第130回 消費者委員会 議事録

日時

2013年8月20日(火)16:00~17:47

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、稲継委員、小幡委員、川戸委員、
 田島委員、細川委員、村井委員、吉田委員
【説明者】
 消費者庁  増田 食品表示企画課長
片桐 表示対策課長
宗林 消費者安全課長
 厚生労働省  稲川 医薬食品局監視指導・麻薬対策課室長
岡崎 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室専門官
医政局総務課担当者
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.健康食品について
○説明者: 消費者庁  増田 食品表示企画課長
片桐 表示対策課長
宗林 消費者安全課長
厚生労働省  稲川 医薬食品局監視指導・麻薬対策課室長
岡崎 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室専門官
医政局総務課担当者
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:8KB)
【資料1-1】 「「健康食品」の表示等の在り方に関する建議」の実施状況報告等において説明願いたい事項(PDF形式:184KB)
【資料1-2】 「「健康食品」の表示等の在り方に関する建議」に対する消費者庁の実施状況について(PDF形式:266KB)
【資料1-3】 景品表示法第10条に基づく適格消費者団体の差止請求権について(アンケート)(消費者庁提出資料)(PDF形式:169KB)
【資料1-4】 「「健康食品」の表示等の在り方に関する建議」に対する厚生労働省の実施状況について(PDF形式:241KB)
【資料1-5】 「健康食品」関連資料(厚生労働省提出資料)
(資料1-5-1) 消費者委員会建議について(平成25年1月29日)(PDF形式:29KB)
(資料1-5-2) 「健康食品」関連記事
(資料1-5-3から資料1-5-5は厚生労働省ホームページ(「食品安全関係のパンフレット」ページ)へのリンクになります。新しいウィンドウで開きます。)
(資料1-5-3) 健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて
(資料1-5-4) 健康食品の正しい利用法
(資料1-5-5) GMPマークを目印に健康食品を選びましょう!別ウィンドウで開きます

(資料1-5-6) 医薬品と健康食品の相互作用に対する注意喚起等について(依頼)(PDF形式:60KB)
(追加資料) 医薬品と健康食品の相互作用に対する注意喚起等について(依頼)(PDF形式:254KB)
【資料1-6】 「健康食品」の表示等在り方に関する建議(PDF形式:427KB)
【資料1-7】 規制改革実施計画〔平成25年6月14日閣議決定〕(抄)(PDF形式:532KB)
【資料1-8】 「特定保健用食品の表示許可制度についての提言」実施状況報告において説明願いたい事項(PDF形式:126KB)

≪1.開会≫

○河上委員長 本日は、皆様、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから、「消費者委員会(第130回)」会合を開催いたします。
本日は、所用によりまして、夏目委員が御欠席の予定となっております。
それでは、配付資料の確認をお願いします。

○原事務局長 配付資料ですけれども、議事次第と書かれた紙の下に一覧をつけております。
資料1-1が、「『健康食品』の表示等の在り方に関する建議」の実施状況報告等において説明願いたい事項ということで、消費者委員会としておりますけれども、開けていただきますと、中の実施状況報告に厚生労働省と消費者庁からの御回答を掲載したものです。
資料1-2と1-3は、その関連で消費者庁に御準備をいただいた資料になっております。
資料1-4と1-5は、その関連で厚生労働省に御準備いただいた資料になります。
参考のために、資料1-6といたしまして、「『健康食品』の表示等の在り方に関する建議」、ことしの1月29日に出したものですけれども、その本体を再度、資料1-6としておつけしております。
資料1-7といたしまして、「規制改革実施計画(平成25年6月14日閣議決定)」ですが、関連する部分を抜き出したものをおつけしております。
資料1-8は、「特定保健用食品の表示許可制度についての提言」の実施状況報告において説明願いたい事項ということで、これも消費者委員会としておりますけれども、中は実施状況報告ということで、消費者庁の実施状況についてお示ししたものをつけております。
資料は以上になります。
それから、委員の方には追加資料ということで、厚生労働省から日本医師会へ出された資料を席上で配付しております。
資料としては以上になります。よろしくお願いいたします。

≪2.健康食品について≫

○河上委員長 ありがとうございました。
それでは、審議に入りたいと思います。
本日の議題は、「健康食品について」です。消費者庁及び厚生労働省におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
消費者委員会では、本年1月に「『健康食品』の表示等の在り方に関する建議」を取りまとめ、内閣府特命担当大臣(消費者)及び厚生労働大臣に対し、これを発出いたしました。
本建議では、マル1 健康食品の表示・広告の適正化に向けた取組みの強化、マル2 健康食品の安全性に関する取組みの推進、マル3 健康食品の機能性の表示に関する検討、マル4 健康食品の特性等に関する消費者理解の促進について、それぞれ対応を求めております。本日は、その実施状況について御報告をいただき、フォローアップを行いたいと思います。
また、平成23年8月には「特定保健用食品の表示許可制度についての提言」を取りまとめ、消費者庁長官に発出しております。本日は、本提言の検討状況についても御報告をいただきたいと思います。
最初に、消費者庁から説明をお願いいたしますが、説明時間につきましては、20分程度でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○消費者庁片桐表示対策課長 消費者庁表示対策課長、片桐でございます。
御手元の資料1-1PDFを別ウィンドウで開きますでございますけれども、建議事項の順番に沿いまして、まず私のほうから説明をさせていただきたいと思います。
最初のページが建議事項1-1(1)ということで、この(1)は、食品の健康保持増進効果等に関する虚偽・誇大広告のガイドライン等について、改善を図ることといった建議事項でございますけれども、これに関する実施状況ということで書かせていただいております。いわゆる健康食品の健康保持増進効果等を標榜する表示について、景品表示法、健康増進法におけるこれまでの消費者庁の公表指導事例、地方厚生局、都道府県における平成21年から平成24年までの公表事例を全て収集・分析の上、従来出していたこういった法律の考え方を踏まえ、さらに具体的表現等を盛り込んだ統一的な留意事項を取りまとめ、パブリックコメントも実施の上、年内に作成・公表したいと考えております。
留意事項につきましては、間接的・暗示的な表現等も含めて、問題となる表示に該当し得る場合の考え方を示すとともに、絵図なども利用して分かりやすいものにしたいと考えております。
また、都道府県の担当者からヒアリング等も実施し、現場の担当者の御意見も反映したものにしたいと考えております。都道府県の担当者のほかに、適格消費者団体などにもヒアリングを実施いたしまして、消費者からの相談・苦情等の内容も踏まえて留意事項に反映させる予定でございます。また、留意事項に記載する違反事例につきましては、必要に応じて更新をしていきたいと考えております。
以上が1-1(1)でございます。
次に、1-1(2)でございますけれども、消費者等の協力に基づく表示・広告の監視を行うこと、ということで建議を頂戴しているところでございます。これにつきましては、消費者庁で従来から表示・広告に関する一般消費者からの情報提供を受け付けているところでございます。今後も、一般消費者が情報提供を行いやすい環境作りに努めていきたいということで、ウェブサイトの拡充等々を図ってまいりたいと考えております。
また、表示対策課では、一般消費者の方に電子商取引表示調査員を委嘱いたしまして、インターネット上の不当表示について情報を報告していただく「電子商取引表示監視調査システム」という制度を運用しております。この電子商取引表示調査員については、インターネット上の広告・表示につきまして情報提供を行っていただくとともに、消費者庁からの依頼に対して、アンケート調査への回答なども行っていただいております。直近の実績といたしまして、平成24年度は226件、平成25年度は7月末時点の数字として55件、健康食品について、電子商取引表示調査員からの報告が寄せられているということでございます。
平成23年度以前はカテゴリーごとの分類を行っていないので、健康食品について報告がどの程度寄せられたかということは不明ですけれども、平成23年度以前につきましては、我々表示対策課のほうから、健康食品に係る表示といったテーマを設定して報告を求めたことがございます。そのときの実績として、平成22年5月から6月に、健康食品及び高齢者向けの食品又は役務に係る表示をテーマにした際には、合わせて80件の報告をいただいております。また、平成23年6月に健康食品に係る効果・効能表示をテーマにして報告を求めたところ、68件の御報告をいただいているといった活動実績がございます。
今後につきましては、電子商取引表示監視調査システムのスキームをさらに充実したいということで、具体的には平成22年度及び平成23年度と同様に、健康食品をテーマに報告を求めることを考えております。また、テーマの設定に際しましては、先ほどお話し申し上げました(1)の留意事項の策定や、留意事項が法執行の現場で有効に機能するために有益な情報が収集できるようなテーマを設定したいと考えております。
さらに、御質問を頂戴しておりますけれども、表示対策課の中に食品表示対策室が設置されております。これに伴ってどう変わったのかということですけれども、健康食品に係る違反被疑情報の窓口が一元化されたことで情報の処理の効率化が図られていると考えております。
今後とも電子商取引表示監視調査システムを含めまして、一般消費者の協力による表示・広告の監視の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、建議事項1-1(3)でございます。これは、当庁、厚生労働省の担当部局間の連携を図るということで、厳格な法執行に努めることと、都道府県等における関係部局間の緊密な連携を促すということで、都道府県への周知及び支援を行うこと、といった建議を頂戴しているところでございます。
まず、消費者庁でございますけれども、対応状況ということで書かせていただいておりますが、7月1日付けで表示対策課内に食品表示対策室を設置しております。これによって、健康増進法、食品衛生法、景品表示法等の各種法令に基づいて、食品表示に係る執行を一元的に行う体制を整備したところでございます。今後はこの室を中心といたしまして、これらの法令に違反する事案に対して、厳正な執行に努めていくことを考えております。また、厚生労働省との連絡会議を通じて、担当部局間の緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。
都道府県との関係につきましては、都道府県における法執行等を促進するため、現在行っております連絡会議の場を通じて、関係部局間の緊密な連携を呼びかけることで都道府県への支援を進めてまいりたいと考えております。具体的には、毎年秋から冬にかけて景品表示法ブロック会議というものを開催しておりまして、このプログラムの一環として、都道府県の担当者に対して景表法についての研修を行っているところでございます。本年につきましては、都道府県における健康食品等に対する法執行が促進されるように、プログラムに新たに健康増進法についての研修を追加するといったことを考えております。
また、この景品表示法ブロック会議等の場を通じまして、消費者行政担当部局と保健所といった関係部局間の連携を呼びかけるほか、連携強化を求める要請文を発出することを考えているところでございます。

○河上委員長 それでは、順番に厚生労働省にお願いします。

○厚生労働省稲川医薬食品局監視指導・麻薬対策課室長 厚生労働省監視指導・麻薬対策課の稲川でございます。
順番に従いまして、1-1(3)の御説明をさせていただきます。
厚生労働省といたしましては、これまでこの問題につきましては、ここに書いてありますような62年の通知に基づきまして、監視指導の一層の徹底を図ることをお願いするとともに、医薬品に該当するとは断定できないとされた物についても、食品衛生法、健康増進法、不当景品類及び不当表示防止法等他法令に抵触することのないよう、栄養・食品担当部局、景表法担当部局等関係部局に対して照会することを指導をお願いしております。これにつきましても、今回の建議を受けまして、25年度中に重ねて周知・徹底を図る予定にしております。
具体的には、食品、医薬品に該当する新しい物質というのはどんどん出てくるものですから、それを毎年定期的に「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」という通知に追加をして規制をしています。今、その作業をしておりますので、来年早々になるかと思いますが、その辺りでいっしょに通知をしたいと思っております。先ほど消費者庁から、保健所と消費者行政担当部局との連携という話もございましたけれども、私どもといたしましても、消費者行政部局との連携について、あわせて、その辺りで通知をしていきたいと思っております。
厚生労働省の部分は以上でございます。

○消費者庁片桐表示対策課長 次に、建議事項1-2に移らせていただきたいと思います。
1-2(1)と(2)につきまして、差止請求権に関する建議をいただいている部分でございます。景品表示法の差止請求権の規定がございますけれども、これの利用実績を検証した上で、健康増進法に同様の規定を導入することの要否を検討せよといった建議事項でございます。これにつきまして、実施状況の報告のところでございますけれども、適格消費者団体は、差止請求に係る訴えを提起しようとするときには、その訴えの被告となるべき者に対しまして、あらかじめ、請求の要旨、紛争の要点その他の内閣府令で定める事項を記載した書面により差止請求をしまして、かつ、その到達した時点から1週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することはできないことになっております。また、適格消費者団体は、書面による事前の請求に先立ちまして、差止請求の根拠となる法律に違反する行為の差止等の申入れ、協議を行う場合が多いとされております。
こういった事情を踏まえまして、消費者庁では、適格消費者団体による差止請求権の利用実態を把握するため、適格消費者団体を対象に、景品表示法第10条の差止請求権に基づく請求訴訟の状況、書面による事前請求の状況、さらには申入れ、協議の状況について、アンケートを実施しております。具体的には、訴訟提起、事前請求、申入れ協議の状況といたしまして、平成21年度以降、各年度のそれぞれの件数がどれくらいなのか、差止請求がなされなかった場合は、その理由をお聞きするといった内容のアンケートを実施しているところでございます。
今後、アンケート結果を分析いたしまして、さらに、適格消費者団体から必要に応じてヒアリングも実施し、その実態について検証いたしまして、その検証の結果を9月中に取りまとめることを考えております。また、それを踏まえた必要な措置につきまして、本年中に一定の結論を得たいと考えております。さらに、健康増進法に景品表示法類似の規定を導入することの要否につきましては、これらの検討を踏まえた上で検討を進めていきたいと考えているところでございます。
続きまして、建議事項1-2(3)でございます。これは、景品表示法の措置命令の権限、第4条第2項の不実証広告規制の権限を都道府県に付与することについて、検討を進めよという建議事項でございます。これにつきましては、実施状況報告に書かせていただいているところでございます。両権限の都道府県への付与につきましては都道府県からも要望が寄せられているということで、消費者庁は、都道府県が現行の景品表示法上有している指示の権限に代えて、措置命令と合理的根拠の提出要求権限、いわゆる不実証広告規制の権限を都道府県へ付与することについて、都道府県からブロック会議の場などを通じて意見を聴取してきたところでございます。
結論から申し上げますと、いずれの権限につきましても、賛否様々でございます。措置命令の権限については、力を持った行政処分で執行力の強化を期待できるといった意見がある一方で、現行の指示の権限に代わって措置命令の権限のみとなりますと、執行の力が弱体化することが懸念されるといった御意見がございます。合理的根拠の提出要求権限につきましても、法執行強化に資するといった賛成意見がある一方で、その権限が付与されても十分使いこなすことができないといった意見もございます。
具体的な賛否の数字をというお尋ねでございますけれども、措置命令の権限の付与の賛否につきましては、都道府県の数字は、「賛成」が10、「どちらかというと賛成」が11、「どちらとも言えない」が11、「どちらかというと反対」が5、「反対」が5でございます。合理的根拠の提出要求権限の付与につきましては、「賛成」が37、「どちらとも言えない」が5、「反対」が5という結果でございます。
こういったような結果でございまして、都道府県の中で、両権限の付与について意見の相違があるということでございます。そこで我々として、一部の都道府県にのみにこれらの権限を付与することを検討するということで、法定受託事務として権限を付与することについて検討したということでございます。検討の結果、一つ目は、地方分権推進の観点から法定受託事務はできる限り抑えるとされており、法定受託事務を新たに設けることは困難という状況があるということでございます。
二つ目として、指示に代えて措置命令の権限を付与することになると、執行力の低下が免れないといった意見があることを先ほど申し上げましたけれども、それでは、指示と措置命令の権限を併存することについてはどうかということを検討しました。この場合、構成要件が同一の違法行為に対しまして、行政指導の指示と行政処分の措置命令の権限を併存させることになるわけですけれども、そういった法令の例はなく、実際にもそういった立法をすることは難しいと考えられるということでございます。
また、合理的根拠の提出要求権限、第4条第2項の不実証広告規制については、仮に合理的根拠の提出要求権限のみを与えることになった場合、行政指導である指示に対して、合理的根拠の提出要求権限が付与されることになります。行政指導を行うために、合理的根拠の資料の提出がない場合には、不当表示とみなす(みなし規定)という具体的な法律効果を有する権限を行使できるようになることは適当ではないということで、こちらのほうもやはり立法化は難しいということでございます。
以上のとおり、両権限を都道府県に付与するためには、いずれの権限も全て自治事務として全都道府県に付与するほかなく、また、それに併せて現行の指示の規定は廃止する必要があるということでございますので、まずは都道府県全体として意思の統一が図られる必要があるということでございます。今後、都道府県全体として一致した要望が出される場合には、改めて当庁といたしまして、その法的論点を整理し、両権限の都道府県への付与について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

○厚生労働省岡崎医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室専門官 続きまして、建議事項2につきまして、説明させて頂きます。厚生労働省食品安全部の岡崎と申します。どうぞよろしくお願いします。
建議事項2で建議されている内容としましては、健康食品の安全性に関する取組みの推進ということで、(1)で、厚労省及び消費者庁は、健康食品による健康被害の情報を収集、解析、必要な対応がとれる体制の強化を図るため、次の措置を講ずることということで、マル1とマル2が言われております。
マル1に関しましては、健康食品の摂取と健康被害の発生との因果関係が速やかに特定できるように、類似の健康被害情報を統一的な基準で効率的に収集し、その仕組み、当該被害情報を解析する手法について研究すること、ということが建議されております。そもそも健康食品の健康被害の収集につきましては、平成14年に通知を出しており、「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領」というのを定めておりまして、それに基づいて実施しております。
それに加えて、平成24年度から3か年計画で、厚労科研で「いわゆる健康食品による健康被害情報の因果関係解析法と報告手法に関する調査研究」を行っております。この中では、保健所を通じて寄せられる情報、消費生活センターのPIO-NETの情報、企業が持っている情報、そういったものを集約して、より多くの情報を集めて、最大限活用していこうという趣旨で研究をしております。
これは24年度から開始しておりまして、昨年度については、保健所の情報、PIO-NETの情報、企業の情報を解析しまして、統一的な評価の手法を開発しました。今年度につきましては、その方法を用いて、企業、自治体に対し実際にそれが実行できるかということを検証する目的もありまして、試行する予定にしております。最終年度につきましては、本年度これから実施する内容について、改善点ですとか、そういったことを見直しをしまして、行政の施策に反映できる形にしていきたいと考えております。
続きまして、建議2(1)マル2です。マル1の研究の成果を踏まえて、健康被害防止のための対応の必要性が明らかとなった場合には、当該製品・成分の流通の規制、表示の規制を含め所要の措置を講ずること、と建議をされております。これにつきましては、健康被害の情報を入手した際には、既に食品衛生法の6条または7条で、製品・成分販売の禁止などの所要の措置を講ずることができることになっております。したがいまして、マル1の研究の成果を踏まえた仕組みが構築された際にも、必要な措置を的確に講じていきたいと考えております。

○消費者庁増田食品表示企画課長 5ページの建議事項2(1)マル2の部分です。マル1の研究成果を踏まえて、厚労省とともに流通、表示の規制をするということですが、研究成果を踏まえて適切に対応することにしていきたいと考えております。

○厚生労働省医政局総務課担当者 建議事項2(2)マル1の医療機関の部分について、医政局総務課の村中と申しますが、御説明させていただきます。
医療機関において、医師や薬剤師などが患者から健康食品の摂取状況を確認し、適切な注意喚起を行うことについて、関係団体に周知という御建議をいただきました。厚生労働省として、済みません、資料に組み込まれていなくて机上配付させていただきましたが、平成25年2月、日本医師会などに「医薬品と健康食品の相互作用に対する注意喚起等について」という通知を発出させていただきました。医師会などに対して傘下の団体にきちんと周知いただくよう、そういう要請を行ったところです。
通知発出後の具体例をお尋ねいただいておりますが、厳密に通知後というわけではなく、事前からいろいろやっていただいていた医療機関もございます。具体例を簡単に申しますと、例えば病院などで患者向けに情報誌などを発行している病院がありますけれども、その情報誌の中で、健康食品と薬の相互作用を一覧表にして掲載したり、また日本医師会では、医薬品と健康食品の相互作用に対する情報提供を傘下の医療機関からお願いして、それをホームページで会員に共有できるように掲載しているなど、そういった具体的な取組みを行っていると聞いております。

○厚生労働省稲川医薬食品局監視指導・麻薬対策課室長 引き続きまして、薬剤師の関係でございます。厚生労働省から日本薬剤師会をはじめとする10の関係団体に対しまして、ことしの2月に、資料1-5-6PDFを別ウィンドウで開きますですが、相互作用に関する注意喚起についてということで協力要請をさせていただいております。この中では、薬局における調剤、薬局・薬店における医薬品の販売または授与の際に、患者さんからの聞き取り、あるいはお薬手帳の活用によりまして、当該患者の健康食品の摂取状況についても確認させていただきまして、医薬品との相互作用のおそれや健康食品の過剰摂取の疑いがある場合については、注意喚起を行ってくださいということで、周知徹底するようにお願いしております。
お尋ねの関係でございますけれども、薬剤師会におきましては、日本薬剤師会から各都道府県の薬剤師会に、こういう通知が来ているのでしっかり対応してくれということで周知をしていただいているということもございます。先ほど医政局からも御説明がありましたが、これを受けて直ちにということではないのですけれども、工夫している事例としては、健康食品について薬剤師会のホームページのeラーニングのところに健康食品の安全性等についてのページを設けていただくというようなことをやっております。そういうところを通じて周知徹底を図っていただいているということで、承知しております。
以上でございます。

○厚生労働省岡崎医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室専門官 続きまして、建議2(2)マル2のところです。医師、薬剤師等が診療、調剤を行うに当たって、健康食品に関する問題があった場合、適切に対処できるように、医師、薬剤師等に対して健康食品に関する情報提供を行うことと建議をされております。健康食品に関する情報提供については、既に厚労省の食品安全部から必要に応じて通知をしておりまして、日本医師会、日本薬剤師会を通じて医師、薬剤師に、健康被害情報について、情報提供をこれまでも行っているところでございます。
また、日本医師会と共同で、資料1-5-3ですけれども、このようなパンフレットをつくっております。この内容につきましても、今年の4月に一部内容の改訂を行いまして、健康食品に添加されている成分と医薬品との相互作用が想定される主な事例について、医薬品の成分に加えて種類を明記し、よりイメージしやすくなるように配慮しております。パンフレットの8ページに表8というのがありますが、表の真ん中、医薬品成分のところに括弧書きで具体的な医薬品の種類を加えて、一般の方もよりわかりやすくなるように配慮したところでございます。引き続き、このような形で医師、薬剤師等に対して情報提供は継続していきたいと考えております。
続きまして、(3)です。第三者認証制度の整備・普及促進を通じて、錠剤、カプセル状などの食品の製造業者に対して、適正製造規範(GMP)のガイドライン、原材料の安全性に関する自主点検ガイドラインの活用を促すとともに、消費者がそれらに基づき製造された製品を的確に選択できるように啓発することと建議をされております。
この第三者認証制度につきましては、平成20年7月に、健康食品の安全性確保に関する検討会の報告書が出されまして、その中で言われている内容でございまして、既に第三者認証制度の認証機関を設置しております。ただ、製造工程の安全性確保、GMPに関する認証機関がまだ指定されていない状況にありますので、今年度中を目途に指定する予定で考えております。これによって、最終製品の安全性の確保について、より透明性が高い仕組みになること、一層の安全性の確保が図られるものと考えております。
厚生労働省としては、第三者認証制度の整備・普及を通じて、平成17年に通知した「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方について」、「錠剤・カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン」についても、活用を促していきたいと考えております。
消費者に対しては、それらに基づいて製造された製品を的確に選択できるように、平成24年にリーフレットをつくっておりまして、関係機関を通じて消費者に配布したり、厚生労働省のホームページに掲載して普及を図っている状況でございます。そのリーフレットにつきましては、資料1-5-5となっております。
また、消費者に対する健康食品の正しい利用法、事業者に対する安全性の確保に関するリスコミを計画しておりまして、健康食品の安全性確保に関する普及啓発を行うとともに、適切な助言を行うアドバイザリースタッフの普及についても検討していきたいと考えております。リスコミに関しては、消費者庁と一緒に行うことが適切だろうと考えておりまして、行う時期などについては、これから相談をして検討していきたいと考えております。
アドバイザリースタッフの普及につきましては、厚生労働科学研究のほうで平成23年度まで研究をしておりました。そういった研究の結果を踏まえ、アドバイザリースタッフを認定する団体のうち主要な団体が幾つかございまして、そちらが先月の集まりの中で、今後どのようなことがやっていけるのかということを意見交換をしたと聞いております。厚生労働省としても、今後、そういった意見交換の場に積極的に出ていって、認定の団体などの意見をよく聞いて、活用できる方策を今後検討していきたいと考えております。

○消費者庁増田食品表示企画課長 次に、7ページ、建議事項3の部分でございます。
3(1)は栄養機能食品制度における成分の追加でございます。栄養機能食品の制度は、栄養素、具体的にはビタミン、ミネラルですが、これが一定量入っている食品について、その栄養素の働きを表示できるという仕組みであります。この仕組みは、科学的知見、食事摂取基準、そういったものを活用してつくられております。この制度の対象成分の追加に当たっては、今年度、食事摂取基準の改訂の作業が行われているということで、この改訂を踏まえて、追加について具体的に検討することを考えております。
予備作業として具体的にどんなことをしているのかというのがありますが、これは、今年度、具体的には後半でやろうと思っておりますが、一つは、栄養機能食品というのは、もともと、その栄養素が不足しがちなものについて補充するというものであります。そういった観点から、どういったものが対象候補になるかを検討するということもありますし、栄養機能食品の制度をつくっていくに当たりましては、そもそも、その栄養素の1日当たり望ましい量を検討いたしまして、それに対してどの程度の量を含まれているか、上限、下限で示して、栄養機能食品として栄養素の機能を表示させるという枠組みでつくっております。したがいまして、対象となる栄養素について、1日当たりの望ましい摂取量ですとか、それを踏まえた栄養機能食品の対象になる上限値、下限値などの検討を進めていって、来年度には具体的な追加をしていきたいと考えております。
次に、(2)の特定保健用食品についてですけれども、有効性に関する審査基準の作成について、特定保健用食品は、消費者委員会及び食品安全委員会で有効性、安全性の審査をしていただいております。この制度は、消費者庁に来る前は厚生労働省の所管であったわけですけれども、その当時から、例えば有効性についての試験のデザインですとか、そういったものが示されているわけでございます。ここで求められているのは、そういった試験デザインについて、さらに具体的なものを示して審査の合理化を図るというものであります。これについては昨年度から消費者庁内部でも検討しておりまして、ここは、できればということになるかもしれませんけれども、10月または11月には具体的な案を示し、消費者委員会でも御議論をいただけるように進めていきたいと思っております。
有効性の科学的根拠の公開につきましては、今、特定保健用食品の各種データは、独立行政法人国立健康・栄養研究所のウェブサイトで公表していただいております。この公表に当たりましては、消費者庁から許可をするに当たりまして、該当企業に協力要請をして、そのもとにいろいろとデータを提供していただいて、このウェブサイトをつくっていただいているという仕組みになっております。さらに、最近の措置としては、消費者庁の特定保健用食品に関するウェブのページから国立健康・栄養研究所のウェブにリンクを張ることによって、消費者庁のウェブを見ている人にも、そういった情報を広くごらんいただけるようにしております。
確認したい事項に書いておりますマル2の部分は、規制改革会議の答申である、新しい機能性の表示の方策の検討のことを指していると思いますけれども、これについては、来年度中に制度を実施することが定められております。それに従って、その時期に間に合うように検討していきたいと思っております。
その次のわかりやすい表示への見直しにつきましては、特定保健用食品については、有効性の審査基準等の見直しの中であわせて、許可文言をどういうふうにすればよりわかりやすい表示になっていけるのかということも、あわせて検討していただくことを考えていきたいと思っております。

○消費者庁宗林消費者安全課長 それでは、建議の4番でございます。消費者庁及び厚生労働省は、保健機能食品を含む健康食品の特性、それらの適切な利用方法、機能性表示の意味等について、消費者に対して積極的な啓発を行うこと、という建議をいただいております。
消費者庁としましては、リスクコミュニケーションは是非とも実施していきたいと思っております。前半、まだ開催しておりませんので実績がここにお示しできないのですが、一昨年は3回ほど健康食品に関するリスクコミュニケーションをいたしました。昨年度は、食品と放射能のほうのリスコミを175回実施ということで、そちらのほうに集中せざるをえなくなり、健康食品についてのリスクコミュニケーションは開催できないという事情がございました。
特に、厚生労働省からも資料が出ておりますけれども、飲み合わせ、相互作用ということも大変重視しております。厚労省から出していただいた資料で恐縮なのですが、その表中の血液抗凝固剤のワーファリンという薬は大変多くの方が飲んでおり、また、ビタミンKという一般的な例えば青汁やクロレラに含まれているものもあるわけで、この飲み合わせもまだまだ知られていないことが多いのではないかと考えております。小児や高齢者の要配慮者についての利用等も含めまして、消費者の理解の促進となるよう今後努めていきたいということで、建議にもありますように、保健機能食品の意味、それ以外の健康食品の意味も含めて、意見交換の場を持ちたいと考えております。
なお、消費者庁では、消費者安全法による通知、あるいはPIO-NETからの入力ということで、製品も含めまして、日々、事故情報を入手して点検しております。その中で、ある特定の健康食品に事故情報が何件か寄せられた場合には、厚生労働省と情報を共有しまして、事業者へのヒアリング、場合によっては試験に出すということも実は実施しております。昨年度は、1か月以上の加療を伴うような重大事故、あるいは、それの診断書がついたようなものはありませんでした。厚生労働省とともにこの情報を共有しながらやっていきたいと思っているところでございます。
リスクコミュニケーションの今後の予定は、これから後半になりますけれども、年度内に2回ぐらいは開催したいと考えております。啓発だけでなく、関係機関と連携して実施するということでございますが、これはまだ具体的にスケジュール化されておりませんので、関係機関ともこれから相談しながら進めてまいりたいと考えております。

○厚生労働省岡崎医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室専門官 続きまして、厚生労働省としての消費者に対する積極的な啓発の取組みとして、平成24年3月に、健康食品の特性などに関する「健康食品の正しい利用法」というパンフレット(資料1-5-4)を作成しております。また、食品衛生法に基づく販売禁止の措置がとられた場合とか、海外情報に基づく健康被害情報などについては、適宜ホームページに掲載することによって消費者に積極的に普及啓発を行っております。
先ほどのパンフレットにつきましても、今年の4月に一部改訂を行いまして、先ほどお見せした内容と重複しますけれども、パンフレットの8ページに具体的な医薬品の成分、種類を記載したものを掲載しております。こちらのパンフレットは基本的に一般者向けのパンフレットになっておりますので、先ほどのパンフレットよりも全体的な作りとしてより一般の方に分かりやすく作っております。
また、厚生労働省の広報誌がありまして、その中で「健康食品の知識と注意点」を特集しまして、健康食品の法的な位置づけ、国の施策、自治体、医師会、国立健康・栄養研究所、業界の取組みについても紹介し、消費者に対する普及啓発を促進しております。
以上でございます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。まずは、建議に対しまして、それぞれ真摯に御対応いただいていることにお礼を申し上げたいと思います。
それでは、御意見のある方は発言をお願いします。いかがでしょうか。
田島委員、どうぞ。

○田島委員 御説明、ありがとうございました。建議を一生懸命やりましたので、それに対してお答えいただきまして本当にありがとうございます。余り追加しての発言はないのですけれども、まず1点目、これは質問です。広告宣伝のガイドラインの改訂をしてくださいというのが建議の1番目でございますが、そのことに関しての回答が何か曖昧で、ガイドラインの改訂をするのか、しないのか。するとしたら一体いつまでにするのかというのを、もう一度御説明していただきたいと思います。
2点目は、例の規制改革会議の流れで、いわゆる健康食品を一般食品にまで範囲を広げて一般食品に機能性表示を認めようという動きがある。それに対して、消費者には機能性表示を十分に理解してもらうように求めていただきたいということを建議しているわけですが、規制改革会議でも、科学的根拠があるものについては機能性表示を認めてもよろしいという表現になっていたのですが、その科学的根拠という言葉ほど曖昧なものは実はないのです。何をもって科学的根拠と言うかというのは人さまざまで、特定保健用食品の場合には、特定保健用食品の定めた試験法と言いますか、審査基準に基づいて科学的根拠を認めている。それにすぎないのであって、規制改革会議の科学的根拠という言葉は非常に曖昧なので、今後、あの流れに沿って一般食品に対して機能性表示を認めるという方向になるのだとしたら、消費者に対して十分にリスクコミュニケーションをとって、この機能性表示が一体何を意味しているのかということを、誤りがないように伝える努力をしていただきたいと思います。
これはコメントでございますけれども、以上、2点でございます。

○河上委員長 それでは、消費者庁にお願いします。

○消費者庁片桐表示対策課長 まず、1点目の広告宣伝のガイドラインを改訂するのか、しないのか、いつまでにするのかという御質問でございます。建議で御指摘をいただいているガイドラインは厚生労働省のガイドラインでございますけれども、これ自体を改訂するとか、廃止するということではなくて、既存のガイドラインを含めて、さらに景品表示法の考え方、これも既存のガイドラインが幾つかございますけれども、それも併せて、なおかつ、今までの健康食品についての指導事例も加味した包括的かつ分かりやすい新たなガイドラインを作りたいと考えております。今後、パブリックコメント等の所要の手続も踏んだ上で、本年中には策定、公表したいと考えているということでございます。

○河上委員長 ガイドラインというのは、もともと厚生労働省が持っているものですか。

○消費者庁片桐表示対策課長 そうです。

○河上委員長 厚生労働省では、そのガイドラインに対して何かお考えはお持ちなのでしょうか。

○消費者庁片桐表示対策課長 ガイドラインそのものは厚生労働省の名前ですけれども、健康増進法が消費者庁に移管されておりますので、今後、健康食品について、健康増進法なども含めたものを新たに消費者庁で作りたいと考えている、そういうことでございます。

○河上委員長 そういう意味では、お互いに情報を共有しながらやっていくことになりましょうか。

○消費者庁片桐表示対策課長 はい。

○河上委員長 2番目の点は御意見ということでしたけれども、何かお考えがございましたらお願いします。

○消費者庁増田食品表示企画課長 規制改革会議の御指摘の、特定保健用食品、栄養機能食品に加えて新たな機能性の表示の方策を検討すべしということにつきましては、もちろん今後、具体的な制度設計等を検討していくわけですけれども、科学的根拠については、少なくともこういった根拠をもとに表示すべきであるというようなことは示していきたいと思っております。そういったことをした上で、消費者にとってどういう情報提供が必要なのかということはあわせて検討していく必要があると思っております。
さらに、この場でも出ましたけれども、飲み合わせその他の問題もありますので、健康食品に対する消費者への普及啓発、情報提供についても、これは表示という問題を離れた部分もありますけれども、あわせて検討していきたいと思っております。

○河上委員長 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 これは、建議の過程でもいろいろ議論をしたところではありますが、3点、御質問させていただきたいと思います。
まず、1ページの先ほど話が出たガイドラインの問題です。今、一番使い勝手がいいといいますか、例えばテレビの宣伝などでも有効に機能しているのは化粧品のガイドラインであります。これは、具体的かつ詳細に、ガイドラインが定められているおかげで、メーカーのほうがこういう宣伝をしたいとテレビ局などに申し出ても、ガイドラインでこれこれこういうことでこういう表示はだめとなっているので、こういう広告の在り方は控えさせていただきますと、テレビ局のほうが断りやすい。これは雑誌などでもそうです。比較的化粧品のガイドラインはしっかりしていて具体的なので、使い勝手がいいといいますか、かなり機能していると聞きます。
なぜそういうふうに健康食品はできないのかと聞くと、化粧品は薬事法の適用対象ということで、比較的強制権限を持ってできている。ところが、健康食品については、おかげさまで何とかというようなことで、元気そうなタレントが出てきて、これを飲んでいるとあのタレントみたいになれるかのような、想像力を駆り立てるような宣伝がはびこっている。これを放置していていいのかという問題と同時に、これはもうどうにもなりませんという意見と両方あって、非常に悩ましいところだったわけです。したがって、ここについて相当頑張って基準をつくっていただかないと、結局、役に立たないのではないか。
実は日本健康・栄養食品協会で、特保の健康食品の広告審査会をことしの秋からスタートさせるらしいのですが、それはそれで業界として自主的にやっていただく分にはとてもいいことだと思いますけれども、残念ながら、業界の中での組織率が低い。審査会を浸透させていくといいますが、アウトサイダーにもこういう組織に入っていない大手さんもおられるので、相当きちんとしたガイドラインをつくっていただかないと、結局、いわゆる想像力を駆り立てて、やたら新聞やテレビその他に出ているようなものによる弊害が、どこまでおさまるのかというところは疑問です。来年の春までに何かおつくりいただくというのは大変いいことだし、是非お願いしたいと思いますが、想像力を駆り立てるような、そういう間接的な表現の広告宣伝について、どういう姿勢で臨まれるおつもりなのか、それをお聞きしたいと思います。
2番目に、これは片桐課長からかなり詳しく、景品表示法の改正による都道府県の権限の強化といいますか、執行力の強化については、消極的な意見が出されたわけですけれども、正直言って残念な考え方だと思います。現実に、例えば特商法についても都道府県は権限を持っているわけですが、実際に都道府県が付与されている景表法の執行権限を積極的に行使している県もあれば、全く行使していない県もあります。ただ、県がそういう権限を持っていることが違反行為への大きな抑止力になっていることは間違いないわけです。
先ほど聞いたところ、措置命令の権限を持ったらいいかどうかについては、ほぼ拮抗しているような話でしたし、いわゆる推定効については、推定効を持たせてもらったほうがやりやすいというお考えの都道府県が圧倒的に多かったように聞きました。そうなると、健康食品の業界の行政的規制の難しさは、手がないといいますか、保健所がほとんどこの面で機能していないという実態がある。やはり関心を持つ適格消費者団体の強力なこの問題についてのかかわりもほしいし、都道府県もこの問題にかかわっていくという積極的な手がないと、なかなか効果的な執行は難しいのではないかと思いますので、そういう点からもう一歩考え直すことはできないのか。
もう一つは、ことしの9月までに適格消費者団体の実情についてまとめて、何らかの方向を出すとおっしゃったのですが、それがどうなりそうかについても、もし可能であればお話しいただければと思います。
厚労省の関係で、先ほど資料を拝見したところ、薬品との飲み合わせで問題がある健康食品について、相当パンフレットなどで説明されています。かなり具体的にここまで出されているならば、これは権限の問題があるので、ちょっとどうなるのか疑問ですが、健康食品の表示なり包装にこういう薬品との飲み合わせについては気をつけてくださいということについて、どの程度徹底した指導をなさっているのか。相当程度明らかになっている部分もあるならば、飲み合わせによる弊害の問題については、健康食品の製品に表示をきちっとしてもらうという視点が必要だと思いますが、その辺についてはどういうふうにお考えなのか。
以上、3点、お伺いします。

○河上委員長 それでは、消費者庁からお願いします。

○消費者庁片桐表示対策課長 まず、ガイドラインについて、健康食品は想像力をかき立てる問題となる表示ということでしょうけれども、これについて、策定予定のガイドラインでどのような姿勢で臨むのかというお尋ねでございました。これにつきましては、先ほどの説明が少し舌足らずだったかもしれませんけれども、まさに御指摘いただいているところが一つのポイントだと思っております。直接的な表現であれば、多くの人が見て問題だと分かるわけですが、間接的・暗示的な表現については必ずしもそうではない。そのために執行が十分でないとの御指摘もいただいておりますので、間接的・暗示的な表現について、健康増進法、景品表示法の考え方、つまり間接的・暗示的な表現であっても問題となる場合があるということも含めて、分かりやすいガイドラインを策定したいと思っております。
2点目は、景表法の措置命令の権限と、不実証広告規制の権限の都道府県への付与でございます。消極的な答えに聞こえたかもしれませんけれども、消費者庁としては、両権限を付与するという基本的な姿勢の下で今まで検討を続けてきて、都道府県にも意見を聞いてきたということでございます。その結果、先ほどの繰り返しになりますけれども、両権限について、現行の指示に代えて自治事務の権限として付与するほかはないので、権限を付与する方向で検討を進めるということですけれども、それについては、都道府県の総意として両権限について付与をするという、都道府県の合意形成が必要だということで、その点について都道府県にお話をしているということでございます。
それから、適格消費者団体のアンケートを踏まえた検討の方向がどうなりそうかということでございますけれども、これはアンケート結果の分析中でございまして、方向性を示すにはまだ時期が早いかなと考えております。ただ、訴訟の提起はないのですけれども、事前段階の申入れ、協議、これの数はそこそこあって、それによって多くの事案がその段階で解決しているという実態にはあるようでございます。引き続き、その問題点を分析いたしまして、それについて必要な措置を考えていきたいと考えております。

○河上委員長 厚労省に移る前に小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 今の第2の点について、景表法のことで行政法の観点から申し上げたいのですが。消極的ということではなく検討してくださったということはわかりましたけれども、基本的にここでの「指示」というのは、今の整理では行政指導です。法的な拘束力はなく、もし指示に違反しても強制できる規定はない。罰則はない状態です。そうすると、基本的に行政指導は規定がなくてもできるのです。もし、「指示」という条文がなくても、行政指導ですから。行政指導というのは、要するに法的な根拠がなくてもできるので、それが本来の行政指導なのです。
都道府県に対して、措置命令権限、合理的根拠の提出要求権限という法的な効力のある権限を付与したい、そういうことで考えてはどうですかということを建議させていただいたのですが、ここで法定受託事務になるからという話があるのですが、基本的に自治事務でも並行権限という考え方もありえます。つまり、都道府県が本来的には権限を行使するけれども、国も並行権限として行使できる、そういう制度設計も可能ですから、都道府県が足並みそろえて、ほぼ総意で、全部の都道府県が権限をくださいと言わないとなかなか難しい。というようなお答えだったかと思いますが、そこまで足並みをそろえる必要はないと思います。とりあえず、そういう権限が全くないというところが問題なので、それを都道府県に付与し、仮にそれを行使しなくても、行政指導レベルで「指示」ということは法律がなくてもできます。したがって、両方規定するという立法はやらないだろうというのは確かにおっしゃるとおりかもしれませんが、それは「指示」は、行政指導でできるからなのです。考え方として、全部総意で足並みそろえないとだめですという話ではないですし、国のほうも並行権限で権限を行使するということも制度として考えられるのではないかと私は考えますので、このお答えでは、やはり消極的すぎるのではないかという感じがいたしました。

○河上委員長 我々の提言は、指示か措置か選べという話ではないのです。そこはむしろ、今ないものに関してプラスで与えることによって、その権限を行使する可能性を認めてやろうではないかと。国からの委託ともまた違うということになりますね。

○小幡委員 制度設計上、自治事務で権限を都道府県が行使することになっても、並行権限という形で国も行使することは可能ですから、そういうことも含めて御検討いただいてもよいと思います。

○河上委員長 今の件に関しては、お答えに納得がいかない部分があったということだろうと思うので、また後で議論させてください。今、もし何かお話があれば伺いますが。

○消費者庁片桐表示対策課長 私が指示との併存ができないと言ったのは、法律に規定のない行政指導は、おっしゃるように確かに今でもできます。今、都道府県は、法律に規定のある行政指導と法律に規定のない行政指導と両方できるということですけれども、法律に規定のある行政指導と措置命令の権限というのは、法律上、併存することは難しいということです。

○小幡委員 今、委員長がおっしゃったように、併存を必ずしなさいと求めているわけではなくて、法的な権限のある措置命令をできることにしてよいでしょうと、そういうことを申し上げているのです。行政指導はいずれもできるわけです、法律に根拠がなくても。ですから、「指示」のほうがなくなっても、措置命令だけでも構わない、そういう趣旨だと思います。

○山口委員長代理 もう一点、よろしいですか。とにかく健康増進法で最大の問題は、健康増進法違反だということで行政が動いた例が一件もないという実情なわけです。健康増進法なんて守らなくても、行政は何もやってこないから大丈夫だ、言った者勝ちという世界になってしまっている傾向があると言わざるを得ない状況なわけです。やはりこれはまずい。少なくとも行政的に、行き過ぎた広告宣伝はいけませんということをやっているわけだから、そこについて、何でもかんでも消費者庁頑張りなさいというのは無理があるというのはよくわかっている。機能強化室をつくって、そこでやられるというのは大変結構なことだし、是非頑張ってほしいと思いますが、やはり手が足りないところは、適格消費者団体、健康増進法を使って差止め、その他、あるいはそれについての申入れも含めてやったらどうですか。都道府県も動いてくださいというほうがどれだけいいかと思いますが、その辺、もう一回見直しをよろしくお願いします。

○消費者庁片桐表示対策課長 その点は全く同感で、都道府県、適格消費者団体のお力も是非有効に借りられる方向で検討したいと思います。

○河上委員長 先ほどの数値を聞いた限りでも、反対のほうはどちらも5でしたね。ですから、多数はやるつもりがあると考えていいのではないかと思います。全部が一致しないと動けませんという言い方は、ちょっとどうかなという気がしました。

○山口委員長代理 しかも、意欲のある都道府県が権限を持ちたいと。権限があればもっと効果的にできるのにと、歯噛みをしているのが見えるではないですか。そこはやはり、頑張ってやってみてくださいと。そうであれば、こちらの県でもやれているのだから、隣の県でもどうですかという話になっていくと思うのです。そこのところはちょっと考え直していただければと思います。

○小幡委員 今は、権限行使はできないかもしれない、それほど権限をほしくないと答えているところも、きちんと権限が付与されて、やらなければいけないとなった場合には、命令することになるわけです。と申しますか、そのようになってもらわないと困るわけですから、むしろそれを促していくという考え方を逆にとっていただければと思います。

○河上委員長 では、続きまして厚生労働省、お願いします。

○厚生労働省稲川医薬食品局監視指導・麻薬対策課室長 飲み合わせの関係でございますけれども、医薬品の添付文書の中には、例えば、特定の健康食品と飲み合わせることによって薬効が増強する、あるいは減るということがあるのであれば、そういうものをちゃんと書いて注意喚起はやっております。山口委員長代理のお尋ねで、むしろ食品のほうにということでありますと、消費者庁にお答えいただくことになるのかなと思いますが。

○河上委員長 どちらでも結構ですけれども、消費者庁に答えてもらったほうがいいということであれば。

○厚生労働省稲川医薬食品局監視指導・麻薬対策課室長 消費者庁に答えてもらったほうがいいと思います。

○河上委員長 では、消費者庁からもお答えをいただければと思います。

○消費者庁増田食品表示企画課長 薬と食品との飲み合わせというか、食べ合わせについては確かにいろいろな例があり、先ほどお話があったように、薬の側から、こういう食品と合わせて食べるときは注意してくださいというのもありましょうし、薬に限らず、一定の病気の人についても、こういう食品については摂取を控えるようにということは医者からの指導もあるのだと思います。むしろ食品のサイドからそれをアプローチするというのは、具体的な危険性にもよると思いますけれども、一般的に言って、食品の側にこういう薬と一緒には食べないでくださいと、義務で書かせるというのは難しいのではないかと考えています。

○河上委員長 健康食品に限ってということだと思いますが。

○消費者庁増田食品表示企画課長 健康食品だと特に、具体的な危険性の度合いとか、そういったことによると思います。

○山口委員長代理 資料1-5-3を見ていただきますと、これは厚労省の資料ですが、7ページ辺りには、これこれの健康食品に添加されている天然植物と医薬品成分との関係で具体的にいろいろ書いてあります。厚労省のサイドで薬について御尽力いただいているということであれば、逆に健康食品サイドについても、注意喚起をする努力は消費者庁のほうであってしかるべきだと思いますが、その点はどういうふうにお考えなのでしょうか。

○消費者庁増田食品表示企画課長 どういう形で食品の側から消費者に対して、あるいはお客さんに対して注意喚起をしていくのかというのは、いろいろ取組みの仕方があると思いますけれども、一般的に考えて、今のものをいきなり食品に義務的に表示するというのはなかなかすぐには難しいのではないかと思います。

○山口委員長代理 注意喚起ということはあり得ないですか。

○消費者庁増田食品表示企画課長 行政からやる注意喚起というのはもちろんあると思いますし、それは、健康食品についてもリスコミなどの中でやられることはあると思います。

○河上委員長 宗林課長、何かありますか。

○消費者庁宗林消費者安全課長 ちょっと話はずれるかもしれませんが、アレルギーなどに関しては、一部の健康食品について、アレルギーをお持ちの方は少し気をつけるとか、飲まないほうがいいとか、そういう表示は、もちろん任意ではありますけれども、かなりあると思います。それから、例えばカフェインなどは子どもに対しての注意があったり、たくさん飲むとおなかがゆるくなるとか、そういうものはあると思いますが、特定の医薬品に対してというのは、今の時点では、ないということだろうと思います。私は、血液抗凝固剤のワーファリンと、クロレラとか青汁とか、すごく一般的なものもあるというようなことを思っていますので、リスクコミュニケーションの中で、直接皆様方にそういう知識を周知していくことが大切だと考えておりますが、表示という形では、どこまでするかというのは検討の余地があるかと思います。

○河上委員長 個々の食品に表示するかどうかということとは別に、例えば健康食品に添加されている成分とこういう医薬品とは一定の相互作用があり得るという情報は、食品の側からも出していいのではないかということだと思いますがいかがですか。

○消費者庁宗林消費者安全課長 これは、知っている人は知っているのですが、利用される方は、御高齢の方だったり、いろいろな方が多種多様に利用されますので、そういう意味では周知度が不足しているのではないかと思います。先ほどのリスクコミュニケーションも含めまして、ペーパーとしても厚生労働省から出ていますし、栄養研のページでも出ていますが、これからしっかりそこはやっていったほうがいいだろうと思いますので、消費者庁としても取り組んでまいりたいと思います。

○河上委員長 ほかに何か御意見はございますか。
特によろしいですか。

○原事務局長資料1-8PDFを別ウィンドウで開きますについて、消費者庁からの説明を。

○河上委員長 資料1-8について、簡単に説明をいただけますか。

○消費者庁増田食品表示企画課長 資料1-8、「特定保健用食品の表示許可制度についての提言」に対する実施状況ということでございます。これは、平成23年に消費者委員会から出された提言でございます。具体的には、特定保健用食品を許可するに当たっては、有効性、安全性について審査し、問題のないものについて許可をするわけですけれども、場合によっては許可後、新たな科学的知見によって安全性等について問題がわかる場合があり、そういった場合についてどういうふうに対応するのかということについての御提言であります。
御指摘の1点目は、再審査の手続の迅速化を図るという点と審査手続後の対応の可能性ということです。この問題に当たっては、新たな科学的知見が得られた場合、それを速やかに行政も収集していくことが必要だということで、事業者から消費者庁に報告させるということ。そういった情報が得られた場合に再審査手続をするのか、しないのかということについて検討をすること。(2)では、そういった科学的知見が得られたときに、消費者への情報提供等についてどういうふうにしたらいいかということについても、あわせて検討すべきという御提言でございます。
許可後の知見の収集につきましては、この提言を踏まえまして消費者庁では、現在、個々の事業者の方に許可をするときに、あわせて、その成分についての研究報告、海外の事例、事故情報、そういったものについて新たな知見が得られたときには消費者庁に報告することを求めております。
事業者から求めるとともに、一方、例えば食品安全委員会では海外を含めて食品に対する事故情報などの収集をしておりますので、そういったところから情報の提供を受けて、特定保健用食品の成分についてそういった問題がないかどうかを確認する。あるいは、独立行政法人国立健康・栄養研究所においてもそういった情報収集をしておりますので、そういったところからも消費者庁としても情報を得て、問題がないかどうかのチェックをしているところであります。そういった形で、情報収集についてはいろいろ取組みをしております。
一方、万が一そういう情報を得たときにどうするのか。再審査をするのか、しないのか、あるいは、消費者への情報提供をどうするのかということについては、ある程度そういった新たな知見の蓄積がないと、こういう場合はどうするかというのをなかなか決められないというところがございます。そういった情報があったときには、個々具体的に判断をするということがまずあって、それが、幾つかあることが望ましいわけではないですけれども、ある程度蓄積があった段階で類型化等の検討をしていきたいと思っております。
それから、許可の更新制について検討すべしということが2ページ目に書かれていることでございます。特定保健用食品については、制度発足時から20年ぐらいたっているわけですけれども、当初は有効期間を設けておりまして、実質的に更新制という形になっていたわけです。これが何年間か制度運用していく中で、行政改革等の観点から、更新制を廃止すべきという閣議決定を経て更新制が廃止されている状況にございます。そういった中で、更新制について検討すべきということが御提言としてあるわけで、さらに、更新制にするに当たっては、適切な有効期限はどういう期間かということを検討していくことが必要である、ということが書かれております。
ここにつきましては、新たな知見が蓄積されて、どのくらいたったら見直しが必要になるということがある程度わかってこないと、どういう期限で切れば適当かという検討は抽象的には難しいというふうに思っております。一方、今でも再審査という仕組みはございます。新たな知見を得たときには再審査をし、必要に応じて許可の取消しをするという仕組みは既に整えられておりますので、まずはそういった既存の手続をとりながら対応していく中で、更新制についても、どういった期間であれば見直しをする必要があるのかということについての蓄積を待つ必要があると思っております。

○河上委員長 今の点はどうですか。確かに有効性の期間を見極めるのは難しいだろうと思います。けれども、運転免許と同じで、ある段階で確認のためのチェックをかけるという形での更新制は有効性とは違いますね。特保の認可を与えたとしたときに、それがどのくらい有効期間をもって語れるかというのを見極めるのは難しいとおっしゃったのですが、そうではなくて、その都度チェックポイントを設けていって、大丈夫です、現時点でも問題はありません、というふうに見ていくのが更新制の考え方でしょうから、その意味では、ある程度の期間を定型的に設けることはそんなに背理ではないような気がします。

○消費者庁増田食品表示企画課長 個々それぞれ、許可には許可制度の持っているねらいがあると思います。特定保健用食品の許可の有効期間については、この提言の中に書かれているとおり、最初の審査の段階では安全であると判断されたものが、その後、そのときわからなかった事実によって実は安全ではなかったことがわかる。そのときにどうするかというものであります。そういったものがわかったときには、その段階において再審査をするという仕組みがあるのが今の段階です。それを超えて、例えば何年かたったらそれなりの確率で新たな知見が生じるであろうから、そこまでですというふうにするのは、そもそも何年かということを決めていくことを含めて、現段階で、何年だったらそういう具体的な必要が生じますということを判断するのは難しいと思います。

○河上委員長 山口委員長代理、どうぞ。

○山口委員長代理 これは第1期の委員会のときに随分議論をして、やはり更新制は必要だということで提言を出した前提は、有効成分が含まれているような十中八九のものについては、更新するときもほとんど自動で更新が認められるだろう。ただ、一定の有効成分について、その後、議論が起こったとか、あるいは、そのときに議論は余り出ませんでしたが、例えばこの特保については広告宣伝の在り方がいろいろ議論を起こしているとか、そういうものについては、例えば5年後見直したときに、この広告でこの特保はいかがなものかという議論があってもおかしくないわけです。
これはそんなに行政の肥大化になるわけではない。基本的に十中八九は更新は認める前提で、いろいろな議論が起こったものに限定してでも、定期的に見直すことはあってしかるべきではないかというのが、第1期の委員会で、更新制をとったらどうですかという提言の議論の中で出た話だったと思います。その辺、やたら難しく考えて慎重な検討とおっしゃっているとしか見えないけれども、もう少し割り切って検討はできないのでしょうか。

○河上委員長 田島委員は何か御意見がありますか。

○田島委員 更新制の導入を求めたのは、この委員会では、当時の宗林委員も国民生活センターの代表でお出になっていたということを、今、思い出しましたけれども、更新制を導入しないと、今でも確かに仕組みとしては、新たな科学的知見を見出したら報告しなさいということを義務づけてはいますが、科学技術というのはまさに日進月歩なのです。毎日毎日、膨大な数のレポートが出ています。そういうものを網羅的に収集というのがどうしてもスムーズにいかなくなる。更新制という機会があれば、更新の時期になったら事業者のほうは、もう一度振り返って、果たして有効成分がどうなのか、安全性はどうなのかというのを真剣になって見直す機会が得られる。それが更新制のいいところだと思います。
しかも、特に有効成分の評価というものは、まさに機能性研究というのは進歩が非常に激しいというので、新たに審査をしているときに、過去に承認したものについて、この有効性の表現はちょっと見直したいなというのが多々あります。でも、今の制度では、それが当の事業者から申請がなければ見直すことができない。それが更新制ということになれば、更新のときに有効性についての表現をもう一度変えてもらうとか、そういうことが可能になるというので、余り難しく考えないで、更新制を取り入れると事業者にとってもメリットがあると思います。5年なら5年ごとに自分の製品についてもう一度見直すチャンスを与えるということで、事業者にとっても非常にいい制度だと私は思っております。

○河上委員長 消費者庁、何かございましたら発言願います。

○消費者庁増田食品表示企画課長 いろいろな側面があって、全ての場合、更新制が適当かというのはやや疑問もありますけれども、いずれにしても、更新制の仕組みについては過去既に導入されていて、それが規制改革の観点から、まさにこの提言にも書いてあるとおり、それは事業者にとって過重な負担ではないですかということから、廃止された経緯が事実としてあります。ですから、更新制を具体的に制度設計するに当たっては、まさにこの提言にも書いてあるとおり、適切な有効期間が何なのかということについて、具体的な情報がないと全く同じことになるのではないかと思います。もし、10年なり20年なりであれば、従来わからなかったことがわかってきますということが言えるのであれば、それは具体的な制度設計としてあり得ると思いますけれども、それがなかなかない段階で進めるというのは、過去の経緯から言っても難しいと思います。それと、再審査という仕組みが既にあって、指摘される問題については対応ができる措置はとられていると考えます。

○河上委員長 この問題について、ほかに御意見はございますか。
まだほかにもいろいろあるかとは思いますけれども、一応、お話は伺ったということに致します。消費者庁、厚生労働省におかれましては、建議の内容に対して真摯にお取り組みいただいたということで、お礼を申し上げたいというのは最初に申し上げたとおりであります。
「『健康食品』の表示等の在り方に関する建議」について、御報告をいただいたわけですが、まず第1に、健康食品の表示・広告について、お話では、留意事項などの収集、分析、公表を予定されているとのことであります。消費者庁におかれましては、健康食品の表示・広告について、間接的な表現、暗示的な表現を含めまして、それが虚偽あるいは誇大なものでないかということの判断基準が、できるだけ理解しやすいものになるように、健康増進法、景品表示法の留意事項の作成に取り組んでいただきたいということで、よろしくお願いしたいと思います。
また、消費者庁、厚生労働省におかれましては、健康食品の表示・広告の関係法令を担当する部局間の密接な連携を確保して厳正な法執行に努めていただくよう、改めてお願いいたしたいと思います。
さらに、消費者庁におかれましては、景品表示法第10条の適格消費者団体による差止請求権の利用実態をしっかり検証していただいて、これに類する規定を健康増進法にも導入することの要否についても、検討していただければと思います。
第2に、健康食品の安全性に関してであります。厚生労働省におかれましては、健康食品の被害情報の収集、解析を行う研究を継続していただいて、その研究成果等を踏まえて、健康被害防止のために対応が必要である場合は、当該製品・成分の流通規制等の所要の措置を速やかに講じていただきたいと思います。
第3に、機能性表示の話であります。機能性表示については当委員会で以前より申し上げておりますし、きょうも委員会の中で意見が出ましたが、健康食品の機能性表示を検討する場合には、適切な科学的手法、その概念も非常に曖昧だということが言われましたけれども、それは適切な方法によるものであるという前提で、そのような機能性の評価、正しい情報の提供、十分な消費者理解を確保すること、これが必要不可欠であります。これらが十分に確保され、消費者が適切に健康食品の利用の要否あるいは適否を判断できるように、消費者庁、厚生労働省において、制度の検討に当たって御配慮いただくようお願いしたいと思います。
さらに、「特定保健用食品の表示許可制度についての提言」に関してであります。消費者庁におかれましては、特定保健用食品の審査に、必要かつ十分な試験デザインの枠組み等の審査基準を検討するために、平成24年度に特定保健用食品の審査基準の検討事業を実施されたとうかがっておりまして、その点については高く評価しております。
しかしながら、2009(平成21年)に発売中止になりましたエコナ問題のように、一旦市場に流通した特定保健用食品の有効性、安全性に関する新たな科学的知見の収集をどうすべきかということについては、しっかりとした体制を構築していただきたい。そのためには、第1次の消費者委員会でも提言し、現在の消費者委員会でも再度申し上げましたように、更新制を導入することは妥当な方法ではないかと考えているところでございます。科学的知見というのは、田島委員からも出ましたように日進月歩であります。どの時点で更新チェックをかけるかというのは、一つの技術的な問題かもしれませんけれども、更新制の導入はさらに検討の余地があるのではないかと思われます。
消費者庁におかれましては、更新制の導入に向けた適切な期間のとり方、申請に要する資料、迅速かつ効率的な審査体制等の検討をぜひ前向きに進めていただくことをお願いしたいと思います。
以上、意見とさせていただきますが、消費者庁及び厚生労働省におかれましては、お忙しい中、審議に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。
本日の議題は以上でございます。お忙しい中、審議に御協力いただきまして、ありがと
うございました。

≪3.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から、今後の予定等について、説明をお願いいたします。

○原事務局長 次回ですけれども、第2次消費者委員会としては最後の委員会になりますが、8月27日(火曜日)を予定しております。
議題については、確定次第、ホームページで御案内いたします。
以上です。

○河上委員長 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)