総会(第35回)後の石会長記者会見の模様

日時:平成17年11月22日(火)16:03~16:16

石会長

今日はもう答申を作成中でありますので、文章の中身に即したことにつきましては具体的にお話しすることはできません。やってきた審議の内容をご紹介するというのも、ちょっとどうかなという気もいたしますので、ご質問があれば皆さんから出していただくという形にしたいと思います。答申の素案を起草会合でつくりまして、それをベースにいたしまして、今日、2時間ほど、項目ごとに幾つか議論をしました。修文なり、丁寧に書くべきなどの意見や、それから内容に即してこっちをこうしてくれとか、いろいろご意見がありました。非常に活発な議論が展開されまして、それをベースにしてこれから修文をして、最終的に、今週の金曜日25日ですが、2時-3時の総会でご承認いただいて、総理に手交しようと、このように考えております。これがスケジュールであります。したがって、来年度税制改正に関しましては、この金曜日に答申がまとまります。

ただ、あえて答申の性格を申し上げると、やはり平成18年度、来年度の税制改正ということが念頭に置いてありますので、その先、2年も3年も先々やることにつきましては、今回はほとんど触れておりません。というのは、来年度に税調の任期も終わるということを踏まえまして、中期答申というのを6月以降出す予定でおりますので、そのダブりもあるでしょうし、そこで本格的に中長期的な視点の議論を展開したいので、今回は、来年度極力やるべきであるという視点の項目のみ、主要な論点として掲げるという性格のものです。その論点につきましては、もう既に皆さん、取材活動で十分に把握されていると思いますから、それ以上項目を申し上げることもないと思います。中身についてどうこうという議論でお答えできる範囲でありましたらお答えしますが。

といったわけで、今日は従来の記者会見とはちょっと違った性格になるかもしれません。以上です。

記者

何点かお伺いします。まず、今日の総会で答申について会長ご一任は取りつけられたんでしょうか。

石会長

取りつけました。したがって、金曜日にはまとまると思ってます。

記者

では次に、定率減税について伺います。少数意見ではありますけれども、廃止に反対する意見ですとか、廃止の前に景気を再点検するよう求める意見も、今までの総会で出ていたかと思います。こういう少数意見は答申ではどのように扱うのか、方向性をお願いします。

石会長

少数意見は、税調は従来「答申に盛り込まれていない主な意見」でみんな集約しておりますので、本文のほうは、すっきりした形になると思ってます。

記者

次に、IT減税の廃止について伺います。経済界から、国際競争力を強化する観点から新たな制度の創設を求める意見も総会では出ていたと思いますが、こうした意見は答申ではどのように扱うんでしょうか。

石会長

当然、その意見はもう一回出ました。出ておりますから、それをどう取り扱うかは、これから少し修文を考えなきゃいけないと思っていますが、どういうふうに直す等々のことは、まだ決まっていませんから、ちょっとお答えできかねます。

記者

では最後に、酒税について伺います。今まで、あるべき税制ですとか、去年までの答申で考え方は示されていますが、来年度改正ではどこまで踏み込む、どこまで書き込むことになるのか、現時点での見通しをお願いします。

石会長

昨年より、書きぶりとしてはやや方向性が出るような書き方になるかなというあたりが、今の段階で考えている精一杯のところです。これを文章化した後で、議論をもう一回してもらうつもりでおります。

記者

重ねてお伺いします。定率減税に関しては全廃ということで一致でよろしいのでしょうか。

石会長

それは内容にかかわるから、今の段階では言えません。

記者

今までも定率減税全廃、それに関して、まあそれを覆す理由はないとおっしゃってきたんですが。

石会長

それは基礎小の段階ですね。その後、起草会合を開き、総会もやり、答申を書いたわけですから、それがどうなるかですね。今後は、25日にもう一回承認を得なければいけませんが、今日は一任をいただきましたから、文章上どういうふうに書くかはこれから考えます。

記者

もう1点、たばこに関してなんですけれども、前回のときには、たばこに関しては、これはちょっと盛り込めそうにないなという感触を示されていたんですが、自民党の厚生部会のほうでもたばこ税を来年出してはどうかという意見が出ていますが、今のところ、どうお考えでしょうか。

石会長

たばこ税が突然浮上したときは、我々はもう起草の段階に入っておりまして、資料をベースにして議論を取り交わしたということをやっておりません。したがいまして、たばこは将来の課題になる。それで、例の自民党云々のところのご議論は、たばこをどちらかというと特定財源化という形のお考えのようにマスコミで報道されておりますけれど、将来課題としてやるにしても、恐らく一般財源という形でやるのが筋だと思ってますので、そういう議論になってくると思いますが、今回はたばこについては触れる機会と時間がなかったということです。

記者

先ほど、中長期的なことは今回見送ったということで、去年の答申では消費税と、あるいは所得税の数年後を見据えた改革の姿に関しての言及もあったかと思うんですが、その辺は今年はもう…。

石会長

去年は今年と違って、半年後に出す中長期的な大きな答申というのを考えてませんでした。恐らく例年の年度改正というのは、直近の来年度に限ったテーマと、それから少し中長期的に視野を大きくした答申と混在してると思います。そういう意味で、恐らく昨年は消費税に触れたと思います。今回は、所得、消費、資産の課税ベース云々というあたりで、間接的にはその辺の議論に触れるのかもしれませんが、もちろん消費税云々につきましては、今回は議論もしておりません。来年度ということは政治的な情勢等からいって、そうなってないと思いますが、繰り返しますように、中長期的な視点からは消費税というのは重要な位置になりますから、当然のこと、次回の年度改正を越えたところの中期答申云々では触れざるを得ないし、触れるべきだと思ってます。

記者

確認ですが、19年度を目途にした消費税を含む抜本的な改革といった、今までかなり頻繁に使われてきた表現を含めて、今回は見送るということですか。

石会長

はい、見送ってます。来年は2006年度です。2007年度じゃないですから、見送ってます。

記者

道路特定財源の暫定税率を維持した一般財源化問題ですが、ちょっと税調の審議に離れるんですが、24日に自動車工業会がですね、大々的な反対キャンペーンを予定されているようでして、これについて会長はどのように受けとめておられますでしょうか。

石会長

つまり、道路関係者の中で当然反対が出てくるということですね。それは当然出てくるでしょう。それに対して税調としてどうこうとコメントする立場に、僕はないと思いますけど。

記者

この自工会の動きというのは、ある意味、広義のユーザーというか納税者と言えなくもないと思うんですが、国民一般、納税者一般の反発というのは今のところ肌で感じておられるか、どういう感じで受けとめておられますか。

石会長

今日もその種の議論、つまり国民の理解を得る必要がある、地方は云々の議論も、この間と同じに出ています。したがいまして、その辺の議論をどうこれから受けとめて、どういう形でやるかというのは、かなり具体的な法案の仕組みの段階で生かされるんだと思います。我々が言っていることは、基本的な姿勢として、一般財源化すべきということを言っているわけでありまして、その辺の流れについては、皆さんのご賛同はいただいております。ただ、説明の仕方等々については十分に手を加えた丁寧な説明の仕方が必要かとは思ってますので、これから修文の段階でどれだけできるか、考えてみたいと思います。

記者

今ちょっと触れられた地方という問題ですね。まあ地方は道路整備がまだ十分じゃないという議論に加えて、公共交通機関が都市部ほど整っていないので自動車を使う一般の人たちも機会が多いというようなことまで出て、地方に対してどうなのかという議論があるかと思うんですが、このあたり、会長はどのようにお考えでしょうか。

石会長

それは税調にも地方のご出身の方がいらっしゃいますから、そういう問題を絶えず提起されて議論しております。これをどういう形で取り込めるかというのは、例の「答申に盛り込まれていない主な意見」の段階で集約するか、本文に入れるかですが、それはこれから考えてみます。

記者

酒税に関して再度お伺いしたいんですけれども、既に酒税全体の帯域を見直すと、前回の会見のときに、ちょっと今年は時間切れだなと石会長はちょっと漏らされたんですが。

石会長

漏らしましたっけ、そんなこと。

記者

ええ、漏らしました。それで、「第三のビール」に関して言えば、増税の傾向であることには変わりはないんでしょうか。

石会長

わからないですね。これからどういう仕組みになっていくのか。とりあえず従来のようにくくって、何かしようというあたりのことを言ってた延長上の話として、どこにくくられるかもわからないでしょう、「第三のビール」っていうのは。したがって、相当技術的な話であって、恐らく業界マターの話かもしれないし、それは今の段階で我々、無責任にですね、そこはどっちに入るとか、こっちに入るとか、まあ三つ四つ、五つぐらいにしてこっちに入るなんてことは、ちょっと今の段階で私からは、明確なアイデアもございませんし、明確な方向も「第三のビール」に関してはございません。

記者

それは会長ご自身に関してもでしょうか。

石会長

何をですか。

記者

「我々」とおっしゃったんですが、会長ご自身の意見としては。

石会長

「第三のビール」ですか。わからないですね、今の段階では。

記者

環境税創設という問題はどういう…。

石会長

環境税は当然、例年どおり議論しました。環境省から新しい案が出てきたということを踏まえてといっても、まだ全面的に省庁間のぶつかり合いが解決されているわけでもないし、大いに関心はあるけれども、いつまでにこうせいといったようなところまで、とても今の段階で、税調として議論がまとまっていませんから、そういった趣旨のことになるだろうと思います。いずれにしても、25日に整理いたします。

(以上)