第5回総会 議事録
平成12年11月21日開催
〇石会長
それでは、時間になりました。第5回目の総会を開催させていただきます。
今日は冒頭からカメラ撮りが入りますのは、年度改正が今日から始まります。と同時に今日は大蔵、自治両大臣にご出席いただいてご挨拶いただく予定になっておりますのはそういう意味だと思いますが、ただ、宮澤大蔵大臣、西田自治大臣ただいま国会審議のためにご出席いただけなくなっておりますので、その代わりに七条政務次官と中谷自治総括政務次官お二人から代わりにご挨拶いただくことになっています。
それでは、最初に七条政務次官よろしくお願いします。
〇七条大蔵政務次官
皆様、ご苦労様でございます。
税制調査会第5回総会が開催されるに当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
石会長をはじめ税制調査会の委員の皆様におかれましては、先般の組織再編成に係る税制についての基本的な考え方をお示しいただくなど、9月14日の発足以来、既に精力的な御審議を進めていただいているところであり、心より感謝を申し上げます。
さて、本日から平成13年度税制改正に向けての御審議を行っていただくこととなりますが、現下の経済情勢、財政状況等につきまして、一言申し上げたいと存じます。
わが国経済は、各種の政策効果もあって、緩やかな改善が続いており、企業部門を中心に自立的回復に向けた動きが続いております。しかしながら、依然として雇用情勢は厳しく、個人消費も概ね横ばいの状態が続いています。
このような状況の下、政府といたしましては、公需から民需への円滑なバトンタッチに万全を尽くし、景気の自律的回復に向けた動きを本格的回復軌道に確実につなげるとともに、我が国経済の21世紀における新たな発展基盤の確立を目指すとの観点から、先般、経済対策を取りまとめ、これを具体化するための平成12年度補正予算を国会に提出し、御審議をいただいているところであります。この補正予算の財源については、税収の増加等を見込むとともに、国債の追加発行を極力抑制する観点から、平成11年度剰余金を全額活用することとしております。
平成13年度予算編成については、予算の内容の大胆な見直しを行い、国債発行額をできる限り抑制するなど、21世紀のスタートにふさわしい予算としてまいりたいと考えております。
また、我が国財政は、これまで景気回復のため財政出動を続けてきた結果、一段と厳しさを増しております。
財政構造改革については、明るい兆しの見えてきた我が国の景気回復を一層確かなものとした上で、21世紀我が国経済社会のあるべき姿を展望し、幅広い観点から取り組んでいかねばならないと考えております。
委員の皆様におかれましては、御多忙な中とは存じますが、現下の経済情勢や厳しい財政状況等を踏まえ、21世紀初頭の望ましい税制の姿を見据えつつ、適切な指針をお示し下さるようお願いいたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。
〇石会長
ありがとうございました。それでは、引き続きまして、中谷総括政務次官のほうからよろしくお願いします。
〇中谷自治総括政務次官
自治省総括政務次官の中谷元でございます。
委員の皆様方におかれましては、日頃から地方税制につきまして熱心なご論議を賜り、心から御礼申し上げます。
さて、現下の地方財政は、多額の財源不足が続き、平成12年度末で借入金残高が184兆円に達するものと見込まれるなど引き続き厳しい状況にあります。
その一方で、今般の経済対策への対応、少子・高齢社会に向けた総合的な地域福祉施策や生活関連社会資本の整備等の重要政策課題に関して、地方公共団体が担うべき役割とその財政需要はますます増大するものと見込まれるところであります。
こうした中で、地方分権の歩みを進め、地方公共団体がより自主的・自立的な行財政運営を行えるようにするためには、地方税財源の充実確保が極めて重要であります。
また、法人事業税への外形標準課税の導入につきましては、本日、自治省案を公表いたしました。税負担の公平性の確保や地方分権を支える基幹税の安定化等の観点から、是非ともその早期実現を図りたいと考えております。
委員の皆様方におかれましては、限られた日程の中で、ご審議をお願いすることとなりますが、地方自治の基盤となる地方税の重要性に深いご理解をいただき、適切な指針をお示し下さいますようお願い申し上げまして、挨拶とさせていただきます。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
〇石会長
どうもありがとうございました。お二人大変お忙しいところお越しいただきありがとうございました。
それでは、引き続きまして本日の議題に入りたいと思います。2つございまして、1つ目は、来年度答申の立ち上げに際しまして、いわば基礎的な経済情勢であるとか、財政情勢であるとか、あるいは税収の見通し等々のご説明をいただくのが1つ。
もう1つが、13年度税制改正におきまして何が議論になるかという主要なトピックスをおまとめいただく。これは事務局からお出しいただきまして自由な討論をしたい。この2つでございます。
最初にですね、最近の経済情勢及び今後の見通しにつきまして経済企画庁調整局の薦田審議官よりご説明いただくことになっております。よろしくお願いします。
〇薦田審議官
経済企画庁の調整局審議官薦田でございます。
お手許の封筒の中、最近の経済情勢についてという資料がございます。それを座ってご説明させていただきます。
それではページに沿いましてポイントだけを御説明申し上げます。
1ページ、GDP統計、4‐6月期、いささか旧聞には属するのですが、1番新しい数字ということで掲げております。表の1番上が実質GDP成長率でございまして、11年度は申し上げるまでもなく9年度、10年度と2年続いたマイナス成長からはっきりとしたプラス成長へということが達成できたということでございます。
それを横に見ていただきますと、昨年の7‐9月期からの4半期のデータがあがっております。1‐3月期が2.5%ということでかなり大きな成長でありましたが、その欄の1番下から3番目を見ていただきますと、外需に0.9%という寄与度があります。要するにかなり外需に依存した部分があったということでございます。
4‐6月期は2.5%、8.0%ということで数字は下がっておりますけれども、プラスの成長が得られたということでございます。尚7-9月期につきましては来月上旬に数字が出てまいります。その際、国民経済計算体系が国連の新しい基準に変わる。それから基準年度が変わるということで若干数字の連続性が変わることになると思いますけれども、それを受けて私どもとしては13年度の経済見通しの作業を行うということでございます。それから2ページ目から主要項目についてこれもポイントを拾ってご説明申し上し上げます。[1]が個人消費でございます。「収入に回復への動きがみられるものの」という文言になっております。これは下の表でご覧いただきたいと思います。下から2段目、現金給与総額、括弧内が季節調整済みの前月比でございます。8月9月と3.2と1.4と2カ月連続プラス。その下に実質賃金も前月3.3,1.6のプラスということで収入の下げ止まりから回復への動きが見られるということを評価しておりますが、個人消費につきましては上の表、いろいろな項目があがっておりますが、おおむね横ばい状況が続いている。例えば、全国百貨店販売額が上から4段目でございます。9月マイナス0.1ということでだいぶマイナスが縮まったかと見えるんですが、実は野球の優勝に伴うようなセールが影響しておりまして、実勢はマイナス0.1よりもっと弱いのかなということでございます。
それから、乗用車につきましては基調的には前年を上回っております。下から3番目の乗用車のところ、9月にマイナス数字が入っておりますが、例の愛知県の雨の関係でございます。それから家電、パソコンを中心にいいということでございます。旅行につきましては単価が上がらないということから、数字としては冴えた数字になっていないということでございます。
次のページが住宅建設。これは文章のところにありますが、マンションなどの着工は減少しているが持ち家が増加したということで全体ではおおむね横ばいとなっているということでございます。
それから次のページ、[3]設備投資。これは電気機械など特定の業種を中心に増加していると書いてございます。私どもの最近の調査法人企業動向調査が上の表に出ております。10年度、11年度と前年度マイナスでございました。12年度が3.0%のプラスということでありますし、7‐9月の実績見込みは、ここにありますように製造業におきましても前期比6.1、前年同期比13.9ということで電気機械等で引っ張られております。
非製造業も前年比6.9、前期比11.5ということでリースあるいはサービス、特にソフトウェアや人材派遣等が好調だということでございます。
下の表で上の1番上、機械受注。これは設備投資の先行指標でございます。右の方に月ごとの数字が出ておりまして、前期比がマイナスが立ったりはしております。月ごとはこうなっておりますが、4半期で見ますと左側7-9月前期比8.2%ということで4‐6月期に続いてプラスでございます。10-12月、これは見通しでございますけれども、それも7-9月に比べて7.6ということで先行指標もいいということで設備投資は増加しているという判断をしております。
それから次のページ[4]公共投資。これは数字がみんなマイナスになっておりますが、前年に比べても低調な動きが続いているということでございます。
それから6ページ目輸出でございます。グラフ、線がいっぱい入っておりますが、しっかりした細い黒線。これがアメリカ向けの輸出の数量でございます。アメリカ経済の減速に伴って、9月ごろちょっと横ばいということでございます。
アジア向けはまだ堅調でありますけれども、今度薄い実線がEUと書いてありますが、ユーロ安のためにヨーロッパ向けも横ばいということで輸出の伸びが鈍化ということで、あまり成長を引っ張れないというような状況になっております。
次のページが鉱工業生産でございます。これも月ごとに見ますと前期比プラスになったりマイナスにということではありますが、4-6月期の前期比としてみますと1.7、7‐9月期が1.6ということでございまして、堅調に増加をしているということでございまして、これは下のグラフ太い実線、これが生産指数でございます。堅調に増加しているのがおわかりいただけると思います。
次のページ[7]でございますが、雇用情勢、完全失業率は9月も4.7ということで高水準で推移するということで、依然として厳しいわけでございます。ただその中で、下に所定外労働時間、残業時間が製造業で前年比2ケタ増加しております。あるいは有効求人倍率は0.62ということでグラフにありますが、新規求人が前年比20%ぐらい増えている。これはちょっと数字は入っておりませんが、そういったもの、あるいは求人広告の掲載件数が前年比で大きく増加しているというような改善の動きが続いておるということでございます。
次の[8]が企業でございまして、企業収益は大幅な改善が続いております。それから業況判断は業種、規模によってもちろん厳しいところがありますけれども、全体としては改善が進んでおるというふうにとらえております。
[9]次のページ、倒産でございます。これは月ごとの企業倒産の件数10月としての高い水準。件数がやや高い水準。債権額につきましては、月ごとに10月は生保2社が倒産ということで非常に一挙に数字が上がっております。倒産件数は要注意ということでございます。
それから物価でございますけれども、次のページ[10]国内卸売物価につきましてはおおむね横ばいで推移というふうに判断をしております。消費者物価につきましてはここに生鮮食品を除く総合の9月、前年比がマイナス0.5ということで非常に低い数字。東京都区部速報などを見ますと10月はマイナス1.0前年比ということでございます。消費者物価についてはやや弱含みという評価をいたしております。
それから次のページ1[1]が株式市場等でございます。10月は月末にかけて下落しておりまして、日経平均は今日も14,300円台ということで今年の最安値になっているというふうに承知しております。
以上を総括的に判断すると、次のページ。(3)の総括判断でございます。景気は全体としてどう判断しているかということでございますが、家計部門の改善が遅れるなど厳しい状況をなお脱していない。ただ、企業部門には先ほど申し上げましたように収益、それから設備投資等ご説明をいたしましたよう、自律的回復に向けた動きが継続している。ですから、景気全体としては緩やかな改善が続いておるというふうに判断をしております。
政策態度等のところにあります[1]は、今、政務次官のご挨拶にもありましたように、経済を自律的な回復軌道に乗せるために、引き続き景気回復に軸足を置きながら新しい経済構造、21世紀にふさわしい経済構造に改革するというために、日本新生のための新発展政策を10月半ばに決定をし、強力な推進を図ることといたしております。
今年度、2000年度の経済の見通しにつきまして、経済企画庁が改定試算を行いまして、これは12ページに参考とあがっておりますが、平成12年度の政府経済見通し、今年の1月に閣議決定したものでは、1番上の段、GDP成長率年度で1.0というふうにやっておりました。
10月の企画庁の試算でやや年度の数字は上方修正ということで1.5ということでございます。これにつきましても、今最初に申し上げましたように13年度の見通し作業を今月から来月頭ごろ本格化するという作業をやります。その時に平成12年度については実績見込みという新しい数字が入ってくるということでございます。
そのページの下に国際機関がどう見ているかということを参考のために付けております。1番上の欄がOECD。これが2000年5月の数字で印刷になっております。ちょっと印刷に間に合わなかったので今朝発表になったもの2000年11月。これでは日本の暦年でございます2000年1.7という春の見通しから上方に修正されておりまして、これが1.9%の成長とOECDは言っております。
それから2001年2.2という5月の見通しが若干上方修正されまして2.3ということでございます。ちなみに2002年つきましては2.0という数字が今朝発表なったということでございます。
なお、民間機関がどう見ているかというのを次のページにつけておきました。いっぱい書いてありますが、それぞれの表の上から2段目が実質GDP成長率ということでございまして、12年度については33機関の最大値3.0、最小値1.5、平均値2.2ということでございます。13年度につきましてこの見方も別れておりまして、最大で3.1、最小で0.9。平均すると2.2。
政府見通しについて繰り返しになりますが、これから作業するということでございます。
以上でございます。
〇石会長
ありがとうございました。それでは薦田さんのご説明に対しまして、ご質問なり、ご意見なりありましたらしばらく時間をとりたいと思います。どうぞ。
〇河野特別委員
簡単な質問ですけどもね、3ページの住宅建設のところありますね。なぜこれをお尋ねするかと言うと、年度答申で住宅関連の減税の話が出てくるもんですからね、企画庁当局の見解を聞いておきたいのですが、マンションは減少しているけれども持ち家は増加している。全体ではおおむね横ばいと書いてあります。そういうことなんでしょう。これはあなたが専門家かどうかわからないのでわからないと言われればそれで結構なんだけれども、減税の効果というのはどういうふうに及んでいるのかいうことについて、全部出尽くしたのか、これからも出てくるのか。基本的に住宅の需要というのは、刺激を与えたってもう人口が増えるわけでもないしね、そろそろ目一杯なのか、飽和状態なのかということについて、もしご見解があれば教えてもらいたい。
〇薦田審議官
よろしいでしょうか。住宅について特に詳しくありませんのでちゃんとしたお答えになるかどうか疑問がございますけれども、ここに11年度着工戸数122万6千となっています。これは10年度に比べ118万戸から増えておるということでございます。まさにマンションと持ち家の関係は文書で書いてございます。これは月ごとの変動のために書いているということでございまして、私どもの理解としてはそういう政策の効果が表れてきた数字と理解をしております。
〇石会長
ありがとうございました。ほかに。ご意見ございますでしょうか。
どうぞ水野さん。
〇水野(勝)委員
今のご質問にも若干関係するわけでありますが、いろいろ係数を拝見し、教えていただけることは大体フローの数字でございますが、一方、ストックで見ますと現在個人金融資産は1,300兆円といわれておるわけでございますが、これは10年末ですと、1,290兆円。これが去年の暮れで1,300兆になって、今は、この6月の数字で1,390兆円ぐらいと聞いておるわけでございまして年率3%から5%伸びている。
これだけ消費者の方がお金を持っているとすれば、いい品質の商品・サービスがあれば消費するけれども、そうでなければ基礎的な商品はおおむね充足されているとすると消費を一時的に伸ばそうというのはなかなか難しいのではないか。
減税をやり公共投資をやる。結局はどうも個人金融資産の積み上がりだけにいっちゃてる面があるのではないか、そんな気がするわけでございます。
したがいまして、今後ともさらに景気対策をという声はそれほど強くならないと思いますけれども、結局そういう景気対策をやるとすれば国債依存にならざるを得ない。そういう中では、先ほど政務次官のご挨拶にありましたけれども、公需から民需へ早く切り替えていかなければならないということでございますが、そういう意味において、どれぐらい公共投資あるいは減税、これが単に金融資産に積み上がるだけでなくて、本当に押し上げる効果は昔からと同じぐらい効果があると見ていいのか。どうもこれだけ消費が質的に充足してきているとそこらは財政政策をやっても効果が薄くなっているんではという気がするのですが、そこらについてどんなお感じか、何か情勢の変化があるか。昔のように、同じように乗数効果、景気引上げ効果というのがあるのかどうか。もしございましたらお教えいただければと思います。
〇石会長
よろしくお願いします。
〇薦田審議官
消費につきまして確かに数字の上で、所得が横ばいから戻ってきている中で、消費が横ばいということでございます。私どもとしましては、所得の緩やかな増加というものが消費に反映するものであろうと思っております。先ほどちょっと乗用車のお話しを表でも申し上げましたけれども、やはり、節約疲れという言葉がいいのかどうかありますが、更新というものとニューモデルが合致すればそれなりの数字が出てくるということでございます。確かに、その消費財のあるいはサービスが本当に求めているものが供給されればより伸びていくものではないかと考えております。
乗数効果のお話しがございました。本当にもっときめ細かく、1年ごとに乗数の更新ができるとよろしいのですが、私どものモデルによる数字というのはやはり安定した期間をベースに出すものでございますので、この数年でどうなっているのかちょっと把握しきれていないことをご了解いただきたいと思います。
〇石会長
ありがとうございました。ほかによろしゅうございますか。それじゃあ予定した時間もまいりました。どうも薦田さんありがとうございました。
それでは一般的なマクロ経済情勢の分析のご説明の後に、財政の方に話を移したいと思います。ご存じのように、今、第二次補正予算が国会で審議されておりますので、その概要を踏まえて国と地方の財政状況、あるいは税収の動向等を大蔵省、自治省双方からお伺いしたいと思います。
最初に主計局の総務課長村瀬さんと、主税局の総務課長小手川さんから各々財政状況と税収の状況をご説明いただけますか。よろしく。
〇村瀬総務課長
主計局の総務課長村瀬でございます。よろしくお願いいたします。
お手許にわが国財政の現状という資料があろうかと思いますが、それに即しましてご説明させていただきます。
1ページ目をお開きいただきますと、これは先般国会に提出させていただきました平成12年度補正予算の骨格でございます。まず全体の姿でございますが、1番下の欄を見ていただきますと、歳入、歳出計で4兆7,832億ということでございます。この補正予算は先ほど経企庁のご説明にちょっとございましたが、10月19日に経済対策が決定されました。それを実施するための補正予算でございます。
ただ中身としましては、2つに分かれておりまして、歳出4兆7,832億と申しましたが、左側の上の方に経済対策関係というものとその他と。例年この時期でございますので義務的経費の追加等々の措置も入っておりまして、経済対策関係では3兆8,521億ということで小計になっております。この歳出の経済対策関係でございますが1番の社会資本整備から5番の住宅金融・雇用等対策費まででございますが、この中でも社会資本整備につきましては特に括弧の1,2,3,4,5,6,7とございますが、特に1,2,3,4までの部分、これは内閣が掲げております日本新生プランの重要4分野という位置付けでございまして、IT特別対策費、環境特別対策費、あるいは高齢化、都市基盤整備ということで、これは社会資本整備2兆5,000億の約7割に当たります1兆7,000億円を重点的にこの分野に配分いたしておるというものでございます。
その他にも、その社会資本整備の分野では、教育・青少年・科学技術、あるいは生活基盤充実、防災等も重点的に配分をしておるという内容でございます。
それから2番目にはIT関連特別対策費というのがございますが、これは地方公共団体が実施をいたしますITの基礎技能講習への支援など、ITの普及のために特に措置をしていくというものでございます。
そのほか災害対策、あるいは中小企業等金融対策とございますが、これは一昨年の異例の信用収縮に対応した特別保証制度というものを一昨年作りましたが、それが今年度末に期限を迎えるということでございまして、予定通り期限切れを迎えるわけでございますが、それを控えまして、一般の保証制度における無担保保証限度額の引上げ等々、あるいは取引先の倒産等に対応するセイフティーネット融資の充実等の対策を講ずるというものでございます。
そのほか住宅金融・雇用等対策費で1,209億円ということで経済対策では3兆8,521億円ということになっておるわけでございます。
その他の歳出項目につきましては6番目の地方交付税交付金がございます。これは11年度の交付税の精算分と、それから12年度、今年度でございますが、国税の増額補正を見込んでおります。それに伴います交付税の増でございます。合わせまして9,000億円弱。あと義務的経費の追加ということがございまして、これは国民健康保険であるとか、生活保護とか、医療費あるいは生活保護そういったものについての追加が8,200億円ぐらい出てしまうというものでございます。
そのほか都市基盤整備公団補給金、その他でございまして、ただ10番目にございますように既定経費の節減ということで、低金利に伴う国債費の不要がございます。あるいはボーナスがカットされましたことに伴う、人事院勧告の実施に伴う人件費の不要などが含まれるわけでございます。
そのほか予備費の減額ということで予備費を減額して補正の財源に使うということをやっております。これで歳出総額4兆7,800億円強でございますが、歳入の方を見ていただきますと税収でございます。これは後ほど主税局の方からご説明があると思いますが1兆2,360億円の増額を見込んでおります。その他、税外収入ということでございまして、公債金はちょっと飛んでいただきまして、前年度剰余金受け入れというのがございます。これは特に(1)の財政法6条の剰余金というものがございますが、これは財政法の規定によりますと半分以上は国債の償還財源に充てなきゃならんということになっておるのでございますが、昨今の金融情勢、あるいは国債をめぐる環境を踏まえまして、今回の対策、補正予算ではできるだけ国債発行額の増発を抑制するという考え方に立っておりまして、極めて異例の措置ではございますけれども、6条の剰余金を全額一般財源に使わせていただくという法案も出しております。こういう措置によりまして、残差としまして公債金収入ということでございますが、建設公債で約2兆円弱というものでございます。そこにございますように括弧に書いてございますが、公債発行額は12年度補正後で34兆5,980億円。公債依存度は当初予算より若干悪化いたしておりますが38.5%ということでございます。
引き続きまして2ページでございますけれども、この公債依存度の推移などを最近の財政事情について、この資料でご説明させていただきたいと思います。
まずは公債発行額あるいは公債依存度を見ていただきますと、平成3年あたりは非常に小さかったわけでございますけれども、バブル崩壊後の累次の景気対策の影響もございまして、大変増加をいたしております。10年度以降公債発行額が30兆円大きく超える状態になってしまっているというものでございます。
次のページをご覧いただきますと、これが歳入の2大要素でございます税収と公債発行額との関係をグラフにしたものでございます。税収につきましてはご案内のとおり、10年度の所得税の特別減税、あるいは11年度の恒久的な減税、あるいは法人税率の引下げなどの影響もございまして、平成3年度の約60兆円からここ数年間は50兆円弱まで落ち込んでいる状況でございます。この結果、公債発行額は平成10年度以降特に増加をいたしておりまして、景気回復に全力を尽くす中で公債発行に依存した財政運営が続いているということでございます。
また、この表の下の部分に各年度のプライマリー・バランス、各年度の国債費を除いた歳出と公債金収入以外の健全な財源、歳入を差し引きした数値でございますが、これを見ていただきますと、平成3年、4年あたりはプライマリー・バランスが黒字でございまして、国債費を除いた歳出が借金である公債金以外の収入で賄われている状態であったわけでございますけれども、ここ数年見ていただきますと大幅な赤字が続いているということで、いわば負担を将来世代にツケ回ししている状態にあると言わざるを得えないわけでございます。
こういう厳しい財政事情の下、今般編成いたしました平成12年度補正予算におきましては、その背景として、景気の自律的回復に向けた動きを確実なものにするということ、あるいは新たな発展基盤の構築を行うために経済対策で3.9兆円の歳出追加をやったわけでございますけれども、同時に歳入、歳出の精査見直し、あるいは決算剰余金の活用、やむを得ざる措置ではありますけれども、そういったことをやりまして極力国債の発行を抑制したわけでありますが、その結果、やむを得ず約2兆円の国債発行を追加しているということでございます。
それで、次のページでございますが、13年度予算をめぐる財政事情(試算)ということになっておりますが、来年度の財政事情につきましては現段階で正確に見通すことが難しいのが率直な実情でございます。お手許の資料はとりあえず、今年の2月に国会に提出をいたしました財政の中期展望というものがございます。これにおいて2つのケースを想定しておりましたが、より現実に近い方のケースということで、名目成長率が1.75%の係数を念頭に置きながら13年度予算の歳入、歳出の姿を試算したものであります。
上から歳入面でありますが税収につきましては、今申しました財政の中期展望の1.75%ケースを前提としております。これで50兆1,000億円ということで対前年比1.5兆円の増となっております。それから税外収入につきましても同様に中期展望の1.75%ケースに基づいて計上しておりまして、12年度の予算額を基礎としながら一定の修正を施しましたうえで成長率と同率伸びるという前提で仮定をして推計をいたしております。
それから公債金でございますが、この表の試算上の歳入、歳出の残差ということで額を計上いたしておりますが、括弧書きで書いてございます部分がございます。これは後ほどちょっとご説明をさせていただきますけれども、12年度予算から金融システム安定化対策のための4.5兆円を除いて計算した場合の額でございます。13年度と比較をする際に、12年度の特殊な追加要因でございましたので、こういった4.5兆円を除いて考えた場合についてもご参照いただくためにも書いているというものでございます。
したがってこの表にございますように、公債金につきましては、総額を単純に差し引きすれば13年度は3兆円の減となりますが、この4.5兆円を除いたベースを考えますと1.5兆円の増ということになるわけでございます。
下の歳出の欄でございますが、まず国債費でございますが、これもやはり財政の中期展望の1.75%ケースをもとに試算しておりますが、今申しましたように、12年度の国債費は金融システム安定化対策といたしまして新たに預金保険機構に交付する国債、交付国債の償還財源として4.5兆円を計上いたしました。その4.5兆円を含んだ数字になっておりますが、13年度の方ではこうした経費を計上しておりませんので前年度では減少した姿となっております。
ただ、この4.5兆円を除いて考えていただきますと、13年度は、ほぼ前年度と同様の水準となろうかということでございます。
それから地方交付税等につきましても、これも中期展望のケースをもとに試算をいたしております。
最後に一般歳出ございますけれども、とりあえず概算要求の48.4兆円のケースをおいております。ただ、例年は概算要求時には、予算編成過程において検討をするんだということで、そういう取扱いとなる項目がございます。この表の中で12年度の予算額は予算編成過程を経て、そうした経費を含んだ額。13年度要求額にはまだ含んでいない額でございますのでその点ご留意いただきたいと思います。
例えば、12年度の場合には、11年度に引き続きまして公共事業等予備費というものを5,000億円計上いたしました。それから自賠責特会の繰入れ0.2兆と書いてございますが、これはいわば隠れ借金のような形で、一般会計が苦しいということで、過去お借りをした金額がございます。それを戻すということで一定部分2,000億円でございましたが、昨年はそれを返済しました。概算要求の段階では、そういったものは予算編成過程で検討するという取扱いになっておりますので含まれておりません。
今後、個別の施策につきまして査定、調整作業を本格的に進める中で、可能な限りの削減を行ってまいりたいと思っておりますが、いずれにしましても、ご案内のとおり年々予算折衝は11月末から12月にかけて本格化してまいりますので、現時点では一般歳出の総額が最終的にどういった姿になるのかということについては確たることを申し上げることは難しい状況でございますので、その点お許しいただきたいと思っております。
いずれにしましても、この財政事情について不透明な要素が多い中で、この試算は財政の中期展望をベースに機械的に行ったものでございます。
他方、我が国の財政事情つきましては、今般の12年度補正予算に伴いまして公債依存度が38.5%となりまして12年度末の国・地方の長期債務残高も約642兆円と見込んでおりますが、大変厳しくて深刻な状況に置かれております。したがいまして、私どもといたしましては13年度予算に向けまして、今後可能な限りの歳出削減努力を行ってまいる所存でございますが、どうかこうした状況をご理解いただきましたうえ、年末にかけまして種々ご指導、ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
〇石会長
ありがとうございました。今のご説明にご質問あろうかと思いますが、一括すべてご説明いただいてから審議いたしたいと思います。それじゃあ小手川さん、税収の動向の方お願いします。
〇小手川総務課長
お手許の「税収動向について」という横紙に従いまして説明させていただきます。
1枚めくっていただきまして、平成12年度税収についてというペーパーでございますが、基本的には今般の補正の内容でございます。前回の会合で対応について説明したんですが、今般10億円単位でということで、合計額といたしましては1番下の欄でございますが一般会計の計というところで1兆2,360億円という数字でございます。大宗が法人税の部分で8,690億円の増。これは主として企業収益の改善につきまして、大法人の聞き取り調査等をベースに今回増補正したものでございます。あとは源泉所得税につきまして、プラス5,210億円。これは、雇用情勢につきまして給与、雇用の人員につきまして若干の改善があったということをベースに数字を変更したものでございます。一方、申告所得税つきましてはここにございますように、1,540億円の減ということで、これは11年度の決算におきまして、そもそも1,700億円の減があったこと等を反映いたしまして今般減少させたものでございます。
それで右下の備考欄にございますように、このうち国分が8,075億円、地方分4,285億円という数字でございまして、全体が1兆2,360億円という数字につきましてはこの増額の規模といたしましては平成2年度の補正が1兆円1,270億円でございましたので約10年ぶりの大幅な増補正でございます。ちなみに、この平成2年で1兆1,000億のプラスがあった後は、平成3年度から後はずっとマイナスの補正でございまして、唯一例外が平成8年度の補正が4,000億円弱のプラスの補正でございました。
1枚めくっていただきまして、一般会計税収、歳出総額等の推移でございますけれども、上の方の数字が一般会計の歳出総額、下の方の折れ線グラフが税収の推移でございます。
税収の方を見ていただきますと、真ん中ぐらいで平成2年のところで60.1兆円というのがこの税収が最大であった年でございますが、この年は税収が60.1兆円に対しまして、一般会計の歳出が69.3兆円ということで、このすき間が1番近づいた時期でございますが、その後景気の動向等、減税等の制度の変更に伴いまして、この間のすき間がずっと開いてきているという姿でございます。
1枚めくっていただきます。その内容を少し詳しく説明させていただきたいと思いますが、次の表は1番上から線が6本ございますが、まずそのポイントは上から3つ目の線が所得税、法人税、消費税の合計でございます。そこで所得税のところを下から3つ目の欄を見ていただきますと、平成9年から消費税が引き上げられることの見返りといたしまして先行的な減税ということで、平成6年に減税が入りまして、ここで所得税が一旦落ちております。平成7年、8年と減税が継続いたしまして、平成10年の付近でいわゆる金融危機の関係がありまして、景気対策という関係から、平成10年度中に2回の特別減税、うち1回につきましては前年平成9年度の税収にも若干影響があったんですが、この2回の減税、それから平成11年度のいわゆる恒久的な減税というところで、所得税の減税の効果から減収になってきている姿でございます。12年度は所得税の数字が15.4から19.0と上がっているんですが、これにつきましては後ほど申し上げますが、郵便貯金の大量満期の影響で12年度の税収が約3兆円超、特殊要因として増加している事情がございます。
一方、法人税につきましても、同様に平成10年、11年と法人税の税率の引下げの影響が入っておりまして、下がってきているという姿でございます。平成9年から消費税の税率のアップがあったんですが、この3税の合計額では上から3番目の線ですけれども、このところ基調としては下がっているということでございます。
それから、1番上のラインと2番目のラインとの間が、いわゆる揮発油税等の特定財源の部分でございます。これはだいたいあまり変化してきていないという姿。
それから次のところで2番目と3番目のラインですが、その他ということで、この中に入っておりますように相続税、酒税、たばこ税、関税等々ですが、このところは安定的に推移しておりまして、ここの部分はあまり経済状況に左右されない安定的な財源という形になってきているところでございます。
もう1枚めくっていただきまして、次のページ4ページでございますが、いわゆる郵貯の大量満期の影響が入っております。これは左上にございますように平成2年度と3年度に非常に高金利でございまして、当時最高で6.33%まで上がったわけでございますが、これを背景にいたしまして非常に大量の郵貯の預入れがあり、それが10年間の間に高い金利でどんどん残高が増えてきたということが、10年後の12年度、13年度にこれが満期に来るということで繰り延べられておりました複利の利子にかかる源泉所得税が一括して入ってくるということで、平成12年度と13年度につきまして、これはウインド・フォールとなっている状況でございます。
12年度につきまして、ここにございますように3.4兆円という数字になっておりまして、これが13年度の方は2.8兆円という数字でございます。
したがいまして、12年から13年にかけましては当然減というのが6,000億円あるという姿になっております。13年度の税収の見通しにつきましては、先ほどのように13年度の経済見通し等の数字が現時点ではっきりしませんので、まだこれから作業する段階でありますが、ここには一応13年度の上にございますように49.9という12年度の補正後の数字からいわば当然減という郵貯の部分の0.6を引き、それに+αということで、経済成長等に伴う税収の増の部分をαと置き、プラス・マイナスのβにつきましては、今日からこの税調でもご審議をいただきます制度改正関係の部分の増減収というものを念頭に置いてここに載せているところでございます。
私からは以上でございます。
〇石会長
ありがとうございました。地方財政の方へ移りましょう。自治省の瀧野審議官の方から最初に財政状況お願いします。
〇瀧野審議官
自治省の財政局の瀧野と申します。それでは地方財政関係資料をお手許にお配りしていると思いますので、この資料に基づきましてご説明を申し上げます。
1ページをお開きいただきたいと思います。地方財政の現状1枚を紙にまとめたものでございます。地方財政、非常に大幅な財源不足が続いておりまして、平成12年度におきましても通常収支の関係で9.9兆円。恒久的な減税の関係で3.5兆円の巨額な財源不足があるわけでございます。その結果、IIのところにございますとおり、地方団体におきましても借入金残高が多くなり、3番目にございますとおり、個別の団体でも財政の硬直化が進んでいるわけでございます。1番下にございますとおり、財政事情は介護保険が今年度から始まるといろいろございまして、財政需要の増と、財源不足で厳しい状況にあるということでございます。
2ページをお開きいただきたいと思います。財源不足の状況を暦年で棒グラフにしたのが上のグラフでございまして、平成4年度以降バブルの崩壊に伴いまして財源不足が拡大基調にあるわけでございます。12年のところの折れ線グラフの上に四角で15.0%と書いてございます。これは地方財政計画総額に対します財源不足の割合ということでございまして、過去に例を見ない割合になっているということを見ていただけると思います。
3ページは地方財政の借入金残高の状況でございます。地方財政におきましても借入金残高は非常に多くなってございまして、特に平成4年度以降先ほどの財源不足と期を一にいたしまして平成4年度以降拡大傾向にございまして、平成12年度末では184兆円程度に達する見通しでございます。
4ページをお開きいただきたいと思いますが、こういう財源不足に対しまして、こういった状況が数年続く場合には、現在、地方交付税法の規定によりまして二重線でアンダーラインが書いてございますが、地方行財政制度なり交付税率の変更行うべしとされておるわけでございます。こういった規定を受けまして、現在は国・地方非常に厳しい財政状況でもございまして4ページの1番下にございますが、基本的には交付税特別会計借入金で対応し、その消化につきまして国・地方折半して対応しているという状況にございます。
5ページでございますが、こうした中で来年度の地方財政をどのように見通すかという課題がございますが、先ほど大蔵省のご説明がございました通り、現段階では不確定の要因が非常に多いわけでございます。
そういった中で、ここではとりあえず地方税につきましては、今後、ここの場でもいろいろ議論していただきますので同額の35.1兆円と置いてございます。地方譲与税なり地方特例交付金につきましては概算要求ベースでございます。交付税につきましては平成12年度の補正後の交付税率をそれぞれ掛けました額にプラス0.5兆円というのを掲げさせていただいております。これは先ほどの補正予算で交付税の増が計上されて、見込まれるわけでございますが、その交付税の増につきまして、一部分を13年度に繰り越して、13年の交付税の増として扱っていこうということで、現在、国会の方に法案を出している内容をここに掲げさせていただいております。そういった増要素が交付税につきましては1つ見込まれるということでございます。
地方債につきましては地方債計画の概案、概算要求の段階での額を掲げさせていただいております。
歳出につきましては、これも不確定なわけでございまして、一般歳出につきましては前年同額というふうに置かせていただいております。公債費につきましては明年度7,000億程度の増が見込まれているところでございます。
というような状況でございまして、非常に不確定ではございますが明年度に向けましてもこの中央財政におけます大幅な財源不足が大きく縮小するというような見通しはなかなか持てないという現状にあるということでございます。
6ページでございますが、こうした財源不足をとらえる場合、われわれ地方財政計画を立てて全体の収支を見るわけでございますが、平成12年度におきましてはできるだけ行革に配慮した計画策定を行おうということで、総額の抑制等に取り組んだところでございまして、そこにございますとおり、一般歳出につきましては地方財政計画上マイナス0.9というふうに見込んでございまして、また給与関係費等につきましてもそこにありますとおり経費の節減に努力して計画を立てているところでございます。
7ページでございますが大きな財源不足がある場合にどうやってそれを補てんして地方財政の運営に支障なきようにしてきたかということにつきまして、図で示したものでございます。先ほども、交付税法6条の3第2項のところで申し上げましたけれども、基本的には交付税特別会計の借入金とそれから地方債の増発と、こういう借入金の増で対応をしているということでございます。上の方が通常収支に対します対応でございますし、下の方は恒久的な減税に対します対応でございます。
このように交付税特別会計を使いまして対応しているわけでございますが、8ページをごらんいただきたいと思いますが、交付税特別会計におきます借入金が累次の財源不足に対応するために非常に巨額になってまいりまして、平成12年度末では38兆円程度の見込みでございます。
この借入金の対応でございますがに11年度までは資金運用部からの借り入れで対応してまいりましたが、12年の新規借入金に対しましては入札により民間金融機関から借りるといういうふうに対応を変えてございます。
非常にこういう厳しい条件でございますが9ページにございますとおり、地方分権推進一括法が去年成立いたしたわけでございますが、そこに検討項目というものが規定されてございまして、2行目にございますとおり、今後地方税財源の充実確保の方途について必要な措置を講ずるものとするということでございます。われわれといたしましてもこういう状況の中で地方税財源の充実確保にぜひ取り組んでまいりたいと考えております。
10ページは今般の経済対策につきましての資料でございます。1番右側に12年度の11月分という欄がございます。その1番下の方ごらんいただきますと今回の経済対策に伴います地方団体への影響額が入れてございまして、今回の補正に伴いまして、1.4兆円程度の地方負担が生ずる見通しでございます。これへの対応でございますが11ページをご覧いただきたいと思います。公共事業の追加に対します地方負担につきましては、基本的には地方債を8割、20%は交付税の増額によって対応いたしまして、公共事業の追加に対します地方財政におけます事業実施が円滑に行えますような措置をとっていきたいということで現在、国会の方に改正法を出させていただいております。
12ページ以降は地方公共団体の行革の状況でございますので、後ほどお目を通しいただきたいと思います。
以上でございます。
〇石会長
ありがとうございました。じゃあ小室さん税収の方お願いします。
〇小室企画課長
地方税収の動向について総会資料5-5、横紙になってございますがお願いしたいと思います。主要税収の動向について1枚おめくりいただきまして1ページのところでございます。12年度9月末の地方税収の動向ということで、左手に主な税目がございまして左の欄、地財計画額、これが都道府県、市町村合わせた3,000団体のいわば予算に当たるものというご理解で下のところに35兆0,568億円でございます。これが12年度の地財計画額ですが、右手の欄のところ、地財計画額の後に11年度の決算が出てくるわけでございますが、その決算対比で右下でございますが、1.4%の増を地財計画で見込んでいることになります。
これに対しましてB欄、左から2つ目ですが、9月末の調定額累計で30兆8,000億円ほどございます。これが右から2つ目の欄でございますけれども、昨年9月末の調定額の累計と比べますと、下にございますようにマイナス0.2%ということで、このマイナス0.2と1.4との間では1.6ポイントの開きがあるわけでございます。内訳ちょっと見ますと調定が済んでおります個人住民税あるいは固定資産税あたりは計画の伸びまでいってないわけでありますが、逆に法人住民税、法人事業税といったところは好調でございまして、国税ほどではございません。この辺は13年の4月、5月の収入というのが地方というのは13年度収入になるものですから、そこは年度所属が若干違っておりますが、いずれにしましても地財よりも伸びていると。さらにその他の欄でちょっと開きがございますが、これも郵貯のはね返りというのが後半出てくるということで回復してくる。そういったような状況からみますと、現在のところで1.6ポイントの開きがございますが、まだ法人等の好調なのが残っておりますので、この地財計画額を確保できるかどうか非常に微妙なところで、なんとか確保できればというふうに私どもは思っております。
次のページに、これまでの税収の推移というものを2ページの上の方は棒グラフで推移でございます。下の表が地財計画と決算がどのような推移かということで1番下のところ、11年度見ていただきますと、11年度の場合には35兆2,957億円見込んだのに対して、決算が34兆5,589億円。これは、昨年のちょうど今時点の段階で、やはり7,000億円から8,000億円の減収が見込まれるとご説明申し上げたんですが、結果として右下にありますように7368億円の減、あるいはその上戻っていただければ10年度では約3兆円、9年度では1兆4,000億円といったといった減収がございますので、何とか12年度は計画計上の35兆0,568億円を確保したいという趣旨でございます。
3ページが地財計画の内訳、4ページが個々の主な税収の推移ですが省略させていただきます。
以上です。
〇石会長
ありがとうございました。それじゃ大蔵省、自治省双方からご説明に対しまして質疑を行いたいと思います。正面にお座りの村瀬さんと瀧野さんはこの議論の後でご退出になりますので、後ほど聞きたいと言ってもいなくなりますから、ぜひお聞きになりたい方は今ご質問下さい。どうぞ。
〇猪瀬委員
先ほどの平成12年度補正予算の骨格というところでちょっとお尋ねしたいんですけれども、わが国財政の現状です。これで2点ありまして1番下の予備費1,500億円というのがありますけれども、前にですね、ちょうど選挙のころに公共事業予備費5,000億円計上されたことがありまして、予備費とは何なのかなと気になって調べたことがありまして、憲法87条で予見しがたい予算の不足に充てると規定されているのがわかりましたけれども、この1,500億円というのは予備費の中でどういう位置付けになっているのか、その点がひとつ聞きたいんですけれども。
それからもうひとつは、自賠責特会のところから譲与分をということがありましたけれども、それは自賠責特会が一般会計に流用されたということでこれも気になってましたんですけれども、ずっと前はもっとたくさん2兆円ぐらいあった気がするんですが、今はどれぐらいになっていて、それはそもそもユーザーに返すべきものだと思うんですけども、そのあたりちょっと聞きたいんですけれども。
〇石会長
どうぞ、2点。
〇村瀬総務課長
第1点目の予備費でございますけれども、当初予算でここずっと3,500億円を計上いたしております。これは予算の規模に対してだいたいの率ということで3,500億円計上しておりまして、補正予算を組む前の段階までは500億ぐらい予備費を使用しておりました。残り3,000億というでございますが、そういう財政事情があればできるだけ補正の方で対応するということでございますので、過去の残された期間の使用実績等を勘案しながら補正予算で1,500億円を取り崩して財源に使わせていただいたということでございます。
〇猪瀬委員
3,500億円のうち残っているのはどれぐらいなんですか。
〇村瀬総務課長
使いましたのは500億円使いまして、3,000億円残っておりまして、そのうち半分を補正予算の財源として使ったということでございます。
それから自賠責の方は、委員がおっしゃいましたよう、これも先ほどをご説明の時申しましたが、自賠責の方で余裕があって一般会計の方がかなり苦しかったということもありまして、過去財源をお借りしたことがございます。現在6,800億円ぐらい残っております。今年の予算で2,000億円をお返ししたわけでございますけれども、現在それでもなお6,800億ぐらい残っているということでございます
〇猪瀬委員
6,800億円というのは、自賠責特会というのは基本的に黒字というのは大体誤差の範囲ぐらいあればいいのではないかと思うんですけれども、その点どのようにお考えですか
クッションになるためにある程度確保していくということでしょうか。
〇村瀬総務課長
これはですね、私ども一般会計を預かる身としては返さなければいけないお金でございます。これは一般会計の財政事情が許せば、できるだけ早期にお返ししたいと思っておりますが、先ほど申しましたような財源事情の中で、まだお借りしている分が残ってるということでございます。
〇石会長
よろしゅうございますか。
〇猪瀬委員
あまりよくないけど、まぁいいです。
〇石会長
それでは他の点で。ほかに地方、国合わせて財政事情、税収事情よろしゅうございますか。
それじゃあ時間もおしてもまいりましたので、村瀬さんと瀧野さん、本日はお忙しいところありがとうございました。ご提示いただきましたことにつきましては今後の審議に大いに役立てたいと思います。
それでは第二の論点に移らせていただきたいと思います。
これから次回、次々回を含めまして来年度答申に向けまして本格的な審議を始めますが、過去3回勉強会なるものをやりまして、大体の問題の所在あたりはある程度探れたかと思いますが、13年度税制改正におきまして何が主要な検討項目かということを今から大蔵省、自治省両局長からご説明いただきまして、今後の段取りを決めたいと思っております。最初に尾原さんの方から国関係の方をよろしくお願いします。
〇尾原主税局長
お手許に1枚紙で「平成13年度税制改正における主要検討項目」というのがございますので、これに即してお話しをさせていただきたいと思います。私の方からは国税関係についてお話しをさせていただきます。
まず経済情勢と書いてございますが、一昨年、昨年と大きく状況が変化してきているのかなと思います。つまり景気は緩やかな改善をたどっておりまして、特に設備投資など企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが続いている。ただ先ほどもお話しございましたが、依然として雇用情勢は厳しい状況にございます。個人消費もおおむね横ばいでということでございます。こういう中で、公需から民需へのバトンタッチに万全を尽くしていく。景気の自律的回復に向けた動きを本格的な回復軌道につなげていくということが求められているのだと思います。
なお、景気との関連で忘れてならない点は、平成11年から所得税、法人税、景気に最大限配慮いたしました恒久的減税が継続されておりまして、これが景気の下支えになっているということかと思います。
また、財政状況についても、今大変厳しい状況にあるという説明がございました。大変深刻な状況にございます。今回の補正予算でございますが、ただできるだけ国債の追加発行を抑制しなければならないということで剰余金の活用、あるいは税収で補正増をする。やむを得ない部分を国債発行に委ねるということになっております。なお、来年度の予算につきましては、総理の所信表明演説で「景気を本格的な回復軌道に乗せるという考え方を維持しつつ、公債発行額をできる限り圧縮し、新世紀のスタートにふさわしい予算となるよう全力を尽くす」となっているわけでございます。
その他の点でございますが、ご承知のように先般中期答申をいただいたところでございます。基本的な認識といたしましては、将来抜本的な税制改正が必要であるいうことで答申をいただいているわけでございます。13年度税制改正のご審議に当たりましては、この答申を踏まえていただきまして、今後のあるべき税制の姿を見据えた筋の通った議論をしていただきたいと思っているわけでございます。
また、お手許に「日本新生のための新発展政策」というものが1枚紙でございます。総3‐1でございましょうか。これは補正予算の基になっている経済対策の部分ですが、税についても記述がございます。組織再編成あるいは株式譲渡益課税について書いてございます。これらは年度改正の中で結論を得るということになっておりますので、これについても具体化を図っていく必要があると考えております。
次に各論のほうの話をさせていただきますと、まず、法人関係税制でございます。ご承知のように、第1番目に企業の組織再編成に関連する課題といたしまして、会社分割に係る税制、それから連結納税制度の問題がございます。会社分割等に係る税制につきましては10月3日の本総会で基本的な考え方についてご了承をいただきました。われわれ事務方といたしまして、今、13年度改正でその実現を図るということで実務的な作業を進めているわけでございます。連結納税制度でございます。会社分割に係る税制の次の課題になっておりますが、去る14日の法人課税小委員会において年明け以降にまた審議を再開するということになったわけでございます。21世紀の我が国の法人税制としてふさわしい制度にしていく必要がございます。引き続き法人課税小委員会において検討していただくことになると考えております。
それから、法人関係税制の中で、NPO法人に係る税制上の措置の問題がございます。NPO法人制度、これは公の関与からなるべく自由を確保するという趣旨で作られております。したがいまして、そのNPO法人の実態は組織、運営、内容、さまざま区々でございます。
他方、税制上の措置といったことになってまいりますと、何らかの全国的な見地で公益性を判断する基準が必要となってまいりますし、また、公益性を担保する仕組みをどうしていくのかという問題が出てくるだろうと思っております。そのような観点からのご議論が必要ではないかと思っております。
それから、金融・証券関連税制でございます。先ほどの新発展政策のところの記述を眺めていただきたいわけでございますが、この株式等譲渡益課税につきましては、「これまでの経緯を踏まえ、株式市場の役割や株式市場への影響、一般投資家の参加、公平な課税等の見地から、検討し、年度改正の中で早急に結論を得る。」というふうになっております。これまでの課税適正化の流れを踏まえまして、税調としてのお考えを示しいただければと考えております。
次の項目の住宅・土地税制でございますが、ご承知のように、今の住宅ローン減税でございますが、小渕総理の「一両年中に景気を回復させる」という指示で、11年度税制改正におきまして、期間を区切りまして非常に思い切った、税制からみると普通には考えられない臨時、異例の優遇措置となっております。この措置は来年の6月の末までの措置となっております。その後どう考えるか、景気に自律的回復に向けた動きも見られます。また、改めまして住宅取得者に対して、破格に優遇しているわけでございまして、税の公平性の観点からどう考えるのか、所得税制の中でどう考えていったらいいのかという点について、改めてこの段階で議論が必要かと思っております。
土地税制、これも譲渡益課税の特例措置の適用期限が本年末に到来いたしますのでご議論が出てくるのかなと思います。
それから、相続税と贈与税でございますが、相続税、これは中期答申におきまして個人所得課税の抜本的見直しとの関連において、最高税率の引き下げを含む税率構造の見直しや課税ベースなど幅広く検討する必要があるとされております。13年度改正に関連して様々な意見が出されているわけでございまして、答申において示された報告を踏まえましてご議論をいただければと考えております。
また、贈与税につきましても、すでにこの総会でもご議論いただいていますが、様々な意見が出されております。例えば年間60万円の基礎控除などについて意見が出されていると承知しております。この贈与税の話は相続税のあり方と密接に関連する問題でありまして、併せてご議論をいただければと思っております。
次に酒税でございますが、酒税は先般、ウイスキー・焼酎を巡るWTO勧告を受けまして平成9年度の改正で蒸留酒についての問題の改正を行ってきました。今年の10月でこの一連の改正がすべて終了するということになってまいります。この酒税の課税のあり方でございますが、これも先般の中期答申におきましては、酒税のような消費課税というものは、税制の中立性や公平性の観点から同種・同等のものには同様の負担を求めることが要請されるという指摘をいただいております。現在そうした問題意識を持って消費の動向なども勘案しまして、発泡酒を含む醸造酒に対する課税のあり方について勉強しているところでございます。この点についても、ご議論をいただければと思っております
それから税理士法でございます。税理士法の改正問題でございます。これは税理士の資質向上あるいは国民のニーズの多様化に対応するため、次の通常国会に税理士事務所の法人化の問題、資格取得制度の見直しというような内容の法案を提出してほしいという要望が出ておりまして、現在、国税庁において他の士業との調整も図りながら検討が行われております。いずれかの段階でまたご披露させていただきたいと思っております。
それから租税特別措置等の整理・合理化でございます。これは各年の税制改正において常に取り組んでいかなければならない課題でございまして、今年度もご指針をいただければと思っております
以上が事務局といたしまして平成13年度の税制改正に関する答申に向けた議論においてご検討いただきたい項目でございます。このほか検討すべき点があればご指摘いただければと考えております。以上でございます。
〇石会長
ありがとうございました。 それでは地方税関係を石井税務局長の方からお願いします。
〇石井税務局長
地方税関係についてご説明申し上げます。基本的な考え方について、経済情勢については尾原局長からお話しがあった通りでございます。
また地方の財政状況につきましては、先ほど、瀧野財政審議官からご説明がありました。国も大変ですけれども、地方も非常に厳しい財政事情が続いているわけでございましてこういった点を踏まえて、地方税の充実・確保を図っていかなければならないと考えております。
先の政府税調中期答申では、地方税源の充実・確保につきまして、自主財源である地方税の充実を基本とする。また、国庫補助負担金等の国からの財源への依存度をできるだけ縮減して、自主的な財政運営を行えるようにすることが目指すべき方向であると。
あるいは、今後景気が本格的な回復軌道に乗った段階で、国・地方の税源配分のあり方の見直しなどを検討すべきだというご議論をいただいたわけですが、こういった大きな流れを念頭に置いて本年の税制改正のご論議をお願いしたいと思っております。
なお、中期答申をいただいた後、地方分権推進委員会からも外形標準課税あるいは地方税税源の充実確保についてのご意見をいただいておりますし、地方制度調査会からも関係する地方税財源に関する答申が出ております。こういったもののご意見もにらみながらご審議を賜りたいと思っておる次第でございます。
法人関係税制につきましては、かねて法人事業税の外形標準課税の導入の問題がございます。中期答申の際に、かつてないほど、大変時間をかけていただいて活発なご議論、ご審議をいただきました上で、景気の状況等を踏まえつつ早期に導入を図ることが必要だ、という答申をいただいたわけでございますけれども、その後、私どもといたしましてその際の様々のご議論を踏まえながら、また、その後全国知事会、経済会等のいろいろなご意見も参考にさせていただきながら、本日、自治省としての具体案を公表したところでございます。今日の配布資料の中に入れてございますので、後ほどご覧いただいて、後日またご審議等も賜れればと思っております。
中期答申のときにもご議論いただいたわけですけれども、税負担の公平性の確保、地方分権を支える基幹税目の安定化、といったような観点から、私どもといたしますと、できるだけ早期に実現を図りたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
それから、金融・証券関連税制に関しましては、先ほど尾原局長のほうからもお話がございましたが、11年度税制改正において、13年度から申告分離課税への一本化が決定されまして、これもかねて懸案でございましたが、6%の個人住民税を課税できるようになったということで、地方自治体の期待も大変大きかったわけでございます。
ただ、最近にわかに源泉分離課税の存続の要望が出ておりまして、株式譲渡益課税のあり方についても再検討すべきだという動きになってございますけれども、私どもといたしますと、既に政府税調でも今年もいただきましたように、課税の公正の観点から、是非申告分離課税の一本化を実現いたしたい。何とか、地方税の適正な課税ができるようにいたしたいと考えているわけでございまして、この点につきましてもよろしくお願いいたしたいと考えております。
それから、先ほど租税特別措置等のお話が出ましたけれども、地方税につきましても非課税等特別措置等、租税特別措置の整理合理化について、これは毎年度その推進に向けて取り組んでおるわけでございますが、本年度も真剣に取り組んでまいりたいと思っておりますので、この点につきましてもよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
〇石会長
石井さん、この法人事業税の改革の資料をいただきましたが、これはいずれご説明いただくと。今日はお持ち帰りいただいて勉強してこいということですね。
〇石井税務局長
いずれまた、政府税調でも法人関係税について議論いただく機会があるのではないかと思いますけれども、今日の午前10時に大臣の会見で発表させていただいたばかりでございますので、一応資料として配布させていただきますので、ご覧いただきまして後ほど機会がありましたらご議論いただきたいと思っております。
〇石会長
それでは両局長から国税、地方税に関する主要な論点を整理していただきました。
これは次回、次々回と2回に分けて各項目別に議論を賜りたいと思いますが、今日は残った時間もわずかでございますので、自由にご議論いただきたいと思います。
その前に若干アナウンスがございまして、積み重ねた資料の上に参考資料という形で税制改革要望資料の綴りがございまして、各省庁から出ているものだと聞いております。時々ぱらぱらめくっていただくことも必要かと思います。
それから、各種の団体からも同じような税制改革要望が出ております。委員個々の皆さんにも個別に行っているかと思いますが、まとめたものが綴りとなって入口のところで閲覧できるようになっておりますので、ご関心があるときには、帰りあるいは早めに来て見るとかですね、そのようなことをしていただけたらと、このように考えております。
それでは残った時間を、今いただきました主要な論点につきまして、今日はどこからでも予備的な議論で結構でございますので、お出しいただいて、次回、次々回に対して先鞭をつけたいと思っております。
どなたでも結構でございます。
〇牧野特別委員
今、ご説明のありました法人事業税の外形標準化ですが、これは次回、次々回にご説明いただけるようですので、よく読んでから意見を申し上げたいと思います。それで質問だけですが、税制そのものは当然のことながら、公平・簡素といったそれなりの税制の理論によって税があるのでしょうけれども、それと他方、当然のことながら誰がどれだけ負担になるのかというのが非常に重要な問題だろうと思うんです。
他方、地方の税源、財政が逼迫していると。それでなんとかしなきゃいかんと。私もそう思いますけれども、そういう声が一方であるわけです。そういう状況の中でこの外形標準化というのはどのくらいの税収になるのかと。端的に言って、将来法人の負担が相当増えるということを念頭に置いておられるのかどうか。なかなかお答えにくいかもしれませんが、その辺の感触をお聞かせいただきたいと思います。
〇河野特別委員
たまたま兵庫県の知事がお見えなんでね、今、牧野さんの質問があったけれども、これは税収の金額の話なんだけれども、今までの知事の態度を見てると、知事会全体ですよ、あなた自身じゃなくて、なんか自治省にお任せでね、うまくやってくれよという話で、本当は県知事が自分のところの中小企業なりと密接な誠意のある話をしなければ物事が進まないと思うんですね。
これを見ると13年度答申に書けと書いてあるわけだ。石井さんの文章によれば。13年度でしょ、つまり今月、来月しかないわけだ。これは知事会の代表として座っていらっしゃるので、知事はどういうふうに全国知事会を動かしてこの目的達成のためにおやりになるつもりなのか、それをお尋ねしたい。
〇石会長
最初に石井さんのほうから、次に貝原さん。
〇石井税務局長
最初の牧野委員からのご質問ですけれども、今日は詳しい中身の説明は避けますけれども、資料にも入ってございますが、この改革をやりますと中小法人も含めて、今、外形標準課税を半分だけ導入すると、あとの半分は従来どおりの所得課税と考えておるんですけれども、今度の外形課税化というのは政府税調の中期答申のときに議論になりましたけれども、増税を目的としているのではなくて、税をいただく地方自治体の側から言いますと、税収の安定化ということですし、税を納める皆さんに対しては税負担の公平と。もちろんおおもとは、法人事業税は都道府県の基幹税でありまして、応益課税が原則でございますので、そういった観点からお願いをしているわけでございます。
この改革で期待しております税収は、2分の1の外形課税導入をいたしますのは、前提で中小法人も含めまして、また、前提として平成12年度の地方財政計画を基に推計いたしますと、約4兆円の税収になるのではないかと。平成10年まではご承知のとおり税率12%だったんですが、一旦11%になり、また恒久的減税で9.6%になっておりますので、私どもは増税目的ではないということもありますので、過去の税収も9.6%に換算しました。本当は、12%、11%にしたときはいろいろな引当金の圧縮等行ったので、単純に9.6に戻しますといささか納める皆さんに対して配慮しすぎかなという議論もあるかもしれませんが、そのように換算しておりまして、そういう計算しますと、過去10年間の法人事業税の平均税収は約4.4兆でございます。
ですから、むしろ4千億減ったような感じになりますけれども、これはいずれ所得課税の分が、経済環境が過去10年間の平均ぐらいに回復しますと、合わせて4.4兆になると考えております。
なお、直近のたとえば平成11年度の税収見通し等から言いますと3兆6500億ぐらいですから、それと単純に比較しますとちょっと乱暴なんですが、3500億円ぐらいの増収だという見方もあろうかと思っております。
それから、知事会のことにつきましては後ほど貝原委員からお話があると思いますけれども、私どもとしては、全国知事会もかねてご熱心にご要望されておりますし、また、経済界からは反対という声だけが目立っているような印象がございますが、私をはじめ自治省の担当者、あるいは知事会その他でいろいろ地元にお話された結果を私どもが承知しておりますのは、経済界の中でもそれなりに、実は外形課税に賛成だという声も決して少なくない。
幸いに、今度具体案をお示しできましたので、個々の企業がこの具体案に沿って計算されれば自分のところがどの程度の税額になるのか、おのずからわかりますので、私は今後は従来以上に冷静な議論をしていただけるのではないかと期待しているわけでございます。
〇石会長
では、貝原さんお願いします。
〇貝原委員
私は知事会を代表して来ているわけではないので、私が答弁するのが適当かどうか疑問は持っておりますが、私見としてご理解いただければと思います。
この法人事業税の外形標準課税というのは、今、石井税務局長からお話もありましたように、課税標準を所得から事業活動量を示す何らかの数値に変えるということでありますから、トータルとしては税収ニュートラルと申しましょうか、基本的には増税をしようとか、減税をしようとかいう話ではないんです。
そうなると、これがどういう影響が出てくるかといいますと、1つは業種間に税負担の変動が出てくると同時に、都道府県間に税収の変動が出てくるわけですね。乱暴に言いますと、所得を課税標準にしておきました場合、東京とか大阪とか大企業が集中しているところは税収が増えるんですね。そうでないところは逆に、税収が少ない。これを所得でなくて事業活動価値にしますと、地方のほうもそれなりの法人の事業活動がありますから税収も増えて、その分税収ニュートラルということになると、大都市圏の税収が若干減収になってくるということがありますから、47都道府県がすべて一致して外形標準課税を導入という議論には今までなかなかなりにくかったということがあるんですね。各都道府県別に計算しますと当然増のところも出てきますし、減のところも出てきて、論理的にはトータルとしてゼロということになるわけです。やはり、知事会でもそういうことがありますので、数年かけて議論してまいりまして、現行の租税負担の実態からしますと、大きな法人活動をやっておられても、長い間所得はゼロだということのために税負担がほとんど均等割みたいなものしかない状態が長く続いていくということは、租税の負担の公平という観点からしますと放置できないのではないのか。今まではそういう現象があまりなかったんですけれども、昨今の経済情勢の中でそういう状態が出てきている。
もともと地方税というのは地方の行政サービスに対する応益、受益負担だという考え方ですので、こういう実態ではおかしいのではないかということで、各都道府県知事が認識を一にしまして中期答申が前回出されるときまでに、私どもは知事会の意見をまとめなければならないということで、私も及ばずながら努力いたしまして全会一致でそういう見解をまとめ、税調の場にも知事会としても意見を提出させていただいたということであります。
このことにつきまして、課税団体である都道府県、特に知事がそれぞれの府県の経済界に対しても納得していただくような努力をすべきではないか、努力が不足しているのではないかということにつきましては、場合によってはそういうところがあるのかもしれません。私どもといたしましても今後そういうことについては説明責任もございますので、十分活動させていただきたいと思っておりますし、私自身もそういうスタンスで努力をさせていただいているところです。
〇石会長
ありがとうございました。それでは他の論点もどうぞ。
〇中里特別委員
外形標準について全部目を通させていただきましたけれども、二重課税がないような配慮とか、前のときよりも理論的に説明しやすいようになっているんですけれども、6ページにございますことは何かのお間違いではないかと思うんですが。
〇石会長
6ページはどこのことかな。
〇中里特別委員
最後の紙ですが・・・資産流動化のための特定目的会社及び特定信託、それから集団的投資スキームの場合の投資法人について、これは法人税法の方で支払い配当等について損金算入して、わざわざ実質的法人税負担がないようにしたはずなんですけれども、事業税の外形標準の中で1番最初のところに、「利益の配当の額又は利益の分配の額を損金算入しなかった場合における単年度損益」というのはなにかの間違いではないでしょうか。
〇石井税務局長
今調べておりますので、後ほどご説明させていただきます。
〇石会長
じゃあ、ちょっと調べていただいて、後ほどお答えいただきましょう。
〇森下委員
これに関連してご意見申し上げたいと思います。これは中期答申のときにも私は申し上げたわけですけれども、まだ詳しく見ておりませんが、ある程度50%、50%というのが少しまた緩和されて、ある程度年度別にということで、導入面からしますとテクニカルにはいろいろ工夫をされたという1つの見方があるんですけれども。
1点は基本的に地方税、地方財政を考える場合に、中長期的には市町村の統廃合というものと、1000ぐらいがいいというような議論が出てますけれども、そういう問題と今の地方交付税のあり方を抜本的に見直していくというふうな、地方の外形標準課税のテクニカルな面だけではなしに、中長期的に地方財政のあり方というものを、市町村のあり方と交付税のあり方というものを論議していかないと永久にこの問題は外形標準のテクニカルな論議ばかりになってしまうんではないかと。今一度、中長期の問題を平行して論議していくことをしないといけないんではないかというのが1点。
もう1点はですね、これからの経済活動というものは人というものウェートが非常に高くなってくると思うんです。特に先端の事業をやっていく場合には、どうしても技術開発の点からいきますと、ワーカーというよりもそういうふうな人が非常に増えてくると。そういう点からしますと、人件費というものを対象にしていくというよりも、従来からある1つの利益、または付加価値に対して税をかけていくということは国際的にも少し逆行しているような気がいたしますので、1つは抜本的な国家的な視点における地方財政と、地方行政のあり方という見方と、そして人件費に対する税という問題は少し将来的には禍根を残すような気がするという2つの意見を申し上げておきます。
〇石会長
以上2点、ご意見という形で承っておきます。それでは、自治省から中里先生に対する回答をしていただきます。
〇岡崎府県税課長
すみません。私どものご説明が十分できておりませんので、6ページのその他のところで特定目的会社。申し訳ございません。具体的内容という綴りの6ページでございます。
ここで、全体の考えといたしまして、いま、所得方式の課税において非課税になっている、たとえば公共法人等は、外形でも非課税という扱いをいたしておりますし、この場合、所得課税においてこういう特別の計算の特例がある場合には基本的には外形課税でもそうした特別の配慮を引き継ぐやり方をしておりまして、ここの算式がわかりづらいんですが、1度損金算入しなかった場合における損益と収益配分額でもともとの事業規模額を出しました上で、このかける分数というのがありまして、この分数で損金算入しなかった場合における所得基準に係る所得分の所得基準に係る所得としております。したがいまして、具体的に申し上げますと、こうした特定目的会社等は所得の90%以上は配当いたしますと損金に入りますので、たとえば95%配当した場合に所得は5に縮まるということでございまして、右側の分数で全体をいわゆる100分の5に縮めるというやり方をしております。1度ちゃんとしたものを求めた上で所得を特別の措置に応じた圧縮をするという特例をここ書いたわけでございます。
以上でございます。
〇中里特別委員
要するに右側の分子で引いてあるではないかということでございますね。
〇岡崎府県税課長
さようでございます。
〇中里特別委員
わかりました。
〇奥本特別委員
質問なんですが、株式譲渡益課税についてでございます。今回源泉分離課税を存続させていただきたいというお願いといいますか、基本的には日本の現状といいますか、直接金融をもっと重視する必要がある。それには株式市場といいますか、証券市場そのものを活性化させる必要がある。そのためには個人の離散を招くような税制の改正は困るというのがお願いしている趣旨なんですが。
先般来、申告分離課税一本にすればその分地方税が増額になるということなんですが、源泉分離課税でも20%の税金は払っているわけです。たまたま、預貯金は15%が国税、5%が地方税になっている現実と。この(株式譲渡益)源泉分離課税については20%そのもの全部が国税ということになっているということなんですが、地方税と国税の分け方という意味ではこの源泉分離課税に係っている20%の何がしかを地方税が取れば済むことではないんだろうか。
したがって、基本的な問題である申告分離だから地方税の収入の期待値がなくなるからそれは申告分離一本にしろというお話は、いささかいかがなものだろうかという気がするんですが。
〇石会長
自治省に対するご質問ですね。石井さんお答えいただけますか。
〇石井税務局長
これの本格論議の場かどうかわかりませんが、私どもの考えとしましては有価証券取引税を廃止した時に申告分離課税一本化ということで、国税が20%、地方税が6%というふうになって、法律もそうなっておるわけでございます。
この26%というのはやはり土地の譲渡益課税が一般的には26%というのとバランスが取れていると思いますし、それから政府税調の場でもさんざん議論になっておると思いますが、預金利子が20%で、株式譲渡益がなぜ26%かというのはそれなりに理由があると私どもは考えておりますので、申告分離課税でありますと26%、源泉分離課税になると技術的な理由があって地方税が取りにくいから国税だけで20%になっていたということでございまして、遡って申告分離も20%にしろというご主張も証券界としてはありうると思いますが、私どもとしては国税、地方税合わせて26%いただくというのが土地譲渡益課税その他とのバランスを考えますと適正なあり方ではないかと思っております。
〇石会長
では、佐野さん。
〇佐野委員
尾原さんに質問いたしますが、今主要検討項目が挙げられたんですが、特別法人税の問題は挙げられませんでしたが、これはどれに入るんですか。
〇尾原主税局長
特別法人税の問題も当然あるわけでございまして、ご議論いただければと考えております。
〇石会長
それでは法人税をやるときにご検討ください。他ございますか。
〇猪瀬委員
先ほどの外形標準課税ですけれども、中期答申をよく読ませていただきましたし、当然ですけれども僕なんかは自営業を細々とやっておりまして、それで税金を払っているわけですけれども、巨大企業というか、大変大きな企業が法人事業税を払っていないというか、所得税を払っていない企業が3分の1あると言われていますけれども、やはり外形標準課税できちんと公平にやっていくべきだと、非常に基本的な、当たり前のことを通すべきだと思います。
それから、これからいろいろ議論されていくときにそういう公平の原則というか、増税ではなくて減税でもなくて、増税減税と関係なく、外形標準課税は10年平均でやるということを提案されていますけれども、そういう考え方でやっていただきたい。
さらに、住宅・土地減税ですけれども、これも来年の6月までということになっておりまして、駆け込み需要を狙った景気対策だと言われておりますから、やはりこれを延長するようでは駆け込み重要のための景気対策の意味がありませんし、6,000億円も減税するわけですから特定の人に非常に利益になってしまうという不公平が生じてしまう。
最初の外形標準課税も既に大きな会社が払っていないという不公平があるわけで、その不公平を是正していくとことで考えていただきたいと思っております。
〇石会長
ご意見として承っておきます。どうぞ津田さん。
〇津田委員
中期答申なんかで議論になりました環境税制だとか、社会保障関係の税制は、根っこの環境対策をどうするか、あるいは社会保障制度をどうするか、そちらの議論が固まらないので年度改正では議論しなくてもいいという趣旨ですか。
〇尾原主税局長
税制改正要望を眺めておりますと、今の問題に関連する具体的改正要望が出ていないということから今日の説明を省かせていただきましたが、もちろん大変重要な話でございますのでご議論いただくとことは差し支えないと思っております。
〇石会長
その他の項目も設けておりますから、どうぞ洩れたものはどんどん出していただきたいと思います。どうぞ、村上さん。
〇村上特別委員
先ほど主税局長のご説明では、NPO法人に対する税制措置という説明でしたけれども、NPOをやるかやらないかはこれから議論になると思います。私も反対ではありませんが、同時にいわゆる文化税制という領域のものがあると思うんです。日本は一番企業の寄付等でも文化、いわゆる文化・芸術ということですが、そういうので非常に遅れているわけですよね。確実に調べているわけではないので不確かなことになるかもしれませんが、欧米では企業にある程度そういうものに寄付が義務付けられていると思っているんですけれども、日本の場合非常に文化・芸術に対する寄付がしにくいという状況になっていて、日本独自の文化とか芸術というものが発展しにくい状況にあるということです。ですから、それに対しても配慮をすべきではないかと。
NPOは非営利法人ということですが、芸術・文化が営利であるから課税されて当然だと。課税はいいですが、優遇措置が受けられないというのはおかしいんじゃないかと。やっぱり営利として成り立つのでなければ本当の文化とか芸術というものは発展しないじゃないかと考えますので、議題としてというか、主税局長がお採り上げになるのでしたらこれも一緒に議論をしていただきたいと思います。
〇尾原主税局長
NPO法人のご議論いただきます時に、日本の寄付金税制がどうなっているかということをご説明させていただきますので、そのときにご議論いただければと思っております。
一言申し上げますと、今日本の場合には一般的な寄付枠というのがございまして、それ以外に特定公益増進法人といいますもう1つ別枠があるわけでございまして、初めから寄付枠があるという法人税制を持っているというのは日本の税制だけではないかと。
それから、特定の目的の場合には寄付の枠が増えるわけでございますけれども、使い残しが相当ございまして、このような状況も併せてご説明させていただきたいと思います。
〇石会長
もう1つぐらい時間がございます。水野さん。
〇水野(勝)委員
外形課税についてさらっと読ませていただいただけですので、この新しい仕組みで具体的に例えば自分の会社の負担がどうなるのか、必ずしもよくわかりませんので、はっきりはしないのでございますけれども、私としては地方税というものの原点は均等割にあるのではないかという気がします。戦後、この前の中期答申の時にも出ましたけれども、均等割というのは住民税の18%ぐらいを占めていた。今は1.8%だと。10分の1ぐらいになっている。均等割は何とか拡充できればと思うんですが、これは個人からお願いをするとすれば非常に難しい。今回の外形課税、この中の1番収益配分額で大きいのはやはり報酬、給与額だと思います。それに対して、いわば人数としての均等割でなくて報酬、給与額に対してある意味では均等割ということも言えるわけで、こういった意味において地方税として1つの典型的負担の求め方ではないか。基本的方向としては地方税にはふさわしいのではないかという気がするわけでございます。
またこれを拝見しますと、これができた場合には72条の19を整理するとなっておられる。これは、それぞれの都道府県いろいろなお考えがあって、いろいろなことをおやりなると企業としてはばらばらにいろいろな形の負担を求められては困るわけですので、こういう方向で統一して72条の19を整理されるというのは非常に結構ではないかと思うわけでございます。
ただ、先ほども県知事さんからお話があったとおり、県によっていろいろな考え方がある。また、時代によっても非常に違うわけでございまして、景気のいい時にはこういう問題はだんだん議論されなくなる。景気が悪くなると議論されるという傾向もある。そういったことのないように、やるのであれば、ここははっきりと腹を決めて恒久的なものとして作っていただければと思うわけでございます。
それにつけても、産業界と十分お話をされてご納得得られるようにする必要があるんじゃないか。やはり、1,000億、2,000億の税金じゃなくて4兆円、5兆円という税負担でございますから、十分に納税者の方の納得も得る。そしてまた、先ほどにもちょっとお話がありました、この税負担というのは誰がどういうふうに負担するのかということでございまして、ただ企業が負担する。そうすると、資本勘定が負担するのか、どういう負担の配分になるのか。これはやはり応益課税でございまして、どれだけ給料を払って人を雇っているかということで社会の資源を使っている1つの課税であるとすれば、やはりそこから生産された財貨、サービスの中に含められていく負担ではないか。そうしますと、企業自身が本当に最終的に負担するというものではなくて、転嫁される性格のものであるということをある意味でははっきりされたほうが企業のご納得も得やすいのではないかという気もしますが、この点も含めて今後さらにご説明をされ、納得を得られるようにされたらと思うわけであります。
〇石会長
ありがとうございました。本質的な問題に差し掛かってきましたが、ちょうど時間にもなりましたし、この問題は次回、次々回で本格的に議論いただきたいと思いますので、今日は特にというご意見がなければこれで終わりにさせていただきます。
次回以降の予定を申し上げます。既にご案内していると思いますが、次回は11月28日火曜日の2時からここでやります。一応予定では1時間延長して3時間ぐらいやろうかと思っていますので、あらかじめできましたら予定を組んでいただけたらと思います。
次々回ですが、まだ最終調整中でありまして、まだ決めかねておりますが一応定例日であります12月1日金曜日午後2時から、3時間ぐらいになるかもしれませんが一応とりたいと考えております。
その後の年末にかけての日程は、例の政治的な問題も多分絡んでいるんでしょう。どうなるか決めかねておりますが、ただお尻が決まればそれに応じて淡々とやらざるを得ないので、火曜と金曜という定例日以外にひょっとしたら開催もあり得るということでお含みおきいただきたいと思っております。
今日は長時間ありがとうございました。これで散会にいたしたいと思います。
〔閉会〕
(注)
本議事録は毎回の総会後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、大蔵省主税局及び自治省税務局の文責において作成した資料です。
内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。