第35回総会 議事録
平成17年11月22日開催
〇委員
それでは、時間になりましたので始めましょうか。どうもお忙しいところ、ありがとうございます。
できれば、今日の総会で皆さんのご意見をいただきつつ答申をまとめたいと思ってますが、この会議は公開にしておりませんので、今日は新聞記者の方々、お見えになっておりません。
ただ、その後で、私が記者会見して審議の概要を紹介しようと思ってますが、内容にかかわることは一切今の段階で申せませんので、それは十分に気をつけたいと思います。議事録は事後的に発言者の名前を外した形で公表するということを、いつものようにやりたいと思ってます。
今日は3種類、資料が出ていると思いますが、1つが「答申素案」、それから「答申に盛り込まれていない主な意見」、それから3つ目が「答申素案の具体的項目に関連する近年の答申記述」という形で、過去の議論とのつながりをどのような感じでつけたらいいかという参考にしていただきたいと考えております。いずれも、会議終了後返却というお願いを書いてございますように、途中でご退室の場合も、この3点セットは机上にお残しいただきたいと考えております。
今から、この「答申素案」を読んでいただきますが、ご覧いただきますように、わずか5ページほどでございます。これは極めて簡潔にコンパクトにまとめたつもりでございまして、ぜい肉のない、筋肉質的な答申になったかなと考えております。
そこで、やはり答申は国民に対する明確なメッセージという意味で、一切、両論併記はとっておりません。ただし、ここでご議論いただいたことに関しまして重要なことにつきましては、答申には盛り込めておりませんが、「主な意見」という形で、別紙で紹介しております。
もしおまとめいただければ、この25日に首相官邸で小泉さんにお渡しします。当然、この「主な意見」のほうも、例年、一緒にお渡ししておりますので、首相はこれを両方読んでいるはずであります。税調の中でどういう議論があったかということについてご関心を持っていてくれると思いますし、あるマスコミによりますと、本文より、こっちの「主な意見」のほうを読んで記事を書いているところもありますから、そういう意味では、こちらも重要視していただきたいと思います。ただ、時間の関係で、審議は素案のほうだけという形になろうかと思います。
まず最初に、この「答申素案」、「主な意見」を読み上げていただいた後、従来の答申との関係で、簡単に事務局からご説明いただくという形をしましてから議論を始めたいと考えております。
なお、3カ所ほど、※印が右についているところがございますが、これは基礎問題小委員会で、特にその議論を整理する意味でつけたので、ポイントになろうかと思います。
それでは、事務局、恐縮ですが、お願いします。
(「答申素案」「答申に盛り込まれていない主な意見(案)」朗読)
〇委員
ありがとうございました。
それでは、議論に入る前に、引き続いて、近年の答申にどのようなことが盛られているか、今回の素案との関係も含めて、ちょっと事務局のほうから、簡単にご説明いただけますか。横長の資料です。
〇事務局
お手元、「近年の答申記述」という横長の資料でございます。それぞれの具体的項目についてのところをピックアップしてございます。
1ページをおめくりいただきまして、個人所得課税、上半分の箱が税源移譲でございます。昨年の17年度答申におきましても、中ごろあたりに、「所得税と個人住民税の役割分担の明確化」、また最後のパラグラフに、「個々の納税者に係る税負担の変動にも十分に留意」と、今回のご指摘、前回からしていただいております。
下半分の箱は定率減税でございます。今回の素案は、「経済の状況を見極め、廃止すべきである」となっております。昨年の答申では、これも最終行でございますが、「18年度までに廃止すべきである」と、このように答申いただいております。
次のページ、個人住民税の均等割、これも同様のご指摘、従来からいただいております。
2.法人課税でございます。個人形態と法人形態との税負担の差というような関連で、右が「12年度中期答申」、前の前の中期答申でございますが、留保金課税制度についての記述がございました。
それから2つ目の箱は法人税率。これも昨年の答申に同様のことを書いていただいております。
最後の箱、公益法人制度改革、非営利法人課税でございます。昨年ないし今年の「基本的考え方」におきましても、いわゆる第三者機関の制度設計、これをよく見ようと、このようなご指摘を頂戴いたしております。
次の3ページでございます。国際課税。ここでは、共通することといたしましては、国際的な租税回避の防止が重要であるというようなご指摘を過去からいただいておるわけでございます。
酒税は、昨年の答申、右側をご覧いただきますと「酒類の分類の簡素化を図り、酒類間の税負担格差を縮小する方向で」と書いていただいております。今回の素案では、2行目あたり、「酒税の増収を目的とするのではなく、酒税制度の問題として、税制の中立性や公平性を確保する観点から、酒類の製法や性質等に着目してその分類の大括り・簡素化」と。昨年に比べますと、この部分がちょっと書き込まれているということでございます。
5.の固定資産税、市町村税としての位置づけ、同様の記述がございます。
次のページ、6.租税特別措置でございます。今回の素案では、15年度に導入された研究開発税制等についての記述がございます。それぞれ右の欄、「15年度答申」、すなわち、導入した際の答申についての記述、頂戴しております。上から数行目、この研究開発税制については、「制度の基幹的部分は期限を区切らない」と。
設備投資、これも集中・重点化するということで、イのところで申しますと3行目、「期限を区切り、重点的な政策税制を講じる」と、このようになっております。
次の5ページ、はしょって恐縮ですが、7.特定財源でございます。14年の「あるべき答申」におきましては、最終行、右側でございますが、「一般財源化を含め、そのあり方の見直しを行う」と、このようになっておりました。今回の素案では、「一般財源として活用していくべき」という表現になっております。
その下、負担水準。これについては、「あるべき答申」においてと同じように、今回の素案でも、「引き下げることは適当ではない」という結論を書いております。
8.の地球温暖化問題への対応、環境税でございます。これは17年度答申、昨年の答申においても、検討課題としての記述がるる書いてございます。
6ページでございます。納税環境整備。今回の素案では、「まじめな納税者の視点に立って」という言葉が書いてございます。
公示制度については、「廃止すべきである」という素案。昨年、さらには今年の夏の「論点整理」におきましては、「廃止を検討すべきである」と書いてございます。
相続税の物納、加算税、これは今回新規の記述でございます。
最後のページ、個人住民税。これも「論点整理」において書かれたことを今回もお願いしたいと考えております。
以上でございます。
〇委員
ありがとうございました。
それでは、これから「答申素案」に沿いましてご議論いただきますが、若干、「答申素案」の性格について、私のほうから補足説明をさせていただきます。
これは、先週の金曜日、18日に基礎問題小委員会の先生方に集まっていただきまして、起草会合という形で、我々、議論いたしました。それで、起草会合でこれを素案としてまとめてきたものでありますので、起草会合全体の責任であるとお考えください。
先ほどちょっと正確に申さなかったのですけれども、3カ所ほど、右の隅のほうに※印がございます。2ページ目の定率減税のところと、4ページ目の租税特別措置のところと、最後のページの公示制度のところ。この3つにつきましては、やや突っ込んで意見を交わし、修文等々も考えたという、重要な案件だったということで、この総会においてもその箇所をメンションしておこうと示してあるわけであります。
それから、この答申の内容に関しては、「基本的な考え方」、これは5枚しかない中で1枚以上使いまして、現下の財政事情等々書き込んでございます。
と申しますのも、6月に出しました例の「個人所得課税に関する論点整理」について、どうも歳出カットが不十分であるとか、行革の説明が足りない、そういうものをやる前にすぐさま所得税改革云々はけしからんといったような視点のご議論、ご批判が集中したように思っております。
我々といたしましても、当然、歳出カットなり、行革なり、これを優先すべきであるということは前からくどくど申しております。ただ、税調というのはそれを主に扱うところではありませんので、あまり取り上げるのはどうかなという形で、従来、この辺は5~6行で処理していたのですが、今回やはり我々の意見なり思いを伝えるには、少しスペースを割いて議論を深めたほうがいいということで、ウェイト的に言いますといつもよりは、この前提条件を言うなればしつこく書いたということだと思います。
基礎問題小委員会の共通の意見は、770兆円も国と地方で赤字がたまってしまって、かつ、少子・高齢化を迎える中で、どうしたらいいかという国全体の視点から税制を考えなければいけないという角度で議論が展開されたと考えております。
それでは、前置きは以上にいたしまして、全体を半分ぐらいに区切りまして、酒税の3ページ目の29行目、ここまでを前半とし、後半は酒税以下と2分割してご議論いただきたいと思います。
ご発言は、今日は主として、内容もさることながら、文章の問題にも気を配っていただきたいと思いますので、何ページ目の何行目だというふうに箇所をご主張の上ご発言いただけるとスムーズにいくかもしれません。もし中途退室が必要な方は、後半の箇所に触れていただいても結構ですから、ご退席前にご意見をいただきたいと考えてます。起草会合の先生方も、また同じ発言になるということに気後れすることなく、大いに発言していただきたいし、また、起草会合で言った自分の意見が通ってないではないかというご不満の方も多分いるであろうと思いますので、今日はいろんな角度から活発なご議論をいただけたらと考えております。
それでは、最初に3ページ目の下ほどまで、前半の部分につきまして、積極的にご発言ください。どなたからでも結構です。
どうぞ。
〇委員
起草会合でもちょっと申し上げたのですが、2ページの27行目の※印のところですが、「近年の答申記述」を見てもわかるとおり、定率減税については、要するに、減税措置を講じた当時と比べて経済状況がよくなったからやめるのだと。第一義的に。そういうことをやはり書くべきではないかということを申し上げたのですが。
〇委員
まだ不十分ですか。
〇委員
経済状況を見極めというのも必要だけれども、この見極めというのは留保する部分だと思うのですよね。だから、経済状況悪くなってもやるのと言ったときにこれは効く言葉であって、本来、定率減税やめるのは、経済状況がよくなったからやめるのだという根本のところをちょっと書いていただけたらと言ったのですが。
〇委員
数行前に書き込んだのではないですか。そういう趣旨で行ったということですから、当然、緊急避難的に講じられた景気対策のための措置であるからという趣旨のことが書いてございますし。
〇委員
だけど、経済状況を見極めというのは、これはあれでしょう。
〇委員
それは留保条件で。
〇委員
留保条件だから、やめることもあり得べしということをやはり書いておくべきだという意見でね。
〇委員
理論的にはね。いや、これは基礎小のご議論がありましたよね。今から1年数カ月先のことはわからないわけですよ。
〇委員
だから、それはいいのです。この表現は要るのだけれども、その前に、「近年の答申記述」にあるように、明確に、要するに現在著しく好転しているではないかと、もう要らないではないかというメッセージが要るのではないかなと。
〇委員
わかりました。「答申で指摘しているとおり」というのは、前から言ってますのでね。
〇委員
だけど、答申で言っているとおりというのは、国民はまた答申を見てくれと、こういう話になってしまうから、ちょっとそこのところ、文章を工夫したらいいのではないかと思います。
〇委員
わかりました。
〇委員
それからもう一つ、今、この「近年の答申記述」を読んでちょっと気がついたのですが、固定資産税はもっと後ですか。
〇委員
後です。
〇委員
それではやめます。
〇委員
他にありますか、どうぞ。
〇委員
今ご議論の定率減税の関係でございますが、前回の総会のときにも同じようなことを申し上げ、事務局の方から、定率減税以外の恒久的減税措置は景気対策とは異なるというようなご説明をいただきましたが、帰りまして、負担軽減措置法というのですか、その法律をもう一遍読み返してみましたが、どう読んでみましても、経済社会の構造変化、国際化の進展、景気回復といったものをセットの課題としてとらえて、そのために、法人、個人双方への負担軽減を行うということを明確にこの法律は規定しておるわけでございますが、どうも、そういう法律の規定ぶりからすると、定率減税だけは別なのだというご説明にはいささか強弁に過ぎるところがあるのではないかなと思えてなりませんが、いかがでしょうか。
〇委員
その法律的な解釈、事務局からちょっと、内容も即してご説明いただきますが、我々、私もその当時、定率減税を導入したときにここにいたわけですけれども、当然のこと、構造的な税制改革の視点から最高税率は下げなければいけないというのは、累年、累次言っていたわけですね。それから国際競争力の点から法人税の基本税率も下げてしかるべきだろうと言っていたわけです。したがって、構造的に、ある税制改正をしようと言ったときに、この景気対策として定率減税と話が両方一緒になっちゃったということもありまして、特に私の頭の中では、定率減税というのは、まさにここに書いてございますように、非常に緊急避難的に、まあ税額控除なんていう大ざっぱな話でやったということで、典型的に景気対策ですね。
ただ、最高税率と法人税の基本税率に関しましては、税調が長く言ってきました一貫した構造的な改革の流れの中で、少し前倒しになった点はあるかもしれませんけれども、定率減税はまさに緊急避難的に大ざっぱにやっちゃったけれども、税率構造に関しましては、根本的に税の中身に即してやった議論と考えております。
ただ、今、委員がちょっと引用されました法律等々のところの案文、皆さんお持ちでございませんから、ちょっとそれについて引用しつつ、ちょっと事務局からご説明いただけますか。
〇事務局
当時の議論を整理したものとして、まず、平成10年12月の当調査会の答申がございます。この中には、負担軽減法でいろいろやったという中で、「今回の減税のうち、個人所得課税の最高税率及び法人課税の実効税率の国際水準並みへの引下げは将来の税制の抜本的改革を一部先取りしたものであり、将来の抜本的改革へのいわば架け橋としていかなければならないものと考えます」ということで、景気対策の定率減税の部分と、今のように、抜本改革の架け橋の部分というのを分けて論述いただいております。
それから法案に則して、今委員のおっしゃいました法案を読んでということでございますが、その法案審議の国会の議論がございます。平成11年2月4日、衆議院の議論で、総理から明確にここの説明をされております。ちょっと読ませていただきますが、「個人所得課税につきましては、最高税率の引下げを行うことといたしておりますが、これはわが国の将来を見据え、国民の意欲を引き出す観点から行うものであります。また、現下の厳しい経済情勢にかんがみ、早急に税負担の軽減を図る観点から、課税ベースや課税方式の抜本的見直しを伴わずに恒久的な減税を行う方式として、納税者ごとの税負担のバランスを歪めない定率減税をとったところであります」と。
ですから、将来の話と、それから経済情勢にかんがみた定率減税。それから最後、「法人課税につきましては、わが国企業の国際競争力の発揮、企業活動の活性化の観点から、その実効税率を国際水準並みに引き下げるとの趣旨で基本税率を引き下げる」と。こういうことで、明確にこの法案の審議の過程での政府側の説明も別だということを前提にこういうふうに答弁が行われております。
〇委員
ありがとうございました。よろしゅうございますか。
ほかに。またお戻りいただいて結構ですから。では、どうぞ。
〇委員
2ページのちょうど20行目のところですが、個人所得課税についての今後の検討の方向みたいなことを整理されて書かれている部分ですけれども、ここで書かれていることの意味の確認ですけれども、「個人所得課税に求められる機能が適切に発揮されるよう、見直ししていく必要がある」ということは、税率については、もうそれなりの水準だし、いいのだとして、課税ベースをどう広げていくかとか、あるいは個人所得課税のウェイトが、国際的に比較したり、あるいは法人課税との関係やその他の税との関係でどういうふうに評価したらいいのかとか、そういうものが含まれて、「個人所得課税に求められている機能が適切に発揮されるよう」と表現しているのだと読み込んでいいのですかね。
〇委員
はい。要するに基幹税、つまり、税収獲得機能が著しく落ちているとか、あるいは所得控除がやたらと多くて、極めて歪んだ面が多々あるとか、今まさに委員がおまとめいただいたそのとおりですよ。それでよろしいですね。そういうつもりで書いております。何か付け足すことありますか。もうちょっと詳しいほうがいいですか。
〇委員
年度答申ですので、どこまでやろうかというと、そこまでやろうとしてない中であまり書き過ぎてしまうとどうかという思いがあると思うのですが、ちょっと気になりますのは、「少子・高齢化、家族のあり方や人々の働き方の多様化といった構造変化への対応を図りつつ」と書いてあるので、まける、まける、まけると書いてあるように見えるのですよ。つまり、いろんな諸控除だとか、まとめるのではなくて、何かいろんな配慮をたくさんしていきますよというふうにちょっと読めるものですからね。それで気になったということです。
〇委員
わかりました。その心は逆のほうですね、多分。いろんな形で、配偶者控除、公的年金等控除、扶養控除、税額控除、多々議論いたしましたので。ただ、そうとられる方もいらっしゃるかもしれませんが、「対応を図りつつ」という中には、どういう格好で調整するか。つまり、扶養控除の税額控除化なんていうのはおそらく軽減するほうにいくでしょうけれども、ほかのところは増やすほうにいくかもしれません。この辺は獏と書いてますので、ちょっと考えてみます。とり方でそういうふうな誤解を招くといけませんので。
他にございますか、どうぞ。
〇委員
私、今回ほとんど議論に参加してなかったので経緯がよくわからないのですけれども、一の「基本的考え方」が、今、会長が強調されたように、かなりスペース割かれているのですが、それから二の「主要な課題」との関連ですけれども、要するに、個人所得税のところでは、今、定率減税の話ですよね。それからもう一つは均等割の重点ということで、トータルで見て、量的には増税という形の答申になっているわけですね。
ところが、「基本的考え方」だと、最後の1ページの後半から2ページの最初に関して、税制改革に関して、国民の理解を求めるという形はとっているのですが、増税が必要かどうかに関しても具体的な文言があまり明確にされてないと思うのですけれども、いろんなことを考えてあえてぼかしたということもできると思うのですが、せっかくこの「基本的考え方」でいろんな財政状況なり経済状況、あるいは財政構造改革に関しての議論をされたことの結果として、例えば定率減税の廃止なり均等割といった、ネットで増税の答申が出るとすれば、どうして増税が必要かに関して、もうちょっと書いたほうがいいのではないか。
例えば2ページの最初の第1行のところの「財政構造改革全体の姿を示し、必要最小限の増税について国民の理解を求めていく必要がある」とか、何かそういった形で。
〇委員
ただ、ここで議論あったのですけれども、我々、増税という言葉を使ってないのですよ。つまり、3年前に約束したやつが期限が来たから直すとか、それから減税をもとに直すという形でやってますからね。増税ではなくて、減税が解消したと。ただ、これは新規増税ではないかというのがあるのはわかってますけれども、あえて増税という言葉を使わなかった。つまり、逆に言えば、期限が来た減税をやめますよという言い方の書き方はできると思います。そう書いたほうがいいということですね。
〇委員
はい。それで、2ページの2行目以下の、来年半ばの一体改革の方向についての話ですけれども、これを読む限りにおいては、これが何を意味しているのかというのは普通の人はよくわからないと思うのですが、これは要するに消費税の引上げ等も含めた、そういう改革を想定しているのですか。
〇委員
今日、専門の委員が来ているからご説明いただけたらいいと思うのですが、これは骨太の、言うなれば2006が出るのでしょう。その中で歳入、歳出一体化した中で、税のパーツ、あるいは歳出削減のパーツ等々で、より具体的に税の役割が見えてくるのかなという期待感を持って、選択肢とか工程表を言っているのですよ。だから、ここで消費税がもろに出てくるかどうか、多分わからない。
〇委員
ただ、今回の答申は消費税に関しては全く触れてないですね。
〇委員
触れてませんよ。
〇委員
意図的にそうされているのだと思うのですが、ただ、国民の関心は消費税率どうなるかというのは結構関心事だと思うのですが、それにしても全く触れてないというのは、あえて触れてないのか、多少奇異な感じがするのですけれども、まあいいですが。
〇委員
来年度税制改正で消費税がもろに出てくるというのはだれも考えてないでしょう。従来の年度税制改正の答申に比べると、来年度に少し議論を焦点当ててます。従来は、数年先とか、もうちょっと長めのことも全部突っ込んだ形で書きましたからボリュームが増えました。今回は、来年度できそうもないのも入ってますけれども、基本的には来年度ということが念頭にありますのでこう書いてあります。消費税は、今も政治家の皆さんが議論してますけれども、2007年度税制改正、消費税を含めた税制改革を考えるという話でありますから、2006年度の話ではないのですよね。だから、記者諸君の記者レクでもそれはもうあまり聞いてこないですね。ないと思ってますので。ただ、ちょっとテークノートしておきましょう。
今の点、ちょっと関係、ご説明いただけますか?
〇委員
今の委員のご疑問というのは私もよくわかるような気がいたします。特に、今回、総理の指示で、30兆にできるだけ近くするという形にしておりますので、今年の予算から比べてみますと、今年度は当初44兆円で税収が計上され、そしてその上積みをどう見るかと。1つは。自然増収と、それから増税と言うかどうか、制度改革の定率プラス租特の部分のところですね。これがどのぐらい見込めるかということと、34兆5,000億円の部分が30兆にしたときに、4兆5,000億の部分のところをどうするかと。そして一方で、国債費という形でおそらく概算要求で2兆円の国債費上積みをしております。
そうしますと、自然増収的な部分のところと、それから制度的なものによる増収の部分が決まり、かつ、発行量を4兆5,000億引くということになり、かつ、国債費を2兆円だということになると、歳出のネットの部分が逆算できると。そのときに、全体の規模がどうだという問題と、それから税収でどこまでそれをやり歳出カットでどこまでやるのだというイメージをインプリシットに我々が考えておきませんと、一方だけ、制度改革の部分のところで全部やれやれと。そうすると非常に歳出の部分のところがすき間が小さくなって、結構うまくいくよねというような流れが出てくる危険性があるわけですね。
一方で、歳出をもっと切れと。そして、歳出を切ったことによって制度改正の部分のところはもう少し先延ばししてもいいのではないかと、こういう議論が一方で出てくる。そこをイメージとしてどういう具合に共有していくかということは非常に重要な問題で、私は、この抽象的な書き方よりもっと、増収の部分は、事務局にお聞きするのがいいのですか、どういう具合に見込まれているのか。そこら辺のプラスマイナスの部分のところをPL的に眺めるということはこの段階ではしないわけですか。
〇委員
しないし、できないと思っているのですよ。私の頭の中では。
〇委員
税収計算はいつ、来年度の税収見積もりはいつ出すことになってますか。
〇事務局
現在のまずは足元の税収、17年度の税収が3割ぐらいしかあいておりません。その中でいろんな手法、これは内閣府ともご相談しながら取り組んでおりまして、今見積もり作業をいたしております。最終的には、来年の経済の見通し、それから本年、進行年の経済の見込み、こういったものを踏まえまして税収の見積もりが完成します。これは、そういう意味では12月に入ってからの作業になります。
ただ、いずれにしましても、16年度決算におきまして、対補正で1.5兆ほどの土台増と言われているものがございます。こういったものはベースには考えていけるのかなあと。そのほかいろいろ、例えば定率減税の平年度化であるとか、これまでの制度改正みたいなものもございます。今一生懸命数字を詰めている最中でございます。
〇委員
歳入、歳出一体化改革というのは単年度の話ではなくて、プライマリーバランスが何じゃかんじゃも当然入るよね。したがって、今のお話は2006年度のお話だったけれども、私どもがここで書いているのは、例えば、もうちょっと、2010年代初頭のプライマリー云々かんぬんの中で税制の役割、選択、そのようなことがこっちはどっちかといったら念頭にあるのですよ。その点どうでしょうか。
〇委員
そうですね。先程の委員のご指摘もその問題だと思うのですね。我々が今年やらなければならないのは、30兆円に国債発行を減額すると。そのことをテコにしながら、2010年代にプライマリーバランスというものを国、地方で解消していくと。そういうことの出発点として今年位置づけると。そして予算編成した後で、改革と展望という形で中期的なものを出して、そして6月に向けては、歳出、歳入の組み合わせの問題をメニュー化すると。こういう議論の段取りで進んでいるということでございますので、一貫して続いている問題だと思います。
〇委員
どうぞ。
〇委員
ちょっとその点で教えていただきたいのですけれども、今のお話を伺っていて、私の聞き間違いかもしれませんが、30兆円という公債発行額を、もしもできれば、もっと切り込むという考え方は全然ないのですか。
〇委員
そこは、意外と我々も望み薄だという具合いに、今年の前半期、景気がどうも足踏み状態だと言っているときには非常に夢物語というような感じも受けていたのですが、今事務局がおっしゃったとおり、相当自然増収的な部分のところがかさ上げされていくということがございますし、利払い費についても、それほど急激に上がってくるという局面ではございませんので、歳出の部分のところがどこまで切り込めるかということもあるのだろうと思いますが、我々、30兆というものにこだわることなく、もう少し切り込んだらどうだと。そしてその組み合わせを税と歳出の部分でどういう具合にカバーするのだという意識のもとで、おそらく、今日、あるいは29日の諮問会議でもそのような議論が出てくるということだろうと思います。
〇委員
今の議論、これにちょっと突っ込むことは今の段階では無理ですから、我々のバックグラウンドの情報として、今の委員のご説明は頭に入れておきましょう。ほかにございますか。
どうぞ。
〇委員
文言のことでございますけれども、2ページの24行目ですが、「全ての納税者を対象に」と書いてあるのですけれども、納税者という言葉は法律上はちょっと何か、いろんな意味がございまして、国税通則法とかいろいろあるものですから、ここは所得税と個人住民税を払っている者全てという。払ってない人には効かないということ。
〇委員
それほど厳密にやる必要ありますか、この文章で。
〇委員
いや、税調ですから。
〇委員
税調だけど、もうちょっと一般にわかりやすく書かないと。ちょっと検討します。
〇委員
それから3ページの7行目ですけれども、「引き続きこうした適正な課税関係を構築していく必要がある」と書いてあるわけですけれども、ちょっとこれがわかりにくい。
〇委員
どうしたらいいですか。
〇委員
さあ。こういう漠然とした書き方しか書けないのだろうとは思いますが、いや、今のが適正かどうかも人によっては考え方が分かれるところかもしれませんが、ちょっと何か。
〇委員
わかりました。検討します。ただ、修文のご意見があったらどうぞおっしゃってください。
〇委員
はい。それから同じ3ページの22行目ですが、「日英租税条約・日印租税条約の早期の実施」というのですが、条約というのは実施するものなのでしょうか。
〇委員
発効ですか。
〇委員
発効か批准か、よくわかりませんけれども、それがちょっとよくわからないものですから。
〇委員
わかりました。これは簡単に解決しそうですから。
〇委員
以上です。
〇委員
他に、どうぞ。
〇委員
2ページの一番下ですけれども、「市町村を重視することを検討する必要がある」と、何でこんな遠慮しているのかなと。
〇委員
何て書くのですか。
〇委員
いや、「重視する必要がある」でいいと思う。「ことを検討する必要がある」って、その理由があれば聞きたいなと。
〇委員
私、見逃したかもしれない。わかりました。
では、次の委員。
〇委員
個人所得課税のところで、実際の税率の変更があるのかないかということについて考えながら読んでいくと、何が決まったのかよくわからないので確認なのですが、本格的な税源移譲というのがまず1個目に書かれていて、その次に、所得税と個人住民税の役割分担を明確にすべきであると。この「すべきである」というのはおそらくまだ抽象的な議論だと思うのです。その後に、今度はフラット化の議論が出てきて、「所得割の税率をフラット化することを基本とする」というのは、実際に13%を10%とするとか、何かこういうことが実際に決まったということを含みで書いてあるのか、そういう方向だというだけの話なのか。これが確認なのです。
それから、今度は所得税のほうは、「所得再分配機能を適切に発揮させるように、より累進的な税率構造」と書いてあるのですね。より累進的な税率構造ということは、要するに、今の現行の10、20、30、37%ですか、これを何か変えるということを意味しているのか、あるいは何かもっとバランスフィットした地方税と所得税がきちっとイメージされてこれを書いているのか、ただばらばら書いているのか、もうすぐにでも税率を変えるということを言っているのか、「より累進的な」というのがちょっとギクシャクするということなのです。
〇委員
やはりあまり出てないからそういう質問出てくるんだよなあ。
〇委員
そうなのです。申しわけないです。
〇委員
だから、もう一回解釈すると、「より累進的」というのは、5%がくっつくのですよ。国税の世界で。それから37%に3足されるから、40%というのがくっつくのですよ。国税全体は、上と下が広がるから、より累進的になるのですよ。そういう意味です。
それから「フラット化を基本とし」というのは、我々、10%フラット化で念頭に置いてますが、これはこれからいろいろな政治的な駆け引き等々あるのでしょう、きっと。基本という意味は、あくまで我々はこれでいこうという趣旨ですけれども、これでいきましょうという趣旨はここに言っているわけで、これ、どこも数字が入ってないのです。30兆円、国債を削れという30兆だけ入っていて、大体ほかに入ってないので、もうちょっと入れては、というご議論があるかもしれませんけれども、フラット化の10%も入れてません。ただ、その意味で皆さんは共通に理解していると思います。よろしゅうございますか。
では、どうぞ。
〇委員
一の「基本的考え方」のところですけれども、基礎小で議論して、大分改定されたと思うのですけれども、まだ1点、先ほどの、この年度答申で何を税に関して主張するかというところにかかわるのですけれども、この書きっぷりというのは、最初10行目ぐらいはともかくとして、その次に「歳出・歳入両面からの財政構造改革を断行」として、その次に、20行目から歳出に触れて、24行目ですか、「聖域なき歳出改革」と。その次はいよいよ税だなというふうに来るわけですね。実際、税が来るわけですけれども、つまり、歳出・歳入両面からの構造改革の断行、聖域なき歳出改革と来て、何が来るかなと読んでいくと、先進国と比べて日本の税負担はまだ低いと来るわけですね。そうなのかなあと。
もちろん、ここで消費税について触れる必要もないし、触れるべきでもないと思いますけれども、ここで触れるのはやはり、経済が厳しい過程で、一連の緊急措置的な措置を講じたけれども、ここに来て、そういうものをもとに戻すという思い切ったことをしなければいけないというようなメッセージなのかなあとこの間も申し上げたのですけれども、ここに来て、他の諸国と比べて低いから、それを戻す戻さないなんていうのは、ある意味で、この年度答申で書く内容としては何か距離があるのではないか。ただ、非常に書きっぷりというのは難しいですけれども、流れとしては、歳出・歳入、それから歳出の聖域なきなんとか、歳入においては緊急措置的に行ったものを今取り戻すのだというタッチなのかなという気がするのですよ。
〇委員
ちょっと考えてみます。そういうタッチですよ。ただ、明確に伝わってないかもしれない。
では、どうぞ。
〇委員
今いろんな意見が出て私もよくわからなくなったのですが、先ほど委員から出た、17年度以降もある程度見ながら、これを読むという考え方と、それからもう一つは、もうそういうことをあまり触れないで、とにかく時限的にやったものをもとへ戻すということにある程度限定して書くかということがどうも出てきているようですから、これは事務局も会長も最終的にはその点は非常に苦心されることだと思いますが、むしろ私も、「あるべき答申」からいろいろ書いてきたこともあって、16年度答申といっても、もちろん限定されたものであったにしても、「あるべき答申」に向けての一つの方向だと理解しておきますと、この先、来年なり再来年なり含めて、やはり何か大きな流れというものの中である程度位置づけざるを得ないだろうと思うのですね。それがおそらく1ページの27~28行目から書いてあることであろうと私は思っています。
私は、ですからここの書き方でよろしいのかなと思っておりまして、もう少しその点を具体的に申し上げますと、逆にいうと、あまり財政収支のことを非常に気にしながら議論してますと、例えば自然増収がそれこそ上がってくるからもはや必要ないとか、そういう議論に場合によってはなりかねない。ですから、もちろんそういう面があることは確かですけれども、今の日本の税制というものが、今の特に所得、それから、所得というよりも個人所得、法人所得、それから消費、それから資産ということを見たときに、やはりバランスが私はいかにも悪いという印象を強く持っていて、それは90年代後半から、とりわけ定率減税や租特も含めて大幅な減税措置がとられてきたことによって非常にバランスが崩れていて、そして、今回こういう定率減税をやめるとか、これは後で出てくることですが、法人関係の租特、きちんとやめておかないと、その先は何かもう、まさに消費税の話だけになってしまうというようなことが非常に日本の税体系全体のバランスを崩すことになりかねないと私は思っております。
ですから、今回そういうことをにらみながらも、なお、この定率減税、あるいは法人関係の租特については時限が来たので明確に廃止していくと。ただし、それは時限が来たのでもとに戻すということと同時に、日本の税体系のあり方をやはり、それは私の個人的な考え方かもしれませんが、ある程度バランスのとれたものにしていくのだということの意味合いで私は考えたいと思っています。
〇委員
委員方のご意見、この1ページ目の下のほうで何とか少し活かして、我々の思想なり考え方がクリアカットになるようにしたいと思ってます。おっしゃるとおりだと思います。例年より18年度税制改正というところに少し焦点を当て過ぎているかもしれない。というのは、早晩、6月以降、我々、中期答申という最後の、言うなれば長めの答申を書こうということがありますので、と同時に、もう抜本改革は先送りだとマスコミに出てますように、来年度、本格的に抜本改革する時期でもないし環境でもないので、そういう意味では、今おっしゃった緊急避難的、あるいは税をよくするという視点から、今足元をしっかり固めましょうという主張のほうが強いのでこういう書き方になっていると思いますが、少し先をにおわせることも必要かもしれません。わかりました。
では、どうぞ。
〇委員
1つは、これは諮問会議に対するお願いなのですけれども、国債費のあり方をもう少し、つまり、公債費のあり方をもう少し議論をきちっとしていただく必要があるのではないかと思うのですよね。例えば発行額を30兆円にするというのは、今年の当初予算からすれば4兆円落とそうという話なのですが、じゃそのうちの国債費の中の、2兆円ほど増えるぞと見込まれていると言ったときの、利払い費を念頭に置いて増えるぞと言っているのか、全体ボリュームがありますから、60分の1分増えるのですけれども、そういう元本の問題と利払いの問題とを、こういう非常に厳しい状況の中で、減らしていったのにこしたことはないでしょうが、国債のトータルに対する将来像がないのですよね。少しずつでも減らしていこうやという声かけはあってもですね。
それで、プライマリーバランスを取り戻そうというのは、国債費と、それから国債発行額、外に置いての議論ですのでね。じゃ770兆積み上がった分を減らしていこうとすれば、増税、プライマリーバランス取り返してみたって、あとどうするのという問題が出てくるのですよね。そういう問題を少し抜きにした議論に財政の議論がなり過ぎているのではないか。それのツケを単に税制のほうにだけぽいっと回してこようというような意図があり過ぎないかという思いがちょっといたしております。そういう意味で、ぜひご議論をトータルにしていただきたいというのが1つです。
それからもう一つは、30兆出てきたゆえんは、うがって解釈しますと、道路目的財源の一般財源化で2~3兆出すかみたいな、そんな計算がどこかで働いていて、それで出てきているのではないかというような思いがちょっといたしまして、私どもからすると、前々から言ってますように、ちょっと議論先取りしますが、国の場合と地方の場合と相当事情が違うのだということをもっと明確にしていただく必要があると思っております。
〇委員
今のお話は、前段のお話で関係ないのだよね。この答申には。
〇委員
関係ありません。
〇委員
どうぞ関係あるほうから言ってください。
〇委員
ついては関係あるほうですが、先程の委員がおっしゃった部分は、2ページの17行目ですが、結局、「あるべき姿と整合的な制度とすべきである」ということで結んでいるのはいいのですけれども、じゃ我々の負担が増えるの減るのというところが書かれてないのですよね。全体としてトータルに。したがって、「国・地方を通じ全体として個人所得課税の負担を変えることなく、あるべき姿と整合的な制度とすべきである」とか、こういうふうに書いていただくと、ああそうか、所得課税全体の負担水準の中でより公正化を図ろうと、適正化を図ろうとしているのだなというのが見えるのではないでしょうか。これは一つの提案です。
〇委員
三位一体に関する税源移譲のところだけの限定したお話ですね。
〇委員
そうです。
〇委員
わかりました。ちょっとその辺を考えてみます。
どうぞ。
〇委員
3ページに、私が立場上言っているわけでもないのですが、10行目に法人税率について出ておりますけれども、こういうふうに言い切ってしまうのは本当にいいのかと思うわけですが、法定に基づくものでなくて、企業が実際に負担している法人税、住民税、あるいは資産税、こういうのもトータルで比較したときに、果たして本当に諸外国と比べて企業負担税金というものはこういうことが言い切れるかどうかについて。
〇委員
どこですか。
〇委員
3ページの10行目です。先進国並みで、引き下げる状況にはなく、現在の水準を維持することが適当である。「当面」と書いてありますから、この1~2年だろうと思うのですが、アメリカも法人税率をやや引き下げようという方向にもあります。
しかし、私が言いたいのは、実際に企業がトータルで負担している税金というのは、住民税もあり資産税もあり、もう一つは、当然お考えいただいていると思うけれども、減価償却の残存価格の償却が認められてない。5%ですね。これは当然お考えいただけると思うのだけれども、日本だけがそうなっているわけですが、だから、実際の企業が負担しているトータルの税金というものを考えたときに、本当に先進国並みで引き下げる状況にはないとはちょっと言い切れないだろうと。もう少し分析をしてみる必要があるのではないかと。
〇委員
これは法定の基本税率だけを言ってます。つまり、今おっしゃった、企業課税全体のトータルの議論はこれはしてません。あえて来年のテーマにはなりにくいと思ってますし、その議論をずっとやってませんのでね。今後、大いにそれは活性化してやっていただいたらいいと思いますが、これはまだやってないのですよ。
〇委員
一回分析をね。
〇委員
いやいや、それは過去でやってますよ、随分。直近ではやってないという意味ですね。おっしゃるとおり、それはずっと問題意識としてあって、過去の資料を見ていただきますとかなり出ていると思いますが、この答申を書くに当たっての準備では、そこは入れてません。基本税率のところだけです。でも、ご不満の点よくわかりますので、いずれ、その議論しなければいけないと思ってます。
どうぞ。
〇委員
2ページの18行目からの個人所得課税のところですが、先ほどのお話だと、まける方向に読めると言ったら、そうじゃないと会長がおっしゃったのですが、その中の表現で、「個人所得課税に求められる機能」というのをもうちょっと具体的に書いてください。「個人所得課税に求められる機能が適切に発揮されるよう、見直していく必要がある」と書かれておりますが、この個人所得課税に求められる機能、例えばどういう機能のことをここでは言われようとしているのかですね。例示的でも結構ですから、あるいは括弧書きでも結構ですから。
〇委員
わかりました。文章をどうするかはこれから検討しますが、具体的には、上に書いてございますが、再分配機能を高めようとか、課税の公平とか、中立を確保すべく所得控除を少し整理しなければいかんじゃないかとか、あるいは少子化対策で税額控除に扶養控除を改めるなんていうことも一応入れて議論しようという、まだ焦点を当ててない書き方ですから、それを今の段階でやるかどうかですね。
〇委員
少子・高齢化だ、家族のあり方やいろいろ書いてありまして、これは何を意図されているのか、何となく察しはつくところがあるのですが、それと個人所得課税に求める機能が、こういうところを直せばどうのこうのという話になるのかどうか。隣で委員が、上に書いてあるじゃないかと今私に言われましたが、そういう話でもどうもないのだろうと思いますから、この辺、例示的にわかるようにちょっと書いてください。ましてや、まける方向じゃないとおっしゃったわけだから。これを読んだら、さっき、どなたですか、これは税をまけてやる方向に読めるがというご発言がありましたが、それに対して会長は、いや、これはその逆なのだという話をさっきおっしゃったから。
〇委員
いや、逆もあるし、さっき言ったように、税額控除云々のところは多分まけてやるほうでしょう。いろいろ組み合わせがあると言っているのですよ。ただ、トータルで言うと、やはり所得税も増すほうのウェイトが高くなるだろうというのは、皆さん、今お考えになっていると思います。
〇委員
だから、いずれそういう議論をまたしなければいかん時期が来るので、はっきり書いておいてください。
〇委員
はい。ただ、今の段階でそれをまだ議論もしてないのに書けるかどうかですよね。
〇委員
それなら「個人所得課税に求められる機能」というのは何とご説明するのですか。
〇委員
ですから、今私がご説明したような、分配効果とか、課税の歪みをなくすとか、広く公平に負担してもらうとか、そういう抽象的な話です。
〇委員
じゃ会長のおっしゃったような表現をちょっと入れてくれますか。
〇委員
わかりました。できればやりましょう。
どうぞ。
〇委員
今の「個人所得課税に求められる機能」の前のところですね。「構造変化への対応を図りつつ」とかその辺で、この前の「論点整理」の報告を引いておいたらいいわけですね。そうすると、そこにみんな書いてあるわけですから、多分それでご満足いただけるのではないかと思いますけど。
〇委員
つまり、「論点整理」の中身を見ていただければわかるではないかという趣旨の話ですね。議論したわけですから。それを踏まえて、今のお二人、少し文章の中で取り入れるべく努力してみます。
どうぞ。
〇委員
財政学者としては、委員のおっしゃった、姿形としての税制を早期に正常な姿に戻すことは必要だということは十分理解しておるのですが、2つの点で、そのことに関して留保条件をつける必要性があるのだろうと思います。
1つは、経済動向、堅調だということでありますが、これからの課題は、設備投資を中心にしながら、これは先程の委員のお話にも関連するわけでありますけれども、どういう形でそれを盛り上げていくかということは中長期的な競争力の観点から言っても非常に重要である。国際的な比較の点でも非常に重要であると。こういう点を考えるということが第1点と、それから全額、制度改正を一挙にやったときに、歳出のいわば削減に対するモチベーションというものがどういう具合に影響するかと。これはほかの人が、あるいはマスコミを通じて勝手に言ってることだからいいという具合に超越的に考えるのか。会長が所得税の改革の基本的論点で発言されたのがいわゆる増税論議につなげられて非常に誤解をされたというようなことから考えますと、やはりそこは戦略的にきちんと議論しなければならないのだろうと思います。
税制の姿形を議論するとき我々は混乱してはならないのは、所要の税額は一体何かということを決めた上で、その税項目の中身をどう詰めるかという問題、そういういわば、専門的な言い方をしますけれども、差別的、ほかのものを組みかえたときにどうなるかという問題と、歳入を増やしたときのその増やし方をどのように調整をするかという問題は違った性格を持っておるわけでありまして、この辺のところがいつも増税論議と税の中身の問題が仕分けされずに議論しているというのが非常に難しい部分だろうと思います。
来年にかけて我々がどの程度の税収を確保し、中長期的な観点から、委員が先ほどおっしゃったとおり、どのような、我々がプライマリーバランス、あるいは残高の解消に向けて動くのだ、そのために基本的な税収をどのように確保していくのだという問題ですね。やはりこの辺の部分も読んでみるとよくわかるような整理の仕方が、もし仮に可能であれば、余分な誤解を生まないのではないかという気がいたしますけれども。
〇委員
これは、また増税に走っているのではないかというような批判に答える意味もあって「基本的考え方」を少し整理したつもりですが、なおかつ、肯定的な意味ですね。時間の差みたいなことを入れるかどうか。ちょっと検討させてください。必要なことかと思ってます。
どうぞ。
〇委員
今の委員のご発言に、私も、基本的にはそういうことでいいのではないかと思うのですがね。ただ注意しておかなければいけないと思いますのは、消費税の論議にしましても、総理の一言でがらっと感じが変わってくる。来年は総理がご交代になるというのがもっぱらの話でございますし、次の政権がどういうような考え方をとるのか。これは、財政再建の方向、大きな方向自身、私は変わらないと思いますけれども、具体的にはやはりその段階にならないとどういう方策がとられるのかというのはわからない面があるのではないかと。だから、大きな方向と言われると私は異論はないのですけれども、扱い方は注意されたほうがいいのではないかと思います。
〇委員
具体的にはどういうことですか。
〇委員
あまりにも先取りをするような話になると、足元すくわれるようなことになるのではないかということだけです。
〇委員
わかります。
時間も半分過ぎましたので、後半部分も入れましょう。酒税以降おしまいまで。どうぞ。
〇委員
横にいると全然無視される。
〇委員
無視してないですよ。後半の第一陣でいいじゃないですか。前のほうもいいのだよ。
〇委員
前のほうですけれども、この間のときに、私は、会長が増税男なんて言われるのはしのびないので、どうしてそうなるかというと、やはりどっちでも読めるようなものの中から、反対したい人、勢力があって、その意図的な何かが、パワーが動いたと私は思うのですね。ですから、どうやったらもっとわかりやすく本当に真意が伝わるかということをもう少し考えたほうがいいのではないか。
税制だけではなくて、文章もやはり簡素が一番なので、1ページ目ですけれども、「あるべき税制の具体化に向けた」。同じ文言が何回も出てくるとすごくイラつくのですよね。ここに審議を行ってきたと書いてあって、政府はこうやってと書いてあった中に、8行目かな、「税制についても」とまた同じことを書いてあるわけですよね。「『あるべき税制』の具体化に向けた取組みを進めている」。これ、またここで書く必要がどうしてあるのかが私にはよくわかりません。
それから11行目、「このような幅広い改革を進める中」と、「経済社会の持続的な活性化を図るため」というのはほとんどイコールですよね。つまり、前にも書いてあるように、構造改革というのは経済社会の活性化を実現するためにやると、取り組んでいると書いてあるわけで、またその説明をする必要はない。同じことが20行目に、「改革の実現には国民の理解と協力が不可欠である。今後これらの改革を実行していくにあたり」の「これらの改革を実行していくにあたり」は要らない。「改革の実現」とほとんど同じことだから。そういうのが見ていくといっぱいあって、国民の声と国民の協力というのはできれば一まとめにしたほうがいいのではないか。2ページの頭のところに「国民の理解」というのがあって、つまり、歳出削減というのをやるのですよということを明確にメッセージとして、もうちょっと短くコンパクトに言ったほうが伝わるのではないかなと思います。
〇委員
例年よりコンパクトのつもりだけれども、さらにコンパクトにと。
どうぞ。
〇委員
今の委員の指摘のところですけれども、この1ページの20行目から21、22、23行目にかけて、前の文章は、「税制調査会としても」の前にポツがあって、それを少し修文したほうがいいのではないかということでこうやって修文してくれたのではないかと思うのですけれども、「国民の声であろう」ということになってしまったのですよね。これはもう国民の声そのものなので、そういうように書くのがいいのかどうかですけれども、国民の声を税制調査会が受けとめるときに、「あろう」というのはちょっと弱いのではないかなという感じがちょっとするから、少し考えていただきたいと思います。
〇委員
断定するとおこがましいと思いまして、ぼかしたということです。
〇委員
それから後半の部分に入ったというのでちょっとさっきの続きをさせていただきますが、4ページで、固定資産税の一番最後の行ですが、「このため、今後、負担の均衡化・適正化を一層促進する必要がある」と書いてありますけれども、これは負担調整措置を厳しくするということの意味にとれるのだけれども、それでいいのですか。
〇委員
そういうふうにとりますか。
〇委員
というのは、「近年の答申記述」を見ていただくとわかるのですが、3ページの一番最後のところですから、「これまでの負担調整措置を基本に」と書いてあるのですよ。これを抜いてしまったものですから、「負担の均衡化・適正化を一層促進する必要がある」と言うと、要するに、ここのところをちょっときつくするよというメッセージに読まれやせんかな。
〇委員
わかりました。でこぼこを極力調整したいというだけの話ですけれども、ちょっと修文してみます。総務省のご意見も聞いて。これはかなり専門的な言いっぷりになってますので。
どうぞ。
〇委員
後半の部分でよろしいですか。
〇委員
結構ですよ。
〇委員
4ページの租特についてちょっと意見を述べたいと思うのですが、18行目に、3年間の時限措置であるから、その経緯を十分に踏まえる必要がある。それから21行目に、現行の措置を延長する必要はないと。経緯を踏まえて延長する必要はないということなのですが、「いずれにせよ」と続きますけれども、これは「しかしながら」とぜひ訂正していただいて、もう一つ、24行目に、「経済社会の活性化」の前に、「国際競争力の観点や経済社会の活性化のために真に有効な措置」と、それをぜひお願いをしたいと思います。
というのは、前回も私申し上げたけれども、国際競争力の観点と、国のテクノロジーというか、技術の推進という方針から言っても、この税制については、何らかの有効な分野に移すにしても、やはりこれから検討していただく必要があるという意味で、そのように訂正していただいたらどうかと思います。
〇委員
個人的関心でお尋ねするけれども、1950年、60年というのは、輸出も力なくて、外貨準備もなくて、一生懸命やりましたよね。租特でね。まだ必要ですか。これからという話が必ず出てくるのですけれども。
〇委員
これから日本が生きていくのは、やはり所得立国であり技術中心なのですね。
〇委員
だから、それを税で、要するにあくまで官頼みでやるかということですよ。
〇委員
いや、税で後押しをすると。先般も申し上げた。やはり相当心理的な影響が業界には大きいのですよね。これは、国として方針として打ち出すよというのは何らかの形を見せないと。税でこういう形を見せているのだということが大事ですね。
〇委員
いつまでも官におんぶして、一本立ちしないよというようなところが、国際的に見て、ちょっと非難されるのではないかという気もするけど。
〇委員
いや、必ずしもそういうことではなくて、やはり業界全体として、まだIT関連にしても、研究開発にしても、日本は遅れているのですよね。特に中小企業中心に相当の遅れがありますよね。金額的においても。だから、そういう意味から言って、もう少しスピードアップして後押しをするというのは、国の方針として何らかの形を見せなければいけない。それはやはり税だと思うのですよ。
〇委員
なるほど。そういうお考えがあるということは聞いてますので。ほかにいかがでしょう。
どうぞ。
〇委員
2点ほどでございます。3ページの酒税ですけれども、この前の議論で、大分、庶民の楽しみを奪うのかということで、わざわざここに「酒税の増収を目的とするのではなく」とあります。我々、これは一般的に言いますと、当然、安いのが高くなったり高いものが安くなったりと。トータルで水準はそのままと。わざわざ何か非常に弁解がましくこういうふうに入っているのですけれども、それでいいとすればそれなのですけれども、結局は、全体の大くくり、あるいは簡素化を図って、適正な形というのは何なのかというのは研究しなければならないでしょうけれども、その結果として増収になるのであれば、これはいいのではないのかと。わざわざ「酒税の増収を目的とするのではなく」と何か入れる必要があるのかどうかというのが1つですね。
〇委員
起草会合で出たのですよ。それで、残すか削るか、いろいろ考えた結果、ここにまた皆さんのご意見を聞くことも出したのですが、まさにわざとらしいとか、何か悪だくみがあるのではないかとかいう話があるとね。もちろん、おっしゃるとおり、これを落とすことは一向構いませんけど。
〇委員
もう一つ、この後他の委員がお話しになるのではないかと思いますけれども、特定財源のところであります。盛り込まれない主な意見のほうに我々の意見は入ってしまったようでありますけれども、現実の問題として、前のほうに、前から、これまでの答申は見直しを行うべき。今度は「活用して」と一歩入ったわけでありまして、その後のほうが、暫定税率を引き下げないというところを長々と書いておりますけれども、これで一般財源としての活用というのは、多分、私がここで強く言ってもこれは撤回はないと思いますけれども、ただ、特定財源について、「道路特定財源等」となってますので全部入ってしまったのですけれども、やはり国民の理解というのはほかのものよりも強く求めなければならないということと、もう一つは全体の、皆さん方はそういうことがないと思いますけれども、我々、地方にいても、東京都でも同じ、前にも言いましたとおり、一般住民の要望の8割は道路であります。
そういうことからしますと、例えば「整備水準を勘案しつつ」だとか、何か一つ入らないと、一気に一般財源として活用すべきというのは甚だちょっと乱暴な持っていき方ではないのかなという感じがいたします。そこの前提条件を幾つか書かない限り、後ろのほうが今度は、暫定税率を下げないために、またこちらも方便になってしまう。どうもそういうふうに見えるのですけれども、まあ少数意見かもしれません。
〇委員
ただ、これは前と同じような……。
〇委員
関連してよろしいですか。
〇委員
どうぞ。
〇委員
私、税調としての見識が問われると思うのですよ。こういう書き方だと。というのは、税のあり方として、何も目的税がけしからん税制だと一般論として規定できないと私自身思ってます。特に受益の範囲が明確なところを税でとるのか受益者負担でとるのかというのは、とり方の、負担のあるべき姿の差であって、目的税として十分とり得る可能性があるのですね。
例えば地方税で言っている国民健康保険税なんていうのは、本来、「料」を「税」という名前でとったりしてきたわけですよ。負担していただいたりしてきたわけです。ですから、それなのにかかわらず、何しろ目的税というのはけしからん税だということを前提に税調が単に一般財源化すれば、それはハッピーなのだというような意見を表明してしまうのは、全く税調としての見識が問われる。
例えば政策を推進するのに当たって、減税をして政策を推進していこうというのが租税特別措置ですし、それから一定の財源を確保して政策を進めていこうとしていくときに目的税というのもあるわけで、それで目的税を活用しようとした場合には、それは受益と負担との関係がかなり説明できるようなものについての活用を図ったほうが理解を得やすいし、監視の目も厳しい。そういうところから目的税というのの存在感が本来的にあったはずなので、そういうご論議を全く抜きにして、単にだれかが言ったから一般財源化するのが適当なのだというのは、どうでしょうか。税調の権威にかかわるのではないでしょうか。というのがまず第1です。まだ続きがあるのです。
それから第2番目は、私も意見を申し上げましたけれども、兵庫県の道路目的財源は、地方税としてもらっている分、譲与税としてもらっている分を入れて17%ですよ。それで、国税がオーバーフローしたというので、道路交付金として来ている分を入れて、ようやく23%。そんな状況。国の税の歳出と目的財源との歪みがあるからといって、それを途端に一般財源化すればそれで解決するのだという発想自体、いかがでしょうか。ですから、そういう意味からも、税調としては、きちんとこの一般財源化についての徹底した議論を踏まえてこういう結論を出したのだという書き方がないと、これは非常に権威が問われる。私、そう思います。
〇委員
その権威について、僕も、権威を問われているからご返事しなければいけないけど。
どうぞ。
〇委員
私の発言が権威があるかどうかわかりませんが、税調は、ずっと答申ではいわゆる特定財源、何につけですね、それはやはり財政硬直化とか健全な財政のあり方としてふさわしくないという立場をとってますよね。制度的には、税制が特定財源としてとったものというのはごく地方にあるだけですよね。国税レベルでほとんど一般会計を通してやっているわけですから、別に税調が特定財源にしたほうがいいとか、するなとかいう個別について言ったことはないと思うのですよね。ですから、基本的には財源というものは一般財源であるべしという立場ですから、それは別に税調の権威を損ねるものではないのではないかと。
それで、使い方として、歳出の面で特定財源としてお使いになるかどうかと。それは歳出の問題ですから、ちょっと舞台が別ですよね。だから、私も別に、地方の道路の整備状況が100%だとか80%だとかいうつもりは全然ないし、40%ぐらいでしょう。引き続き必要でしょう。ですけれども、財源のとり方は一般財源であってもとれるわけですよね。だから、そこは税調の議論とはちょっと違うのではないかなあと思いますのと、健康保険料を健康保険税と言っているのは私はちょっと変な話だなあと思ってますよ。それは、国なり地方、市町村の権威を高める、絶対逃すなよという意味でとりやすいかもしれないけれども、これは余談ですけれども、あれを税と言いかえるのはちょっと変だぞと思ってます。
〇委員
どうぞ。
〇委員
特定財源の件ですけれども、基本的に特定財源が財政を硬直化させて、しかも道路に関してはそれが特別会計という形でさらに硬直化されているということは、もうここで繰り返す必要は私はないと思います。
ただ、ここで不明なのは、一般財源として活用すべきであるというときに、国と地方の関係が、これは一回質問したのですけれども、わからない。国に関してはこんな議論があったと思うのですけれども、本四架橋の今使っている部分が道路財源から使っている部分が減れば一般財源化かなという話が最初に出てきて、そうではないと。そうではなくて、根っこから話が戻って、道路会計の見直しという形で、全体の一般財源化ということが進んできたと私は思っているのですけれども、この間ある委員もおっしゃったし、今日、他の委員もおっしゃって、地方のほうは、地方の道路財源では足りない、それ以上に道路やっているのだと、つくっているのだと言うのならば、地方は地方の見識で議論すればいいと思うのですよね。ここが、国の議論と地方の議論が、つまり、国の特定財源の議論と地方の特定財源の議論がごしゃごしゃになっているのが私は一番気になると思います。
〇委員
先ほど税調の権威云々と問題提起されましたのでお答えしておきますが、私も税調に随分長くいますが、この目的税化、あるいは特定財源化については連年やってまして、僕の参加した十数年やってますよ、これは。ぜひ過去の答申をお読みください。最初は両論併記的に書いてございますが、その理由は、今、委員からおっしゃっていただいたように、やはり財政の硬直化を生むとか、資源の非効率な配分を生むとか、そういう理由がちゃんと書いてあります。
それから、ご存じのように、各国では最初道路で特定財源やってましたが、どんどん一般財源化しているわけでありまして、残ったのは日本ぐらいでしょうね。今お手元にある資料でも、平成14年、「あるべき税制」にもちゃんと、財政が硬直化される要因になっていると疑問視され、歳出面を含めた基本的なあり方云々のことも書いてございまして、これは最近、何か小泉さんが言ったから便乗したのではないかというとらえ方をしておりますが、どちらかといえば我々が小泉さんを教育したと思っているくらいでありますので、そこはぜひ誤解なきよう、税調としては基本的に、この特定財源化、あるいは目的化については反対の立場をとってきたとご理解ください。
どうぞ。
〇委員
私が申し上げているのは、財政の硬直化をもたらすとか、そういう機能が結果としてあるぞというのは何も全然否定してないのですよ。ただ、いわゆる目的税と一般税という区分をしたときに、目的税というものについての活用だとか意義だとかいうのを全くほうったらかしておいて、単に特定財源化しているやつは一般財源化すればいいのだというものの言い方が税調としていかがでしょうかということを言いたいのです。
〇委員
目的税という言葉を使ってませんが、たまたま道路が具体的例があるから道路を代表して言っているわけですが、税調は基本的に、僕は目的税というのに対してそれほど大きな存在理由を認めてないと思います。私は長いこと言ってますけれども。おっしゃるような形の議論ありますよ。
〇委員
ただ、私ちょっと心配しているのは、もし消費税を上げていって、それを目的税として活用するのだということを税調は議論しないのですね。
〇委員
もうはっきりそれは否定してありますよ。
〇委員
否定を。
〇委員
してあります。過去形。つまり、どういう理由かというと、要するに、消費税というのはまさに所得税と並んで基幹税ですよね。それを目的税にできないだろうと。それから、今言ったように、福祉との関係は当初はリンクしているかもしれないけれども、またどんどん、福祉のレベルに応じて余分に税収でも上がってくれば無駄な使い方をするではないか等々も含めて、これは過去の中期答申で、はっきり、福祉目的税化に対しては否定というか、反対しています。そこはご覧ください。
どうぞ。
〇委員
実は特定財源、特別会計の問題というのはこの道路財源だけの問題ではございませんで、諮問会議では実は31の全ての特別会計、特定財源について包括的に見直すべきだと。そういう点で、財政審が今回報告を出していただいたのですけれども、どのような形で政府の中でこれを改革に結びついていくかということを今検討しておりますので、今、会長がおっしゃった税調の立場というのはあり得るのだろうと思いますが、政府全体ではやはり、この問題は原理的には、委員がおっしゃったとおり、受益と負担というものをリンクすることによって歳出の合理化というものをきちんと担保しようという建前と実際がかなりずれが生じてきたと。しかも、特別会計、特定財源のところで資金が、剰余金等も含めてかなり出てきているような部分がある。
ここのところを精査しながら、それぞれの本来の機能の部分のところと立ち返って再検証しながら、将来に向けての一般財源の効率化も含めての全体の政府の効率化を進めていこうということでございますので、ぜひそこは、何も一般財源化のためにこの議論をしようという姑息なことではなくて、制度的な非効率性をどうするかということで議論を展開しているということでご理解をいただきたいと思います。
〇委員
ちょっと舌足らずなご説明でしたけれども、今、環境税もそうですが、一般財源でいいですよと。しかし、環境対策費に使ってくださいよというメッセージが来るわけですよね。今度、たばこの値上げ等で、健康に役立てるような歳出に使ってくださいなんて、こう来るわけですよ。今後、私、全面的に、今、福祉目的税というのはおかしいだろうという言い方をして、理論的にはそうだと思いますが、その辺のリンケージが、一般財源でやってくださいと言いつつ、そういうメッセージがどんどん送られてくるので、税調として、委員の問題提起もございますように、それは議論しなければいけないと思ってます。そういう意味で、別に全面的に封鎖しているわけではなくて、過去の答申の書きっぷりをご説明したわけですから、その点は今後大いに議論しましょう。
どうぞ。
〇委員
今の特定財源の件ですけれども、今委員がおっしゃったように、受益と負担の原則を重視して、もうかなり長い間にわたってこれをやってきているわけですね。それで議論もされてきていると。しかし、暫定措置として、暫定税率が適用されていて、余剰が生まれたということから、一般財源化のような話にまた入ってきていると思うのですけれども、やはりこれを一般財源化するのであれば、利用者側の納得性というものが要ると思うのですよね。その辺のところはやはり利用者への説明とか理解を得ていくということが必要であって、この4ページの2行で、一般財源として活用すべきであると。長い間にわたってやってきたことをこの2行でぼんと片づけるということにやや抵抗を感ずるということだと思うのですよ。
だから、一般財源化するに当たっては、やはり税の目的、位置づけ、税率の妥当性を改めて整理、見直しをするということが必要だし、利用者への説明、理解を求めるということも必要だと思います。
〇委員
ただ、その理由はあと残りの3行で書いたのですよ。いくべきであるという理由は、4ページのおしまいから5ページにかけて書いてありますので、一応書いたつもりではおります。
〇委員
ええ、読みましたけれども、不足していると思います。
〇委員
納税者の理解という点ね。
今の関連、どうぞ。
〇委員
今のお話、多分そういう形の、この2行に対して、本来の目的を踏まえ、それをきっちり書く。もう一つは納税者の理解。これがないと、後ろのほうに今度は逆につながっていかないと思います。その2つの前提条件がないと、後ろのほうは非常にボリュームも大きいし、これは明らかに暫定税率のところは守りますよということでしょうけれども、その前の本則のところでやはり、今意見もあったようですけれども、そういうことはきっちり書くべきではないのかなという感じがします。
〇委員
はい、わかりました。工夫してみます。
では、どうぞ。
〇委員
特定財源のことでなくてよろしいですか。
〇委員
どこでも結構ですよ。
〇委員
4ページの21行目ですが、「したがって、これら現行の措置を延長する必要はない」と言い切ってあります。IT投資促進税制とか企業の研究開発、設備投資は順調に増加したということでございますけれども、これは大企業は確かにそうだと思いますが、中小企業というのはまだ今その途上にあると思いますので、こういう形で言い切ってしまうのはいかがなものかと思いますのが1点。
〇委員
何か具体的にご提案ございますか。文章上。
〇委員
もう少し婉曲な言い方というか、中小企業に配慮していただいて、例えば「中小企業に配慮して」とかいう言葉を入れていただければありがたいと思いますが。廃止するのではなくてですね。
それからもう一点は、1ページの29行目に、所得・消費・資産等の課税ベースを通じて今後検討して議論していかなければならないというようなことが書いてございますが、これは文言の問題ではなくて、そう書いてあるにもかかわらず、今回のこの中には資産課税について全然一言も入っておりませんが、これはもう……
〇委員
相続税の話ですね、おっしゃるのは。
〇委員
そうですね。資産課税は全然入っておりません。
〇委員
来年やらないからですよ。
〇委員
そうなのですか。全然メッセージは送らなくていいのでしょうか。
〇委員
だって消費税も送ってないでしょう。
〇委員
ええ。消費税はわかりますけれども、じゃ資産課税は一切……。
〇委員
資産課税はちょっとまだ議論してませんのでね。いずれ中期答申や何かで書き込むつもりですけどね。資産課税、強化の方向だと思ってますけど、でも、そうではないのでしょう。いやいや、議論します。そのとき。
では、お二人、どうぞ。
〇委員
今のことに関連してですが、ちょっと見ておりまして、最後に納税環境の整備に、いわゆる納税環境ですから租税の手続とか行政のことが書いてあるのですが、今、委員言われた相続税の物納制度がここに入っているのですが、場合によって、全然、資産課税のことを書いてないという印象がまずいようでしたら、相続税と分けたらどうかなということです。
〇委員
はい、わかりました。
〇委員
1つは、歳出をどうするか、歳入をどうするかという議論が政治的な問題になっているわけ。裏に個人的な人物がいて、それぞれ思惑があってやっているわけだ。我々、その中に巻き込まれたくない。こんな話には。勝手に言ったらいいのだ、そんなことは。それぞれの政治家、思惑あって言っているのだから。ただ、少なくともこのペーパーが、再び、6月20日くらいのことと同じように、増税しか書いてないということは言われないように、期限の来たやつをやめますよというだけなのだ。ほとんど全部。増税の話はまた来年しっかりやればいいのでね。だから、そういう印象を与えないようなことになっているなと僕は思っているのですよ。曲解しなければ。かなりたたかれたことがあって随分控えめに書いているなと。しかし、本心は違うのではないかと新聞記者は思う。そのとおりかもしれないけどね。まあしかし、文章としてはそういう印象を与えたくない。この政治論争に加わりたくない、我々は。
第2は、租税特別措置の整理合理化で、今お隣の人が、「現行の措置を延長する必要はない」というのは反対だと言うのだけれども、私は「現行の措置を延長する必要はない」と断定して書くべきだと思うのだ。
ただ問題はそこから先。先ほど委員が言われたように、これは「いずれにせよ」というのを「しかしながら」というのは、なかなか文章の綾を考えた提言だと思って感心して聞いていたのだけれども、大分印象違ってくるからね。
ただ、現実の動きを見れば、IT減税のスケールのでかいやつがすっぽり完全になくなるわけで、しかし、あのIT減税、ねらった合理化の手順はまだ道半ばというか、7割ぐらいだという説を通産官僚は言うわけだ。当たっているかは知らないけどね。そういう税制の話は党税調に持っていけばいいといつも僕は言っているのだ。ここはもうこれで割り切るしかないから。
ただ、党税調に持っていくときに、何がしか足掛かりになることがあったらいいなというのがさっきの委員の提案で、それはそれで、「経済社会の活性化」の前に、「国際競争力の観点」というようなことを入れるわけでしょう。経済社会の活性化というのは、国際競争力強くないと活性化しないから、理屈では幾らでも反論できるけれども、まああってもおかしくないかなと。現実には何がしかのことをやるわけだから。自民党税調は。わかり切っているのだ、そんなことは。それなら、あまりキリキリ作文ばかりやることはない、という気がするのですわ。
もう一点、道路財源の話ね。これはどう考えても、やはり説明責任があるのでね。会長が言ったみたいに、我々、長々と議論やってきて、待ってましたというようなタイミングで今書いているわけね。しかし、現実に見れば、何も自動車メーカーが納税者でも何でもないから。一般の車持っている連中は税金払っているわけだから。この人たちから見れば、確かに反対のための反対ではない、特に暫定税率延長の問題というか、恒久化の問題はやはりこれできちんと書いて押し切っちゃっている。問答無用だと書いているように見えるのだ。理屈わかったかと。しかし、消費税になったら、もう話し合いしかないのだから。現実には。来年からは。これもかなり大衆課税なのですよ。明らかに。たくさんの人が車運転しているわけだから。
そうすると、この結論はこれで構わないけれども、こんな紋切り型に上から押し切るようなことを言うよりも、結局そこに行くのですよ。行くけれども、この話はプロセスが大切なのだ。だから、やはり理解と協力を得るというか、紋切り型でつまらないけれども、言葉があったほうが絶対にいいと思いますね。それは当たり前のことなのですよ。かくかくの理由があるから結論を押しつけてというのは、やはり税調の姿勢としてはあまり好ましくないと思いますね。
〇委員
長老のお言葉ですから、十分に心して。
どうぞ。
〇委員
先ほど、一番最初に委員がおっしゃったことと関連するのですけれども、租特のところでも、最近の設備投資の動きを踏まえてこういう判断をしているということを示してますけれども、ここの定率減税のところも、読む人にとって理解を得てもらうためには、これまでの答申、1年前の答申でなく、現状のところでも、所得、雇用環境が緩やかに改善してきていると。それで、消費も回復基調にあるというようなことを踏まえてこういう結論を出しているのだということを丁寧に書く必要があるのではないかと思います。
〇委員
わかりました。
では、どうぞ。
〇委員
先ほどの委員のご指摘の特定財源の話は、私も、結論はもうそういうことでいいだろうと思うのですが、やはり丁寧に説明をすると。何で今の税率をそのまま全部いただかなければならないのかというところは、やはり丁寧に説明する必要があるだろうなと思いますね。どうしてすぽっとそれが一般財源になるのかというのは、ちょっとやはり急にはいかないような気がします。
〇委員
何かいい知恵ありますか。
〇委員
だから、ちょっと一言、「十分な理解を得て」とか何か言うぐらいの言葉はあってもいいような気がしますね。
〇委員
地球温暖化と絡めて議論しているのですけどね。わかりました。ちょっと工夫してみましょう。
どうぞ。
〇委員
先ほど委員から発言がございましたけれども、中小企業の現況というものを考えると、設備投資が順調に増加しているのは大手の企業ということであって、中小企業はやっとこれからというところなわけですよね。ですから、中小企業、設備投資特別減税ですか、ああいうものはまだまだ検討の余地がある、延長の余地があると私は考えます。
それからもう一つ、登録免許税だとか不動産取得税の軽減、この下に、「これら現行の措置を延長する必要はない」と書いて決めつけておるのですけれども、やはりまだまだデフレというものは完全に解消したわけではないと。それから不動産価格もまだ下がっている状態なわけですよね。一部、六大都市、これは非常に、ファンドだとか何かで高騰しておるわけですけれども、地方はまだまだ下がっているじゃないということから考えると、これをこういうふうに言い切るのはどうなのかなと。やはり経済状況というものを見極めた上で廃止するかどうかということではないのかと思うので、ひとつその辺よろしくお願いしたいと思います。
〇委員
はい。少し修文できるか考えてみます。
では、どうぞ。
〇委員
2点ございます。
1点目は修文に関してですけれども、基本的に答申の文章は、メッセージ性と、それからあと、なるべく誤解がないようにということ、丁寧にということと、格調高くというふうになればいいなと思っているのですけれども、そういうふうに見てみますと、5ページ目の一番最後のところですけれども、最後2行、個人住民税の特別徴収に関して、この2行で非常にさっぱりと書いてこれで終わっているというところが、もう少しまとめ方として、個人住民税、まず特別徴収に関しては、これは何がいいのでしょう、ちょっといい言葉が出てこないのですけれども、何々の観点から、こういう特別徴収を速やかに実施する必要があるというような補足説明を入れていただいて、例えば9番の納税環境整備の頭に出てきているような、姿勢の目指すべき大きな方向性みたいな言葉を最後まとめのところに少し入れていただくという形にしていただいたらどうかと思います。
それからもう一点目が6番の4ページ目になります。租税特別措置で、先ほど他の委員からもご指摘があったところは、私も全く賛成ですけれども、この文章を読みますと、例えば研究開発税制とIT投資促進税制は、政策税制なのだけれども、結果として、お金をたくさん使ったから目的は達成したねというふうにちょっと読めなくはないと。最後のところに、こういったものは経済社会の活性化のために選択と集中といいますか、効果があるものをやっていくべきだということを書いているのですけれども、いかにも、たくさんお金を使ったから結果が出ましたねという言い方は、何となく内需促進型といいますか、実際、法人に関係するこういう政策減税というのは、経済社会の活性化、これは今は国際競争力ということとは切っても切り離せないと思いますので、むしろこれについては、効果を見て、効果のあるものに集中していくべきだというような、この文章でいい代案が出ないのですけれども、少なくとも政策減税についての姿勢としてはそういうことが必要なのではないかと思います。
〇委員
ありがとうございました。
どうぞ。
〇委員
まず特定財源のところ、4ページの一番最後の2行のところですが、「諸外国と比較して税負担水準が低い」、これはどういうとらえ方をするかによって大分違うのだということがありますが、使用中のこと、あるいは取得時のこととか、いろいろ比較の仕方によってはこういう表現が適当でないことは前回も申し上げただろうと思いますが、こういう表現ぶりで説明しなければいかんお相手の人が本当にこういうふうに納得しますかという点。
それから続きまして4ページの一番最後のところで、「地球温暖化対策が求められている中で税負担水準の引下げには問題が多い」と書いてあるのですが、それから数行後の5ページの8番目のところでは、「既存のエネルギー関係諸税との関係といった多岐にわたる」、こちらは検討課題です。片一方は検討であって、こっちはこっちでこうやるのだから、どっちか、内容わかりませんが、ちょっと整理されたらどうかなという感じがします。
それから9番の納税環境整備のところで、一番最初の3行、「まじめな納税者の視点に立って制度を改善していく必要がある」。もうちょっと具体的に、例えば所得捕捉の不公平とか、そんな言葉をやはり入れていただく必要があるのではないかなと。あるいは、ここで無理なら、先ほどお願い申し上げました、2ページの「個人所得課税に求められる機能」のところの例示書きだか説明書きだかにそういった文言を入れていただくなり、どちらかで、今申し上げましたような趣旨をご表現いただくわけにはいかないでしょうかということでございます。
〇委員
会長、すみません。特定財源についてしか関連して話をしてないものですから。
〇委員
広い視野からどうぞ。
〇委員
すみません。まず租特ですけれども、私、順調に全部が回復したかどうかという議論があるなら、「総じて」とか、そういう表現を入れられたらいいのではないかと思います。
それで、先ほどの委員に反論するわけではありませんが、中小企業の皆さんの投資というのは、計画的でなくて、需要がどっと来ると追加投資されていくのです。五月雨式に。ですから、うちの県なんかでも、平成17年度の投資計画、前年対比、がばっと減っているのです。しかし、平成16年度の投資実績は、前年に対してばーっと上がっているのです。ですから、17年度も、きっと中小企業の投資、上がるだろうと、こう見ているのです。ですけど、数字では出てこない。こんな状況もあるということを一言だけ申し添えておきます。
それからもう一つ、私、いつも、「いずれにせよ」の最後の「集中・重点化していかねばならない」という中で、また言うのかと言われるのかもしれませんが、根雪になっているやつがあるのですよ。根雪になっている租特があるのですよ。診療報酬です。ですから、そういう根雪になっているやつは当然見直すのだということをもう一つぜひ書いていただきたい。「また、根雪になっているものは見直すべきである」。ちょっと診療報酬だけ取り上げるのははしたない感じがするのですが、根雪になっているものというのはそんな別な表現は幾らでも書けると思いますので、ぜひそういう……
〇委員
要するに根っこから、既存の既得権益化しているものをですね。これは累年言っているのですけどね。わかりました。
〇委員
要は、「これまでの答申で指摘しているとおり、大胆な整理合理化を進めつつ」と言っている中で、そういうことが含まれているようには見えるのですけど。
それからもう一つ、これはご質問ですが、納税環境の整備で、19行目に、「公示制度は廃止すべきである」と書いてありますが、私、前回も意見を申し上げたのですけれども、法人の取扱いも同じと理解するのでしょうか。もしそうだとすると、私は異論がありますということを申し上げたいと思います。
〇委員
これは公示制度で一本化してますから、当然、3つですね。税として。地価税まで入れて4つかな。ここに含まれてますから、法人税は別だというお考えとはちょっと違ってくるかもしれません。ほかにいかがでしょうか。
どうぞ。
〇委員
全体がまだ見えないのですけれども、今日のこの答申素案ですか、見せていただいて、9番、「税制に対する国民の信頼を確保するためには、制度・執行両面において適正・公平な課税の実現に努める」云々とあるのですが、この言葉に消費者としては大変光を見つけたという感じではあるのですけれども、ただ、この文言では一般の消費者に理解できるかという部分で、今までいろんなところで具体的な記述を入れてくれというのがたくさんありましたので、私、本当にそこはお願いしたいのですけれども、新聞記事なんかを見てしか、消費者というのは判断できないのですよね。ですから、そういう意味で、どっちでもとれるような、そういう文章にならないようにぜひともお願いしたいと。それを申し上げたいと思います。
〇委員
まさにそのとおりなのです。そういう意味で随分苦労はしているのですが、なかなか、今度報道してくれるほうがどっちつかずに書くことがありますので。わかりました。それは十分重要なことだと。
あと5分ほどしか残っておりませんが、この際ぜひとも言っておきたいということがあれば、どうぞ。
〇委員
すみません。短いのですが、先ほど出ている租特の議論の落ちつきどころで、やはり研究開発に対して減税措置を導入したとき、あまり十分議論しないで、かなり政策的にワーッと決めちゃったところがあって、結果的に、これは1兆1,000億円の減収が過去3年間続いて、考えてみれば、税制が変わったから3倍の投資をするというのは、そもそも企業の決定としておかしい。それから研究開発というのはいろんなやり方があって、自社でやる場合もあるし、アライアンス組む場合もあって、政策的に、研究開発だから自社で全部やるというふうに企業は考えないし、技術の導入の仕方っていろいろあるという意味では中立的なものに戻していく必要があるという意味では、ちゃんと文章に、制度の基幹的部分は期限を区切らない制度にすると書いてあるのだから、それに戻すような議論を一回やらないと、そもそもダーッと導入してしまって、3年たったのでやめましょうというのはあまりにも、こんなこと、何度も繰り返すと、企業会計そのものも非常に崩れてきちゃうというか、それに、研究開発税制にあわせて投資をするなんていうことはそもそも企業行動としておかしいので、そこは集中・重点という言葉ではなくて、基幹的な税制をきちっと議論するという方向にされたほうが……。ちょっとブレが大き過ぎるというか、この税制がもたらした税収に対するインパクトが大き過ぎたとちょっと思います。それだけです。
〇委員
ただ、研究開発は例の増加試験研究費で上積みだけやっていたのを根っこから全部パーセントにして、それから一とき、3年間の時限立法で上乗せ分をつくっただけですから、上乗せ分を今廃止しようという意味において、中小のほうはまた別として、整合性はとれているのではないかと思いますが、おっしゃるとおり、ガタガタすると、確かに研究開発いろいろ支障が来るかもしれませんね。何か書きようがあるならちょっと考えてみましょう。
ほかにいかがでしょう。よろしゅうございますか。
今日は活発なご議論をいただきまして、これをどういうふうに文章に突っ込むかというのはなかなか、これから私に課された宿題としては、クリアカットのところもあるし、インプリケーションが複雑なところもあるし、日本語として表現しづらいところもありますけれども、努力してみます。
そこで、実は25日に総会をセットしておりまして、そこでこの答申を決めて、首相官邸に手交に行こうというような予定でおりますので、今日、随分修文等々のご要望がございました。極力活かすつもりであります。そういうことも踏まえまして、この修文につきましては、あとは一任していただけますか。これは金曜日の総会に出します。
ただ、そのとき、自分のが入ってないと言われても困るのですけどね。それは、皆さんの顔を思い浮かべつつ、といって強く言った人を特に優遇するわけではないけれども、それなりの筋論で一応整理していきたいと思います。これは起草会合もそうだったのですけれども、かなり腹を立てている人もいるかもしれない。自分が言ったのに載ってないというのもあるかもしれませんけれども、そういうわけで、一任していただきまして、25日、2時から総会を開きますので、そこで最終的にご確認をいただいて、来年度税制改正の答申という形にさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。(「はい」の声あり。)
それではすみません。どうもご協力いただきまして、ありがとうございました。
〔閉会〕
(注)
本議事録は毎回の審議後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、財務省主税局及び総務省自治税務局の文責において作成した資料です。
内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。