企画会合(第3回)終了後の本間会長記者会見録

日時:平成18年11月30日(木)14時10分~
場所:中央合同庁舎4号館・共用第一特別会議室

司会

ただ今から税制調査会企画会合第3回の会見を行います。

まず初めに、本間会長から本日の概要説明がございますので、会長、お願いいたします。

本間会長

概要というほど大げさなことではないのですけれども、やっと今日、企画会合が終了いたしまして、会長一任という形で答申の最終局面までこぎつけられたということでございます。これはまた明日、ご説明させていただきますけれども、最終的な案文調整を手直しを含めてやって、最終的な答申にしたいと考えております。

以上です。

司会

ありがとうございました。

それでは、質問のある方はどうぞ。

質問

会長一任ということですけれども、最終的に案文調整をするところ、どういうところが最後の課題として残っているのか、まずお聞かせいただけますか。

本間会長

基本的には表現ぶりも含めて了解を得たわけですけれども、例えば今年の新しい試みとして、サブタイトルをどうつけるか。これは委員の皆様から募っておりまして、それをどういう具合につけるかとか、あるいはもう一度きちんと読んで、てにをは等も含めて修正する可能性もありますので、そういう意味で申し上げたということです。

質問

前に、最後は会長と会長代理で調整して決めるということをおっしゃっていたことがあったと思いますけれども、もうその段階も越えたということですか。

本間会長

はい、そうです。私にもう一任いただいた、こういうことです。

質問

概ねほぼ了承されているということですね、今日の企画会合で。

本間会長

はい。

質問

法人税の実効税率のくだりというのはどんなふうになったのでしょうか。

本間会長

今日も相当やり取りがございまして、そこでは、我々は法人税の問題について議論したということと、そのことがマイナスにつながるような側面について、どう書くかということで意見調整をしてきたわけですけれども、今日、最終段階の企画会合では、やはり活性化のメリットについてしっかり書けと、こういうような流れの中で文章を再整理した、こういうことです。

質問

実効税率の中長期的の方向は出てくるということですか。

本間会長

表現ぶりはともかくとして、方向性についてはその文言の中に入っている。具体的な数字等については触れません。触れませんけれども、方向性については書いてある、こういうことです。

質問

それは、これまでの流れから言うと下げる方向だと思うのですが、そういう方向性と理解していいのでしょうか。

本間会長

そういう具合に理解していただいて結構です。

質問

そうすると、今後検討するとかそういうことではなくて--まあ、そういう部分も入っているのだろうと思いますけれども、基本的な方向性としてそれは盛り込まれるということですね。

本間会長

細かいことはちょっと申し上げられませんが、要するにその方向性で議論・検討して、国民に理解が得られるような形で経済活性化の効果についてしっかり分析をしていきますと、そういう書きぶりになっているということです。

質問

証券税制の経過措置の部分についてはどういった方向性を示されることになるのでしょうか。

本間会長

証券税制の見直しについては、5年前に入れたわけですが、それが時限的に来るということで、原則論をきちんと確認すべしという意見が強かったわけです。それを実行する段階にあたっての留意事項というものを明記している、こういうやり方になっております。今のご質問の部分についても留保条件の中で書いている、こういうことです。

質問

もう一点、こちらにいらっしゃる前に官邸のほうに行かれていたと聞いているのですが、どなたに会われて、どういったお話をされたのかということですが。

本間会長

総理に今の審議状況についてご報告をいたしました。総理から個別の問題についての言及はございませんでしたけれども、国民が活性化の意義等についてしっかり理解していただくように基礎的な分析を今後ともしっかりやってください、こういうご激励の言葉をいただいた、こういうことであります。

質問

留保金課税についてはやはり賛否両論あったかと思いますけれども、これについても方向性は出たのでしょうか。それとも両論併記みたいな形になるのでしょうか。

本間会長

両論併記的には書いておりません。留意事項という形でこれも書いている、こういう具合に理解していただいたらいいと思います。

質問

すみません、確認ですが、方向を出した上でそれに留保事項をつけるということですか。

本間会長

頭から拒否しているというような書き方にはなっていない、こういうことでご理解いただきたいと思います。今日、内容についてあまり言わないようにしたいと思いますけれども。

質問

消費税と所得税については触れないのでしょうか。

本間会長

項目としてそれを取り上げているということはございません。しかし、財政健全化との両立の問題でありますとか、いろいろなメンションの中で、それぞれの項目についてこれから検討する、というような書き方にしております。個別項目について検討する、こういう形で書いております。

質問

では、個別の税目の言及はないわけですね。消費税、所得税という言及はない、と。

本間会長

ありません。

質問

法人税という言及はあるのですね。

本間会長

それは活性化の観点の中でやっています。

質問

出てくるわけですね?

本間会長

はい。

質問

減価償却について改めてなのですが、年数とスクラップバリューコスト、あとグルーピングの問題というのはどうでしょうか。

本間会長

95%、10%ルールは、撤廃するという方向でこれはまとまっております。ただ、グルーピング等の問題については技術的な問題もございますので、その必要性について言及いたしておりますけれども、今後の作業を見る、こういう形で書いております。

質問

何度もすみません。実効税率の部分ですけれども、私の理解では、途中までは今後の検討事項みたいな感じの書きぶりだったのではないかと思うのですが、きのう今日、企画会合でいろいろ意見が出たようで、そういうのを反映して少し表現が変わって踏み込むような格好になったという理解でいいのでしょうか。

本間会長

その動きについて正確に言うことがいいかどうかわかりませんが、要するに方向性としてもっと明確にしろという議論、元気のいい議論があった、こういうことであります。

質問

それが反映される形になるということですか。

本間会長

表現ぶりをその中で工夫をした、こういうことです。世の中から私はいろいろ法人税について言い過ぎだと言われておりますけれども、委員がもっと私よりも強硬な意見であった、こういうことだと思いますが。

質問

それは経済界の関係の委員ですか。

本間会長

いえいえ、そういうことではなくて、総体として経済の強さが国民経済にプラスになるという正論についてしっかり書くべし、こういうご議論があったということです。技術論からのご指摘というよりもむしろ一般的な指摘の中で行われた、こういうことです。

質問

この前の総会では木さんなども反論していましたし、またほかの委員も、所得再分配をもっと考えろみたいなことを言っている人もいましたし。

本間会長

その辺の留意事項については、言及している部分--国民各層に対してどういう影響かということについても我々としては気配りをしておりますけれども、木さんの意見については「その他の意見」の中に記載している、こういうことであります。

質問

我々が傍聴していたと公の会合では、皆さんそこまで言っていなかったように思いますが、いわゆる秘密会合になってから少し風向きが変わった……。

本間会長

秘密会合では全然ないですよ。ちょっと誤解をしていただきたくないのですけれども、案文をまとめていく際は石前会長のときから全く同じ形式ですよ。

記者

いや、それはわかっていますけど。

本間会長

ただ、1回目、私もあまりよく考えずに、新入のメンバーもいらっしゃったから、そこのときに一度、ある意味では私はミスをしたと思っていますけれども、そういうこと以外は、明らかに我々としては従来のスタンスよりも情報公開をしていこうと、こういう決意の中でやっております。新年明けからは広報・広聴部会も設けて、しっかりこの問題に対応しようということでございますので、ぜひその辺のところは誤解なきようお願いいたしたいと思います。

記者

それでは言い方を変えますが、前からそうですけれども、傍聴は認めていない起草委員会になったときに、少しまた風向きが変わったということですかね。

本間会長

今日の議論などは、企画会合の文章のところで相当強くそういう意見が出て表現ぶりを改めた、こういうことです。本当は今日はシャンシャンで終わると思っていたのですけれども、2時間半くらい積極的な意見があって、それを最終段階まで取り込むということをフレンドリーな雰囲気の中でやった、こういう具合に理解していただきたいと思います。

司会

ほかにございますか。それでは、会見を終了させていただきます。

本間会長

明日、報告させていただきますけれども、よろしくお願いいたします。我々新生税調として、本当に短い3週間ぐらいのスパンでございましたけれども、一生懸命やりましたので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。(了)