消費者委員会委員と適格消費者団体との意見交換会 議事録

日時

2012年2月16日(木)10:59~12:16

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
 河上委員長、山口委員長代理、川戸委員、田島委員、細川委員
【参加団体】
 特定非営利活動法人消費者機構日本  狩野副理事長
佐々木常任理事
中野常任理事
磯辺専務理事
 特定非営利活動法人消費者支援機構関西  飯田副理事長
西島事務局長
 社団法人全国消費生活相談員協会  丹野理事長
石田常任理事
 特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワーク  長野理事・事務局長
 特定非営利活動法人ひょうご消費者ネット  圓山理事
 特定非営利活動法人あいち消費者被害防止ネットワーク  小田検討委員
【事務局】
 原事務局長、小田審議官

議事次第

1.開会
2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換
3.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第(PDF形式:7KB)
【資料1】 特定非営利活動法人消費者機構日本提出資料(PDF形式:195KB)
【資料2】 特定非営利活動法人消費者支援機構関西提出資料(PDF形式:242KB)
【資料3】 社団法人全国消費生活相談員協会提出資料(PDF形式:200KB)
【資料4】 特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワーク提出資料(PDF形式:137KB)
【資料5】 特定非営利活動法人ひょうご消費者ネット提出資料(PDF形式:143KB)
【資料6】 特定非営利活動法人あいち消費者被害防止ネットワーク提出資料(PDF形式:166KB)

≪1.開会≫

○原事務局長 それでは、貴重な時間なので、始めさせていただきたいと思います。
 今回は、夕刻に院内集会が開かれるということをお聞きしまして、急遽、そのタイミングに合わせて適格消費者団体との意見交換会をさせていただきたいということで申し込みました。そのためもありまして、出席が、日程に合わなかった委員会委員もおりまして、半分の人数で開かせていただきますけれども、各委員にそれぞれお話しいただいたことをお伝えしようと思っておりますので、短い時間ですけれども、よろしくお願いいたします。
 資料といたしまして、皆様方から御提出いただいた資料、消費者委員会のリーフレット、これまでの建議、意見表明の部分と、第2次になってからの活動の資料をおつけしております。
 それでは、委員長、よろしくお願いいたします。

≪2.消費者委員会の活動状況等に関する意見交換≫

○河上委員長 おはようございます。委員長の河上でございます。よろしくお願いいたします。
 きょうは、本当にお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 ただいまから、「消費者委員会委員と適格消費者団体との意見交換会」を開催いたします。
 昨年9月に第2次の消費者委員会がスタートいたしましたけれども、当委員会の今後の運営改善の参考に資するため、消費者団体ほか関係団体等から御意見を伺うとともに、委員との意見交換を目的とした会合を、昨年12月から今年1月にかけて3回ほど実施してまいりました。本日は、同様の趣旨で適格消費者団体にお声かけさせていただいて、6団体にお越しいただいております。
 まず、各団体の皆様の方から主な活動を御紹介いただいた上で、今後の消費者委員会の活動に何を期待するかといった点などをお伺いして、その後、委員との意見交換とさせていただきたいと思います。時間は限られておりますけれども、よろしくお願いいたします。
 初めに、特定非営利活動法人消費者機構日本の狩野副理事長、佐々木常任理事、中野常任理事、磯辺専務理事から、御説明をお願いしたいと思います。
 恐縮ですが、御説明は5分程度でお願いできればと思います。

○消費者機構日本磯辺専務理事 消費者機構日本の磯辺と申します。日ごろから大変お世話になっておりまして、ありがとうございます。
 きょうは、「消費者機構日本の活動概況と消費者委員会への提言・要望」ということで資料1のペーパーを準備しました。説明は私からさせていただきまして、あとは交流の中で、狩野さん、中野さん、佐々木さんから御発言いただければと思います。
 消費者機構日本の活動概況と組織概況は、資料報告という趣旨で、2ページ目、3ページ目につけている内容でございます。私どものNPO法人は、消費者団体訴訟制度ができる際に、日本消費者協会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会、日本生協連の3団体が、弁護士や司法書士、消費者団体の関係者の方々にお呼びかけをして、制度活用のためにつくったNPO法人でございます。
 資料の中で重大なことが漏れていまして、今、差止請求訴訟2件、係争中です。1件は不動産賃貸借契約にかかわるもの、もう1件は留学あっせん事業者にかかわるものということで、いずれも係争中の案件が2件ございます。
 消費者委員会への提言・要望の点ですけれども、消費者委員会がこの間出されている建議や意見表明が、具体的に制度の改善等に結びついているというふうに実感しておりまして、是非積極的に、消費者被害の多い分野で政策対応が進むように建議等を出していただきたいというのがまず一つです。もし審議会機能のために手をとられて、なかなか建議にエネルギーが避けないという御事情がおありだとすると、むしろ審議会機能は消費者庁に戻してでも建議を積極的に進めていただく方が、制度が本当に具体的に改善されていくのではないかということを実感を持って受けとめている次第でございます。
 具体的に私どもが日ごろの業務との関係で感じました、この間の具体的な前進といいますと、その下にあります、未公開株なり有料老人ホームの件ということで、特に90日ルールが法制化されるなり、有料老人ホームについて前払金の内容が法定されるということは、一時金の取得の在り方について、消費者の権利を擁護するために大きく現実的に働いたのではないかと思っております。
 2点目は、建議を行って実際に改善が図られた事案について、消費者委員会としても積極的に広報を強めていただいて、消費者の方々、消費生活相談員の方々、もしくは弁護士といった方々が、積極的にそういう新しい制度を活用できるようにフォローアップをしていただきたいということです。
 もう一つは、制度改定がなされた後にも、一定期間を置いて、その分野について被害の実情がどうなっているのかということを是非フォローアップしていただきたい。特定の分野になりますけれども、関心を持ってコミットメントしている消費者団体等からもヒアリングや意見募集等をするということで、フォローアップの仕組みを入れていただければと思います。
 最後に、これは具体的なテーマですけれども、第1期の委員会からの引継事項の一つに、健康食品の表示の在り方というテーマがあったと思います。実は私どもも、健康食品の広告・表示について問題があるということで検討している中で、個別事業者への申し入れや改善要望ではとても解決しない、いわゆる制度の問題として、表示のルールをどうするかというところが大もとにあることに改めて気づき、消費者団体としての取組を何とかできないかというお話を全国消団連等としているところです。
 具体的には、国立健康・栄養研究所のデータベースで、成分ごとの有効性についてのデータが公表されていますけれども、既存の論文で信頼できるデータが見当たらないとされている成分でも、その成分を使って、健康に一定寄与するかのようなイメージで販売されているものがたくさんあります。国立健康・栄養研究所のデータベースの段階ではそういうふうになっていますけれども、一方で、その成分が本当に機能性があるのかどうかということを改めて検証しようということで、特に市場性のある11成分について、消費者庁で食品の機能性評価のモデル事業というのを始めていまして、3月16日にアウトプットがされる。今は特保で製品ごとの健康食品の承認ということで進んでいますけれども、成分をどう評価して、その成分を使っている製品を、どういう表示ルールで販売していくのかということに、だんだん議論の重点が移ってきているのではないか、その可能性があるのではないかというふうに思っております。
 そういう制度の在り方がいいのかどうかということも含めて、このタイミングというのは非常に大きく動くタイミングだと思いますので、是非一歩踏み込んでいただいて、消費者委員会としても検討を進めていただければというふうに思っております。
 以上です。

○河上委員長 ありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人消費者支援機構関西の飯田副理事長、西島事務局長から御説明をお願いいたします。

○消費者支援機構関西西島事務局長 おはようございます。私、消費者支援機構関西の西島と、副理事長の飯田が参っております。
 資料2に私どもの紹介の資料がありますので、詳しくは見ていただくということで結構かと思います。先ほど消費者機構日本からありましたように、私どもも、消費者団体訴訟制度が創設され施行されるときから、認定申請をしまして、その後、適格団体に認定され、今日まで活動をしております。現在までに、4件の差止訴訟を行っておりまして、そのうち1件は昨年11月の末に最高裁で判決が確定しています。1件は和解になっております。それから、昨年の11月8日に、追い出し条項等が含まれている不動産賃貸業者、家賃保証委託業者について訴訟を行っております。訴訟についてはそういったところです。
 この訴訟以外に、数倍以上の問い合わせ、申し入れ、要請ということで、事業者に、不当な契約条項や勧誘についての是正を申し入れてきております。
 1ページ4に会員の状況がありますけれども、こういった是正を申し入れる活動を行っている経験のある団体ということで、京都消費者契約ネットワーク、消費者ネット関西に、会員団体が多い消費者団体ということで、前の名前は京都消団連ですけれども、今はコンシューマーズ京都、それから全大阪消費者団体連絡会、なにわの消費者団体連絡会、専門の団体として敷金問題研究会、欠陥住宅関西ネットというところに支えていただいています。それから、福井県を含んで2府5県と言っていますが、ここの7つの生協の連合会にも、団体の正会員として支えていただいています。
 仕組みとしましては、理事会で対外的な意思決定を行って、その下に検討委員会というものがあります。専門委員は、消費生活相談員、司法書士、弁護士の方ということですけれども、私どもは消費者団体の方も検討委員として登録をしております。
 その下に、検討グループというのをテーマごとに組織して解散するという形で、現在は15ほどのグループが検討を行っているということでございます。
 常設事務局は、常勤が3名で、すべて出向元が人件費を負担しています。そういう前提の下に予算が1,200万円という規模になっております。あとはごらんいただければと思います。
 消費者委員会への要望といいますのは、先ほどの消費者機構日本とほとんど重なりますけれども、一番力を入れていただきたいと思っていますのは、勿論これは消費者庁がやるべきことでもありますが、制度の周知と、私どもが勝ち取りました成果、これの消費者への周知も大事ではないかというふうに思っております。
 今、課題としていることは、中小業者、零細業者等ですと、消費者契約法でこうなっている、特商法でこうなっているということを御説明しましても、そのことすらなかなかわかっていただけないということがございます。こういうものについては、業法だとか、何らかの制度の改正というところで、一定の規制といいますか、方向づけが必要だろうと思っております。これは、一つは貸衣装です。そういった業界というのは、業界団体が強くなくて、そういうところが余り機能していないということで、そんなことを考えております。
 電気通信関係のところでは、総務省の管轄の事業者等が特商法の適用除外になっています。そこのところが、特商法と同じレベルで勧誘をきちんと進められていないのではないかということがありまして、その辺りはすき間の事案かなというふうに考えておりますので、こういったものは是非、建議等に結びつけていただくとありがたいと考えております。
 以上で終わります。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 続きまして、社団法人全国消費生活相談員協会の丹野理事長、石田常任理事から、説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○全国消費生活相談員協会石田常任理事 全国消費生活相談員協会の石田でございます。よろしくお願いいたします。
 私どもの団体は、全国の地方自治体の消費生活相談の窓口で働いている相談員の団体でございまして、おおむね2,200名の会員がいます。全国に7支部あります。1977年に、消費者の権利の確立、自立支援を目的として発足いたしました社団法人です。現在は、消費者相談事業、消費生活専門相談員養成講座等の研修、消費者対象の出前講座、その他、消費者の啓発事業・教育事業、消費者向けの冊子等の制作・発行事業といったさまざまな活動を実施しております。
 2007年11月に適格消費者団体としての認定を受けまして、現在まで、10件の差止請求、これは裁判外ですけれども、行っております。そのうち2件は協議中ですが、残りの8件につきましては、当協会の差止請求により一定の是正が図られたという評価ができましたので、終了しています。まだ1件も裁判に至ったものはございませんが、終了したものは全件公表していまして、ホームページにすべて載せております。
 次に差止請求事案の概要です。当協会では、全国3か所(東京本部事務所、関西事務所、北海道事務所)におきまして、恒常的に「週末電話相談」を行っております。受付相談件数は年間3,000件弱でございます。また、毎年5月の消費者月間に「電話相談110番」を開いております。そして、ホームページ上に「消費者被害メール便」というものを設けております。それらに集まりました事案の中から、消費者にとって不当な行為であると把握できたものについて、分析・検討を行って差止請求につなげています。
 8件につきまして、以下、差止請求を行った事業者名だけお話しいたします。
 最初が、不動産賃貸事業者・株式会社マイホームリサーチと、その親会社のレンタックスに対して行いました。2番目に美容外科クリニック、湘南美容外科クリニック新宿院及びそのグループ院です。全国に店舗展開をしています。3番目が介護付き有料老人ホーム、ウメ・ジャパン株式会社。4番目がスポーツクラブ、株式会社コナミスポーツ&ライフ。5番目がインターネットショッピングサイトのアマゾンジャパン社、6番目に探偵事業者、株式会社オフィスエル。7番目が結婚式と披露宴事業者、株式会社ファンシー。8番目が前払式葬祭サービス事業者、株式会社ハートです。
 以上です。

○全国消費生活相談員協会丹野理事長 全相協の理事長をしております丹野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 消費者委員会に要望というと、おこがましいのですが、お願いが幾つかございます。消費者委員会様は、非常に幅広に第1期に活動をなさって、既に第2期に入られて、さまざまなことを活動されているのに、案外世の中に知られていないところがございます。さまざまな建議が出されているけれども、なかなか世の中に伝わっていかないということがございますが、そういう意味では、誰もがおかしいと思っていて、それが役所の壁でできなかったようなものについて、消費者委員会がそこに切り込んでいって力を発揮できるのではないかと思っておりますので、その点から2つ、具体的にお願いを申し上げたいと思います。
 1つ目は、典型は有料老人ホームでございます。消費者委員から建議を出していただきましたが、その建議を出していただく前には、COJさんはじめ私どもも差止請求をしたり、東京都でもいろいろなことをして、それが消費者委員会の建議に結実して、それがようやく老人福祉法の改正に結びつきました。結びついたのですが、残念ながらそこから先の具体の部分で、我々が求めているものを厚労省サイドの方でうまく政令等にのせてくれるかどうか、今、調整をしています。実は昨日、そちらの役所へ参ったのですが、なかなか難しいなという感触を持って帰りました。そういう意味では、消費者委員会に、適格消費者団体の活動をウォッチしていただいて、連携して、問題を吸い上げて建議に結びつけていただいて、先ほど磯辺さんがおっしゃっていましたが、更にそれをフォローアップしていただきたいと思っております。あれは一体どうなったかということを、是非お考えいただきたいということでございます。
 2つ目は、昨年7月に私どもの団体が消費者委員会にヒアリングを受けましたが、民法改正のお話がございます。民法改正は法務省で審議中ですが、どう考えても一般の消費者は蚊帳の外にいます。どんな審議をしているか、必ずしもつまびらかでないという状況の中で、昨年のヒアリングのときは消費者契約法との関連というお話を申し上げて、それについて消費者委員会の方で受けとめていただいたと思っています。その後、着々と法務省審議会で審議しているけれども、それをどうやったら国民に周知できるか。勿論、法務省の仕事ですが、やはり消費者サイドからも、こういうものはどうなんだということをフォローアップして、更に、そこら辺を噛み砕いて御見解をお出しになっていただけないかと思っております。適格消費者団体がやることが、世の中に知られていく程度は限りがございます。むしろ消費者委員会がそれをおやりになることによって、全体をよくしていくことにつながるのではないかと期待しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワークの長野理事・事務局長から、説明をお願いいたします。

○京都消費者契約ネットワーク長野理事・事務局長 京都の長野です。資料4をごらんください。
 当ネットワークは4番目の適格消費者団体でして、地元の京都新聞では、全国で最も戦闘的と言われる適格消費者団体として紹介されておりまして、ちゅうちょなく訴訟を行うというのをモットーにしております。これまでに提起した差止訴訟は、訴訟が11件です。対12事業者の差止訴訟を追行しております。
 成果としては、敷引特約では認諾を勝ち取っておりますし、定額補修分担金では差止判決を勝ち取っています。結婚式場解約金条項の使用差止では和解、未公開株勧誘行為の差止請求では差止判決、冠婚葬祭互助会の解約金条項の使用差止請求事件では差止判決を勝ち取っております。
 特にマル3の冠婚葬祭互助会の解約金条項は、昨年12月13日に京都地裁で一審判決がありました。地元のセレマという業者ですが、この業者が使っている冠婚葬祭互助会の解約金規定というのは全日本冠婚葬祭互助協会のモデル約款でして、全国でこの約款に準拠した契約が2,000万件以上あると、極めて社会的な影響力も大きかった。かつ、これは経産省がオーケーと言って事前に認可している約款ですので、経産省がいいと言っていたものが消費者契約法で不当だと言われた例として、NOVAに続く例だと思いますけれども、非常に意味があったと思います。
 当ネットワークの活動を通じて、消費者委員会、消費者行政に期待することですけれども、特に我々が行っている差止訴訟とか、今後担うことになる集団的消費者被害回復制度等に関して、幾つかございます。
 一つは、消費者契約法の改正問題です。消費者委員会でも昨年8月に提言をしていただいているのですが、この問題は、もともとは2000年の立法時の附帯決議で5年後の見直しというのが規定されておりまして、明らかにあの附帯決議違反ではないかと思います。なぜこれがされないか。一時期、佐々木先生が委員になって検討がなされたのですけれども、結局、人員が足りなくて、そのまま中途半端になってしまっているところがあると思います。今、河上先生が取り組んでいただいていると聞いておりますけれども、是非早急に、消費者契約法の改正問題は消費者庁とも連携してきちんと進めていただきたいと思っております。
 特に我々が活動していて一番感じるのは、消費者契約法9条の「平均的損害」の立証責任の問題で、事業者が、おまえらに立証責任があるだろうというふうに言って立証しようとしないのです。主張だけ出して証拠も出さないのです。実際の訴訟活動をやっていて、そういうふうに非常に困った状態になっています。特に結婚式場業者であるとか、冠婚葬祭互助会業者はそういった訴訟対応をしてきております。最高裁判決がああいうふうになっていますので最高裁判決が悪いのですが、是非その点に御留意いただければと思っております。
 もう一つは、消費者契約法10条の問題です。これについては、昨年の敷引特約、更新料条項に関する最高裁判決を見ていただいたら明らかなように、結局は消費者契約法10条というものが、リストがないこと、多分に解釈者の主観に左右される余地が多いところ。健全な消費者問題の感覚を持っていればいいのですけれども、必ずしもそうではないということが去年の最高裁判決を見て明らかになったと思います。ですから、立法段階で10条がきちんと健全な感覚を持って運用される仕組みを、リストの充実も含めてお願いしたいと思います。特に国土交通省でガイドラインが話し合われたり、下級審が、通常損耗の回復費用特約を賃借人負担とするとかいうのは、基本的にはだめだという世の中の流れ、行政や業界の団体の流れになっているのに、最高裁があんな判決をしてしまうこと自体、信じられなかったのですけれども、こういった最高裁の流れですので、是非、立法の段階でおかしな判断がなされないようにしていただきたいと思います。
 最高裁の判決で言うと、欠陥住宅の去年の最高裁判決でも、一部評価はありますが、やはり不十分な判決には違いないという評価のようです。特に今のような最高裁判決がなされている状況の中では、より立法の段階できちんと枠をはめていくことが重要になってくるだろうと思っております。
 あと、特商法と景表法で、行政の場合は資料を出さない場合に不合理だとみなす規定がありますけれども、適格消費者団体が行う場合にはこれがございませんので、是非、この点についての手当もお願いできればと思っております。
 国セン問題も含めて、消費者庁、消費者委員会、国民生活センター等の役割とか、体制がどうなのかなというところが、特に京都など、外から見ていると思うのですけれども、消費者庁にしても消費者委員会にしても、体制が足りていないのと、うまくリンクが、一つの方向を向いてやっていこうという形になれていないのではないかと思っております。外からの意見になって申し訳ないのですけれども、その点も含めて、特に体制の整備とか、予算のことも含めて、消費者委員会で、積極的に具体的根拠を持って、この点ができていないからこれぐらい必要なのだと。特に消費者契約法の改正問題などは、明らかに人が足りていないと思います。そういう点も含めて、具体的な提言を、予算とか人員のことについてもしていただければと思います。
 以上です。

○河上委員長 どうもありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人ひょうご消費者ネットの圓山理事から、御説明をお願いします。

○特定非営利活動法人ひょうご消費者ネット圓山理事 ひょうご消費者ネットの圓山と申します。よろしくお願いします。
 資料5に1枚ものの「活動状況」を持ってきました。これを御紹介しながら、要望などを申し上げたいと思います。
 ひょうご消費者ネットは、大きく7つの分野で申入れ、差止などを行ってきました。1つ目が生命保険のクーリングオフの問題、2つ目が資格予備校の中途解約制限約款、3つ目が郵便切手についての郵便約款、4つ目が、企業ポイントの失効の問題、5つ目が、先ほど全相協からも出ました一括払い型の冠婚葬祭会員契約の中途解約約款です。6つ目が、クレジットカード会社がさかのぼってカードの手数料率を上げるという問題、7つ目は電気料金の問題です。
 この資料の中ほどに活動の「結果」と、右側に「課題」を書いております。それを見ますと、2つ目の資格予備校では、これは特定商取引法の特定継続的役務提供の指定役務のすき間に落ちています。4つ目の企業ポイントも資金決済法のすき間に落ちています。5つ目の一括払い型の冠婚葬祭会員約款も割賦販売法のすき間に落ちています。また、3つ目の郵便約款では、郵便法の改正がなければ、いくら申入れをしても無理だということになっています。
 こういうふうに、ほかの省庁や立法の対応が必要なものが次々見つかっていまして、これらは消費者委員会の建議のタネになるのではないかと思います。そういう気持ちから、特に5つ目の問題では、割賦販売法改正の要請書を出そうということになりました。せっかくだったら、平成21年9月1日に消費者庁・消費者委員会が発足するので、それまで数か月待って、発足したらすぐ要請書を出そうということで、9月1日に消費者委員会様にも要請書を出しましたが、黙殺されました。以後、私どもから消費者委員会様には御連絡を控えているという状態にあります。ただ、きょうはこういう機会がありましたので、申し上げる機会があってうれしく思います。
 このように、適格消費者団体がいろいろな差止活動などで拾い上げた問題が次々出てくると思います。個別の交渉は適格消費者団体がしますけれども、法律の改正などにつきましては、私どもは要請・要望するしかないわけですので、消費者委員会に引き継いでいくやり方ということをお考えいただければありがたいと思います。消費者委員会と適格消費者団体との連携というテーマになろうかと思います。それが1つ目の要望です。
 2つ目の要望ですが、7つ目の電気料金の話です。現在、消費者委員会でも、デフレ経済の下での公共料金について取り組んでいらっしゃると聞いております。私どもは電力会社に、地元の関西電力ですが、「早収料金・遅収料金制度」の是正を申し入れています。この制度は東京電力は既に廃止していますので、現在は、北海道、東北、北陸、中部、関西、中国、四国、九州、沖縄の9電力会社がこの制度を設けています。
 これは料金に2つあるという話で、メーター検針日から21日目までが早収期限、51日目に支払期限というのをつくっています。電気供給約款に基づいた電気料金は、早収料金ですが、21日目までは約款に基づいた電気料金を請求する。この期限までに払わなかった場合は、それに3%加算した遅収料金を請求するという制度です。例えば電気料金1万円の家庭だとすると、21日目までは1万円ですが、22日目になると1万300円になるということです。それが遅収料金ということです。早収期限に1日遅れてもまるまる3%が加算されますので、年利に換算すると、消費者契約法9条の遅延損害金の上限をはるかに超えます。私どもは、消費者契約法の遅延損害金の許される範囲内におさめてくれということを申し入れていますが、現在のところ、電力会社は拒否しています。
 東京電力管内以外ではこの問題がありますので、全国的に少額多数被害が生じていると考えられます。この9社の管内には3,500万世帯がございます。今の遅収料金が適用されているのは、関西電力の中では7%。93%の家庭が早収料金で、7%の家庭で遅収料金だということを関西電力は言っておりますので、全国3,500万世帯に7%をかけますと、約250万世帯の家庭が遅収料金という高い遅延損害金を取られていることになると思います。
 これにつきましては、昨年、経済産業大臣がこの電気供給約款を認可していますので、要請書を出しました。しかし、特に反応はございませんし、その後、経済産業省が電力会社に何か言ったということも聞いておりません。是非これは、現在、公共料金に取り組んでいらっしゃる消費者委員会様から建議の中に含めていただきますように、御要望を申し上げたいと思います。
 3つ目の要望は、適格消費者団体に対する財政支援の話が、宿題となったまま続いているという話ですが、これはほかの団体様もおっしゃると思いますので、問題だけ指摘して、以上で終わります。

○河上委員長 ありがとうございました。
 続きまして、特定非営利活動法人あいち消費者被害防止ネットワークの小田検討委員から、説明をお願いいたします。

○あいち消費者被害防止ネットワーク小田検討委員 あいち消費者被害防止ネットワークの小田と申します。
 資料6に沿ってACネットの紹介をさせていただきます。ACネットは平成17年12月5日に団体として結成して、19年10月12日にNPO法人として認証され、22年4月14日に適格消費者団体として認定されました。全国で9番目の適格消費者団体でして、今のところ、一番新しい適格消費者団体ということになっております。現在、集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の特定適格消費者団体を目指して活動しております。
 資料の2枚目が組織概要です。多くの団体と同じように、理事会と検討委員会がありまして、それぞれ月1回開催し、それを事務局で支えております。
 資料の3枚目が最近の活動です。差止請求関係業務としては訴訟を1件起こしております。学校法人モード学園の学費不返還条項についてです。納入された学費は一切返しませんという趣旨の条項を使っていましたので、消費者契約法9条1号によって無効になるとして提訴しております。
 そのほかの申入れとしては、賃貸業者、冠婚葬祭業者、電子マネー発行業者、歯科クリニックなどがあります。
 そのほかの活動としては、景表法についての学習会や、意見書などを出させていただいております。
 消費者委員会に対する要望ですが、長野先生がおっしゃられたように、実体法の改正の問題は引き続きしっかりやっていただきたいと思っております。私どもは団体訴権を行使できますけれども、実体法が伴っていないと訴権を行使できないという限界があります。特に今の最高裁を見ると、消費者マインドが疑わしく思えますので、実体法のレベルで規制する必要があると思っております。
 次に、適格団体が行使できる権限の問題です。適格団体は普通の民間団体なので、調査権限はなかなか厳しいところがあります。景表法で言うところの4条2項のようなものを認めてほしいと思います。また、消費者契約法40条で、情報を国民生活センターや自治体がいただけることになっていますが、これも内閣府令で見ると、いただける情報は厳密な意味では結構狭まっているわけです。どこの団体も地方の自治体とは密接に協議をされたり、覚書を交わされているので、ある程度の情報は入ってくるわけですが、少し遠方の自治体以外,例えばACネットでは三重県の情報が内閣府令の限度でしか入手できないとなると、結構厳しいところがあります。ですから、内閣府令を変えるなど、情報がもう少し入手しやすくなるといいなと思っております。
 要望事項の3点目としては、団体への支援のことを私も訴えたいと思っております。差止請求は、本来的には紛争の事前予防という面があるので、行政的な役割があるのではないかと思われます。行政的な役割があることからすると、行政からの直接支援があってもよいのではないかと考えております。消費者庁長官からは、当初予算として来年度5億円を獲得できた,これが県を通じて民間団体に回るということを言われているので、これが適格消費者団体との関係でどういう効果が出てくるか、ちょっとまだわからないところはありますけれども、内閣府消費者委員会としても、団体への支援について意見を言っていただければありがたいと思います。
 そして,国から団体への支援の必要性は継続的に訴えていきたいと思いますけれども、そうは言っても消費者庁の今の様子からすると、それが実現する可能性は低いのではないかと思っています。また、国民生活白書に「消費者市民社会」の理念が掲げられておりますように、市民が消費者団体を支えることも必要ではないかと思っております。ただ,市民が消費者団体を支えると言っても、やはりそういう文化は、現在、日本ではまだ浸透していないのではないかと思われるので、内閣府消費者委員会でも積極的に、市民が消費者団体を支える文化の醸成をやっていっていただけたらなと思っております。
 要望事項の4点目、これは団体との関係はちょっと離れますけれども、最近、決済などの問題でいろいろトラブルになっている部分が多いと思います。決済代行とか、電子マネーとか、そもそも法規制がないところは、私たちの権限がないというか、差止請求のしようもないようなところがあるので、そういうところにはどんどん内閣府消費者委員会に切り込んでいってほしいと思っております。
 すき間がないように消費者庁は横断的に組織したという議論がよく出てきますけれども、ほかがやらないときに消費者庁がやるという建付けになっていますので、ほかがやるかどうかがまず大前提になっている。そういう建付なので、あそこがやるのではないか、ここがやるのではないかみたいな議論をした上で、あそこがやらないから消費者庁がやるという話になると、相当遅れるわけです。それよりも、まずは消費者庁が動く形が本当は望ましいかと思います。とは言っても、現実的には直ちにそうなるのは無理だと思うので、内閣府消費者委員会で、新しい分野にどんどん切り込んでいただくことが必要だと思っております。
 以上です。

○河上委員長 いずれも貴重な御意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
 では、これから、時間の許す限りで意見交換をしたいと思います。委員から、御質問、御意見のある方は発言をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 ありがとうございました。これからも活動をよろしくお願いいたします。
 一つ教えていただきたいのですけれども、消費者支援機構関西の、電気通信関係ですき間事案があるというところは、具体的何だったのか、中身を教えていただけますか。

○消費者支援機構関西西島事務局長 携帯電話等の契約あるいは通常の家庭での電話、そういったものの契約の勧誘の際に、代理店等を通してかなり強引な勧誘といいますか、余り事実に基づかない勧誘が行われているといった場合に、消費者契約法とか特商法の関係では、適用除外になっていますのでこちらが差止請求等をやるのは難しいということです。

○京都消費者契約ネットワーク長野理事・事務局長 特商法の関係では、電気通信事業の電話勧誘販売、訪問販売は適用除外になっています。まさにうちにも、夜の8時、9時にNTTの代理店から電話がどんどんかかってくるわけです。しかも、うちはもう光ファイバーになっているのに、光ファイバーにしましたかとかいうとんでもない電話がかかってきます。あれは本当に必要だと思います。皆さん必要だと思っていると思いますけれども、あんなのがなぜ適用除外になっているのかというふうに思います。

○河上委員長 ほかにはいかがですか。

○消費者機構日本中野常任理事 高額な機器を一緒に売りつけるというのはもう終わったのですか。かつてありましたね。電気通信事業で、回線勧誘プラス高額機器を一体として売りつけるけれども、訪問販売でクーリングオフができないという、その事例もあったと思います。ただ単に回線だけではなくて。

○京都消費者契約ネットワーク長野理事・事務局長 今は高額なものは余りないです。ただ、高額な機器、昔のようなプロバイダのものというのは、多分NTTがやっているわけではないと思いますけれども、解約料が異様に高いです。2年拘束とかにして、携帯電話の解約料は9,975円ですが、光ファイバーになると、2万とか3万かかるのではないですかね。不当な契約だなと思いながら契約しましたけれども、解約料は問題のある解約料規定が使われていると思っていますので、そのうち我々もやりたいと思っています。

○山口委員長代理 auの解約料も高いですね。

○京都消費者契約ネットワーク長野理事・事務局長 そうです。

○河上委員長 どうぞ。

○全国消費生活相談員協会石田常任理事 消費者相談の中では、今、先生がお話しされたように回線の勧誘が代理店から行われていまして、それは特商法には該当しておりません。電気通信事業法の規制です。今は映像配信サービスなどの勧誘もありますが、放送法も該当しておりません。これらは業法で消費者保護が図られているということですが、電話勧誘の相談は通信に関しては結構多いので、やはり特定商取引法の規制としていただきたいと思います。

○河上委員長 電気通信に関しては我々も関心を持っているところですけれども、また、いろいろと情報をいただいて、何か建議に結びつけられるようなことがあればお力添えいただきたいと思います。
 丹野理事長、どうぞ。

○全国消費生活相談員協会丹野理事長 私どもは昨年5月に「ネットトラブル110番」を実施しまして、その中にまさにそういうお話が出ています。報告書・要望書は消費者委員会に提出させていただいていると思いますが、よろしければ再度提出させていただきます。

○河上委員長 先ほど、ひょうご消費者ネットで、意見書を黙殺されたというお話をされていましたけれども、いただいた意見書は、一つひとつお返事を書けていなくて申し訳ないのですけれども、ちゃんと事務局と我々で分析させていただいております。力及ばず、なかなか手がつけられないというところもあるかとは思いますが、決して黙殺などはしておりませんので、しつこく言っていただいて結構でございます。
 ほかにはいかがですか。
 山口委員、どうぞ。

○山口委員長代理 先ほど、西島さんの話で貸衣装の関係でもコメントがありましたが、それの内容もよくわからなかったので。

○消費者支援機構関西西島事務局長 貸衣装というのは、結婚式場の関係も同じですけれども、かなり前、1年とか1年以上前に契約をして、その瞬間からかなり高額な解約料を取られるという問題がありまして、例えば30%とかそういうことです。そういったときに事業者に申入れ等を行いましても、業界が零細、中小業者の方が多くて、消費者契約法と言っても、「それは何ですか」みたいな感じで対応されて、なかなか、代理人の方、弁護士を通してとか、そういう話にならないというような業界ですので、そういったところにどんなふうに対応していくのか、非常に苦慮する状況です。その辺に対して何か有効な手立てがないものかなと、そんな悩みです。

○河上委員長 むしろ、事業者自身のコンプライアンスに対する積極的な働きかけの方が大事だということになるのでしょうか。消費者も勿論賢くならなくてはいけないですけれども、事業者自身の意識が低いとなかなか前へ進まないということがございますから、むしろ業界の指導という観点からも、消費者マインドを伝えていくことが大事だろうと思います。
 ほかにはいかがですか。
 幾つか出てきた問題で若干お答えできることもあるかなと思ったのですけれども、健康食品に関して表示の在り方が問題になっています。これは、田島委員が専門でいろいろと検討していただいておりますので、もしよかったら、田島先生。

○田島委員 健康食品問題は、第1次の消費者委員会で中間とりまとめを行ったのでございますが、中間とりまとめはボワッとした内容で、第2次の消費者委員会に引き続き検討するようにということで、まずは実態調査から始めましょうと。インターネット調査でございますけれども、近々、委員会の事務局で文案を作成しまして、合計1万人の一般利用者を対象としての調査をします。その調査で問題点を洗い出して、どういうふうにするかということを委員会の中で検討しようということで、新たに部会等は設けないで消費者委員会本体で検討をします。私が中心になって事務局と相談しながら進めようと、そのような運びになっております。

○河上委員長 食品表示というのはなかなか難しいものだということを、勉強し始めてわかってきたのですけれども、たとえば「健康食品」というのは別にきちんとしたジャンルがあるわけではないのですね。特保とかそういうのはありますけれども、効能のうたい方にしても非常にさまざまですし、納豆のような自然食品から錠剤やアンプルまで形も様々です。また、消費者がどういうところに着目してその商品を購入するのかというのは、商品ごとに違うということもありますので、かなり細かく考えていかなくてはいけない。ただ、そうだからといってばらばらにして放っておくわけにもいきませんので、やはり横串的に、安全や健康の観点から、最低これだけのことは気をつけて表示についてやってくれということが言えたらいいなというのは、前々から議論をしているところです。近いうちに、もう少し進んだ検討結果を御報告できるかと思います。
 もう一つ、きょう出てきました民法改正との関係で、消費者契約法の見直しが課題になります。これは今、消費者委員会で引き取ってやらせていただいております。いろいろな問題点がありますが、今も御指摘された9条の立証責任の問題とか、10条の書きぶりの問題とか、最高裁が最近、若干後退して、ちょっと信じがたい判決を出しているというようなこともありますので、できましたら立法の中で要件としてきちっと書き込めるような改正案を、提言できればうれしいなと思っています。消費者庁が所管なので、最終的には消費者庁と協力してやっていかないといけないのですが、残念ながら、今、消費者庁は一生懸命集合訴訟のことをやっていて、なかなか手が回らないということですので、消費者委員会の方でせめて論点とあり得る選択肢について、まとめていければというふうに思って作業を開始しています。
 作業段階として、今はブレーンストーミングですけれども、論点がはっきり定まってきましたら、今度は公開の場でいろいろな方の意見を聞きながら、こういうことはどうだろうかというような問題提起も積極的にさせていただきたいと思います。消費者の方に契約法の問題をきちんと理解していただくのは難しいことですけれども、可能な限り、かみ砕きながら皆さんと問題意識を共有できるように工夫していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 これは消費者契約法の問題ですが、適格消費者団体に対する財政支援の問題というのが先ほど来、出ています。これは根っこのところで地方消費者行政とも絡んでくる問題です。地方消費者行政そのものに対してどういう態度で臨むべきかということについて、消費者委員会が出した建議は必ずしも受け入れられていなくて、地方は、呼び水さえ与えればあとは自分でやってくださいという議論も比較的強いわけです。まだまだ温度差のある地方消費者行政について、それぞれを活性化させていくためにはまだまだ国が面倒を見る必要があります。児童虐待でもそうですが、よちよち歩きの子供にミルクをやらない親のところには、やはり外からおせっかいでも子どもにミルクをやらないと子どもそのものが死んでしまいます。甘やかすと、地方消費者行政は腐りますよということをおっしゃる方がいらっしゃいますけれども、子どもが死んでしまうようなことになったら結局は台無しですので、そこはやはり、何らかの形で地方消費者行政に対しても国が支援をしていかないといけないだろうと思います。それが、結果的にいろいろな事業として、適格消費者団体の事業活動への支援につながっていけばいいのではないかという気がしています。
 今、消費者委員会の本委員会の方で、地方消費者行政について活発に検討会を重ねておりますので、場合によっては、近いうちにまとまった意見が出せるのではないかと思います。
 地方消費者行政をやっていらっしゃるのは山口先生ですが、何かつけ加えることがあれば。

○山口委員長代理 財政支援は、どういうふうに理屈づけしてやったらいいのかというところで、1期でも検討していたのですが、なかなか難しい。今度、訴訟制度ができますので、その中で何らかの形で支援体制をつくるとか、とにかく一般に受け入れられる形での財政支援の在り方は、単に金出せ、金出せといってもなかなか難しいというのはわかってきたものですから、こういうことをやるから財政的に手当が必要だというような、ひと理屈、ふた理屈が必要だなと痛感しています。
 実は、凍結された犯罪関与口座の行き場のないファンドが100億円ぐらいあるので、これを、それこそこういう団体とか、そういうところにも手当すべきではないかという議論がだいぶあったのですが、やはりそこまではいかなかった。犯罪被害者への支援という形で金融庁の案はとどまっているわけです。言うのはやさしいのですけれども、具体的に現実に、できるだけ成果を見せながらやっていくようにお互いに工夫したいと思います。消費者委員会の予算も増えないので、観点は違うのですが、これが必要だから財政的な手当をというところなど、どう説得力をもって言うかというのはやはり工夫が必要だなと痛感しています。すみません、答えになっていないのですけれども。

○河上委員長 飯田副理事長、どうぞ。

○消費者支援機構関西飯田副理事長 時間もないので、率直に端的に言わせていただきますけれども、一般的な評価として、この消費者委員会の存在感がほとんどないというふうに言えると思います。私もほぼ毎日、ホームページを拝見しますが、いいかげんに見るのが嫌になってしまいます。いつも同じ画面です。見ていてわからないのは、なぜ本来果たすべき機能・役割がもっと果たせないのか、その原因がどこにあるのかということが伝わってこないわけです。我々の基本的なスタンスとして、もっと役割を発揮してほしいというふうに思いながら、なぜ現状にとどまっているのかということがよくわからないという状態です。そこは、何らかの手段を講じて発信する必要があると思います。
 それから、体制面、人員面、事務処理量の問題等、いろいろな課題があると思いますけれども、当面どうするかということについて、内部の努力だけではいかんともし難い部分があると思います。そこは、民間にもあるいろいろな力を活用する、そういう視点も持つべきだと思います。例えば適格消費者団体の力を、持っている情報や発信できる力、そういうものを活用するような、相互に作用し合って実効性が発揮できるような、そういうことも、適格団体だけではなく、ほかの消費者団体、場合によってはほかのNPOもあるかもしれませんが、そういうことを是非考えていただきたいと思います。当面、人員が抜本的な改善が図れないのであれば、そういうことも必要だというふうに私は思います。

○河上委員長 ありがとうございます。消費者委員会は、決してさぼっているわけではなく、かなり一生懸命やっているのですが、やったことについて広報の仕方も不十分だということもあり、実際にエステ・美容医療の問題とか、貴金属の買取りなどについても、今回の法案で、貴金属だけに限らない、指定商品にして広くとれるようになったというように改善が見えているのですが、消費者委員会から言われたということには全然なっていない。ですから、我々がやったことがこういうふうに反映しましたというようなことで、自慢は好きではないのですが、ある程度言わないといけないなと思います。ホームページの改善もやっていこうということで、ホームページは今、少しずつ見やすくなりつつあります。飯田先生、見捨てないで、ホームページを何度も見ていただいて、ここは改善されているなぁというのを見て、評価いただければというふうに思います。
 それから、いろいろなところで建議のフォローアップをしっかりやれということを言っていただきまして、これはしっかりやっていこうと思いますし、相当やっております。最近は、委員長の最後の発言のところで、ここはよかったけれども、こういうところについては更にやってくれということについて積極的に見解を述べるように努めておりまして、その要旨をホームページに出すようにしております。フォローアップの仕組みについても、委員会だけではなく、いろんな団体の方にも参与していただくような改善の方法があるのではないかという御提言でしたので、その辺もまた検討させていただければと思います。10人ほどしかいない委員と、本当にひと握りの事務方でやっている作業ですから、やれることは限られていますけれども、消費者団体の方々が言ってくださったように、お力を貸してくださるというありがたいお話なので、是非、皆様のお力をお借りしながら、少しでもいい建議が数多く出せるように努力していきたいと思っております。
 どうぞ、中野常任理事。

○消費者機構日本中野常任理事 有料老人ホームですけれども、これもフォローアップだと思いますが、今、厚労省の方は、前受金は家賃とサービス料、もらう趣旨は決めた。しかし、返さない理由については、自分たちの考えどおり、保険料として返さないということで固まっているのです。これは4月から施行ですから、今、厚労省はどう出すか瀬戸際になっているのですけれども、どう考えても返さない理由としては、他人の家賃のために使う、あるいは返さない理由はないというふうに思います。約款の定め方の問題で、それが不合理かどうかというだけのことですので、そこを点検していただければいいなと思います。
 想定居住年数という定め方自体も、どうなのかなと。それで合理性があるのかという気もしますし、だから返さないというその理由がどうして合理的な理由であるのか、ということもちょっと点検していただければと思います。

○河上委員長 恐らく有料老人ホームというのは、ある種の共済保険的な性格を持った集団だと考えているのだろうと思います。一面では正しいと思いますが、通常の賃貸とは明らかに違うということで、どこまでそれが理屈として調和点を追求できるかという辺りは、まだまだ考えてみる余地はあると思います。せっかく第1次の委員会による建議で精算の可能性について言及していますので、こちらとしてももうちょっと踏み込んで検討できればと思います。どうもありがとうございました。
 ほかにはいかがですか。圓山理事。

○特定非営利活動法人ひょうご消費者ネット圓山理事 先ほど飯田さんが最初におっしゃったことに付け加えます。建議につきましては、各省庁が業界を保護している構造がずっとあるわけで、そことケンカをしてこそ注目されるのだと思います。ですからそれは大胆に建議をお願いしたいということと、もう一つ、フォローアップについては、消費者委員会にフォローアップの責任を負わせすぎると建議がしにくくなるというか、これを建議しても実現しないのだったらやめておこうという動機が起きやすいので、建議のフォローアップは建議された各省庁に負わせる、消費者委員会は負わないという方向の方が動きやすいのではないかと思います。私個人としては、消費者委員会にフォローアップの責任は負わせたくないと思います。消費者、国民の前でどんどんケンカをやってほしいと願うところです。

○河上委員長 ありがとうございます。私自身は余りケンカは好きではないですけれども、言いたいことはちゃんと言おうと思います。問題は、消費者庁との関係をうまくつけていかないといけないという点でしょうね。消費者庁が行政の司令塔ですので、消費者庁が、いわば消費者委員会の意をくんで、きちんといろいろな作業がやりやすいようにということを考えておく必要があります。その意味では消費者委員会は黒子になってもいいと思っています。「消費者庁が、よく頑張っている」とみんなに褒めてもらえるようであれば、消費者委員会としての役目は十分果たせたと思います。ただ、消費者庁に文句を言うと、あなたたちはさぼっているだろうというふうに向こうが受け取ってしまうと、上から目線で無責任な評論家的意見を言われても困るとケンカになるわけです。そういうこともありまして、いろいろな調整もやりながらやってまいりますが、おっしゃるとおり、むしろ消費者目線で各省庁の考え方に対して、ノーと言うべきところはノーと言うということはこれからも徹底していきたいと思いますので、御支援をお願いします。
 山口委員。

○山口委員長代理 飯田さん、圓山さんの御指摘は本質的なところです。しかし、ここはあくまでも政府の組織だ。政府一体化の原則の中で、ここも役所の片隅なので、政府として方針を決めたことについて違うことを言うわけにいかないという意見が片やあるわけです。他方で、圓山さんがまさにおっしゃったように、ほかの役所が消費者のニーズを無視してやっているところについては、ケンカしてでもいいから言い続けなければだめだという声があるわけです。例えば国民生活審議会では、かなりいいことをどんどん言ってきたけれども、私の目から見ると、正直言って、言いっ放しで終わってしまうところもかなりあったように思います。
 だから、アドバルーンをボンボン投げることが、こういう組織でどこまでできるのかというのが一つと、でも、上げなければいけない。特に消費者庁に、あなたたちはさぼっているのではないか、茶のしずく事件はどうしたんだ、安愚楽牧場はどうしたんだと言うと、隣の役所でそんなことを言うのかと、必ず組織間のバトルになるわけです。国センの問題などはもろにバトルになりまして、庁と委員会の関係というのは第1期の最後はかなり厳しくなりました。今、それを何とかしようというところで委員長は非常に努力しているわけです。そういう難しさの中で、かといって飯田さんがおっしゃるとおりで、存在感がない。何をやっているんだ、税金の無駄遣いではないか、やめてしまえ、という声もあるぐらいの委員会なので、その中で最大限何ができるか、本当に難しいところです。是非、お叱りなどもどんどんいただいて、少しでも役に立つ組織であり続けなければいけないと思います。
 言いたいことを言うだけの組織だと楽なんだけれども、言ったことを実現させなければいけない。だから正直言うと、ここまでは言っていいと思うことをたとえば、国交省に言うわけです。そうすると、「とてもじゃないけど、そんなところまでは無理です」「わかった、じゃあ、この辺までだったら可能なのか」「まあ、ここら辺までだったら何とか」「じゃあ、建議でここまで言うから、ちゃんとやってください」と。どの問題でどうかとは言いませんけれども、そういう話になってしまうわけです。そうすると、外から見ると、何だ、この程度の建議かというところも出て、やってもしょうがないではないか、でも、言わないよりはましかなと。そういうような建議や提言になってしまうこともあって、そこのところは難しいというのがいつも悩んでいるところです。すみません、言ってもしょうがないところですが。

○河上委員長 ステップバイステップで。
 どうぞ、狩野さん。

○消費者機構日本狩野副理事長 皆さんの団体がみんなおっしゃっていることですけれども、今度の特定適格消費者団体というものをつくるときに、やはり財政支援がないと、今はとにかく差止請求で精いっぱいで、消費者のためにということでボランタリーに会員の会費を使い、寄付金を使っているわけです。そこへもってきて今度は賠償金を取ろうという話ですから、とてつもないお金が想定されるわけです。そういう意味で言うと、どうも適格消費者団体を過大評価したのではないか。過大評価というのは、財政面で過大評価をしている。本当にお金ないんです。仮に本当にいい法律ができて、事業者の協力とかそういうものができたにしても、訴訟する側は本当にお金がない。それはみんな会員のお金であり、会費であり寄付金、それしかないわけです。そういう状態でやれば、勝てるところからしかやらない。これは危ないぞというのには一切手を出さない。これは当然のこととして出てくるはずです。
 ですから、特に初年度とか、最初のうちはどういうふうにやっていいのか。今、内部で議論しても、どうしようかと、正直なところ、皆さん困っていると思います。ですから、何とか財源については委員会からもバックアップをお願いしないと、本当にいい法律ができても、お金がないとできないと。変な話ですけれども、しかし、これは本当にボランタリーで進める訴訟になるものですから、特に最初のお金がないという段階は、是非お考えいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○河上委員長 訴訟支援のための基金をつくるとか、そういうことも考えないといけないのかもしれませんね。損害賠償額の何割かについて訴訟の必要経費を入れられるという話は、あることはありますが。昔、ドイツで団体訴権を認めたときに、業界との間で一定の協定を結んで、この条項については使うなという差止について合意して、その合意に違反したときの違約金というのを約束していて、何月何日までに直せと言っていたのに直していなかったら違約金を取れる。それがかなりいい収入になっているという話を、ベルリンの消費者協会で聞いたことがあります。いろいろな工夫をして、ある程度財政的な基盤を確保しないと、せっかく権利があっても絵に描いた餅になるというのは、おっしゃるとおりだと思います。
 どうぞ。

○あいち消費者被害防止ネットワーク小田検討委員 集合訴訟をやるときの支援のことですが、やはり一番ネックになってくるのが、2段階目の通知・公告費用かと思います。これは団体の意見としては、事業者が負担すべきというのは大前提になりますが、それがもし通らないときには、例えば内閣府消費者委員会で立替払いをしてくれるだとか、そういう基金のようなものを創設していただけるとやりやすいのかなと思っています。消費者庁では、適格消費者団体が支出すると言っても一時的な立替金ではないかと考えていますけれども、各団体の財政基盤はそこまであるわけではないので、そういうのを国で一時的に立て替えてもらえたりすると、こちらとしては助かるのではないかと思っております。

○河上委員長 私どもが大金持ちだったらポーンと出して、ハイと言ってあげられるのですけれども、なかなかそうもまいりません。ただ、一時的立て替え建てのための基金構想は魅力的ですね。
 大体時間が来てしまっていますが、いかがでしょうか。
 短い時間でしたけれども、大変充実した御意見をたくさん伺って、いい時間を持つことができました。本当にありがとうございました。本日お出しいただいた意見なども含め、今後の当委員会の運営の改善の参考にさせていただきたいと思います。

≪3.閉会≫

○河上委員長 最後に、事務局から事務連絡をお願いいたします。

○原事務局長 短い時間でしたけれども、大変充実した意見をありがとうございました。本日は、3団体がちょっとお越しになれなかったので、機会を改めまして、是非また、こういう意見交換会を持たせていただきたいと思っております。どうもありがとうございました。

○河上委員長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。
 お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。

(以上)

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