第11回 消費者委員会 議事録

日時

2009年12月21日(月)10:00~11:00

場所

消費者委員会大会議室1

出席者

【委員】
松本委員長、中村委員長代理、池田委員、川戸委員、櫻井委員、佐野委員、
下谷内委員、田島委員、日和佐委員、山口委員

【説明者】
消費者庁 成田企画課長、西川企画課企画官、黒田政策調整課長

【事務局】
齋藤審議官、原事務局長

議事次第

1.開会
2.「消費者安全の確保に関する基本的な方針の策定」について
3.地方消費者行政専門調査会設置・運営規程(案)について
4.閉会

配布資料 (資料は全てPDF形式となります。)

議事次第 (PDF形式:69KB)
【資料1】 消費者安全の確保に関する基本的な方針の策定 【資料2】 消費者委員会 地方消費者行政専門調査会 設置・運営規程(案) (PDF形式:78KB)

≪1.開 会≫

○原事務局長 おはようございます。年末のお忙しいところ、今日は今年最後、第11回目の消費者委員会になります。
傍聴の方々も、月曜の朝早いところ、いつもどうもありがとうございます。
それでは、第11回の消費者委員会を始めたいと思います。
委員長、よろしくお願いいたします。

≪2.「消費者安全の確保に関する基本的な方針の策定」について≫

○松本委員長 おはようございます。
それでは、議題に入らせていただきます。消費者安全法に基づく消費者安全の確保に関する基本的な方針につきましては、10月26日に開催いたしました第4回の消費者委員会におきまして、消費者庁から検討状況を御報告いただき、委員会として意見を述べたところでございます。本日は、現時点での素案につきまして、消費者庁より御説明をいただき、皆様の御意見をいただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

○成田企画課長 消費者庁企画課の成田でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
消費者安全法に基づく基本的な方針につきまして、資料の御説明をさせていただきたいと思います。
まず、この基本方針でございますけれども、資料1-1にございますように、9月から施行されております消費者安全法の第6条、条文は2枚目に付けておりますけれども、に基づいて内閣総理大臣が策定することとされているもので、策定の際には消費者委員会の御意見を伺うなどの一定の手続が規定されております。
また、基本方針の内容でございますけれども、法律上2のマル1~マル4に書いてあるような内容を定めることになっており、消費者安全法の施行に当たっての基本的な考え方や方向性を示すものであると考えております。
「※」にございますように、具体的な施策の中身につきましては、今後、消費者基本計画の方に盛り込んでいきたいと考えているところでございます。
この基本方針につきましては、委員長からもお話がございましたけれども、10月26日の消費者委員会におきまして検討事項案をお示しし、御審議をいただいたところでございます。その際に委員長から、次は文章化したものをお出しするようにということでございましたので、今回、基本方針の案を作成しております。
前回の委員会でいただいた御意見につきましては、資料1-3に整理させていただいておりまして、いただいた御意見をできるだけ踏まえるという形で案を作成させていただいております。
資料1-2が基本方針の案でございます。第1から第5に分かれておりますけれども、この項目は法律で盛り込むこととされている内容と合わせております。
まず「第1 消費者安全の確保の意義に関する事項」でございます。ここでは、なぜ消費者庁ができたのかを明確にするようにという御意見もございましたので、悪徳商法事案やガス湯沸器による事故などを踏まえて、消費者庁、消費者委員会が設置され、更に消費者安全法が制定されたとしております。「基本方針」は、消費者の消費生活における被害を防止し、消費者の安全を確保するために定めるものであるとしております。
2ページの「第2 消費者安全の確保に関する施策に関する基本的事項」でございます。ここでは、消費者安全法の内容に沿った項目を立てております。「1 消費生活相談等」の「(1)消費生活相談等の事務の実施」につきましては、消費者が相談する最も身近な場である消費生活センターにおいて事務が的確に実施されることが重要であり、このため、都道府県と市町村との間で適切な連携を図るとともに、国、国民生活センターが必要な援助を行うこととし、更に、「集中育成・強化期間」において先を見据えた支援を行っていくこととしております。
「(2)消費生活センターの設置等」につきましては、消費生活センターの事務実施体制を構築し、強化充実していくことが重要であり、国としてもこういった地方公共団体の取組みを積極的に支援することとしております。
「2 消費者事故等に関する情報の集約等」の「(1)情報の集約・分析」につきましては、消費者事故等に関する情報の一元的な集約体制、分析機能の整備、関係者間の情報共有などが重要であるとした上で、地方公共団体においては、消費生活センター、警察、消防機関等の緊密な連携が図られるよう、連絡調整の場を設けるなどの措置を講ずることなどを記載しております。
また、消費者庁の情報の集約、分析、提供などについて触れた上で、事故等の原因究明や追跡調査などを行う調査機関の在り方について検討するとしております。
「(2)情報の発信」につきましては、消費者への注意喚起に当たって、ルールの明確化、行政行為の予見可能性を高めることによって、産業活動を活性化させるという観点の配慮などを記載しております。また、効果的な媒体を用いて、わかりやすい情報公表に努めるということも書いております。
「3 他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求並びに事業者に対する勧告及び命令等」でございますけれども、「(1)他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求」、いわゆる措置要求につきましては、その根拠を示して行うこと、日ごろから関係府省庁との情報交換等を行うことを記載しております。
「(2)事業者に対する勧告及び命令等」、すなわち「すき間事案」への対応につきましては、「すき間事案」となるかどうかを迅速に確定するために、消費者庁を中心として取組みを推進するとともに、「すき間事案」に当たるかどうかが明確ではない事案については、消費者庁がまず「すき間事案」になる可能性のあるものとして広く受け止めた上で、関係行政機関等と緊密な連絡等を図りつつ、事案を処理する機関が迅速に確定されるようにするとしております。
「4 その他」でございますけれども、事業者に対する立入調査等についての関係行政機関、地方公共団体の協力も得つつ行うことなどを書いております。
「第3 他の法律の規定に基づく消費者安全の確保に関する措置の実施についての関係行政機関との連携に関する基本的事項」でございますが、まず、省庁横断的な緊急の対応も必要であるということから、緊急時に内閣府特命担当大臣を本部長とする緊急対策本部を設置すること、緊急時における国の対処の在り方等に関する要綱を作成することとしております。
また、措置要求に当たって、各府省庁と密に連携を取るとともに、平時における情報の共有について記載しております。
「第4 消費者安全の確保に関する施策の施策効果の把握及びこれを基礎とする評価に関する基本的事項」でございますけれども、いわゆる政策評価法に基づく政策評価を実施するに当たって、施策の特性に応じ、効果をできる限り定量的に把握し、評価結果を施策に適切に反映することとしております。
「第5 その他消費者安全の確保に関する重要事項」につきましては、消費者取引における契約・表示の適正化の取組み、消費者教育の取組み、リスクコミュニケーションの取組みなどについて盛り込んでおります。
本日、この基本方針の案について御審議いただきまして、いただいた御意見を踏まえて、今後更に基本方針(案)を修正していきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明につきまして、どうぞ御意見、御質問をお出しください。 どうぞ、下谷内委員。

○下谷内委員 御説明ありがとうございます。
3ページの一番上に「国及び国民生活センターが必要な援助を行うものとする。」というのと「先を見据えた支援」というのがありまして、(2)にも「国としても、このような地方公共団体の取組を積極的に支援する。」となっておりますが、この援助と支援はどういう関係なのか。お金がつくか、つかないか、お伺いしたいということと、これを読みまして、活性化基金のときも現場ではなかなか理解しにくいという感じでありました。今回も大きな精神論みたいなものになっていると思います。したがいまして、これを読む人たちがどういう人かということもありますが、現場で当然これは読まれるべきものだと思います。もう少し具体的に、わかりやすいような形。この下に続いていくんだとは思いますが、これだけ流れていきますと非常に理解がしにくいと思いますので、もう少し理解のできやすい、わかりやすいものにしていただけると、活性化基金の二の舞にならないのではないかと感じます。

○松本委員長 どうぞ。

○成田企画課長 ありがとうございます。支援、援助等の記載につきましては、もう一回、具体的に何をここで想定しているのかを踏まえた上で、用語の整理はきちんとやらせていただきたいと思います。
また、読んでいただく方にわかりやすい表現ということについて、私どもももう少し工夫したいと思いますが、何か、ここをもう少しというような御提案がいただければ、それも踏まえて修正させていただきたいと思います。

○下谷内委員 全体的な流れ、書きぶりとか。この下に多分、重点項目だとか、いろいろ出てくると思いますので、それと併せて、どのようになるかということを考えたいと思います。

○松本委員長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 何点かあります。この基本方針を予定する対象期間について、資料1-1に書かれておりますのは、消費者基本計画と調和を保つ必要があるということです。基本計画自体まだ何年ごとに策定するとは決まっておらず、5年という案が出ているわけですけれども、ここにもきちんと、基本計画が新たに策定されるときには、方針もきちんと見直すべきであるということを書いた方がいいと思います。
次に、ここには消費者安全法の6条しか書かれていないのですが、7条を見ますと、都道府県の知事について書かれています。この基本方針の変更についての提案においてというところで、都道府県の知事の意見もきちんと反映するようにと書かれているんですが、これから地方消費者行政の充実強化ということを考えますと、消費者庁と各自治体との連携強化というところはとても重要なので、その一文をどこかに入れるべきではないかと思います。
次に、資料1-2の5ページのところなのですが、たしか前回も発言したと思うのですが、上から7行目に「効果的な媒体を用いて、わかりやすい情報公表」とあります。情報の収集・分析は非常に大事ですけれども、情報の発信というのは消費者にとって一番基本であって、どのような情報を受け取ることができるか、そこの部分が余りにも簡単に書かれています。「効果的な媒体を用いて、わかりやすい情報公表」だけではなく、きちんと、どうやって高齢者に、障害者に、子どもたちに届けるかというところまで記載していただきたいと思います。
もう一点なんですが、御説明があったように、この基本方針というのは安全法に沿って書かれております。最後の7ページの「第5 その他の消費者安全の確保に関する重要事項」が一番重要ではないか。法律に書かれていないことをここにきちんと盛り込んでいただきたいと思うわけです。例えば、7ページの下から5行目「このため」から「消費者取引における契約・表示の適正化の取組」など、幾つか書かれておりますけれども、表示ということ1つ取ってみても、取引だけではなくて、化学物質があったり、施設があったりとか、さまざまな表示があるわけですから、その辺をもっと膨らませて、特に基本計画についていろいろ消費者団体からも意見が出ているわけですから、その辺りをもう少しきちんと書いて肉づけをしていただきたいと思います。
以上です。

○松本委員長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 私の意見です。先ほどから、支援、援助、要するに予算のつけ方の在り方ということなんでしょうけれども、活性化基金で問題になったように、地方消費者行政を充実していくことにもつながると思うんですけれども、どこが主体になっていくのかという考え方をきちんと、これは消費者委員会の問題でもあると思いますけれども、それを考えた方針をつくらなければいけないと思うんです。やはり消費者の身近なところでやっていくのが一番やりやすいという認識だと思います。そうすると、毎回発言していますように、地方分権の推進という形なんだろうと思います。そうした場合に、実際の予算の配分の保証が問題になるんでしょうけれども、そういうことを踏まえて、その辺をよく考えていないと、中央関与が相変わらず続くということになれば、消費者に対して現実的な対応が本当にできるのか、この点を踏まえたことを少し考えたようなところが1つは必要ではないかと思います。
もう一つは、情報の問題ですけれども、消費者庁というのは省庁横断的でありますから、ここに書いてありますように、発信・収集・公表を是非とも統一してもらわないと、統一できないと、我々事業者にとっては最大の阻害要因になると思うんです。あるいは消費者にとってもそのようになると思います。これをどういうふうに統一してルールを決めていくかということを早急にやっていただかないと、ばらばらに情報が出てきている、あるいは公表されると、あるいは情報の収集が、前回も指摘したように、警察とか、消防とか、病院とかが従来どおりであると、全然スピーディーでもないし、これは最優先で検討すべき課題ではないかと私は思います。
以上であります。

○松本委員長 櫻井委員、どうぞ。

○櫻井委員 細かいところから。表現ですが、4ページ目の下の情報発信のところから5ページ目の第1段落の3行目に「ルールの透明性や行政行為の予見可能性を高めることによって」とありますが、行政行為は講学上の行政行為という概念なので、行政指導も当然入ってくるのだろうと思いますから、広く行政対応とか、行政活動とか、そういうふうに普通名詞にしていただいた方がよろしかろうと思います。これは細かい話です。
次に、同じページの3の(1)ですが、これは質問も含めてですが、他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求ということで、まず、消費者庁はプロパーの権限も勿論ないわけではないのですが、基本的には各省庁に権限がある場合にはそちらに活動していただくという仕組みになっております。そうしますと「すき間事案」のところにすぐ関心が行きがちなのですが、他省庁が権限を持っている場合に、速やかに権限を行使していただくことが日常的には重要性を持ってくると思われます。そうすると(1)が非常に重要で、こういうものがスムーズに動くということが、恐らく実際上の重要性は高いのだろうということになります。各省庁に対して実施を要求する場合に、その根拠を示して行うものとすると言うと、消費者庁側に立証責任があるような感じに書いてあるのですが、これは法文からは必ずしもそのようには読めないと思われまして、どうしてこういう立てつけにされているのかを教えていただきたいのと、もし相手方がその根拠は違うのだと言われたらどうするのかということが心配になるので、その場合の段取りを教えていただきたいということが1つです。
あるいはそれと関係するかもしれませんが、6ページ目の上の方に行きまして、今の話とかかわりますが、「すき間事案」に当たるかどうかが一見して明確でない事案についての取扱いです。つまり、実際には「すき間事案」というのは、最初からすき間事案であることがわかる事案と、暫定的な「すき間事案」として、最終的にすき間であったということがわかる事案がありそれがはっきりとしていない段階で初動をどうするかというところが重要なポイントだったと思います。そうすると、「すき間事案」になる可能性のあるものとして広く受け止めて緊密な連携云々と書いてあるんですが、それはそうなんだけれども、それが非常に大事な話になるので、ここについては、具体的な行政の体制がどういうふうになっていて、どういう手続ルールでされるおつもりなのか、それがどこまで書き込めるのかということについて、明確にしていただきたいと思います。
それから、ついでに言ってしまいますと、「4 その他」ですが、「法の執行に必要な場合における、事業者に対する立入調査等については、権限の一部を都道府県等においても活用できるようにする制度の活用を含め」と書いてあるんですが、実施体制については消費者庁は必ずしも潤沢ではないというか、貧弱なわけです。そうすると、他省庁の地方支分部局を使ったり、あるいは地方公共団体のマンパワー等を使うとか、どうやって有効活用していくのかということがポイントになると思います。
都道府県等においても「活用」という言葉が2回出てくるので、表現を変えた方がいいと思います。これは安全法の23条の2項の話だろうと思いますけれども、都道府県知事等に、そういう権限について行わせることができるという規定がありまして、それをおっしゃっているのだろうと思うのですけれども、これは法定受託事務ということでもあり、ちょっと遠慮がちに書き過ぎているので、広い意味での法の実施ということでありますから、都道府県等において、何と言ったらいいのか、御協力を仰ぐという言い方でもいいけれども、積極的な参画を要請したいというぐらいのニュアンスがあってもいいのかなと思いますし、こういうところを全体的に強気に書いていった方がよろしいのではないか。ちょっと遠慮しすぎではと思っております。
コメントと質問と混じっておりますが、以上でございます。

○松本委員長 それでは、どうぞ。

○西川企画課企画官 櫻井委員の御指摘の中で、まず、他の法律に基づく措置についての根拠を示して行うというものですけれども、ここで言う根拠というのは、立証責任とかいうような大層な意味合いまでは恐らく含んでいない。本当に消費者庁の方で立証ができるんであれば、これ以上何を各省に要求するのかということもありますから、そういう意味ではなくて、行政運営をちゃんとスムーズにやるために、ある程度の根拠といいますか、そういうものをちゃんと示した上で、各省庁に要求するという程度のことを述べているのかなと思っております。
それから、「すき間事案」についての初動の体制などをどういうふうに組んでいくのかということにつきましては、この基本方針というレベルのものにどこまで詳しく書き込むべきなのかということはあるかと思いますけれども、いずれにしましても、そこは「すき間事案」の担当の部署とも相談しながら考えたいと思います。
それから、権限の一部を都道府県に置いて活用するという話ですけれども、これについても、御指摘を踏まえて検討したいと思います。これについては、実際に自治体、委任される側との関係もございますので、慎重に考えたいと思います。

○松本委員長 どうぞ。

○櫻井委員 そうなんだけれども、まず、5ページの(1)の根拠を示すというのは、勿論、厳密な意味の立証責任を言っているわけではなくて、問題の投げかけと相手方の応答というレベルの話だと思います。そうだとすると、根拠を示してというのは少しきつ過ぎるんです。だから、せっかくこういう怖い消費者委員会があるわけだから、もっと消費者庁は強気でやってほしいと、こういうことを申し上げているわけでして、そういう問題提起を受け止めていただいて、各省庁に対して、消費者庁は厳正な態度で相手方に対して要求をしていっていいのではないかということを申し上げていまして、6ページの「すき間事案」についても同じような対応ができるでしょうし、地方公共団体等に対しても、あげて消費者のために活動するということで共同戦線を張っていただかないと困るので、遠慮しないでやっていただきたいということでございます。何か困ったことがあれば、こちらにおっしゃっていただければよろしいかと思います。

○松本委員長 ちょっとお待ちください。今の点で確認ですけれども、根拠というのは、被害実態があるという事実と、それから、何々省はこの法律の何条に基づいて、こういう対応が可能ではないかという法的根拠を示すと、その2点と理解してよろしいですか。

○黒田政策調整課長 政策調整課長の黒田です。

今の部分はまさに政策調整課の仕事なものですから、発言させていただきます。各省には何々法の何条に抵触する恐れがある、というように示すということでございます。ですから、相手に対して措置を講じてほしいという場合には、まず自分たちで法的根拠を検討します。そのために政策調整課には専門家の皆さんに来ていただいておりますので、それは可能です。ただ、当然、いきなり措置を要求するというわけではなくて、ある程度やりとりがあってから要求しますので、その辺りも含めてしっかりやるということでございます。

○櫻井委員 恐れということでやるわけですね。

○黒田政策調整課長 最終的な法律の解釈権はもともと各省庁にあるものですから、本当にそうかどうかというのは各省が決める話なんですけれども、恐れがあるのでやってくださいということです。現にそういうような形で要望事項を各省に出している例もございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
川戸委員、どうぞ。

○川戸委員 中身というより、私は書きぶりにすごく違和感があって、この前の消費者基本計画の御説明のときも感じたんですけれども、下谷内さんが先ほど御指摘になったように、だれがこれを読むのか、だれに読ませるのかというのがとても重要なことだと思うんです。皆さん方がこういう基本計画を法律、省庁の中でおつくりになるといったら、こういう書きぶりになると思うんですけれども、消費者委員会、勿論、消費者庁というのは消費者の方たちと密接につながっているところが一番のポイントだと思うので、もう少し普通の人がわかるような書きぶりを是非考えていただきたいと思います。何とかで、何とかにするものとするとか、わかりませんけれども、言葉遣いも、みんなが読んでわかるようなことにしていただきたいというのが1つ。
もう一つは、櫻井さんが御指摘になったように、消費者庁がつくるもので、今回、新しいところができたわけですから、例えば、努めるとか、結構遠慮しがちに書いているような感じがするんです。これは新しいところで、こういうことを消費者のためにやりたいんだという熱意があるような、もうちょっと言い切った、強い言い方で文章をつくっていただければと思います。

○松本委員長 中村委員、どうぞ。

○中村委員長代理 中村ですが、この基本方針というのは、消費者安全法には、その前にもう一つ、第3条に基本理念という条文があります。この基本理念の中で3つのことを言っているのですが、この3つのことを踏まえて基本方針ができる。先ほど佐野委員もおっしゃいましたけれども、理念という大きなものがあって、その後に、この基本方針というのはやはり一定の賞味期限といいますか、期間限定といいますか、そういう位置づけだろうと思うので、そこら辺、基本理念ではなくて、当面の内閣の方針であるという位置づけがしっかりしていた方がいいし、また、基本方針というものは、この中にも書いてあるように、社会情勢の変化その他に応じて日々変化しているのだから、見直しもしなければいけないのだろう。基本方針だけれども、いずれ見直しもあるんだよと、附則ではないけれども、経過措置ではないけれども、そういうものも最後に1つあった方がいい。特に佐野委員の御指摘にあったように、地方自治体の知事が提案権を持っているわけですから、そういうものを踏まえての見直しも当然行われる可能性のあるものとしての基本方針の位置づけということを書いておいていただいた方がいいのかなと思います。
それと、基本理念の3つに照らし合わせて見るときに、何点か補充していただいた方がいいかなと思う点があるので申し上げますが、1つは、第3条1項の消費者被害の発生拡大防止を旨として行わなければならないという理念に照らし合わせたときに、6ページで「すき間事案」に立ち臨む姿勢は私は大変評価できると思うのです。いつも文句ばかり言っているので、たまにはほめておこうと思うのですが、6ページの一番上の辺りに書いてある、こういう姿勢というのは非常に大切だと思います。
それから、独立した事故調査機関の検討もするということも4ページに書いてありますし、こういう辺りは大変評価できるのですが、もう一つ、現在、被害の拡大防止とか、救済の面も踏まえて言うと、リコール制度が十分機能していないのではないか。リコールというのは、御存じのとおり、企業の方で自主的にやることをオープンにする制度ですが、強制リコールは唯一、車等にあるわけですけれども、この制度をもうちょっと日本の中において有効なものに見直す必要があるのではないかということを常々感じておりますので、そういう視点。
それと同時に、製造物責任法という法律ができて10数年たったけれども、果たしてそれが被害救済に本当に機能しているのか。現場の弁護士は、ちっとも機能していないという意見もかなりあるので、そういう視点からの記載もあっていいと思います。
それと、公益通報者保護法も、各論的にはいずれ検討はしますけれども、総論として、そういうものが十分機能していないために、被害の早期予防に余り役立っていないのではないかという点もあります。
リコールと、PL法の見直しと、公益通報者の見直し、この辺についても、勿論、各論はここで書くところでないのはわかっていますが、被害救済のために、この辺も意識した書きぶりにしていただきたい。これが1つ。
それから、事業者による適正な事業活動の確保に配慮しつつ、消費者の需要の高度化及び多様化、その他の社会経済情勢の変化に的確に対応し、消費者の利便の増進に寄与することを旨として行わなければならないという2つ目の理念があるのですが、この観点で、先ほど池田委員がちょっと言いかけられたのですが、事業者による適正な事業活動の確保に配慮しつつという点が余りあらわれていないような、これは池田委員から言っていただいた方がいいのかもしれませんけれども、そういう気がちょっとします。もともとウィンウィンの関係を図ろうということなので、そういう書きぶりも入っていてもいいのかなという気がします。
3つ目の理念が、国及び地方公共団体の緊密な連携の下に、自主性とか自立性を十分発揮できるように行われなければならないというくだりがあります。これに関して、地方消費生活センターの問題とか、相談員のところに、その自主性、自立性の言葉が散りばめてあるので、これは結構だと思いますが、先ほど申したように、知事の提案権があるんだよと、それを受けて、それも尊重しながら、この基本方針の見直しということがあるんだよという辺りも入れておいていただいた方がいいのではないかと思います。
以上です。

○松本委員長 ほかにございませんか。
では、私からも1点なんですが、5ページの「3 他の法律の規定に基づく措置の実施に関する要求並びに事業者に対する勧告及び命令等」と、6ページの「第3 他の法律の規定に基づく消費者安全の確保に関する措置の実施についての関係行政機関との連携に関する基本的事項」がかなり重複しているような感じがするんで、ここは何とかならないのかなという気がいたします。確かに法律の立てつけがこういうふうになっており、つまり、消費者安全法そのものがこういう3部構成になっており、かつ消費者安全法6条の基本方針において次に掲げる事項ということで、三ということで、これが基本的事項とは別枠に、更にもう一度書かれているという、構造的にやむを得ないのかもしれないんですが、何か繰り返しのような感じがするんで、もう少し工夫をしていただければなと思います。
それとの関係で、例えば、情報収集等で消費者安全法のルートから入ってくる情報というのは、行政機関及び都道府県、自治体の長からの通知に限られているわけですが、あと、消費生活用製品安全法に基づいて入ってくる事業者からの情報とか、あるいは消費者ダイヤルから入ってくる情報とか、あるいは事故情報データベースに書き込みが可能になれば、そこからも入ってくるといった、あるいは相談情報とか、そういったさまざまな、他の法律とか、他の施策に基づく情報もここでコンパイルをして、分析をしてということが多分必要になってくるんで、そういうのをどこに書くのがいいのかということはお考えいただきたいかなと思います。
日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 具体的なスケジュールですけれど、具体的な施策については基本計画の中に盛り込んでいくということですね。ですから、この基本方針をつくっていくタイミングと基本計画、最終的に基本方針を基本計画と同時に3月末に確定ということになるわけですか。そこと基本計画に盛り込んでいくということがうまくきちんと連動されていくのかどうなのかが気になるんです。

○成田企画課長 基本方針につきましては、いつまでにという期限はございませんので、できるだけ早く策定した方がいいだろうと思っております。一方で、たまたま今回、基本計画の見直しの時期と重なっておりますし、調和を保たなければいけないという規定もございますので、消費者委員会での御審議等をいただく際に、並行的に進め、両方を見ながら御議論いただく方がいいのではないかということで、資料1-1では今年度中ということで書いてございます。この辺のスケジュールは、むしろ御意見をいただきながら進めていきたいと思っております。

○松本委員長 どうぞ。

○日和佐委員 私の感覚では、やはり基本的な方針の策定が先にあって、そして具体案が基本計画に盛り込まれていく。勿論、途中段階では同時進行ということになると思いますけれども、最終的な基本方針が基本計画と同じ時期に策定というのは矛盾があるのではないかと思います。

○松本委員長 佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 もう一つ付け加えていただきたいのは、例えば、事故情報の場合は、日本とアメリカとか、日本と韓国とか、各国と連携を取っていますけれども、それだけではなくて、今、ボーダーレスの社会ですから、国際連携をどう受け止めて、どうしていくのかというのがここには全然出てきていないので、それも付け加えていただきたいと思います。それから、消費者教育とか、消費者啓発とか、その部分も、いかに効率的に、有効的にできるかということも付け加えていただきたいと思います。多分、「その他」に入るのかと思います。

○西川企画課企画官 いろいろ御指摘いただいておりますけれども、この基本方針に書くべき世界の話なのか、あるいは基本計画に書くべき話なのか、その辺の整理の観点も踏まえまして検討させていただきたいと思います。

○松本委員長 ほかにございますでしょうか。それでは、ありがとうございました。
消費者庁におかれましては、ただいま出されましたさまざまな御意見、御指摘等を踏まえて、更に基本方針について検討を深めていっていただきたいと思います。ありがとうございました。

≪3.地方消費者行政専門調査会設置・運営規程(案)について≫

○松本委員長 続きまして、「地方消費者行政専門調査会設置・運営規程(案)について」審議を行いたいと思います。これまで委員会におきましては、地方消費者行政の充実強化に向けて、関係機関や有識者からヒアリングを行うなど、検討を行ってまいりました。12月14日には、委員会として、今後検討していくべき論点を整理をした文章を公表させていただいたところです。
本日審議いただく地方消費者行政専門調査会は、地方消費者行政の推進について、地方消費者行政に知見を有する専門家の方々にお集まりをいただき、専門的な視点から調査審議を行っていただくことを目的として設置するものでございます。
それでは、事務局より、規程(案)の御説明をお願いいたします。

○齋藤審議官 事務局の齋藤でございます。
資料2をごらんいただきたいと思います。「消費者委員会地方消費者行政専門調査会設置・運営規程(案)」と書いてございます。
その中の第3条、専門調査会の所掌というところをごらんいただきたいと思います。この専門調査会は、「地方消費者行政の充実強化に向けて」、ただいま委員長から御紹介ありました、前回の消費者委員会で決定された文書でございますが、そこに掲げる論点、その他の地方公共団体における消費者行政の推進に関する事項について、委員会の求めに応じて調査審議すると書いてございます。前回の委員会で決定されました文書の中の論点を中心に調査審議するということでございますけれども、調査の過程、審議の過程でいろいろまた別の論点も出てくるかもしれません。したがいまして、必ずしもそうした論点に縛られずに、関連する事項も調査審議できるような規程ぶりにしてございます。
それ以外の規程等につきましては、これまでの調査会と同様の規程でございますので、御説明は省略させていただきます。
以上でございます。

○松本委員長 ありがとうございました。
ただいまの規程(案)について、御意見、御質問ございますでしょうか。
池田委員、どうぞ。

○池田委員 専門調査委員会の運営規程そのものについて、どうのこうのということではないんですけれども、地方消費者行政専門調査会の目的を考えますと、設置はいつしてもいいんですけれども、設置する前に、この委員会本体で、先日の論点もありますけれども、そもそもこの委員の中で共通の問題意識というんですか、こういうことをきちんと議論していく、あるいはテーマと考えていかなければいけないということをもう少し全員で共有しないと、すぐ専門調査会におろしてしまうと、本来、我々がここに委員としている意味が全くないのではないか。
逆に言うと、我々は全員専門調査会に入っていろいろ意見を言うということもあるかもしれませんけれども、むしろ、そこでいろんな問題が出てきて初めて、どういう部門の人をメンバーにしていったらいいかということが具体的になってくるんではないかと思うんです。今のこの段階でメンバーを選定するということになると、ありとあらゆる分野の人を集める膨大な組織が必要ではないかと思うんです。要するに、「地方」という言葉はついていますけれども、消費者行政そのものだと思いますので、設置はいいですけれども、どういうことをさせるということを、先ほどの第3条をもう少しみんなで共通した上で具体的にやっていく必要があるんではないかと思います。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんか。今の池田委員の問題提起について。
櫻井委員、どうぞ。

○櫻井委員 今の池田委員の御発言に関連してですけれども、私も前回申し上げましたように、このまとめられたものについて、何か、まとまっているのか、まとまっていないのか、よくわからないというのが基本的には感想としてあったんですが、それで、どのくらいの専門調査会を設置するつもりで、最終的な成果物については、どういう性格の成果物にして、どの程度のペーパーならペーパーを考えておられるのかということについては、私も必ずしもイメージを共有していないので、その辺りを改めて御説明いただけるとありがたいなと思っております。

○松本委員長 事務局の方から。

○齋藤審議官 前回まとめていただきました論点は、それまでのいろいろなヒアリングでありますとか、事務局の調査を基にして、ある程度委員の皆様方の共通認識的なところをまとめていただいたものではないかと考えております。それで、それ以降の進め方について、池田委員もおっしゃいましたように、いきなり専門調査会におろして進めていくのがいいのかどうか、その辺はこれからまた委員会の中でお考えいただければよろしいんではないかと思います。
専門調査会につきましては、いろいろ手続もかかりますので、そういう時間的な経過の中で、委員会の中でまた更に議論を深めるということも可能だと思いますので、その辺は、ある意味、同時並行的にお考えいただければいいんではないかと思います。議論を進めていく中で、委員会でかなり詰めた上で下部組織におろすのか、ある程度下部組織で議論し、それをまた委員会にフィードバックして、また委員会の中での御議論を踏まえて軌道修正をしていくという進め方もあるだろうと思いますので、その辺はどういうふうに進めていったら、この問題に対するアプローチとして一番よろしいのかというところは、これからむしろ委員会の中で御議論いただいた上で決めていただければいいんではないかと思います。

○原事務局長 補足でよろしいでしょうか。提言のような、まとめのような論点整理をいたしましたけれども、それもありますけれども、地方消費者行政の実態調査の報告書の完成版も1月になってできるということで、これの十分な分析も必要だと私は感じておりますので、今、いろんな作業を並行しながら進めるということ、それから、専門調査会の立ち上げを決めても、では、どういった方々に入っていただくか、どういう議論をしていただくかということについては、最低でも2か月はかかるということで、今日の御提案は、専門調査会の設置を決めていただけたら、人選とかも含めた検討体制が取れるかと考えて提案をしております。

○松本委員長 櫻井委員の御質問との関係では、来年度末に報告書を出す。その報告書の目的は、その翌年度、すなわち平成23年度に行われる、24年度以降の予算編成に影響を与えるような、つまり、3年計画以降に影響を与えるような報告書を22年度末を目途に出すということです。それが最大の狙いで、それを1年かけてやっていただくことになります。

○櫻井委員 そうすると、親委員会の議論と同時並行的にやっていくということですか。下部組織に入っていただくときに、何と説明して入っていただくのかということも心配になる。だから、これは前回の繰り返しになりますけれども、結局、消費者委員会で出す独自性がどこにあるのか。時間的にずれていますよということはそうかもしれないけれども、それは内容的な独自性とはまた違う話なので、そうすると、消費者庁との関係もどうするのかということは、やはり論点としては出てくるので、その辺の進め方を踏まえないと、成功するのかなということを素朴に疑問に思っております。

○齋藤審議官 専門調査会と部会とでどういう違いがあるかというので、最初のころ議論がありまして、専門調査会はあくまでも委員会の委託を受けて、決める場ではない。いわば荒ごなし的なといいますか、委員会からの依頼を受けて審議をするという場であって、適宜、専門調査会の審議の過程の中で委員会の考え方を聞かねばならないような事態が生じた場合には委員会に上げて、委員会で御議論いただいて、そこからまたフィードバックを受けて専門調査会の議論を進めるというような、恐らく行ったり来たりの関係の中で議論を進めていただければいいんではないかと思っております。
今回、この地方消費者行政専門調査会については、非常に幅広いテーマを取り扱いますので、実際問題、どういうふうに進めていったら最も効率的に進むのかというところについては、消費者庁との協力関係のつくり方なども含めて、これからよく検討したいと思いますし、委員会の御議論もいろいろお聞きしながら進めていきたいと思っております。

○松本委員長 中村委員。

○中村委員長代理 運営規程の承認とは関係ないかもしれませんけれども、こういう専門調査会をつくるときに、どういうイメージで人選するか、どういう規模で人選するか、それから、臨時委員とか専門委員の活用、どういう位置づけにするかということを一定のコンセンサスを得ていないと、さっき池田委員が言われたように、我々が前回まとめた地方消費者行政充実強化のための提案は、各論として8項目も挙げたのです。その8項目全部をやれる人なんて、1人では決していないので、それらを網羅しようと思うと、膨大な裾野の広がった人選が必要になるかもしれません。だけれども、専門調査会というのはそんなに大勢入れてやるところかというところをまず議論してもらいたいのです。
私は、考え方として、余り大人数にすると、こう言っては悪いのですが、従来、消費者庁ができる以前の内閣府の審議会などは、20~30人の委員で構成している。そうすると、日程調整だけでも大変だし、欠席委員は多いし、資料をいっぱいコピーしなければいけないという、いろいろデメリットもあるわけです。ですから、今後、消費者委員会の下につくる専門調査会については、できるだけ議論できる範囲の人数、我々はここで10人でやっていますが、これが1つのめどかなと思います。コアの委員はそのくらいにしておいて、そこに課題ごとの臨時委員、専門委員を随時組み合わせていくという運営の仕方がいいのではないかというイメージを持っています。結局、この先どうするか、今おっしゃったように、与えるテーマとの関係も勿論あるわけですが、そういう視点からの人選の議論も、この消費者委員会で一回しておいた方がいいのではないかというのを常々感じていますので、申し上げます。

○松本委員長 事務的なことですが、専門調査会の委員は全員専門委員です。したがって、それと別に更に専門委員を毎回別途任命するということは多分やりません。ゲストスピーカーとして来ていただくとかいうことは可能かと思います。
佐野委員、どうぞ。

○佐野委員 池田委員がおっしゃったことはもっともかなとは思うんですが、一方では、何人かの委員が集まって、委員の打合せ会だけでなく、また別に集まって、いろいろ議論を交わしながら、論点の整理をしてきました。これ以上ここで詰めてしまうと、専門調査会が要らなくなってしまうかもしれないと思うぐらい話をしてきたつもりなので、是非、この論点を見ながら、専門調査会の方にいろいろ議論していただきたい。そこで、池田委員がおっしゃるように、余りにも漠としたものであるので、専門調査会では、ちょっと大変だということであれば、また私たちが加わって意見交換もできます。今、お話があったように、いろいろな方のヒアリングもしながら、1年かけてやることですので、私は、この論点整理で今のところは十分ではないかと考えます。もし専門委員の方が不足であるというなら、もう一度議論をしながら行ったり来たりというのが一番いいのではないかと、今の時点ではそう思っています。

○松本委員長 日和佐委員、どうぞ。

○日和佐委員 池田委員の御心配もわかるのですけれども、消費者委員10名の中でも、地方消費者行政を全員がさまざまな面で本当に理解しているかというと、そういうわけではないので、とりあえず論点の整理だけはして、委員会として合意をしたという、今、段階なわけです。ですから、その論点に従って調査会で議論をしていただく。中村委員が言われたように、30人もの調査会というのは議論にならない。その会で発言できなかったりするわけですので、議論にならないと思いますので、10人前後、15人ぐらいという形にして、論点ではかなり専門的に議論しなければいけない。
例えば、消費生活相談員制度等はかなり専門的で、現場で具体的にはどんな問題が起こっているのかということも議論していかなければいけないわけで、そういう場合については、それぞれ専門家の方、現地で実際に当たっていらっしゃる方等のヒアリングをしていく、あるいは臨時グループをつくってもいい。それは運営していく過程でまた考えていけばいいのではないかと思っています。
それから、櫻井委員が、余り成果は期待できないのではないかとおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、私は、この論点すべてについて成果を得られるかどうかは、まさに疑問とするところもあると思っています。そんなにうまくはいかないであろうとは思いますけれども、4年目以降の地方消費者行政はどうあるべきか、どう強化されていくべきかということについて、精いっぱい議論をして、100%可能かどうかということは余り考えないで、ともかく精いっぱい議論をして、きちんと提案をしておくこと自体、そういう行為自体は決して無駄ではないと思います。

○松本委員長 どうぞ。

○櫻井委員 専門調査会的なものをつくること自体に反対するものではないのですけれども、そうであれば、結局、議論すること自体に意味があるというよりは、消費者委員会自体が行政機関に組み込まれているわけで、原案があり、それに対してどういうふうな反論がありということで、最終的にどういう形で落としていくのかということまで展望しないと、一生懸命頑張りましたというのでは、多分、通らないだろうと思います。されるんであれば、責任者はだれかといいますか、委員会としてはだれがガバナンスをグリップしてやっていくのかという辺りはどういうふうなイメージでおられるのか。あと、この設置規程によりますと、臨時委員も入るということですね。それは専門委員だけではないので、その辺りは具体的に案ができているのか。少なくとも責任者がいないとまずいだろうと思います。

○松本委員長 委員も調査会の委員を兼ねることができるというルールになっておりますから、調査会に正式の委員として入ってもらうことも可能だし、入らないとしても、担当委員を決めようということで、これは食品安全委員会だとか原子力安全委員会がそういう形を取っていると聞いておりました。原子力安全委員会の場合は、事実上委員全員がすべての調査会等に出席しているというお話でした。したがって、担当ということで、その調査会の議論をきちんとフォローしてもらう方、担当の委員、あるいはそのまま中に正式に入ってもらう、両方あり得ると思いますが、そういう形でやっていただくことになります。どなたかということはまだ合議しておりませんから、委員打合せの際に、これは私が担当したいという人にやっていただくことになると思います。
下谷内委員、どうぞ。

○下谷内委員 人数等の問題がいろいろ言われておりますけれども、先ほど日和佐委員もおっしゃられましたように、30名でやりますと、どこで手を挙げて意見を言わなくてはいけないか、そういうことを考えながらやっているような状態です。特に今回、消費者庁ができましたのも、地方消費者行政の充実ということで、積極的にされておりますので、密度の濃い専門調査会であってほしいと思います。ですから、私どももそういうものに参加させていただいて、その調査会に報告が出されたものに関して、また委員会の中でもそれを決議事項としていくということであれば、できるのではないかと思います。
それから、委員会の委員が10人ぐらいであるならば、第4条の3項にも臨時委員という言葉がありますので、そういう形で、専門の委員さんに御依頼する、そしてヒアリングなどを十分調査するということにすれば、運営できるのではないかと思います。
1年間という時間でございますので、その間、消費者委員会と専門調査会の間で行ったり来たりというのは当然必要かと思いますので、なるべく早くこれを動かせるようにしていただければと思っております。

○松本委員長 ほかに御意見ございませんでしょうか。
どうぞ、山口委員。

○山口委員 遅くなって申し訳ありません。私、2つの評価を受けておりまして、消費者委員会で初めて合議して外に出すものができた、とりあえずよかったという意見と、さんざん苦労して、数か月やってこの程度かという評価と両方意見が聞こえております。
私自身、一番気になりますのは、これから3年間について、委員会は手つかずなのかというところなんです。現実に、地方の予算について、使い勝手が悪いとか、あるいはパイオネットの機能がちゃんと働いていないではないかとか、あるいは、相談電話の一元化が一向に実現しないのは何なんだというような、消費者庁の今の動き方について、あるいは予算の組み方についてのいろんな話が聞こえてくるわけです。それについては消費者委員会として何も言わないのという質問も聞こえてくるわけです。これらのことについては何もやらないわけではないんでしょうねということは念を押したいわけですけれども、4年目以降、いろいろ議論するのも勿論必要だし、大いに期待するところなんですが、これから当面の呼び水期間について、どうするのかというところについては、調査会でやるのか、それとも委員会の方で臨機応変に対応していくのか、そこら辺も是非検討していただきたいと思います。

○松本委員長 私のイメージとしては、調査会では、3年経過後どうするのかというところを見据えて、それとの関係で現状についても改善提案があればしていただくということになると思います。3年以降を無視して、使い手の悪いところだけを使いやすくするというのであれば調査会は要らないと思っています。調査会の主たる目的は3年経過以後のところに焦点を当てていただく。他方で、現状の消費者ダイヤルでしたか、非常に混乱しているのは困るではないかとか、ホットラインとか、そういう個別の部分については、調査会の方で先を見通した議論との関係で議論してもらって提案していただくというのは当然いいわけですが、別途、恐らく委員会として適宜議論をして意見表明していくという形の分担になると思います。

○川戸委員 皆さん方がおっしゃったように、この消費者庁、消費者委員会は新しい組織です。山口さん御指摘のように、問題が山積みしているわけですから、一日も早くこういうものを立ち上げて、走りながら、いろんなことを適宜、これがいいのかどうか、それは消費者にとってどれだけプラスなのかということをやった方がいいと思うんです。理念とか、そういうことは勿論大事なんですけれども、一番の大きな理念は、消費者のためにある消費者庁であり、消費者委員会である。消費者庁は行政組織、消費者委員会はもっと民間に近い、いろんな人の意見を寄せ集めた、新しい、違った目だということで、ここで違う意見を言う価値があると思うんです。だから、一日も早く専門調査会と消費者委員会が本委員会とうまく連携を取ってスタートすべきだと思います。

○松本委員長 いろいろ議論ございましたけれども、調査会自体を設置して議論していただくという点については特に反対はないと思いますので、いつごろから具体的に活動するか、あるいは人選をどうするか等については、これからもう少し皆さんと話し合いながら決めていきたいと思いますが、とりあえず本日は、この設置運営規程について御承認いただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○松本委員長 ありがとうございました。
それでは、このような内容で御承認いただいたことにいたします。
これで部会、あるいは専門調査会として6つの下部組織を設置することが決まりまして、来年以降、それぞれの部会、専門調査会でより本格的な議論が進んでいけば、消費者委員会としてもいろいろ活動しているという実績が積み重ねられるものと考えます。親委員会としては、各下部組織がどういう審議状況であるかについてきちんと把握するとともに、そこでは議論されていないもっと大きな問題について議論を始める、あるいは個々の具体的な問題について議論して見解を表明するといった形で進めていきたいと考えます。
なお、年内の委員会は本日が最後でございますが、下部組織として、新開発食品調査部会が今週25日金曜日に第1回の会議を開催する予定でございますので、御紹介をさせていただきます。
本日はこれで閉会とさせていただきますが、少し時間が早く終わったこともありますので、傍聴の方々との簡単なディスカッションをする場を、この後、11時半ぐらいまで持ちたいと思いますので、御意見おありの方はお残りいただきたいと思います。
次回の委員会は、年明けの1月14日木曜日の午後3時から行う予定にしております。
それでは、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。これで終了いたします。

≪ 閉 会 ≫

(以上)