土地税制
- これまでは土地を他の資産と同一視し、公平性の観点を重視してきたが、今後は土地は他の資産と異なる資源として考え、国際競争力の確保、日本経済あるいは国民生活の効率化を図るため、最も有効に利用する者に土地を移転しやすくする観点で税制を構築することを目指してはどうか。
- 土地の資産としての有利性を肯定する者の比率は以前より減少はしているが、まだ5割存在しており、このようなことを考慮すれば、地価税制度は堅持しなければならない。
- 土地取引所のような情報の公開された場所で取引された土地については、売買価額の10%程度を上限として課税するなど、土地の移動に関する税負担が低く、かつ予測ができる制度を設けたらどうか。
- 登録免許税や不動産取得税については、根本的に軽減しなければならない。
- 本来固定資産税は応益課税であり、地価税は土地の資産価値に応じて全国一律に負担を求める応能課税であることから、両税は仕組み・趣旨を異にしており二重課税ではない。
- 固定資産税と地価税の二重課税が許されるのは、地価税が政策税制であるからである。
- 土地保有課税の意義は、土地の資産価値の変動に応じた適切な負担を求めることにあり、その意味で、短期的な地価抑制目的ではなく、構造的かつ体質改善的措置として導入された地価税は、なおその役割を果たす必要がある。
- 土地の保有に対して税負担を求めることができるのは、応益課税だからである。したがって、土地保有課税は地方税であるべきで、原則として国税は課すべきではない。
- 平成12年の評価替えまでには、固定資産税の抜本的な再検討を行うべきである。
- 固定資産税は応益課税であり、地価の変動に応じて税収が増減するのは適当でない。また、税収が都市部に偏在するという問題もある。
- オフィスを利用している者も地方団体による公共サービスの対価を払うべきという理念があるのならば、固定資産税の課税に当たり、占有的な側面を位置づけるなどの検討を行ったらどうか。
- 固定資産税の性格は、土地を保有している事実に担税力を見出して毎年負担を求める収益的財産税というのが過去からの定説であり、これを別の分類をすれば応益原則に立脚する税とされるが、応益原則というのは課税の根拠であり、地方税に相応しいという考え方の基準にはなっても、それを配分する原理にはなっていない。分類の仕方が違う応益と保有を対比させることが間違いの原因である。