第6回非営利法人課税ワーキンググループ 議事録
平成15年3月14日開催
〇委員
では、始めましょうか。
〇事務局
内閣官房行政改革推進事務局でございます。
今週火曜日に予定しておりましたこのワーキンググループが、急遽延期になったというその経緯について、私のほうから簡単にご説明させていただきたいと思っております。
今般、公益法人改革によります新たな非営利法人制度の姿につきましては、去る2月7日の当ワーキンググループにおいて私から説明させていただいたところでございます。その際には、新たな非営利法人制度、これにつきましては、現在の民法34条に基づく公益法人、中間法人法に基づく中間法人、NPO法に基づくNPO法人、これをひと括りにして、法人格の取得は準則主義によるものとした上で、公益性の判断については、一定の明確な基準に基づいてこれを行うということで考えている、というご説明をさせていただいたわけでございます。これを受けまして、このワーキンググループにおかれましても、こういった考え方を前提に、税制上の措置のあり方についてご検討されてこられたという経緯でございます。
しかしながら、去る3月10日の夕刻でございますが、自由民主党の行政改革推進本部公益法人委員会、小里貞利先生が委員長をしておられますけれども、この委員会が開催されまして、その際、お手元にお配りしてございますが、「公益法人制度改革に関する申し入れ」について決議が行われ政府へ申し入れされたところでございます。
3月10日ということで、11日の前日だったわけでございますが、これを受けまして、私どもといたしましては、11日に予定されていたこのワーキンググループにつきまして、議論の前提が変わる可能性が高いということで、延期していたただきたい旨を要請いたした次第でございます。
自由民主党行政改革推進本部の申し入れの趣旨はお手元のとおりでございますけれども、かいつまんで申し上げますと、現時点で公益法人と同一の方向性を示すことはNPO関係者に不安を与えることになりますので、NPO法人については最初からひと括りにはせずに、新たな制度の動向を見据えた段階で、発展的に解消する可能性が高いという位置づけをすることが適当である、というものでございます。
私ども行政改革推進事務局におきましては、この申し入れを受けまして、いろいろ検討しているところでございます。NPO法人を一旦除外した場合の新たな法人制度の理念、法人制度としての整合性、これを勘案しながら鋭意調整・検討を進めているところでございますけれども、今の時点で法人制度について最終的な方向性をお示しするという段階には至っておりません。
したがいまして、まことに恐縮ではございますけれども、本日は、今日に至るまでの状況報告にとどめさせていただければと存じております。
以上でございます。
〇委員
どうもありがとうございました。遅れて失礼いたしました。
今、お話ありましたように、今の状況ではこれからのことは難しいということですが、何かご質問等ございましたら。
はい、どうぞ。
〇委員
僕は何度かあなたにも質問したけど、おたくのほうで、1年間がかりで三つ一緒にしてごった混ぜというところが最大の障害。原則課税、これ、二番目の障害と言ってたんですよね。
今聞いていて不思議に思うのは、小里委員会というのは前から存在しているわけだから、一体事務局は自民党のしかるべき委員会のメンバーとどういう協議をし、根回しをし、やってきたのか。これでは何にもやってなかったのではないか、珍しい事務局だなと思ったんだけど、いかがですか。
〇事務局
私どもといたしましては、これまでも、特に自由民主党について言いますれば、行政改革推進本部のメンバーの先生方には適宜ご説明してきたところでございます。
〇委員
土壇場になって、ある委員たちみたいな強力なリーダーがやはり基本的なことを問題提起して、それで小里委員会がぐらついたと、こういうことか。
〇事務局
その辺は、私のほうからどうこうと申し上げることではないような気がいたします。
〇委員
だけど、おたくの構想が基本的に土台から揺らいだということは、ごく当たり前のことが起こったのではないかと僕は思ったんですよ。期待もしなかったけどね。起こって当たり前のことが起こったという気がするんですね。だから、これからどのくらい時間をかけて捲土重来おやりになるのか、時間は1カ月なのか、2カ月なのか、3カ月なのか。
〇事務局
今の段階で具体的にいつということを申し上げる段階ではございませんが、早急に検討を進めておりますので、あまり遅くならない時期にできればと思っております。
〇委員
この自民党の行政改革推進本部の三つ目の○の一番下のほう、「新たな非営利法人制度の動向を見据えた段階で、発展的に解消する可能性が高いとの位置づけをすることが」と。これ、翻訳していただけますか。
〇事務局
自民党の文章でございますので、私の翻訳が適当かどうかということはございますけれども、公益法人制度、それから中間法人制度、特に今回の改革のきっかけが公益法人制度の問題点の解決ということでございますから、まずは公益法人制度の改革というところから手順を進め、新しい非営利法人制度をつくり上げる。その制度がどのようなものになるかというところを見ながら、今のNPO法人のあり方を、それとの比較をしながら考えていこう、そういう趣旨ではないかというふうに考えております。
〇委員
それと、平成14年3月29日の閣議決定は「平成14年度中を目途に」と書いてあるけれども、これは閣議決定とずれてしまっていいのですか。
〇事務局
役人的な答弁でございますけれども、今の段階ではもちろん3月末を目指してということではございますが、「中を目途に」ということでございますので、直ちに閣議決定違反ということではないと思います。
〇委員
「目途」というのは大体どのくらいのことですか。
〇事務局
公式なものはないと思います。ただ、おのずとある程度のものはあるのかというふうに思っております。
〇委員
では、これは少しずれてもやるということで、考えるということですね。多少ずれるという意味ですね。
あと、NPOは、公益法人のほうがある程度決まるとそれに即して次に行く、というふうに理解していいのかな。とりあえず公益法人のほうはやるということでいいのですか。「公益法人制度等改革大綱」と書いてあるから、それを言葉どおりに解釈すれば、NPOは今回くっつけてあったけど、公益法人制度等改革大綱をやって、それが一つの原型になって、NPOとかそっちで応用問題になっていくということですか。
〇事務局
まずは公益法人制度改革、これをしっかりやるということでございます。
〇委員
しっかりやるって、今まである程度いろいろやってきて、結局大したことはなかったので、税調のほうに持ち込まれたと思うんだけどね。問題点をよりきちっとして税調のほうからそちらへ返すということでね。そういうことだと思っているんですけれども。
何を作るのですか。今までいろんなのを作ってきたでしょう。
〇事務局
基本的には、これまで私どもはこのワーキンググループでもご説明させていただきましたけれども、今の公益法人制度の問題点というのが、主務官庁による許可制ということで、公益性の判断と法人格の取得が一体的になっている。したがって、それを切り離した形の制度を作りたいというところを基本にこれまでご説明してきたところでございますし、NPO法人が最初から入らないことになったとしても、その考え方を変更するつもりは全くございません。
〇委員
行政改革推進本部の委員会というのか、あちらでもずいぶん長い間やってきましたけれども、NPOだけは別だという議論はNPO関係者からも一切出てなかった。それから、そちらの事務局のところからこちらのワーキンググループに対する説明においても、NPOは別だという意見は全然出てなかった。最初からわかっていたことなのに、全然出てなかった。突然出たのは、地震でも起こったかなんか、何かあるのでしょうか。そこがものすごく……。
〇委員
原則課税って、言葉におびえただけだ、実態を抜きにした。
〇委員
その説明が全く理解できない。最初から言ったのならまだ立派ですけれども、途中でというのでは、何だかよくわからない。わかるように説明していただければ、わかるのですが。
〇委員
みんな、わからないんだよ。
〇委員
全然わからない。わからないのを議論しろと言われても、わからないのですが。
〇委員
委員、よろしいですか。
ご質問といいますか、むしろ要望になるのかもしれませんけれども、大変難しい問題で、室長、大変だと思うのですけれども、これは、短期間でまとめるときに一番基本のところで、公益法人だけに絞って、しかも、この中におかしいのがいるのでそれをどうするかと、そういう問題に絞れば、これは私はわりあい短期間に答えを出せると思うのですけれども、例えば公益法人と中間法人を一緒にして論ずるとなると、どうしても非営利法人のあり方を考えざるを得ない。あるいは、公益法人だけに絞っても、さっき言ったような焦点ではなくて、非営利法人としてのあり方という問題に入ってしまって、やはり問題は難しくなってくる。いわば民法百年来の立法の怠慢のツケが一挙に噴き出すということで、大変なことになると思います。ですから、そこの基本のところをどのようなスタンスをおとりになるのか、それによって、問題点も、かかる時間も、関係者も、全然変わってくるというふうに思います。
一歩踏み出して、非営利法人そのもののあり方まで踏み込むというふうにお決めになれば、たまたま形式的には公益法人と中間法人だけやるとしても、それはNPO法人にももちろん影響するし、そのあと、当然それはあり方として響いてくるわけです。宗教法人にも、社会福祉法人にも、学校法人にも、そのあと、当然でき上がった姿が響いてくることになるわけで、もしも非営利法人のあり方を全部議論されるなら、そこまで見据えてやっていただかないと、それはなかなか決まらないのではないか。それがめどの範囲内にできるかと、そういう大変難しい問題にあるだろうなというふうに思います。
〇委員
それ、ちょっと政治的な発言だなあ。
よろしいでしょうか。
こちらのワーキンググループ、内閣官房の法人制度の見直し、そういうものを踏まえて開催したいと思いますが、それも時期によりますので、今後、ご協力いただきたいと思います。
〇委員
法人制度は切り離しでも、課税は別建てで三つ一緒にというのはできないのですか。つまり、今まで議論していたようにやればいいだけの話で、法人制度と課税は関係ないですから……関係ないというか、あるのですが、今までどおりというのは可能性としてはあるわけですね。
〇委員
その辺は一人ではちょっとお答えできませんけれども、それも含めて。
〇委員
でも、土台が狂ってしまったのだから、それは難しいよ。
ということで、若干のお時間をいただいた上で、また、日程等についてご案内させていただきたいと思います。
どうもお忙しい中、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
〔閉会〕
(注)
本議事録は毎回の審議後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、財務省主税局及び総務省自治税務局の文責において作成した資料です。
内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。