を促すということと、もう1つは、経産省、警察庁、消費者庁と連携して、電子マネーを販売する事業者に対して、声掛けなどの未然に防止する取組について協力要請するということで2点いただいております。

4ページでございますけれども、1点目の慫慂(しょうよう)という点でございますが、私ども、電子マネー発行業者の監督をさせていただいております関係で、これまでいろいろ問題が出たような事業者、そのような被害に遭うようなプリペイドカードを発行している事業者、十数社でございますけれども、そういったところとの定期的なヒアリング等を通じて実態の把握であるとか、あるいは注意喚起を含めた何らかの対処について、慫慂若しくは議論をしてきたということでございます。

その結果といたしまして、各業者の中では、ウェブサイトへの注意喚起の表示であるとか、あるいはプリペイドカードそのものへの注意喚起の表示といった取組を進めてきているという状況でございます。

もう1つの点でございますけれども、事務ガイドラインということで、私どもが監督をする上での着眼ということで、4ページにございますような幾つかの監督上の着眼点を盛り込んだ事務ガイドラインの改定を速やかに行いたいと思っております。1つは、被害者の申出を速やかに受け付ける体制の整備。さらに、こうした情報を活用し、詐取された前払式支払手段を特定し、利用停止の措置を迅速かつ適切に講ずる態勢整備、利用停止を行った電子マネーの財産的被害を迅速に回復するための態勢整備、モニタリングや分析を通じた手口に応じた措置を講ずるなどといった着眼点として追加し、改定を検討しているところでございます。

1枚おめくりいただきまして、5ページでございますけれども、建議事項2につきましては、本年の1月6日でございますが、フランチャイズチェーン協会に対しまして、私ども金融庁、経産省、警察庁、消費者庁連名で、高額又は大量の電子マネーを購入しようとするお客様へ、コンビニエンスストアの従業員の方から注意喚起の声掛けなどに広く取り組んでいただくよう協力を要請いたしたところでございます。

それを踏まえまして、各コンビニエンスストア事業者におきましては、そういった注意喚起を行っていただくとともに、さらに一部の事業者では、電子マネー購入時の購入金額や購入枚数で一定の取引制限を導入しているでありますとか、店頭だけではなくて、販売端末ということで、そういったところからも購入ができますので、そこでの購入しようとするときのプロセスの中で「詐欺にご注意」ということで、注意喚起を促すような画面を設けていただくとか、あるいは一部の事業者ではございますけれども、実際にレジ画面にそういった注意喚起、更にはコンビニの店内で、そう頻繁にというわけではございませんけれども、注意喚起の放送を流していただいているというような対応をいただいているところでございます。

私のほうからは以上でございます。

○金融庁総務企画局政策課大畠企画官 総務企画局政策課の大畠と申します。

私からは、続きまして、建議事項3「消費者教育及び情報提供」に関する金融庁の実施状況について御報告申し上げます。2月末に文書で御報告した内容に加えまして、今月行った取組もございますので、併せて御説明をさせていただきます。お手元の資料の6ページを御覧いただければと思います。

この消費者教育、情報提供につきまして、金融庁といたしましては、電子マネーに関する消費者被害の項目を追加したガイドブック等を活用いたしまして、関係者と連携しながら、さまざまな機会を捉えて取り組んでいるところでございます。

具体的に申し上げますと、当庁では、金融の基礎知識をまとめたガイドブックを作成しておりますが、このガイドブックに電子マネーに関する消費者被害の項目を追加いたしました。そして、こうした内容をどのように広く周知して、注意喚起を行っていくかという方法についてお示ししておりますのが、資料の点線で囲まれた部分でございます。

まず、左上の枠を御覧いただきたいと思いますが、改定ガイドブックは金融庁のウェブサイトに掲載しております。このウェブサイトへのアクセス数についてお尋ねいただいておりますので、お答えいたしますと、この改定ガイドブックは、金融庁のウェブサイトの中の金融経済教育のページに掲載しております。この金融経済教育のページには、このガイドブック以外のさまざまな情報も掲載されておりまして、アクセス件数は、このページに対するアクセスということになりますけれども、1月末に掲載してから約1か月半で586件のアクセスがございました。

また、このガイドブックは、消費者庁ですとか金融広報中央委員会の御協力も得て作成しているものでございまして、そちらのウェブサイトにも掲載をしていただいております。ただ、もちろん、このウェブサイトに掲載するだけで十分な効果が上がるとは考えておりませんので、関係者と連携しながら、ほかにもさまざまな方法を用いて取り組んでいるところでございます。

右上の枠を御覧いただきたいと思いますが、例えば金融庁では、金融に関する知識を普及するための講演会等を実施しております。私どもはこれを出前講座と言っておりますが、こうした出前講座を行う際に、この改定したガイドブックなどを活用しながら注意喚起を行っております。

また、注意喚起を行う際には、未成年者も被害に遭っているということを説明いたしまして、参加者の方々には、「この講演会が終わりまして、御自宅に帰られましたら、お子様にも注意するよう言ってあげてください」というようなお願いもしております。

この出前講座は全国各地で行っております。地方で金融庁の業務を行う組織といたしまして、財務局や財務事務所というものがございますが、そこの職員が全国各地で出前講座を提供しております。また、先ほども触れました金融広報中央委員会、これは日本銀行が事務局を務めておりますが、この金融広報中央委員会にも注意喚起をしていただくよう、お願いをしております。

加えまして、この金融ガイドブックですが、毎年全国の全ての高校、大学、地方公共団体等にお送りしております。その結果、もっと部数が欲しいという御要望をいただいたところに、要望された部数を追加でお送りしております。このガイドブックの改定は、今年の1月に行いましたので、電子マネーに関する内容を盛り込んだガイドブックが送られたのは2月と3月ということになりますが、その2か月間で27の高校に約5,000部、115の大学や短大などに約5万6,000部、119の地方公共団体に約2万1,000部送付をしております。

では、送付した後、どのように活用されているのかと申しますと、例えば高校では、政治経済ですとか家庭科の授業での活用。大学では、新入生のオリエンテーションで配付したり、卒業予定者に配付したり、学生課で閲覧用として活用したりしていただいております。また、地方公共団体では、例えば住民の全世帯に配付といったような形で御活用いただいているところもございます。

ちなみに、「このガイドブックを何部必要ですか」という要望を例年は10月にお聞きしているのですが、今回は、改定した内容を早く知っていただくために、4月から5月には全ての高校、大学、地方公共団体等にお送りして要望をお伺いする予定でございます。

そして、この電子マネーに関するトラブルは、御承知のとおり未成年者にも発生しておりますので、未成年者に対する注意喚起にも取り組んでいるところでございますが、その方法といたしまして、まずは学校で注意喚起していただくということが考えられます。先ほど、高校、大学にガイドブックをお送りしていると申し上げましたが、その送付の際には、電子マネーに関するページも紹介するようお願いをしているところでございます。

そして、更に広く、わかりやすく注意喚起できないかということで考えました結果、文部科学省や教育委員会に御協力をいただきまして、来月、新年度早々に全国の全ての高校に、プリペイドカードを悪用した詐欺について注意喚起するチラシを送付いたしまして、校内で周知していただく予定でございます。

また、学校だけでなく、御家族にも御協力いただけないだろうかということで、先ほど出前講座での取組を御説明いたしましたが、加えまして、PTAのお力もお借りできないだろうかと考えまして、小学生、中学生を対象といたします日本PTA全国協議会ですとか、全国高等学校PTA連合会に御協力をお願いしたところ、御協力いただけることとなりました。

例えば、日本PTA全国協議会の協議会会長会という会議がございまして、その場に注意喚起のためのチラシですとか、このガイドブックを配付して、注意喚起を行っております。また、全国高等学校PTA連合会の御協力で、そのウェブサイトにチラシを掲載していただいたりしております。このPTAと連携した取組は、ほかにもできないか検討しているところでございまして、更に政府広報につきましても検討中でございます。

金融庁といたしましては、今後も引き続き、電子マネーに関する消費者被害の未然防止に向けた教育ですとか情報提供を積極的に行ってまいりたいと考えております。

以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

それでは、ただいまの説明内容について、御質問、御意見のある方は発言をお願いします。いかがでしょうか。

大森委員、どうぞ。

○大森委員 2点あります。

まず1点目は、黒井企画室長にお聞きしたいのですけれども、1ページ目のワーキング・グループの報告の一番下のところに「消費者被害の実効的な防止・解決策を講じるとの要請に的確に応えていく必要があるものと考えられる。同時に、イノベーションを徒に阻害しないとの要請にも十分留意していくことが適切である」と、両論併記のように書かれているのですけれども、私などは、消費者被害を防止することがイノベーションの進展につながるのではないかと考えるのですが、その辺の御意見をお聞かせください。

もう1点は、消費者教育のことで大畠企画官にお聞きしたいのですけれども、さまざまな取組を6ページでお聞かせいただいたのですが、この電子マネーの被害というのは、若い人たちが多いと思うのですけれども、若い人たちというのはすごく文字離れが進んでいまして、配布物には余り目を通さないということで、いろいろなところで若者向けの消費者教育の取組がありまして、例えばサッカーチームの会場のスクリーンに映すとか、そういうところでチラシ配布をするとか、余り細かいものを見ることを好まない若者で、勉強を余りしたくない人たちにも読ませる工夫とか見せる工夫をされているので、その辺の取組についてお聞かせいただきたい。

あと、知的障害のある方たちも、今、すごく消費者被害が多くて、電子マネーとかインターネット系の被害もすごく多いのです。特別支援学校にヒアリングに行きますと、すごく世の中の進展が速くて、先生自体が生徒たちに十分伝えることができないので、簡単なインターネットとかで画面を見てわかるような情報提供が欲しいということを言われておりますので、そういう面での取組についてお聞かせいただけたらと思います。

○金融庁総務企画局企画課黒井信用機構企画室長 まず1点目は「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」の報告書に関する御質問であったかと思います。こちらにつきましては、消費者被害の実効的な防止・解決策を講じていくということが利用者にとっての安全安心につながっていくということで、これはまさに最低限、必ず確保されなければ利用者の利用の広がりにはつながっていかないものだと思っております。

一方で、極端な議論として、可能性として少しでも危ないものだからということで、例えば利用自体を禁止してしまうということになってしまうと、逆に利用者の利便性にとってマイナスになってしまう部分もあるということで、安全安心はもちろん最低限必要な部分だと思うのですけれども、そこと利用者利便性の向上という部分とのバランスを考えていくことが必要だということが、この報告書の中で指摘されたものと受け止めているところでございます。

○金融庁総務企画局政策課大畠企画官 ありがとうございます。

まず1点目の若い人の文字離れへの対応という点でございますが、今の金融庁の取組といたしましては、若い方々への取組については、さまざまな広報をしているところでありますが、御家庭の御協力、あるいはPTAの方々の御協力も得られないだろうかということで取組を進めているところでございます。御意見いただきましたサッカー場のスクリーンに映すですとか、その場でのチラシの配布といったことにつきましては、貴重な御意見といたしまして、まず検討してみたいと思います。なかなか予算の面もありますので、どうなるかわかりませんけれども、検討してみたいと思います。

また、知的障害者の方々への周知ということにつきましても、その点を十分配慮していかなければいけないと思っておりますので、その点につきましても検討してみたいと思っています。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。

増田委員、どうぞ。

○増田委員 加盟店管理義務のところなのですけれども、金融庁事務ガイドラインにおいて、こういう解釈をしていただけるということは理解いたしました。これは、加盟店管理義務責任まで問えるものなのかどうかということと、例えば責任を問うに当たって、初めてのところでは難しいとしても、情報の蓄積があったときに、それを把握しているかどうかというような管理責任のレベルですね。その辺のところをどのようにお考えなのかということをお伺いしたいと思います。

もう1点、消費者教育の点ですが、チラシなどを作っていただいて、4月以降、全国の高校への配布に取り組んでいただいたことについては大変よかったと思うのですけれども、実際にそれが生徒の目に触れて、理解に至っているのかというところが非常に難しいと思っています。これは今まで消費者教育に携わった者の実感として、子どもたちが理解が及んでいるとは思えないところがあります。ですから、その後、内容についてよく理解してもらえるような手立て、教師に対する教育であるとか、直接出前講座に行く回数を増やすとか、そういうことが絶対必要なのではないかと考えておりますが、その辺のことについてお伺いしたいと思います。

○金融庁総務企画局企画課黒井信用機構企画室長 それでは、加盟店管理の関係につきまして、お答えさせていただきたいと思います。

加盟店管理の関係につきましては、制度について、資料2-2の1ページ目を御覧いただければと思うのですけれども、4.(1)(ホ)の1パラ目で現行制度について御説明させていただいております。サーバー型電子マネーを含む第三者型プリペイドカードにつきましては、現行制度上、プリペイドカードにより「購入若しくは借受けを行い、若しくは給付を受けることができる物品又は提供を受けることができる役務が、公の秩序又は善良の風俗を害し、又は害するおそれがあるものでないことを確保するために必要な措置を講じていない」ことが、登録の拒否要件となるとともに、登録の取消要件の1つとなっておりまして、こうした措置を講じていないと、最終的には登録を取り消されて業務が実行できなくなることが現行制度でも規定されているところでございます。

そういった意味では、加盟店の提供する物品、役務というものが公序良俗に反しないようなものになるように、適切な措置を発行者として講ずることが必要となっているところでございます。この公序良俗の概念を、今回、事務ガイドラインで明確化し、御指摘いただいた懸念される場合についても適切に条文の中に含まれるのだということを明確化することで対応していくということでございます。その蓄積につきましても、現状、重点的にモニタリングなどを実施させていただいているところでございまして、そうした知見の蓄積、あるいはそうしたモニタリングを進めていく中で体制整備が不十分な業者に対しては、指導を徹底していくということで、問題の改善、最終的には消費者にとっての被害の実効的な防止につながっていくような形になっていくのではないかと考えているところでございます。

○金融庁総務企画局政策課大畠企画官 教育に関する御質問でございますけれども、なかなか理解されていないのではないかというような御指摘でございますが、今回、そういった御懸念も踏まえまして、文部科学省なり教育委員会の御協力も得まして、チラシを配布させていただきます。その際、例えばそれで高校に配布した後、高校のほうでは、高校生の目に付くようなところに掲示していただいたり、そういう配慮をしていただけるのではないかと思っているのですが、わかりやすいチラシになっておりますので、それをなるべく多くの方々の目に触れるような形で掲示などをしていただけるのではないかと思っております。

また、講座の数を増やしてはどうかということでございますが、これは私ども、最近、これまでになく非常に積極的に出前講座に取り組んでおりまして、また、先ほど金融広報中央委員会との連携という話もさせていただきましたけれども、日本銀行が事務局を担っておりまして、各都道府県にも金融広報委員会というものがございます。地方で金融庁の業務を行う組織といたしましては、各都道府県に財務局、財務事務所がございますと申し上げましたが、金融広報委員会でも出前講座をしております。こういったトラブル防止に関するお話をする際には、電子マネーのお話もしてくださいとお願いしておりますので、そういった形で積極的に取り組んでいきたいと思っております。

○河上委員長 池本委員、どうぞ。

○池本委員長代理 池本です。

昨年8月の建議から約半年で、法改正も含む今回の具体的な措置を講じられたということについては、まずもって評価を申し上げたいと思います。

その上で、具体的にこれが実効性あるものになるためにということで何点か確認したいのですが、まず、資料の2ページ目に、資金決済法の中に苦情処理に関する措置の条文を設けていただいた。これを入れることによって、従来の登録拒否要件の中での公序良俗に反するようなものについては対応せよという非常に抽象的なものから、具体的な措置をより個別的に対応できるように、あるいはこれを受けたガイドラインをまた具体化するという方向で使えるのではないかという意味で、条文を置かれたということについては期待しているところなのです。

問題は、そのページとその次の3ページ目、加盟店管理のところについて事務ガイドライン、これは公序良俗違反の中身が社会的妥当性を欠く恐れがある場合を広く含む。もちろんこれも公序良俗違反という言葉をもう一歩広げて、範囲が広いのだということを明確化していただくということは非常に大事だと思うのですが、むしろ発行業者にせよ、それを取り巻く例えばコンビニなどの対応も含めて、こういう場合にはチェックをしなければいけない、こういう場合には措置を講じなければいけないという、より具体的なところまで踏み込んで記載していただかないと、それに関わる事業者の対象というものがなかなか盛り込めないのではないか。その辺りについて、これは今回の法改正そのものとセットでできるところではないのかもしれませんが、具体的なトラブル情報を集めた上で、具体化をお願いしたいと思うのですが、ガイドラインの中ではその他の関連規定はどのようなところを検討しておられるのかという点が1点であります。

もう1点は、ID詐取型についての課題なのですが、ID詐取型について、特に4ページのところに、詐取されたIDを特定し、利用停止等の措置を講ずるというところがあります。まさにここが被害の拡大防止という意味では非常に重要なポイントだと思うのですが、これには発行窓口としたコンビニとの連携の問題も必要になってくるだろうと思うのです。1月6日のコンビニ業界に対する要請は、声掛けとか未然防止のところがまず中心だと思うのですが、今後、被害の拡大防止に向けた措置のところをどのように具体的に実効性を高めていくかというところについて、期待も含めて、今後の御予定等があればお伺いしたいという点でございます。

とりあえず2点、お願いします。

○金融庁監督局総務課西尾金融会社室長 まず、加盟店管理義務、公序良俗違反という登録拒否要件をどこまでガイドラインで具体化するかという御指摘でございますけれども、ワーキング・グループの議論で、先ほど黒井のほうから申し上げたように、詐欺行為等の犯罪行為のみならず、社会的妥当性を欠くものということでございますが、今、池本委員から御指摘があって、個別具体的な事例等々を積み上げて、それを明確化していくということがより望ましいとは考えております。

ただし、加盟店の事業の実態のスタイルというものは、個々にいろいろなことがございますし、いろいろなバリエーションがあろうかと思っておりますので、私ども、事務ガイドラインにつきましては、社会的妥当性を欠くものということは必ず明確にしていきたいと思っております。その上で、やはり個別具体的にはどういうものがあるのかということで、実態の積み上げを通じて適切な監督につなげたいと考えているところでございます。

もう1つお尋ねがあったID詐取の被害に対しての今後の対策ということでございますけれども、水際の予防につきましては、建議事項2(2)のところでコンビニ業界のほうに声掛けをお願いしたということでございまして、これにつきましては、大変僭越(せんえつ)ながら、PIO-NETの端末等で私どもも実際の利用者の声も拝見できまして、そういうのを拝見しますと、全てというわけではもちろんございませんが、コンビニの店員の方の声掛けによって、詐欺に遭っているのではないですかという声掛けで消費生活センターのほうに連絡をされて未然防止されたケースでありますとか、あるいはマルチメディア端末で購入しようとしたときに、詐欺の画面が出たから、消費生活センターのほうに連絡をされて、これはどういうことでしょうかというようなお問合せなどもあるように伺っておりますというか、拝見して、そういうものもございましたので、そういう意味では効果があるのかな、少しは効果が出てきているのかなということで、大変ありがたい対応かなと思っております。

今後、IDの詐取につきましては、まだまだ落ちついているというところはございません。私どもは発行業者の監督でございますので、ここにありますようなガイドラインで新たな監督上の着眼を幾つか設けさせていただこうと思っています。このような監督上の着眼を踏まえて、先ほど黒井のほうからも申し上げておりますように、今も重点的にはやらせていただいているつもりではありますけれども、更にブレークダウンした形で、もう少し内規の整備でございますとか、あるいは実際のモニタリングの状況につきましては、まだ十分なところがないかもしれませんので、そういったところをもう少し、業者との関係をより緊密にしながら、適切な監督に努めてまいりたいと考えております。

○河上委員長 蟹瀬委員、どうぞ。

○蟹瀬委員 蟹瀬です。

消費者教育についてお尋ねします。先日、高校の家庭基礎を何冊か取り寄せまして、消費者教育のページを、見比べさせていただきました。電子マネーという部分があるのですが、実態と非常にかけ離れていまして、多分この金融ガイドブックというのが副読本としてあれば、現代の問題を高校生、16歳が最初に出会う課題として非常にわかりやすいのではないかと思います。つまり、教科書になってしまっていますと、過去形が結構多くて、基礎情報として知っていればいいよぐらいなんですね。ところが、今、知っていなければいけないことが電子マネーというのは結構起こってきていまして、特に若年層にそういう問題が起こってきている現状を見ますと、今、希望の学校にお届けしているという事情を、文科省と教育をして、参考書として家庭科に一緒に付けて、これは今こういう時代になっているのだということをもっと詳細にアップデートとした情報として若い人たちに提供できないかと思っております。

その辺、私の希望として述べさせていただきますので、もし何か御返答があれば、ここでまた教えていただきたいと思います。

○金融庁総務企画局政策課大畠企画官 文部科学省とは、いろいろと協力しながら進めているところでございまして、今、御希望のございました改定ガイドブックを全ての高校で参考書として使ってはどうかという御意見については、文部科学省とも御意見を共有しながら、どう進めていけばいいかということを考えていきたいと思います。高校生全てに渡るだけの部数を印刷するとなりますと、またちょっと予算上の問題もありますが、そこは貴重な御意見として、文部科学省と検討していきたいと思います。ありがとうございます。

○河上委員長 池本委員、どうぞ。

○池本委員長代理 建議事項そのものではないので1点だけ、もし現時点で検討されていればということでお伺いしますが、特にID詐取型の場合、詐取した業者そのものがそれを登録して利用するわけではないし、それをいわば買い取って転売する業者が裏にいて、それを一般の人に転売して、そして実際に登録して使うという流れになっていると思うのです。そういった背後の買取り転売業者がいるからID詐取業者が成り立っていくし、また、そういう転売したものでも買えるということが、まだ一般にそのことの問題性が周知されていないという、そちらの辺りの問題については何か検討なさっているのかどうか。特にこのID型のものについては、各発行業者はこれを転売はできないということを一応規程などには入れているかと思うのですが、そのことがどうも徹底されていないこととの兼ね合いで、もし検討されていれば、お伺いしたいと思います。

○金融庁監督局総務課西尾金融会社室長 池本委員御指摘のとおりでございまして、この詐欺の構図は、まさに御指摘のとおりかと思います。したがいまして、発行業者の対応として、そこのところはまだやはり次の課題なのかなと考えております。

他方で、詐取をする者に対して、どういう形でアプローチがあり得るのかという点については、私どもは門外漢といいますか、所管外というところではございますけれども、もちろん捜査当局との情報交換等を通じて、そういう構造の中からどういうアプローチがあり得るのかということなど情報交換を密にして、議論をさせていただいている状況でございます。

○河上委員長 ほかにいかがでしょうか。

金額の上限を設定するというような話は、やはり無理だということになったのですか。

○金融庁監督局総務課西尾金融会社室長 上限そのものを、例えばガイドライン等々で規制するというのは、個別の事業に対してどこまで規制をかけられるかということも含め、随分議論させていただいたのですけれども、販売上限を自主的に引き下げている事業者もいることはいるので、私どものガイドラインの中では、そういったことも抑制のための1つの取組として例示をして、自主的な取組を促したいと考えてございます。

○河上委員長 長田委員、どうぞ。

○長田委員 先ほどの池本委員のお話のところに続くのですが、IDがあるということは、トレースができるということにはならないのでしょうか。IDがどのように移動していったのかと思うのです。

○金融庁監督局総務課西尾金融会社室長 15、6桁のID番号のみをもって流通しているという商品性でございますので、その番号のみをトレースすることは、業者のサーバーの中では可能ではございますが、使った方あるいは買った方をどういう形で特定するのかというところには、やはりやや壁があるといいますか、課題があるというのが現実でございます。

ただ、例えば1万円のIDのついているプリペイドカードをコンビニで購入した。それで、その番号だけが流通しますので、現物はだまされた方の手元にございます。その番号をだまされたと言って事業者のほうに連絡をするという場合に、未使用である状況であれば、それは返金等の対応をしているところでございまして、そういう意味でトレースといいますか、入り口の段階でそういうことの申出があれば、しっかり対応してもらうようにしていますし、実際にしていただいているということでございます。

○河上委員長 増田委員、どうぞ。

○増田委員 1点なのですが、高齢者の被害が非常に多くなって、それで銀行のお金の引出しの制限が設けられたりということがありましたけれども、今後、金融機関の一面もあるコンビニなどに対しても、高齢者への声掛けなどの協力というよりは義務に近いほどの要請をお願いしたいなということと、実際に電子マネーの取引に使われている金額は、非常に小さい金額がほとんどだと思うのですけれども、大きい金額を使う方の割合であるとか、目的であるとか、その辺を精査していただいて、やはり上限を設けていただくということは、今後について非常に重要だと思いますので、是非お願いしたいと思っています。

○金融庁監督局総務課西尾金融会社室長 御意見を踏まえまして、今後更に何ができるかを検討させていただきたいと思います。

○河上委員長 ほかに、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

建議に示された事項を踏まえまして、金融庁におかれましては、実効性のある対応を具体的にとっていただいていると理解しておりまして、感謝申し上げたいと思います。今後とも、消費者被害を防止するという観点から、苦情処理等の体制整備や情報提供の点もさることながら、加盟店管理の点においても、消費者や事業者への周知徹底に是非取り組んでいただければと思います。

法改正の点につきましては、国会での早期成立を期待しているところでございますので、頑張ってください。

当委員会としては、本件について引き続き消費者被害が出ていないかということを注視いたしますとともに、本件に係る取組は、消費者基本計画の工程表に書き込んでいただければありがたいと思います。おそらく、何段階かに分けて、更になさるべきことがあるのだろうと思いますので、その辺りを具体的に、工程表に是非書き込んでいただければありがたいと思います。

それから、先ほど話題に出た「金融ガイド」、読ませていただきました。非常によくできています。せっかくこれだけのものを作られたのですから、これはやはり各高校に教科書の副読本のような形で採用していただけるように、是非進めていただければと思います。これから成人年齢が下がりますと、高校までにこうしたことは是非頭に入れておかないといけないという気がいたしますし、特にプリペイドカード方式の決済のやり方というのは、子どもがゲームのキャラクターを買うような場面でも結構利用されていますので、それを考えると、中高生辺りに少し重点を置いた消費者教育も、是非お願いしたいと思います。

金融庁におかれましては、お忙しいところを本当にありがとうございました。

(金融庁 退席)

≪4.その他≫

○河上委員長 続きまして、議題「その他」として、去る1月30日に実施いたしました「消費者問題シンポジウム in 前橋」について、実施報告を事務局のほうからお願いいたします。

○黒木事務局長 参考資料1を御覧ください。

去る1月30日に「消費者問題シンポジウム in 前橋」を、群馬県消費者団体連絡会と本消費者委員会との共催で開催いたしました。

当日は、群馬県、前橋市を初め、近隣の市の消費者行政担当者や相談員の皆さんのほか、消費者団体、弁護士、司法書士、事業者、一般消費者など、計58名の参加をいただきました。

シンポジウムのテーマは「消費者被害をなくすために」ということで開催をさせていただきまして、冒頭、共催団体であります群馬県消費者団体連絡会の中嶋源治会長に開会の御挨拶をいただき、また、河上委員長に基調講演を、それから、舟木弁護士という方に「群馬県における適格消費者団体を目指す活動」と題する御報告をいただきました。

その後、パネルディスカッションをさせていただきまして、パネルディスカッションでは、同じテーマのもとに、私がコーディネーターをさせていただきましたが、パネリストとして、消費者庁総務課の阪口課長補佐、群馬県生活文化スポーツ部消費生活課の菅沼課長、前橋市の消費生活センターの近藤消費生活相談員、群馬県消費者団体連絡会の中嶋会長、舟木弁護士に御出席いただきまして、それぞれのお立場での取組や必要となる体制について御討論をいただきました。

また、シンポジウムとは別に、委員長には、前日の29日金曜日に群馬県生活文化スポーツ部の部長様、それから、前橋市の山本市長、細野副市長に表敬訪問をしていただいております。

以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。

群馬県、前橋市のほうも、今、適格消費者団体を目指して一生懸命に頑張っておられるということでして、非常に問題意識の高い方々が多かったと思います。今後とも頑張っていただければと思いました。


≪5.閉会≫

○河上委員長 本日の議題は以上になります。

最後に、事務局から今後の予定について説明をお願いいたします。

○丸山参事官 次回の本会議につきましては、3月29日13時から開催いたします。議題につきましては、委員会のホームページ等を御覧ください。

この後、委員会打合せを行いますので、委員の皆様方におかれましては、委員室のほうにお集まりください。

○河上委員長 本日はこれにて閉会とさせていただきます。

お忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございました。

(以上)

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