地方税
- 地方において法人課税は重要な役割を占めており、厳しい財政状況や地方分権の流れを考えると、地方の法人課税はネット減税ではなく、税収中立で検討する必要がある。
- 事業税の性格から法人税の課税標準と同じであることはおかしく、物税としての課税方法について何らかの改革が必要であるが、地方消費税が導入された現在では、付加価値を課税標準とするのは問題があることから、第3の道も踏まえて事業税のあり方をすっきりさせるべきである。
- 事業税の外形標準課税については、地方消費税ができたことから理論的に成り立たず、二重課税になってしまう。この問題を今後の検討課題からは削除すべきではないか。この外形標準課税という問題については、地方消費税との関係をどう考えていくかという中で消化していくべきものではないか。
- 今の日本の法人税制についてタックスベースを広げるという考え方も必要であり、事業税の外形標準課税と地方消費税は二重課税ではなく、外形標準課税もまだ検討の余地があるのではないか。
- 個人住民税の均等割は物価水準の推移、地域との受益関係等を勘案した見直しが余り行われていない。最も中立的な税といえば定額課税であり、中立的であるという意味でも、法人住民税の均等割とのバランスからも戦後あまり見直しが行われてきていないという点からみても検討課題になってもよいのではないか。
- 地方税の性格は応益課税であるという基本に戻り、税率決定を地方自治体に自由に任せれば、行革をやったところは税率を下げることができるので、企業も人もそこに集まるようになり必然的に応益課税になるのではないか。
- 今の状況は、地方、中央の財政再建ということがあり、これを地方分権とうまくセットで議論しなければならないが、中央の持っている税財源をごそっと地方に譲るという議論はどう考えても現実的ではない。この点についてもう少し踏み込んだ議論をするのであれば、それに対しては大いに異議がある。
- 源泉分離課税を選択した株式譲渡益や少額配当については課税技術上の観点から住民税が課税されていないが、税負担の公平性あるいは地方税の充実という意味において、納税者番号制度を導入することにより改善すべきである。
- 少子化により地方の過疎化が猛烈な勢いで進み、重厚長大型の産業からソフト型の産業に進むときに、地方の財源をどのように考えてどういう税制がよいのかを重要な問題として地方分権と合わせて考えておく必要があるのではないか。