第38回基礎問題小委員会・第4回非営利法人課税WG合同会議 議事録

平成17年6月7日開催

委員

ただいまから、第38回基礎問題小委員会と第4回非営利法人課税WGの合同会議を開催いたします。

今日は、紙がまとまとってきましたので、非営利法人のまとめたものを、まず「とりまとめ案」として朗読をいただきます。そのあとで文章の手直しをお願いいたしたいと思います。これをできればなるべく早く表に出したいと思っていますので。

それから、「会議終了後に返却願います」とあります。かつ、途中でご退席の方は置いてご退席ください。

それでは、事務局からまず最初にペーパーを読んでいただきましょう。よろしくお願いします。

〔事務局読上げ〕

委員

長文の朗読、ありがとうございました。

お聞きいただいたように、比較的皆さんの意見が対立していなかったこともありまして、すっきり、ある方向性が打ち出されたのかなという気がいたしておりますが、ただ、決め打ち的に一本化していない、まだそういう時期でもないと思っています。例えばみなし寄附金のところは2つ考え方がある、収益課税のところも33の列挙でやるかネガリストで行くか、あるいは、金融収益課税についても2つ考え方があると。選択肢を整理したという形で書いてございますので、今日、ここでいろいろなご意見をいただいて、ある方向を強く打ち出すのか、それとも、まだこの段階でいいではないかと考えるか、それを踏まえてお考えいただきたいと思います。

かなりの長さになっております。ちょうど9ページ、寄附金税制のあり方の前後で半分くらいに分けられますので、前半と後半に分けて、残った時間で、この文章につきましていろいろご意見を賜りたい。特に、これを世に出したときにこういう文章でいいかどうかという点に注意してご意見をいただきたい。したがって、文章についてきめ細かいご意見を賜るという趣旨で今日はやっていきたい。もちろん、考え方等についてもそうであります。

それではまず最初に、9ページの「寄附金税制のあり方」の前まで、どこでも結構でございますが、前半から行きましょう。ただ、途中ご退室の方で、後半でご意見があるという方はあえてこのルールにこだわらなくても結構でございます。どなたからでも結構ですが、どうぞ。

委員

6ページのロのところにいろいろ書いてあります。質問ですが、これはどういうようなことを考え得るわけですか。

委員

何行目のどの辺の話をおっしゃっていますか。

委員

ロのところで、「『公益性を有する非営利法人』でも『専ら会員のための共益的活動を行う非営利法人』でもない非営利法人も存在する。これらについては」云々かんぬんといろいろ書いてあります。こういう場合、具体的にどういうことが考えられるのかということを、まずお聞きしたいのですが。

委員

この間、具体例がそう出されていませんで、「こういう可能性がある」という形でご説明をいただいたと思いますが、何か税制第二課長から。

事務局

今般、一般的な非営利法人制度がつくられるということでございます。したがいまして、さまざまなタイプが法人としてなり得る。すなわち、利益を分配しないことだけをもって非営利法人になれるということですので、現状においてもそういうパターンにはまるものも当然あると思いますが、公益性のあるもの、共益性のあるものを除いたあと何が残るかというのは、なかなか想定しがたいところがありますが、論理的には想定し得ると。

仕組み上の問題といたしましては、公益性も共益性もないということで、いわば実態的に見ますと、営利法人とほとんど変わらない活動ができるというところに着目いたしまして、課税のバランスが必要だという叙述でございます。想定されると書いておりますのは、なかなかいい例が見つからないということでございますが、そういう可能性も含めましてバランスが必要。その分は、場合によりましては、租税回避に使われることも当然懸念されるというあたり、一定の手当てが要るであろう、こういう論旨でございます。

委員

よろしゅうございますか。

委員

わかったようなわからないような……。このまま文章になっても、大抵の人は具体的にどういうことなのか、たぶん、よくわからないと思います。

委員

具体的には、今後出てくるであろうということを一生懸命考えているわけです。おそらく、可能性から言えばあり得ることだろうと。

委員

可能性としてあり得るだろうということは何となくわかりますが。

委員

そういうことだと思います。

どうですか、この辺、何か具体例はないですか。

委員

非営利というのは儲からない団体のはずなのに、非営利法人制度というのがあるがゆえに、そっちのほうが儲けるのに有利だと思って入り込むのがたくさんあるわけです。そういったものは、税制上、きっちりしておこうということだと思います。私法上きっちりするという考え方もあっていいと思いますけれども、本来から言うと、金儲けのために入ってくるというのは私はきわめて不快感を感じております。

委員

何といった例はなかなか挙げにくいのですね。想定上のこんなケースがあるよというのは。

委員

言いにくいわけですか。

委員

いえ、言いにくいということはないのですけれども。多々あることは事実だと思いますし、実際問題として、ちゃんとやっている非営利の団体からしても大変迷惑な話でありまして、この辺は逆に非営利団体側が非常に問題にしています。ただ、そこでまともなやつまで区分しないようにくれぐれもお願いしたいと思っております。

委員

では、どうぞ。

委員

「はじめに」と「検討を進めるに当たって」、この1ページと2ページを読んでいる間、何が理由でこれを改革するのかというのがずーっとわからないわけです。それで、2ページ目の25行目で初めて、法律設立が簡単ではないし判断基準が不明確だし、民間部門で支えていくようなことが重要だというのが出てくる。これが頭にないと、「はじめに」のところは、閣議決定があって内閣官房でこういうのができて、大臣のもとでこういうのがつくられて、それでこうこうこうという話で、何が問題なのか全然わからない。

1ページの14行目に「具体的な制度設計の検討が進められている」、24行目にも「具体的な法制度設計の段階にある」、2ページ目の9行目、「制度設計の具体化が進められている」、25行目、「上記のような方向で具体化される」。この1ページ目と2ページ目はもうちょっとまとめるべきで、それから、その前提として問題がどういうところにあるのかということ、2ページの25行目にあるところを先に出すべきだろうというふうに思います。

委員

ただ、これは難しいと思います。というのは、この公益法人課税の検討は受け身で始まったのです。税を抜いた形でボンと送られてきたので、我々は税をくっつけているわけです。そもそもがという事の由来を書かないと、なぜ事が起こったかということがわかりにくいからです。

委員

だから、2ページの25行目のところは……。

委員

2ページというのは、我々が「実像把握」とか何かを踏まえて、我々の問題として書いたわけです。

委員

これは、「『今後の行政改革の方針』において次のような指摘がなされている」というのだから、あちら側の文章ではないのですか。

委員

そうかもしれない。それも累次の検討を経たあとで出てきたやつでしょう。今言った非営利法人の共益性とか公益を……。

委員

ああ、そうですか。

委員

今のご指摘も重要だと思いますので、どちらがいいかなんですね。

委員

問題点がわからないと、なぜ改革するのかがわからない。

委員

問題点はわかっている。ずっと書いてあることが問題点なんです。

委員

でも、これは閣議決定とかそういう話で、事実だけ。

委員

問題があってこういう事実を踏まえて検討してきたということで、問題の背後のプロセスを書いたわけでしょう。ただ、大上段にかぶって、公益法人の改革の必要性ということを書くかどうかということですね。要するに2ページの下に書いてあるようなことを前に出して……。

委員

出したほうが、私はわかりやすいと思います。

委員

わかりました。ご意見として伺っておきます。

これにつきまして、ご意見のある方いらっしゃいますか。

委員

私も今の委員と同じ意見でありまして、こういう問題が世の中の関心を引いた一般的な状況を説明した上で、それを受けて政府が--これは遅ればせながらなんですね、日本の場合には。その経緯が初めにバッと出てくるよりも、本来の趣旨の部分のところについてきちんと書いていただき、そして税調としてどういう具合にやってきたかという部分も、それとの関連の中で一般的に論じる。3ページの10のところから、これは税制第二課長が非常に苦労してやっておられますから、その上で全体の政府の取組みを位置づければ、その性格と目的がきっちりわかるのではないかと思いますので、ご考慮いただきたいと思います。

委員

わかりました。

では、どうぞ。

委員

文章をということですが、最初にぜひコメントを申し上げたいことがありますので、お許しください。昨年の「構造変化の『実像』」把握の頃から感じていたことでございますけれども、石税調が、現在の構造変化を真剣にとらえて、全く異なる視点から思い切った手を打とうという姿勢をとられていることに関して、私は高く評価したいというふうに思っております。ここのところをきっちり評価して、これがかなり大きな変革であるという認識のもとに、大きな変革であればあるほど細かなところでちょっとずつ摩擦等も出てこようかと思いますけれども、ベクトルを大きくこの税調が変えたということについては、あえてコメントさせていただきたいというふうに思っております。そのことが、今後、巨大財政赤字解消に向けていろいろ国民に負担等を求めていかなくてはいけないときに、大変有効な形のメッセージとして伝わるのではないかなというふうに思います。

ただし、これだけの大きな変化ですから細かなところで摩擦が出てこようということはあります。その点については一番大事なのは、社会通念とか、常識とか、先ほどの話でもそうですけれども、金儲けをしたい団体が非営利というのはやはり非常識なわけでして、その点から若干の文言を指摘させていただきたいと思います。

細かなことで申し訳ないのですが、2ページの24行目、「特別法によって設立される公益法人」になっています。公益法人というのは民法34条法人のことを言いますから、「等」というのを入れたほうがいいと思います。

それから、5ページの5行目です。これは質問にもなろうかと思いますけれども、「収益を得ることを目的とする営利法人と同種・同等」と、2つ重なっていますが、この意味がよくわからない。同等であるというのはわかりますけれども、同種であるということがどういうふうな意味があるのかよくわからないということ。

それから、8行目になるのか9行目になるのかよくわかりませんが、「収益事業課税」がカギ括弧になっているということは、新しい、あるいは、ありうべき収益事業課税ということではないかと思います。それであれば、民間営利法人と競合関係にあるということについては、実質的に競合関係にあるというところを入れたらどうだろうかというふうに思います。

委員

「収益事業課税」の文言がどうも適切でないというご意見ですか。

委員

いいえ、適切ではないということではなくて、これでいいと思うのですが、ここのカギ括弧の意図を質問ということです。

それから、24行目の「会員のための共益的活動」ということです。これは「主な意見」のときから「専ら」という言葉が入ってきていまして、入ることは別に依存はないのですが、入れたことによるメッセージ性は一体何なのかというのを教えていただけたらと思います。

それから、7ページの「人格のない社団等」については非常にいい書き方がされていると思いますけれども、あるべき税制のことがちらっと出ていまして、あるべき税制の中で問題にした一つが、いわゆる法人として課税するのか、個人としてみなすのかという問題がありましたね。ここも、いわゆる法人制度をつくったからそことのバランスをとれという意味においてはこれでいい。人格のない社団等の定義とかそういったものについては書き方としてはこれでいいのですけれども、一般の社会通念、常識に照らした形の制度にするよう、今後、検討していただけたらというふうに思っています。

さらに8ページでございます。20行目の「収益事業の範囲を根本的に洗い直すべきである」という言葉と、次の「範囲を拡大する」という言葉はちょっとバランスが違うのでありまして、これは「収益事業の範囲を再検討する」というちょっとニュートラルな表現にして……。結果的にいろいろ調査して拡大するということはあってもいいかと思いますけれども、根本的に洗い直す以上、スタートとしては中立的に行うと。以下の文章からしてもそちらのほうがいいのではないかというふうに思っております。

とりあえず、9ページまでは以上の点です。

それから、先ほど会長が言われた利子・配当課税とか問題が残っている部分については、短兵急にやるより、石税調の、ある意味では国民に対するこれまでと違うというメッセージを強調したほうが私はいいと思っております。

委員

最初にお出しになったのは、先ほどの二人の委員がおっしゃったことと同じ方向ですね。最初に大きな改革をうたえと、そういう趣旨でしょう。

委員

そこまで私、よくわかりませんけれども。

委員

わかりました。それでは、そういうご意見があったということを踏まえて。

では、税制第二課長、今の「同種・同等」、これ、お酒に出てくる文句ですけれども。

事務局

5ページ5行目に、「収益を得ることを目的」云々と書いていまして、収益を得ることを目的とする営利法人、ここに言葉が掛かっておりまして、そういう営利法人と同じ事業というときに、「同類」というのをどういうふうに言うかというときに、人口に膾炙した言葉として「同種・同等」という言葉を使わせていただいているということです。いずれにしても、どういうものを考えるかは収益事業の範囲の中で明確化されていくという趣旨ですので、これで通用するのではないかというふうに思った次第でございます。

それから「収益事業課税」、これは特別新しいことを考えているということではなくて、ちょっと力が入ってカギ括弧になっているということでございます。そういう意味では、例えば「競合関係にある事業のみに課税する収益事業課税」とさらっと文章として流しても、全く趣旨は変わらないと思います。そういう修文のほうが誤解を招かないということであれば、その方がよろしいかなというふうに思う次第でございます。

それから、25行目のあたり、「専ら」というところでございます。共益型の法人というのは、今回ご議論いただく中で初めてカテゴリーという形で出てまいるものでして、今後、どういう形でこれを定式化するかということが課題になるわけです。ここは特に税調という場でございますので、紛れがあるということよりも、端的にわかりやすい部分、すなわち「典型的には」と後ろに書いてございますが、そういうことを書くことでこういう種類のものであるということをまず明確に打ち出した上で、いずれにしてもそういうものについてはということで、次の6ページ、上の3行目から5行目にかけまして、そういう法人の「具体的基準のあり方等について検討を行う」という中で、専らということも含めまして、どこまでこういう法人として考えたらいいかということを整理したいということでございます。

このあたり短い文章の中でございますので、言葉に限りがあろうかと思いますが、わかりやすい文をしっかり書いた上でその検討を今後進めていきたいという趣旨でございます。

それから、人格のない社団等のところはご指摘だけということでございます。

8ページの収益事業のところでございます。「根本的に洗い直すべきである」という20行目でございます。ここは、その内容についてしっかりと見直して、拡大と書きましたけれども、むしろそれをちゃんと課税に取り込む必要があるのではないかというご意見が主であったという判断から、ここにこういうふうに書かせていただいたということでございます。

委員

文章をちょっと検討してみましょう。どうぞ。

委員

読んでみて、ちょっとどうかなと思ったのは文章だけの問題です。最初に2ページ15行目です。主務官庁制の説明の前が頭が大きいものですから、これはむしろ主務官庁制としてカッコして、「各官庁が裁量により民法34条法人の設立許可等を行うことを指す」というように書いたほうがわかりやすいかなと思います。主務官庁制を修飾する言葉が長いですね。

それから、全く文章だけの問題で恐縮ですが、5ページ、一番下の行ですけれども、「実質的に資本取引類似の機能を果たしている」というのが、お読みになった方がわかるかどうかということです。ちょっとわかりにくいような気がします。

委員

具体的に修文のお知恵はありますか。

委員

ありません。ただ、読んでもよくわからないなと。申し上げたのですが、ちょっとそこまでは。

それから、これもまたつまらないことですけれども、9ページの上から4行目に、「軽減税率(22%)」と書いてあります。これはせっかく書いてあるのですから、その次の行の「基本的には営利法人と同等の税率」というところにも、カッコして数字を入れておいたほうが親切ではないかと思います。

それから、一つ質問ですけれども、公益法人の収益事業というのは何でもよかったのですか。つまり、どんな収益事業でも公益法人というのはできるのですか。できないわけですね。

委員

税制第二課長、どうですか。

事務局

公益法人ですから主たる事業はおそらく公益性が認められる事業だと思いますが、その事業の性格が、民間と競合するという性格の意味で収益事業という形になっておりますので、33業種に当たるかどうかという形になっているということです。

委員

結局、33業種の問題になってしまうのですけれども、非常に極端なことを言いますと、例えばパチンコ業者が公益事業でこれからいいことをしますということで、パチンコのほうから内部の寄附という形でお金をもらっても、それは構わないわけですか。

委員

認められないのではないですか。

事務局

まず、第三者機関がその法人の事業全体を見まして、それが公益性を有する法人と位置づけられるかどうか、それが最大の判断になります。パチンコ事業がきわめて副業的であれば別ですけれども、主として行われている場合に、わずか一部分だけ公益的と称する事業が行われる、そういう法人が仮に新しい制度で第三者機関に認定申請を出した場合は、おそらくバツになります。バツになりますので、そういったような形にはならないと思います。

委員

当然だめです、と。わかりました。

委員

では、どうぞ。

委員

文章のことよりも、これを全部改めて聞いていて痛切に思ったことは、この制度改革で思い切ってやりますよ、抜本的に見直すよ、寄附文化を入れるということを書いてあるのは9ページのあとです。そこが、一般国民からすれば一番読みたいところなんです。前のほうの課税論を読める人間は、おそらく公益事業に入って経理をやっている連中が中心ですよ、私の知っている限りでは。ここはちんぷんかんぷん、何を言っているか全然わからない。いくら丁寧に書いてあってもわからない。

メッセージを送るときには明快な太い線を一般に投げかけるべきなんですよ。事務当局の人が一生懸命書いたのはよくわかるし、実によくできている文章だと思っているけれども、順序が間違っていると今になって気がついた。我々が国民に訴えたいのは、今まではいろいろかたいことを考えてきたけれども、少し緩めようとちゃんと文章に書いてある。あまり厳格なことを言い過ぎたし、世の中変わったし、役割もありそうだから、寄附文化については大幅に変えるんだと。これは検討事項ではないんです。変えると書いてある。それなら、そこのところを前に打ち出せば一番いいんです。しかし、課税上の問題になると、そうそう甘いことも言ってられないぞということが書いてあるわけです。誰が見ても問題はあるのだから。

それを専門家が見れば、そうか、寄附金にはオーケーもらったけれども、厳しいことを言われたな、しかしそれはわかっていると。そんなことはわかっているんですよ、やってる連中は。言いたいことは山ほどあるけれども、実は言っても通らないこともわかっている、良識のあるメンバーは全部。そこはお暇のある人は読んでもいいけれども、わからないだろうな、しかし、このメッセージは前のほうを読んでもらうといいよというのが、大胆な言い方かもしれないけれども……。

委員

私もそれはよくわかりますので、考えてみましょう。

では、どうそ。

委員

先ほどの委員と税制第二課長の会話の中に大体出たことですけれども、5ページの「専ら会員のための共益的活動を行う非営利法人」について、一言だけです。これも今回の大きな改革だと思いますけれども、ここに書いてありますとおり、いろいろなものが入ってしまうと思うのです。営利法人に匹敵するような会費制のものもあれば、実際には広い意味での公益的な活動をするものもあるだろう。それを「専ら」ということで機械的に対応するのではなくて、法人の実態をよく見ていただいて、今回の改革の趣旨を踏まえて制度をつくっていただきたいと思います。

委員

「専ら」という言葉等々で何かつけ加えるとか、今おっしゃったことを文章を移すとどうか、具体的な箇所なりご要望はございますか。

委員

さっきのご説明にもありましたように、「典型的には」ということと、具体的基準をつくっていくということですから、例えば仲間うちだけでやっている地域の老人グループが、今度はいいことをしようと。専ら共益だけではなくて公益的なことをしようというときに、これは形式的に「専ら」ではなくなるからだめだというのは、それはおかしいと思います。ですから、具体的な基準づくりの中でその趣旨を踏まえてつくっていただきたいということでございます。

委員

では、そういうふうに修文で考えてみます。

どうぞ。

委員

この文章をずっと読んでいくと、例えば2ページの「検討を進めるに当たって」というのが、かなりいろいろなことを含んでいますので、何が言いたいかというのをもうちょっと見出し的にわかりやすくしたほうがいいかなと思いますが、言いたいことは、非営利法人制度の改革というところは、税制上、非常に重要な意味があるということですね。つまり2万5,000あって、いかにも公益的な仕事をしているかに見せて租税回避を行っているおそれのあるものはたくさんあるのだろうと思います。

今、それを正常化させる、ふるいにかける千載一遇のチャンスだと思うので、この前段の部分はきちんとそういうふうに主張すべきものだし、寄附金については、今までどちらかというと頑に国税が守ったので少し緩やかにするという趣旨で、その2本柱だと思うので、そこははっきり分けて、2本の柱を立てるところに意味があるというふうに思います。

委員

では、どうぞ。

委員

9ページの4行目から7行目までの話ですが、収益事業から生じる利益について、前段は「基本的には営利法人と同等の税率とすべきである」と言っていながら、後段で「軽減税率を設けるにしても~格差を縮小する方向で検討する必要がある」、こういう2段で言っています。これを読むと、前段は原則だけれども、実際やるのは後段だよとしか読めないので……。

委員

ここをやめてしまう。

委員

私の持論は前段なものですから、むしろ後段を前段に持ってきて、今、前段に書いてあることを結論として言うならまだわかる。それとの関連でみなし寄附金制度というのは、もっと拡大するというか、積極的に書いてもいいのではないかと思います。まあ、これはこの程度でもいいと思いますが、「中小法人並みの税率を念頭に置き」というけれども、非営利法人が収益事業をするなら、非営利法人をやめて営利法人でやればいいのです。だから、軽減税率の議論をあまりしなくてもいいのではないかと私は思います。これは意見で。

委員

わかりました。では、どうぞ。

委員

一点、先ほどの委員の先ほどの問題提起に関係するポイントですが、これは実は非常に微妙な問題を含んでいると思います。

委員

場所はどこになりますか。

委員

先ほどのパチンコ屋さんが公益をと。ところが、競艇をやりながらいいことをしている部分もある。あるいは馬、JRAのような形でやっている場合もあります。パチンコとそういうのが一体どう違うのか。これは、国が関与している度合いが強いか否かなのです。パチンコ業界は私的企業がやっているから、いいことをやってもだめだという具合に見るのか、そのエンドースメントをどういう形でやっていくかということに尽きるわけで、これはもっと論点を整理していく必要性があるだろうと思っております。

もう一つ、この会のペーパーは、既存のこれまでの制度について、その関連においては見直すけれども、指定寄附金にしても特定公益増進法人制度にしても、既存の部分のところについてはここでは見直さないという形になっていますが、新たな制度との整合性をどう取るかという問題の整理の仕方が幾分不十分ではないか。例えば指定寄附金は財務大臣がやることになっているわけです。これは、緊急的に一過的な形である目的に対して対応するという形で使うのはもちろんいいと思うのですが、その目的が、第三者委員会等の関係、あるいは既存の公益法人税制とのかかわりの中で、全体としての位置づけを出自によってやるのでいいのかということは議論としてあり得るわけで、その点について議論を深めていく必要性があるのではないか。

とりわけ、これまで各省庁が独占的に自分の領域の中における公益法人を自らが判断する、こういう部分が、この新しい公益的な法人制度の基本的な見直しの中で、正当性を、例えばアクティビティ・パフォーマンスのレベルで担保できているかということについては、私は第三者的な形での判断を少なくとも事後的にかませることは必要だと思います。入口のベースのところで認可するかどうかという問題と、過去からの引継ぎの部分をどのように整合的にやっていくかという問題については、立ち上げるときには相当具体的に詰めていく必要性があるのではないかというのが私の感想であります。

委員

詳細設計のところまでまだ話が行っていませんので、もうちょっと先にその議論が出てくるのかもしれません。今のご心配の既存との組合せのところは、何か書き方があれば検討したいと思います。

事務局

今の関係で、整理としてこんな感じでしたということで若干コメントさせていただきます。先ほどのパチンコ云々という話ですが、公益性というものをどう見るかということになります。今回の仕組みの場合には、第三者機関においてその法人が公益性があるかどうかを認定することになっています。その認定基準の中にどういう形で公益性を考えるか。例えば公益事業を全体として5割以上にするのか、ものすごくやっているとするのか、あるいは、少しでもいいというふうにするのかどうか、そのあたりが実はかかわってくる問題だろうと思います。

私どもとしては、わざわざ第三者委員会という機関をつくって、公益性があるとマル適マークをもらった以上、公益法人制度ないしは寄附金制度上、それを踏襲した形で制度をつくるほうがきわめて合理的ではないかということですので、どういう公益性認定を設定するかというところが一番ポイントだろうというふうに思います。

それから、寄附金税制についてあとでまた出てまいりますが、若干頭の整理だけ申し上げますと、今、特増の制度は7つの類型がございます。学校法人をはじめとして、独法とか、それ自体として寄附金控除の対象、自動的に適用される制度になっておりますが、公益法人、34条法人のところだけはこういうダブルの認定がかまされるという仕組みになっているわけでございます。そこのところが、今回、34条法人を廃止して第三者委員会が新しく制度をつくるというところにかかわってくるものですから、そこをきちっと整理をしておくことが今回のポイントでございます。そういう意味ではいわば一回の認定でよくなるということで、同じ並びになってくるということだろうと思います。

ただし、その第三者機関が先生からご指摘がございましたように、きちっとした形でできるかということは我々の最大関心事ですが、制度的な並びとしてはそういうふうになってくるということで整理をさせていただいております。

委員

第三者のところは、しつこく2、3カ所に分けて、しっかりやってくれというふうに書いてあります。

今の関連ですか。では、どうぞ。

委員

ちょっと差し障りがある話ですけれども、なぜパチンコと申し上げたかといいますと、パチンコの業者が、例えば北朝鮮でストリートチルドレンの救済の事業をやりたいとかいうことが起こり得ると思うのです。それはそれで立派なことだと思います。今のような話であれば、どうやって止めるのか。こういうものというのは境目が非常に微妙でして、極端なパチンコ屋などの話にするとわかりやすいのかもしれませんけれども、微妙な境目のところがあるわけです。今の先生が非常にいいことをおっしゃってくださったのですけれども、そこのところはできるだけきっちりしておいたほうがいいのではないかと思います。

委員

文章の上で、境目云々も含めて今お出しになった問題をうまく消化し切れていないし、また、その問題を我々としてしかと受けとめていない面もあるかもしれません。もうちょっと議論は必要でしょうね。でも、今回の報告書に直に入り込まない問題もあるかもしれませんね。

時間もたってきましたので、後半までカバーした形でご意見をお出しください。

では、どうぞ。

委員

6ページの8行目に「利益分配を目的としていないものの」というところがあって、その下の行に「給与やフリンジベネフィットという形で実質的な利益分配を行いうる」というのがあります。この「残余財産の分配の制限がないため」がかかっているのか、ちょっとこれだけを読むと、利益分配を目的としていないけれども、給与やフリンジベネフィットなどで実質的に利益分配することが可能だという具合に読めてしまう可能性もある。それは要するに、残余財産の分配から続くという具合に考えればいいのですか。

委員

これは羅列してあるんですね。

委員

だから、給与とか、これが実質的な利益分配という具合に読まれてしまうと、ちょっとまずいかもしれません。上乗せをして給与を使うという話だったらわかりますけれども、そのあたりが、「利益分配を目的としていないけれども、給与やフリンジベネフィットという形で実質的な利益分配を行いうる」という具合に読まれてしまうと、給与というのが実質的な利益分配となってしまって、ちょっとまずいのかなという気がします。

委員

租税法上のきわめて一般的な理論で「隠れた利益分配」という議論があって、普通の法人でもあるのですが、配当の形だと損金で落とせないから給与で落とすとか、幅広い議論の中の一端がここに出ているので、これでおかしくないのです。

委員

ああ、そうですか。一般の人が読んだ場合に、給与も利益分配なんですかという話にならないかなと、私はそういう心配をしたわけです。

委員

今のところは、「利益分配を目的としていない」というのは非営利法人にかかわっているのです。もともと非営利法人を議論をしているときに、利益分配を目的としないのは非営利法人なわけですから、そういう性格を持つものであっても、プールという形で財産が残っていると、それがゴーイングコンサーンとしての活動との関係の中で、給与化をしていくという形で長くそれを使っていく危険性がありますよということを言っているわけです。ですから普通名詞ではなくて、非営利法人にかかわる言葉として、これは性格づけなんだということです。

委員

ただ、これが一般の方の目に触れたときに、果たしてそこを……。

委員

位置を変えたほうがいいかもわかりません、誤解を招かないために。

委員

残余財産の分配というところにかかっているのであればいいのですけれども、前段のところに……。

委員

わかりました。

委員

それからもう一つ、先ほどの委員のおっしゃった9ページです。私も基本的には営利法人と同等の税率にすべきだと思いますが、それがなかなか一気にできないということも考えるならば、次の段階として、仮に政策的な配慮という形で置いておくのは何か意味があるのかなという気もしますけれども。

委員

原文に賛成、このままでいいということですね。

委員

はい。

委員

そういう意見もあるのでしょう。

どうぞ。

委員

いきなり16ページに飛んであれですけれども、16ページの一番最後、先ほども言いましたけれども、各国どの国もそうですが、この分野というのは、あがる税収に比べて制度的にはものすごく膨大で議論すべきことが非常に多いのです。今回、非常に大きな転換点になりましたので、最後の2行ですけれども、「この『基本的考え方』について、社会通念上の観点を織り込みながら活発な議論がなされ、漸次よりよき制度になることを期待したい」というようなことを入れ込んだらどうだろうかと。すべてここで急ハンドルを切ると、先ほどから問題になっている点、多々、いい面でも悪い面でも出てこようかと思いますので、それはある種織り込んで、制度設計についてはそういう形でやったんだということを明記しておいたほうがいいように思います。

それから、細かな点から言いますと、5ページと9ページの先ほどの収益事業の考え方ですけれども、私法上禁止されているかということと、今度の新制度で公益性に認定されるかということとは若干違っております。それから、5ページと9ページの収益事業のイメージが実は違うんですね。9ページは2行目に出ていますように、「公益活動の財源に充てるために収益事業を行っている」。つまり公益事業というのはそもそも別にあって収益事業を行っている、という見方をしているわけです。

一方、5ページですとどうなっているかというと、公共事業を行っているけれども、それが収益事業の同種・同業の事業として認められれば収益事業だということです。言いかえると、例えばオーケストラは興行業になるわけです。オーケストラだけをやっていたら、収益事業だけやっているということになって、9ページ上の収益事業とは全く意味が違うわけです。これも、今般どこまでやるかという問題も含めて、最初に申し上げたように16ページのところで、ある種大きな方向転換であるから--一番大事なのは社会通念だと思いますが、そことそぐわないように今後も見直していくということを留保しておけばいいのではないかということです。

委員

社会通念上の観点を含めて、それからもう一言、何かおっしゃいましたね。

委員

つまり、100点のものをつくったということではなくて、60点つくったら現状では精いっぱいだということで見直していくことを考えていかないと、という点であります。

委員

はい。

委員

何となく読んでいて行ったり来たりとか、くどいとか、さっきと同じ文言が出てきたりするのでいらつくという文章上の話で、1ページ目を見ていただきたいのですが、まず構造的な話ですが、前段が、内閣官房がこういうことをやっています、それに合わせてこちらも税制をどうするか基本的な検討を行ったと。ずっと見ていたら、前段のほうは「基本的な検討」で、次からは「専門的な検討」で、寄附税制も入っているのですが、それを言うために2行くらい似たような文言が出てきます。これを2つに分けなければいけない理由は何なのかというのがよくわからない。そのあと専門的なあれをつくったと。基本的なのと専門的なのは違うとおっしゃるのかなという気がするのですが、重なるので、1個にできないのですか。

全体の意味で前段の10行目、「こうした経緯を経て」、こういうような言葉というのは一々要るのですか。要らないと思うのです。「専門的検討が行われた。そして昨年12月」ぐらいの話でよくて、その次の行の「その中で」というのも要らない。閣議決定されてこれが決まったと。それから、「現在、事務局において、これに沿って」と。沿うに決まっているのだから、一々、「これに沿って」は要らない。

そして、「この間、当調査会においても」というときに、「こうした公益法人制度改革の動きに対応して」というのは入れなくてもわかる。こういうことが起きているから、平成14年に基礎小の中にこれをつくったと言えばいいのだし、「計6回にわたり、新たな非営利法人制度のイメージを念頭に置きつつ」なんて、入れるに決まっているのだからそんなことを言わなくてもいい。

こうした中、これに沿ってこうしたこうした、こうした状況……イライライライラするので、役所の文章というのは、入れないと正確でないというなら仕方ないのですが、なくても十分意味は通るので、そういうことを全編抜いていただきたいと思います。

委員

1ページ目、経緯が書いてありまして、たしかに今の先生のような見方もあるかもしれませんが、このワーキンググループがそもそも立ち上がりましたのは平成14年11月です。そのあと、いろいろな影響がありまして、一時、中断せざるを得ない状況になったわけです。実際にはそのときの検討は6回行われたと思いましたが、報告書に近いものまででき上がっていたわけです。今回、今年になりまして、メンバーは今度は基礎小委員会を入れて大きな形で検討を再開したわけです。そのところどころに、例えば11行目に「『今後の行政改革の方針』が閣議決定され」とか入っておりますけれども、これ一つ一つがよりどころになってここまで議論ができたということなのです。

ややもしますと、外のいろいろな団体がございますので、そういうところから圧力がかかってくる、手紙が届いたりとかありますけれども、その辺の苦労の上にやってここまでたどり着いたということを申し上げたいと思います。また、事務局が書いた趣旨がそういう意味であるかどうかはちょっとわかりませんので(笑)。

委員

今回、税調が独断専行したわけではなくて、いろいろ外側からの影響もあったということなのです。先ほどの委員がおっしゃる意味もよくわかります。といって外側の影響を完全に無視するのも片落ちでありましょうから、その辺、もう少し考えさせてください。たしかにくどい点もあるかもしれないけれども、これを全くやめてしまうのも、今の委員がお出しになった問題も残っていますので。

どうぞ。

委員

私はこの仕組みがあまりよくわかっていないところがあるので、積極的意見というよりむしろ中身についてお聞きすると同時に、できれば、くどくなるかもしれないけれども、もう少し説明してもらったほうがいい面があるのではないかと思います。例えば、先ほどの6ページのところで議論がございました、残余財産の問題とか、利益分配と書いてありますが、例えばここで「社員」という言葉が出てきます。実はこの前、田中さんという方がプレゼンテーションをやったときに、社員と理事会と事務局というのをはっきり分けて説明されていないのです。給与といったら、これは理事か何かでしょう。あるいは事務局の人でしょう。分配といったら社員の人。ここの文章を読んでも、その辺の組織が一体どうなっているかはっきりしないので、何がどこに帰属する利益になっているのかということがはっきりしない。もともと、非営利法人というのはどういう組織なのかということがわかっていないので、場合によっては、社員という言葉を使うならば、非営利法人と理事との関係とか、事務局との関係みたいなものはどこかで触れたほうが、少なくとも読んだ上ではわかりやすいだろうという気がいたします。ちょっと余計なことかもしれません。

次は、9ページでございます。みなし寄附金制度についてはすでに議論があったところで、蒸し返すわけではございませんけれども、公益性の高い事業を行う非営利法人というのは、一体どういう財源で活動するのが望ましいのか。寄附金に依存するのが一番望ましい、つまらない収益事業などをやってみなし寄附金みたいなことをやるのは、やや不純ではないか、という考え方がどうも意見として多かったような気もします。逆に言うと、収益事業をやるならきちんとやって、そこから費用を繰り込んで、あまり外に依存しないようにもっと財源的に自立したほうが望ましいという意見もあるのかもしれません。

この辺は、非営利法人の実態、あるいは公益性の高い活動をする上でどういう財務状態であることが、自立性であるとか、望ましいのかということを考えるときに、みなし寄附金控除の話というのはそういう判断によるだろうと思います。私はどちらかと言われるとわからないけれども、一般的に言えば、国立大学も自分で一生懸命研究費を稼いで、あまり政府をあてにしないほうがいいという雰囲気だとすれば、場合によっては、たちがいい収益事業であれば積極的に推進することもあり得るとすると、みなし寄附金控除の扱いは、制限的に考えるか、より拡大的に考えるかという判断もおそらく出てくるのではないかという気がしております。

それから11ページです。これは私は初歩的なことを伺わなければいけないのですが、要するに第三者が判断したときに、第三者はまず公益性を有する非営利法人という判断を行う。これをもって寄附金優遇の対象法人とすることが合理的であると。その次に、「さらに、寄附金優遇の対象事業の範囲についても、特定の公益的事業に限定するのではなく、『第三者機関』によって判断された公益的事業を以ってその対象とすることが適当である」と。これは2段階の評価をするということですか。つまり、法人として公益性の高いということをまず判定する。さらに対象事業の範囲についても第三者機関に判断を求める。この2段階の評価を経なければ寄附金優遇の対象にはしないということなのか。これは前から気になっていたのですが、周知のことだろうと思って聞くのが恥ずかしかったので、黙っていたのですが。

事務局

現在の特定公益増進法人制度といいますのは、それ自体が公益性がある法人、民法34条法人でありましても、その中から38の事業に限ってやっているものについて、その事業に充てる寄附を軽減する、そういう形になっているわけです。したがいまして今回の場合、論理的には、仮に公益性を有する法人というふうに認められたとして、寄附優遇法人になったとしても、38事業に絞ることも制度的には設計可能なわけでありますが、実は、第三者委員会の判定というのは、その事業を全部見まして、公益性がある事業、そうでない事業の仕分けがされますので、38に限らないで公益性があると判断された事業について充てられる寄附については優遇の対象にしたらどうかということで、論理的なところも排除して明確に書いたということでございます。

委員

先ほどの委員がおっしゃったように、2段ではないのですね。

委員

だけど、これは読めますよ、「さらに」というのは。

委員

この文章はまずいかもしれないですね。ちょっとこれは考えてみましょう。今の税制第二課長のご説明がすんなり行くように。「さらに」というところで屋上屋的になっているということですね。2段にとれるということですが、2段ではないということですね。

どうぞ。

委員

ちょっと遅れて申し訳ないのですけれども、ざっと読んでみて、全体の構成がどうしても、先ほどの委員がおっしゃったけれども、ひっかかるわけです。「はじめに」のところは、まさにこういう経緯を書かざるを得ないのでしょうけれども、これはどこかに書いてあれば十分ではないかと思います。画期的な改革をやるんだということを「はじめに」にうたってこないと、新聞で言えばリードみたいなもので、「はじめに」を読んで、大体こんなことが書いてあるんだな、問題点はこうなんだなと、そういうものがわかるようにならないとなかなかとっつきにくいなという感じがします。

事務局

一つ、よろしゅうございますか。ご指摘がございますので、文章上の工夫は当然したいと思いますけれども、ただ、ご理解いただきたいのは、今回、公益法人制度が改革されて第三者委員会ができて、そこからスタートしているということでございます。寄附も当然そのはね返りでして、いわば第三者委員会というものをつくることで、社会の状況とかそういうものの中からスタートしているということで、税で受けるときに、どういう書き方がいいか--冗長なところは当然直していかなければならないと思いますけれども、おそらく第三者委員会で公益性が判断され、法人に対してどういう課税がされ、その法人に対してどういう寄附のメリットをつければいいか。一元的にそこのところをしっかり押さえておかないと、単に寄附を緩めているということではないので、ある程度の筋立ては必要かと思います。ただ、冗長な部分はございますので、整理をさせていただきたいと思います。

委員

なかなか難しい宿題が出たと思うけれども、ナローパスをうまく受けなければいけないでしょうね。それから、寄附金のほうでおしまいのほうに少し意見を集約してください。

どうぞ。

委員

あちこちあるのはあるのですが、10ページを読むと、何を言っているのか全然わからない。ちょうど20行目あたりに、「一層充実させる方向を目指すべきである」と書いてあるのが基本的な結論なのでしょうが、その上もその下も、だけどなかなかできないよということを書いてあるわけです。だからトータルで読むと、全然できないというふうに読めるのが普通の読み方ではないかと思えます。だから、第三者機関がちゃんとやることを前提にやりました、だけどいろいろ難しいことがありますよ、というふうに直したほうがいいのではないかと思います。真ん中に結論があって、上と下で否定しているというのはわけがわからない。

あと、12ページの第三者機関のこれ、よくわからないのですけれども、1行目から5行目のところで、第三者機関はちょっとあてにならないところがあるから、当委員会としては、政府がきちんとやれということでいいのですか。

委員

いいんですよ。第三者機関に代わってやれということを言っているわけではないのです。

委員

でも、第三者機関というのは一応偉いことになっているわけでしょう。

委員

そうです。

委員

政府は徹底した対応をしろというのは、第三者機関に協力しろというふうに読むのか、怪しいからちゃんと見張れよと読むのか。

委員

そういう意味ではなくて、ここでは、こういう第三者機関を前提にしたこの仕組みをちゃんとつくれということを言っているわけでしょう。何も結託して何かしろということではなくて、要するにこの大前提は、さっきから税制第二課長が何度も説明しているように、第三者機関というものが、スタートというか、まさにキーになっているわけです。したがって、そこが揺らいでしまうと、我々の議論ががたがたになるから、第三者機関を含めて新しいスキームをちゃんとしろ、それは政府の責任だよということを言っているので、これは個々の問題ではなくて、全体のスキームについて、あるいは第三者機関についての注文ですよ。ただ、あなたがそう言うのでは困るから、これは考えましょう。

委員

これをそのとおり読むと、第三者機関は……。

委員

心配だと。

委員

前のほうで第三者機関にいっぱい条件をかけているわけでしょう。こんなこんなこんなことをやるならば信用してやる、という言い方です。そのつながりでいくと、第三者機関はあてにならないから見張らなければいけないぞ、というふうに読めますけど。

委員

どうぞ。

委員

12ページの4行目の「当小委員会」というのは税制調査会のことですか、基礎小のことですか。基礎小として出すのではなくて税調として出すのでしょうから、「当調査会としては」と、そうはならないのですか。

委員

今回、必ずしも総会の名で出すというよりは、ここでやった下部の小委員会。ただ、今回は合同でやっていますから、名前を考えなければいけませんけれども、ちょっと考えてみます。必ずしも税調本体としてというよりは、下部組織の報告。今回は論点整理ですからね、そういう趣旨です。ただ、おっしゃるとおり、「当小委員会」ではわからないですね。

どうぞ。

委員

僕が今まで2、3回発言したうちのほとんど全部が、第三者委員会がしっかりしたものにならないとこの話はフリクションになってしまうと。税法上、わけのわからないものを認定してしまって、それを全部ズボッと受けることになっているわけだから、このシステムは。それで判断基準を誤ると、税制も運用もうまくいかない。これは誰が考えてもそうですね。

そこのところについて、文章の中で2カ所、12ページの上の5行くらいに、第三者機関について、いろいろ責任が重いぞ、しっかりしろと。「当小委員会(この我々の小委員会です)としては、政府の徹底した対応を強く要請する」と。政府というのは、今、法制化するためにやっている役所が別にあるわけだ。それに我々は税法上の知恵を授けるだけの話だから、そこに注文をつけているわけでしょう。

それで、終わりのところにまた文章があって、これはあまり差し障りのない、甘い文章で書いてあるけれども、こうこうしかじかで、これについても「確たる取組みを強く要請するものである」と書いてある。この話は政府税調の姿勢なのです。我々は理念に同調して、具体案について税法上のことについては答申を書いた。しかし、その理念を具現するのは税調ではない。それは一言で集約すれば第三者委員会です。だから、それについて重大な注文をつけるのは当たり前なんです。ここにポッと入れるのがいいかどうするかは構成上の問題だけれども、これは当税調の一番大きなメッセージですよ、立法している人たちに対して。

これでは、第三者委員会に対する注文があちこちに分散してしまっている。ここのところを甘く書かないで、一番最後のところにきっちり書いたらいいのではないかと思います。その理念に従って、それを前提として我々はこういうことをやりますよ、そこが崩れるのだったら、この話は全部足元から崩れるよということを言っているわけですから。

委員

方々で何箇所も言っておるというのがこの文章ですけれども、おっしゃったように、あまり拡散しているとよくないというのはちょっと考えてみましょう。

では、どうぞ。

委員

書いてあることに私は異論はないのですけれども、会長の言われた発出人はこの小委員会ですか。今、この目的は論点整理のようなことだとおっしゃって、そういうことと関係があると思うのですが、これだけしっかり書き込んで考え方としてまとめてあるなら、税調の見解として出すのはどうかなという気もしますが。

委員

実は後半で個人所得課税が出てきますけれども、あっちはどちらかというと主要論点整理です。こっちは、基本的考え方と書いてますように、ある程度の方向はしっかりしたと、何となくそういう意識で書いていますので、今、委員のおっしゃったように、どこで受けとめて書くかと。これは従来、ふた通りあったと思います。土地税制のときは小委員会で出しました。過去の経緯もございますけれども、総会のほうで大きな反対があって認められないということを念頭に置くならば、小委員会でやるのも手かもしれませんけれども、たぶん、そういうこともないでしょうから。

委員

それは小委員会に出せないのではないですか。

委員

いろいろ割れているときはね。それは皆さんのご意向に従って……。私は、総会という手はあり得ると思いますけれども、主税局長、どうですか、従来の経緯から言うと。

事務局

まず、先ほどの委員のお話があったのですが、立派な第三者機関をつくることも含めて、政府の対応が求められるというのが一つだと思います。

2つ目です。この中にも書いてありますけれども、新たな非営利法人に関する制度というのは、法律の要項とか何か具体的なものはまだ出ていないのです。その段階で私がもし意見を聞かれれば、調査会としてご意見を今の段階でいただくというのは、ちょっと時期的にどうかなという気はします。つまり、中間的なものを前提にして中間的なものを出すという立場にはなると思いますけれども、わざわざそういうことまでする必要があるのかなと。

委員

総会という本体で受けとめるよりは、一種のスタディグループのところに止めておいたほうがいいだろうと。

事務局

前提となるものが……。

委員

前提となるものがまだ固まってないからね。

事務局

はい。もう一度新たに固まったものが出れば、その段階で判断して、調査会の意見としてお出しいただくということは十分あり得ると思いますが、今の段階ではどうかなという気はいたします。

委員

どうでしょう。そういう説明が出てきましたけれども。

委員

理解はできるのですが、その場合に総会に諮らないで……。

委員

いや、諮りますよ。

委員

諮るんですね。それなら結構です。

委員

どうぞ。

委員

2点ありまして、今の主税局長の話に踏み込んでしまうかもわかりませんが、ここで議事録に起こしたいこととして、12ページの8~9行目にかけて、「その運用が有効かつ適正に行われるための工夫が欠かせない」ということです。これは私の理解では、特増の問題が厳格に適正運用するということにかけて、やたら形式合理的な書類を作成していわゆる官の文化で支配しようとする、そういったものがあったかと思います。この点に関しては、そもそもなぜ民間が公共をやるかというその民間の独自性、民間のある意味で実質合理性--つまり、金は書類上適正に使いました、だけど、社会のために役に立っていませんというのは民間のロジックではあり得ない話で、そういった点でここのところを理解したいというふうに思っております。

2点目は、今まで問題になっていた地方税のところです。負担分任というのは、この間、ご立派な諸先生方からも意見が出ましたけれども、これも社会通念上、地方自治体でやるようなことは、例えば固定資産税で対応できることもあるでしょうし、寄附金控除で、ここのところは条例があってできないとか、ここではどうだとか、そういうことをやると……。

これ、個人の寄附といいますが、実はこの部分、物を買っても別にあれですけれども、家計なわけです。例えばアーティストがチャリティをやってお金を集めて、そのお金をそのまま渡したときに、課税ベースに入るか入らないかというような社会常識のときにひっかかってきて、これは家計の問題ですから、夫婦喧嘩が起こるとかいろいろな大変なことがあって、一遍そういうことが起こるともう二度と寄附をしてくれないわけです。そこのところはぜひ慎重にしていただきたい。もし負担分任のことを書きたいのであれば、現行で、市町村に対する寄附は県を越えても地方税を引いているわけです。こんな理不尽なことがあるわけですから、その事実も明確に書いて今後の議論にのせていくべきだと思います。

委員

今のは15ページの23~24行目あたりのご議論ですね。

委員

そうです。その部分でございます。この書き方で行くというのであれば、事実として、市町村に対する寄附については県をまたいでもいいんだと。これは、省庁の縦割りとか、そういったものをやめましょうという全体の格調高いトーンの中で、この一点がまさに画竜点睛を欠いているというふうに私は思います。

委員

どうぞ。

委員

税の立場からこの文章が書かれているので、皆さんのご指摘のとおり、幾分わかりにくい部分が、この第三者機関の役割、機能についてなんですね。ここはどこまでカバーするのか、どこまで権能を有するかということは別建てで書いたほうがいい。それとの関係の中で特増の問題とかNPO法人の問題が出てくるわけで、そこはリスポーザブルインカムの合理性、社会的通念上の妥当性を有するためには、税の立場からこうあらねばならない、ということは注文をつければいいわけで、それとの関係で既存の部分の関係を記述すれば、ここはもっとすっきり整理できるのではないかというのが私の感想です。

それとの関係で言えば、特別に関係している特定公益増進法人制度とNPO法人制度を11ページから12ページに掲げておられます。これは、先ほどもちょっと申し上げたのですが、特別法に関連する社会福祉法人等も実は問題を抱えている部分があるわけです。マーケットテストという形で政府がやっているものを、市場化の観点からきちんと見直そうという流れからすれば、今、官が認めている部分についても第三者機関がチェックをしていくという考え方を、より一段と、注文的な形で税の立場から言っておくことも必要になってくるのではないかという気がいたします。

それから、ある委員と私はNPOをずっとやっているのですが、地方の扱いについては根本的に考え方が違うわけです。NPO法人も地方で認定しているわけで、そこは別に統一的な基準を--原則としての部分はあると思いますが、実行上、いろいろ裁量権があっても構わないわけで、地方税の扱いについて、条例においてその地域における特別的な考え方を否定してしまうことは、地方分権の時代にかえって逆行する危険性があるので、私は、そこはまさに社会的通念の中でやればいいというのが感想です。

委員

地方の条例でやるというのは16ページに書いてありますので、その趣旨は生かされると思いますが、第三者機関が散らばって書いてあるから、第三者機関の役割、分担、責任みたいなものを1カ所にまとめたほうがいいだろうと。これは先ほどの委員がおっしゃった意見に近いと思いますが、そういう発想ですね。

委員

はい。

委員

では、どうぞ。だんだん時間がなくなってきましたから、発言を短くお願いします。

委員

わかりました。第三者機関に寄附金云々の課税上の要件を委ねるということは、一定の手続きを踏んだ場合には、国税がそれを尊重するという一つ妥当なやり方だと思いますけれども、地方税の法定外税のところで、条例をつくって、総務大臣の同意が取れなかった地方団体は内部で争える手続きが用意されていますね。国税は、この第三者機関でオーケーが出たら、それについてごく例外的な場合、処分を打って、あとは裁判手続きで第三者機関との間でやってもいいですし、何かそういう例外的な手続きを担保のために置いておくというのは、第三者機関自体が手続き的な形で公益性を担保するという仕組みであるからして、それに国税も一口乗って--常に文句を言うということではなくて、どうしようもないときに一口乗れるというのがあってもいいなと。法律の観点からはそうなのですが、とても批判が強くて受け入れられないのでしょうか。

委員

それは初めて出てきた論点ですね。これはこの税調でも議論をしていないでしょう、これまで。

事務局

私は、この前からここの議論を聞いていますが、税の観点からもしかるべく対応をしていただけるようにというご意見がたくさんあったというのは、そういうふうに理解しています。つまり第三者委員会が、税の点も含めてしかるべく対応をしてくれる。もししないのであれば、それを放置しておくのは制度としては非常におかしなものである。まさに先ほどの先生がおっしゃったように、常に出ていく必要はありませんけれども、作為がなされないときには逆に何かを行うという手当ては、当然、制度として担保されるべきものだと考えております。

委員

でも、それを具体的に書き込んでないですね、今、あなたが言ったような話。この第三者機関もトラブッたときの問題でしょう。何か認められないとか、それとか不服を申し込むとか、不服審判ではないけれども。

事務局

そういう論点も当然ございますので、例えば12ページ、寄附のところにあわせて書いてございますが、第三者機関の責任は重いという中に、例えば「公益性判断の要件について、税制の視点をも含めた適正性をどう具体的に設定するかも重要な鍵となろう」と。そういう観点も含めてどう考えるかというのは、これからの課題であるという認識をしておりますので、まさにこれから制度設計の中に織り込んでいきたいということで、頭出しをさせていただいております。

委員

では、どうぞ。

委員

7ページの上です。しようがないとは思うのですが、「特別法に基づく公益法人」の課税の現状が適切だとは私は全然思っていない。でも、そんなことを言うとごちゃごちゃになるから、とりあえず放っておくのでしょうけれども、わざわざここで、今のままで適当であるという言い方をしなくてもいいのではないかと思います。そういうふうにしないとうるさいやつが多いから……。

委員

適切だと書いてありますか。

委員

はい。

委員

「引き続き現行どおりとすることが適当」。

委員

それは制度的に変えられないということですけれども、これはたしかある委員の発言があったんですね。今後検討することも書いておけと。

事務局

それで、「当面」という言葉を入れさせていただいて、ただし、いろいろな見直しがある場合には、当然、併せて見直すということまで……。

委員

わかるのですが、わざわざここだけ変でしょう。ここだけ、あなたは特別だよ、余計なことを言われないからねと断る必要があるのか。ちょっと流れが変だということ。

もう一つ、2万5,000社というのをどこかに一言入れておいたほうが、第三者機関に対する圧力にもなるのではないかと思います。そうしないと、あたかも3つか4つぐらいしかひどいのはないと思われてはいけない。

それから、文章ですが、「必要となる」「必要がある」というのがおそらく30個くらいありますので、いくら何でもと思います。

委員

何かほかに代わる言葉はありますか。

委員

段落ごとに「必要とある」「必要がある」というのはいくら何でもですよ。

委員

これでも減らしたんです。わかりました。

委員

必要があるから書いているのでありまして、必要がないことなら書かなくていいわけですから、「する」でいいと思います。

委員

では、どうぞ。

委員

10ページの21行目です。ちょっと私がおかしいのかもしれませんけれども、「寄附金税制には、税金の使途を国及び地方公共団体にすべて委ねるのではなく」と書いてありますが、すべて委ねているのですか。制度的にも、もちろん選挙による事後的なチェックから始まって、検査とか審査とかいろいろなことがあって、税金の使い道については、問題はむしろ国民が無関心であり過ぎるということなのです。これを読みますと、要するにほかのものはみんなお国に任せっ放しにしておいて、自分たちはこちらでやりますと、そういうふうに読めるんですね。これは誤解を招くと思います。

委員

どうぞ。

委員

こういう発言をしてもいいのであれば。私は、選挙のときだけに選挙権を行使するだけでは民主主義が成り立たないので、アソシエイティブ・デモクラシーで、市民組織に多くの国民が参加して公の問題を考えないと、民主主義というのは活性化しないという立場でずっと発言してきました。しかし、それは財政民主主義が前提になるので、この書き方で言うと、税金の使途については官僚が決めてしまっているということですね。それは、民が支配者であり、デモスがクラシー、民衆が権力を持っているということに反するので、そういう仕組みになっているならこれは改めないとまずいわけで、このことは前提の話ですよと。

それからもう一つ、ここも気をつけて書いていただかないと、「一定の範囲内でその使途に納税者の判断を反映させる」というのはちょっとまずい。本来、使途は国民の共同の意思決定に委ねるわけです。つまり、納税者にしか委ねられなかった--つまり、直接国税15円とか、委ねられなかったけれども、全員に選挙権を与えましょうということで、使途についてはすべての国民が持っているはずです。民主主義は一応前提にした上でアソシエイティブ・デモクラシーというのは成り立っているというふうに、誤解が……。つまり、納税者だけではなくて、細かいことを言えば担税者もいるわけですね。その人たちは発言権がないというニュアンスにとられてしまわないように、これはあえて修文ということではなくて、誤解のないように。

委員

誤解のないようにというのは、修文しろということでしょう。

委員

いえいえ。

委員

ちょっと考えてみます。またお出ししますから、そこでもう一回質問してください。では、どうぞ。

委員

第三者機関について非常に厳しいご意見がたくさんあったわけですが、私はそちらにも関与しておりましたので、一言だけ申しますと、そちらのほうでは第三者機関についてずいぶん緻密に議論いたしまして、それなりに考えた上でつくっていると思います。それからそこの段階では、税については口を出さないということで非常に謙抑的にいたしまして、税のほうは税でお考えいただくということで、こうなっているわけです。

その際に、第三者機関の責任が非常に重いというのはそのとおりですが、他方で、最初から猜疑心に満ちて見るというのは、2つの政府に関係する組織の中で適当ではないのではないか。今の段階では、「責任が重い、しっかりやるように」という原案程度がいいのではないかと思います。

委員

わかりました。どうぞ、最後に。

委員

この議論は、公益性、公共性というのを多元的に今の制度は委ねているわけです。新しき第三者機関というのは入ったわけですけれども、既存の民法34条の問題も別のところでやっておられますから、特別法でやっているような部分もございます。そういう過渡期の現象の中で、先ほどの委員の強調されている、社会的通念としての公共性、公益性をどういう具合に矛盾のないものにしていくか、ということが問われているのだろうと思います。

その際に、どうですか、チャリティコミッションというのはイギリスのケースはどうなっていましたか。あのコミッションがやったときに、それに税当局あるいは他のものが異論をつけられる。そして、もしつけたとしたら、それを中立的に裁定する機関というのはありましたか。そこのところは記憶がないのだけれども。

委員

チャリティコミッションはボード制になっていまして……。

委員

ボード制でやって結論が出たとしますね。そのことに対して、今、先ほどの委員が中心にご議論があった、例えば税を執行する側からするとちょっとおかしいのではないかという部分を、技術的に脱法行為だったらそれは当然やるべきなんだけれども、それ以外にアクティビティの認定において、曖昧なもの、あるいは疑問が出てきたときに、チャリティコミッションに対して注文をつけるということは制度的にできているのですか。

委員

ちょっと私、その点については承知していません。

委員

要するに私が申し上げたいのは、別々のところで公益性を判断する、そして非課税を認めていくというときに、ダブってやるときの齟齬、あるいは社会的通念上の意味が違ったときに、全体をどういう具合にやっていくかという問題があるわけです。それは、私が先ほど申し上げたのは、第三者機関が既存の特別法の部分についても、アクティビティについて「これ、ちょっとおかしいぞ」という注文のつけ方があってもいいと思いますし、既存の部分を並立させるのであれば、第三者機関に対しても、「やっていることはおかしいのではないか」と。それを透明な形でプロセス化していくという話にしないと、今の段階ではなかなかこの辺のところは結論が出ないのだろうと思います。

今は入り口のところですから、先ほどの委員がおっしゃったとおり、エンカレッジしているのか叩いているのかわからないような書き方はやはり問題があるわけで、エンカレッジするような方向で書いたらいいとは思いますけれども、そこの制度な担保をどうするかという問題はあるということは、ちゃんと書いておくことは必要だと思います。

委員

先ほどの委員のお出しになった問題の延長上ですね。

それでは、3時を過ぎまして、もう1ラウンドあるわけですから、これはこれで締めておかないといけないと思います。

以下、予定を申し上げます。ちょっと変更したいと思っていますので、皆さんの同意を得たいのですが、今日ここでご議論いただいたものを明記して修文したいと思いますが、これを総会にご報告して、総会でまたご意見を賜るということを6月10日・14時からやりたいと思っておりますので、総会のメンバーの方はぜひご出席を予定しておいてください。

それから、この合同会議は6月14日・14時から予定しております。そのときの修文いかんによるのですが、今日も建設的なご意見をお出しいただきましたので、事務局と私どもで少し案を練りまして、かつ、総会での議論も踏まえまして修文してまいります。どこまでご承認いただけるかわかりませんけれども、できたら14日の段階で一任をお取りつけいただければ、21日まで待たないで、最終的に17日・金曜日に、非営利法人、寄附税制に関してファイナルなものとして公表させていただきたい。

テクニカルな問題が一つ出てきたのは、もう一つ大きなかたまりとして個人所得課税。一緒に21日に出すのはちょっと問題が違うんですね。かつ、その頃諮問会議の「基本方針」が出ますので、話題性から言っても寄附税制と個人所得課税を違えたほうがいいと思いまして、寄附税制を少し前倒しにしたいと思っています。総会と、もう1回ここで議論をいただく機会を設けますので、来週の火曜日に一応ご承認いただけると考えております。そして、金曜日に総会を踏まえて最終的にご承認いただく、こういう段取りにしたいので、まだやってみなければいけませんけれども、努力してみます。ご協力をいただいて、まとめる方向に今のスケジュールで行かせていただければと思っています。

それでは、ありがとうございました。

〔閉会〕

(注)

本議事録は毎回の審議後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、財務省主税局及び総務省自治税務局の文責において作成した資料です。

内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。

非営利法人課税ワーキンググループ