第31回総会 議事録

平成10年12月16日開催

加藤会長

それでは、始めさせていただきます。早朝からありがとうございました。第31回の総会でございますが、きょうは、平成11年度の税制改正に関する答申の最終的な取りまとめをいたしたいと思っております。

本日は宮澤大蔵大臣と西田自治大臣にご出席いただきまして、ごあいさつをいただく予定になっております。両大臣の日程の関係で10時半ごろになろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、答申案の審議に入りたいと思いますが、お手元に配付しております答申案は、きのうの総会において、最終的なご審議をいただき、修文内容について口頭で皆様方のご了解をいただき修正したものでございます。

本日は、最終的な内容のご確認をお願いしたいと思います。なお、プレスの方には、「総会終了後記事解禁」ということで、すでにお渡ししてあります。

時間を短縮するために、全文を読むのではなくて、「一 平成10年度の税制改正に関する答申後の経緯」は、事実関係の記述でございますので省略いたしまして、「二 平成11年度税制改正の諸課題」と「三 今後の検討課題・抜本的見直し」について、事務局に答申案を朗読してもらうことにしたいと思います。

なお、途中で大臣がお見えになって、まだ朗読が終わってない場合には、朗読をちょっと中断させていただくことがあるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。

それでは、答申案の朗読をお願いいたします。

〔『平成11年度の税制改正に関する答申(案)』朗読〕

加藤会長

ただいま、宮澤大蔵大臣と西田自治大臣がお見えになりましたので、両大臣からごあいさつをいただきたいと思います。

では、まず、宮澤大蔵大臣からお願いいたします。

宮澤大蔵大臣

税制調査会第31回総会が開催されるに当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

税制調査会の委員の皆様には、本年秋以来、年末のお忙しい時期にかけまして、平成11年度税制改正について精力的にご審議を進めていただきましたことに対しまして、厚く御礼を申し上げます。

わが国の厳しい経済情勢を踏まえ、政府としては、金融システムの安定化・信用収縮対策や社会資本整備などの景気回復策等を柱とする事業規模17兆円超、恒久的な減税を含めれば20兆円を大きく上回る規模の緊急経済対策を取りまとめ、これを受けて編成されました第3次補正予算が、先般可決成立したところであります。また、税制面においては、6兆円超の恒久的な減税及び景気回復に資する政策減税を来年以降実施する旨明らかにいたしてまいりました。

税制調査会におかれましては、こうした恒久的な減税及び政策減税の具体化に向けた検討を行っていただきましたことに加え、今後の抜本的見直しに向けた検討方針も含めて幅広くご審議をいただいたと承っております。

政府といたしましては、本日お取りまとめいただく「平成11年度の税制改正に関する答申」を十分尊重して、来年度税制改正の作業を進めてまいる所存であります。

最後になりましたが、加藤会長初め委員の皆様方の多大なるご尽力に、改めて厚く御礼を申し上げまして、ごあいさつといたします。

加藤会長

ありがとうございました。引き続きまして、西田自治大臣にお願いいたします。

西田自治大臣

税制調査会第31回総会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

本日は、税制調査会として、平成11年度の税制改正に関する答申をご決定されると承っておりますが、委員の皆様方には、答申の決定に向けて大変ご熱心な審議をいただき、衷心より感謝をいたしております。

審議の中では、地方分権を踏まえた地方税のあり方をはじめ、恒久的な減税における国税と地方税の取り扱いの問題や、今後の個人所得課税、法人課税のあり方などについて議論され、なかでも法人事業税への外形基準の導入につきましては、引き続き精力的に検討を進める方向にあるものと聞いております。

自治省としましては、本日の答申の趣旨を十分尊重して、平成11年度の地方税制の改正に取り組んでまいる所存であります。また、今後、地方分権推進計画を踏まえ、課税自主権を尊重しつつ、地方税の充実確保を図るため、税源の偏在が少なく、税収が安定した地方税体系の構築に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

最後に、加藤会長をはじめ委員の皆様方の多大なご尽力に重ねて厚くお礼を申し上げ、まことに簡単でございますが、私のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

加藤会長

どうもありがとうございました。

両大臣とも、日程の都合がございますので、ここで退席をされますが、ご了解願います。両大臣、本当にお忙しいところをどうもありがとうございました。

それでは引き続き、答申案の朗読をお願いいたします。

〔『平成11年度の税制改正に関する答申(案)』朗読〕

加藤会長

どうもありがとうございました。皆様方のご議論をこういうふうな形でまとめさせていただいたわけでございますが、何かご意見はございませんでしょうか。どうぞ、津田さん。

津田委員

本文は結構ですけれども、参考資料で、税収の割合だとか何か、若干財政的な話の表を入れておく必要があるのではないか。おそらく、委員さん方、全員が基本的認識としてその点が問題にされておりますし、それから今後の課題の一番最初は財政の問題ということで書いてあります。これの中に税収割合、赤字公債なんかの記述まで入れるかどうかは別として、何か年次別な状況というものを考えておかれたほうがよろしいのではないでしょうか。

加藤会長

そうですね。地方もまた含めて出したほうがいいかもしれませんね。検討させていただきます。

ほかにいかがでございましょうか。どうぞ、諸井さん。

諸井委員

1~2回欠席いたしまして、来てみたら、大変よくまとまっているので、よくこういう状況の中でまとめられたなと。それで、特に、やはりこれから先のことをきちっと書かれたのは大変よかったのではないかというふうに思います。以上です。

加藤会長

ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。

もしよろしいようでございましたら、この答申案を原案どおり決定させていただきます。資料についてはまた検討いたしますが、このとおり決定させていただきますが、よろしゅうございましょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

加藤会長

ありがとうございました。

平成11年度の税制改正に関する答申につきましては、後ほど事務局から皆様方にお送りさせていただこうと思います。

本日まで、皆様方、非常にご熱心に議論していただきまして、また、かなり今回は対立する問題もございまして、非常に取りまとめが難しいかというふうに思っておりましたが、こういうふうに集約することができまして、そしてこれが自民党税調に対する一つのガイドラインとして大きな力を発揮したことを皆様方に厚くお礼を申し上げまして、きょうのこの審議は終わらせていただこうと思います。

大変ありがとうございました。

〔閉会〕

(注)

本議事録は毎回の総会後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、大蔵省主税局及び自治省税務局の文責において作成した資料です。

内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。