第13回法人課税小委員会 議事録

平成13年6月1日開催

委員

それでは、税制調査会の法人課税小委員会第13回目、開催させていただきたいと思います。お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

本日は、1年前この企業組織再編成の議論の前に取りまとめをいたしました連結納税制度の枠組みに係る論点ですが、これについて検討してまいりたいと思います。ちょっとごらんいただきますと、参考資料 1の1ページ目に「連結納税制度に関する主要検討項目」というものがございまして、これを本日から検討して、できれば方向づけといったようなところへ持っていきたいと思っております。非常に論点多岐にわたっておりますが、さらに技術的なレベルになりますともっと細かくなってまいりますが、本日はこの大体左側の部分[納税義務者、申告・納付等]、このあたりまでをいたしまして、次回は右側の所得計算の部分を中心に行っていく、こういうようなスケジュールで考えております。

それでは早速、本日の議題ということで、今お話しした主要検討項目の論点につきまして、事務局のほうから基本的枠組みについての論点、お話しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

事務局

それでは、「説明資料」と書いてございます資料、法小13-1でございますけれども、それに基づきましてご説明申し上げます。

1ページめくっていただきまして「目次」をごらんいただきたいのですが、先ほど小委員長からご紹介ありましたように、一昨年の11月にお取りまとめいただきました連結納税制度に関する主要検討項目の先ほどの目次の左半分、右側が各種計算規定等が中心でございますので、枠組みに関する論点と申せるのかもしれませんけれども、ここに書いてございます一から六の論点について本日ご議論いただければと思います。この中にもう少し細かい項目も盛り込んでおりますので、適宜ご説明を申し上げてまいりたいと思います。

では「目次」をめくっていただきまして、「一 連結納税制度の導入の意義」というところでございます。連結納税制度、政府税制調査会の答申などでも導入に向けて検討を進めるべきということを言っていただいておるのですけれども、改めて導入の意義をここで確認の意味も込めましてご議論いただければと思いまして出したものでございます。

まず1つ目の〇ですけれども、我が国において企業グループの一体的経営の傾向が強まる中で、連結納税制度を導入することによって、実態に合った課税を行うことができることになるのではないかと。支店形態でやっている会社、それから事業部制でやっている会社、あるいは今度は子会社をつくって別会社形式でやっている会社、そういったものがありますけれども、別会社でやっているものも、その企業グループの一体的経営、非常にその傾向が強まっているということで、すべてを通じて、その実態に着目して課税を行うという意味が連結納税制度導入にあるのではないかということでございます。

それから2つ目でございますが、そういった意味で、連結納税制度は経営の形式ではなくて、その実態に合った課税を行うものということであり、企業の柔軟な組織再編成を可能にする制度の一環として、我が国経済の構造改革を進めるインフラの一つとして位置づけることができるのではないか。独禁法とか、あるいは商法の世界でも、企業の持株会社の話であるとか、会社分割もそうですけれども、企業の柔軟な組織再編成を可能にする制度、いろいろ整備されてきておりますけれども、そういった制度の一環として位置づけられ、かつそれが構造改革のインフラストラクチャーになるのではないかという視点でございます。

1ページめくっていただきますと参考資料をつけてございますが、(参考1)は昨年の7月の中期答申の連結納税部分についての抜粋でございます。「基本的考え方」というところを抜粋しておりますが、5つほどパラグラフがございますが、真ん中の、「これを受けて」というパラグラフの中に、企業経営における企業集団の一体的経営の傾向の強まり、あるいは企業組織の柔軟な再編成を可能にするための独禁法、商法における見直しが進められる云々と書いてございまして、そういった経営環境の変化に対応する観点等から、連結納税制度の導入を目指すことが適当であるというふうなことが書かれており、かつ、その次のパラグラフでは、企業集団の一体性に着目して制度を構築するという理念からすれば、イギリス、ドイツのような損益振替型ではなくて、アメリカにおいて導入されているような本格的な連結納税制度を導入すべきではないかと。一番最後に、国際的にも遜色のない、21世紀の我が国経済のインフラとなる連結納税制度を構築する必要がありますという答申をいただいております。

それから(参考2)のほうは、去る4月に法制審議会の会社法部会でまとめられました「商法等の一部を改正する法律案要綱中間試案」ということで、今パブリックコメントに付されているものですけれども、この中に、企業集団に関する情報の開示の充実という観点から、商法におきまして連結計算書類の導入という項目が設けられて、以下のような、ここにごらんいただけるような連結貸借対照表、連結損益計算書を、これは商法特例法上の大会社ですが、つくって取締役会の承認を受けなければならんと、こんな提案が今なされております。いろいろ独禁法とか商法の動きがあった中で最新のこういう連結に関する動きの一つとしてご紹介させていただきます。

それから1ページめくっていただきまして、次に「連結納税制度の類型」というところでございます。今、中期答申を紹介する形で申し上げましたけれども、これはすでに答申で書かれてますが、企業グループを単一の主体としてとらえて課税を行うということからすれば、本格的な連結納税制度を導入すべきではないかということでございます。

次の〇ですけれども、諸外国の例を見ますと、制度が非常に複雑であったり、例えばアメリカでございます。それから執行に依存する部分の大きいもの、これはフランスのほうですけれども、こういったものがあります。簡素化を旨とする、それは重要でございますけれども、やはり連結企業グループをとらえるということになりますと、加入・離脱がある、あるいは内部取引があるということで単体企業とは相当に様相が異なるということでございますので、やはり一定程度複雑になることは避けられないのではないかという論点でございます。

それから3つ目でございますが、どの国を見てもそうですけれども、連結納税申告書が企業グループの各単体企業の決算を基礎にして作成されることとならざるを得ないと。それからさらに、先ほど申しましたように、加入・離脱があるということからすれば、そういった単体の決算を基礎とする、あるいは加入・離脱も十分考慮するといったことを考えて連結納税制度を構築していく必要があるのではないかという論点でございます。

それから3番目に「連結納税制度の適用対象法人」でございますが、大きく分けまして「組織形態」と、次のページに「連結グループの範囲」という整理をしております。まず連結納税制度の適用対象法人、これは法人にはいろいろな組織形態がございますが、その組織形態の異なるごとに区分して、いろいろな特質等を考えながら考えていく必要があるのではないかということでございます。

(参考)に書いてございますが、まず1つ目の切り口としては、法人税の納税義務で区分しますと、1に書いてございますように、公共法人みたいに納税義務がない法人、あるいは公益法人等、人格のない社団等のように、収益事業から生ずる所得についてのみ納税義務がある法人があるということもありますし、片や、全所得について納税義務がある普通法人、あるいは協同組合等があるということで、これらの法人についてどう考えるかということがございます。

それから別の切り口といたしましては、内国法人と外国法人がございます。これも、アメリカ、フランス、どちらを見ても、基本的には外国法人は対象にしてないということになっていたかと存じます。

それからもう一枚めくっていただきますと、今度は「連結グループの範囲」ということで、一言でいえば、主として持分割合はどうあるべきかということでございますが、1つ目の〇でございますけれども、先ほど申しましたように、企業グループを単一の主体として考えるという本格的な連結納税制度であれば、その適用対象は、完全に一体となっている企業グループとすべきではないかと。その企業グループが完全に一体となっているか否かについては、支配、これは議決権と言い直してもいいのかもしれませんけれども、と利益が完全に一つの法人(親会社)に集約されているか否かで判定することが考えられるということでございます。

それからもう一つの〇ですが、完全に一体となっていない、つまり、支配と利益が完全に一つの法人に集約されていない子会社まで連結納税制度の対象とする場合には、例えば少数株主持分に対応する子会社の所得を連結納税の対象とすることの是否。下のポンチ絵を見ていただきますと、黒い網をかけた部分が、言ってみれば少数株主の、子会社に所得があるとすれば少数株主の分ということになるわけですけれども、それまで親会社が全部合算してするということの是否という意味でございますし、損があれば、その損を親会社のものとすることの是否という論点、そういった問題があるということでございます。あるいは少数株主の保護、例えば子会社に欠損金があって、当該期以降繰り越して使えるはずだったのが連結で一気にその期に使われてしまうというような問題もあるかと思います。そういった少数株主の保護。これはこれまでいろいろ議論の過程で出てきた問題だと思います。それから議決権のない株式の取り扱いといったさまざまな問題が生ずることになる。

例えばこの一番最後の議決権のない株式の取り扱いというところでは、議決権は100%持っているけれども、実は利益をもらう権利はほかの人が3割ぐらい持っているとかいうときに、それはまたそれを全部取り込んでいいのかというようないろいろな問題が生ずることになるという論点でございます。

ちなみに、1ページめくっていただきますと、「諸外国の連結納税制度における子会社の範囲」ですが、これはこれまでいろいろヒアリング等で聞いていただきましたけれども、アメリカ80、フランス95、オランダは100ということでございます。

それから(注)でございますけれども、オーストラリアが来年の7月から導入される予定ということだそうですけれども、それは子会社に対する株式保有割合は100%ということだそうでございます。

それから次の〇ですけれども、別の切り口といたしまして、では連結対象となる子会社はすべて加入しないといけないという制度にするのか、あるいは親会社が選択して、この子会社だけ入れるよということができるかどうかという論点でございます。

それから1ページめくっていただきまして7ページ、「四 納税義務等」というところでございます。まず「納税義務」ですけれども、連結納税を行う企業グループの納税義務は、どのような仕組みとすることが適当か。また、連結納税に係る申告・納付はどのように行うかということでございます。

もう少し申し上げますと、この(参考)、ちょっとアメリカとフランスで違いがありますので、それをまずご説明いたしますが、アメリカは、連結納税に係る納税義務は、連結グループの親会社、子会社それぞれ負っていると。ただし、親会社はみずからの義務の履行、それから子会社の代理人たる地位に基づいて子会社の義務の履行として納税行為を行うということで、子会社にも納税義務があるというような扱いになっておりますし、フランスは、連結納税申告書の提出、それから税額の納付について親会社がすべて義務を負っているという格好になっております。

それで、基本的にいえば、納税義務を親が負うのか、あるいは子にも負ったような形にするのか、そういったことを決めていき、さらに今度は申告行為、あるいは納付をどのようにするのかというのがそれに付随して出てくる論点かと思います。少なくとも1つ言えるのは、連結納税義務があると、仮に親だけに負わすにしても、親が財産を子に全部やったりして取りっぱぐれがないように、かかっていける資産が親からなくならないように、そういった手当ては絶対に必要だと思いますけれども、そのほかに納税義務を負わすのはだれかという論点。これはほかの項目にも、罰則をどうするかというような話とか、いろいろ関係してくる事項だと思います。

それから8ページ目、「連結税額の配分」でございますが、連結納税に係る税額が出てまいります。仮に親に納税義務を負わすとすると親が払うわけですけれども、あと税額を子会社に配分するということになるわけですが、それを恣意的な配分が行われないように、やはり法令でその配分方法を明確にする必要があるのではないかということでございます。

(参考)でございますけれども、アメリカの連結納税制度における取り扱いを見ますと、連結税額の親会社及び子会社の配分方法は特に法定されていないと、親と子の契約によるということになっておるようでございます。ただし、E&Pと言われている税務上の利益剰余金の計算では4つほど、1つ例示で個別課税所得比率配分法と書いていますけれども、子会社の課税所得に比例して配分するといった方法、そのほか幾つかの方法が規定されておって、実務上はこういった方法によるということにされておるようでございます。

それから次に「五 連結納税制度の適用要件等」ということで、まず「連結納税制度の選択・適用期間」ということです。1つ目の〇ですけれども、連結納税制度は、企業グループがこれを選択した場合に適用することでよいのではないかと。連結納税制度が導入されている諸外国、特に我々、ヒアリング等で聞いていただきましたアメリカ、フランスどちらをとっても、選択した場合に適用ということになっております。

それから連結納税制度を適用した場合に、期間制限を設けたり、あるいは更新手続を求めることが必要なのかどうか。

(参考)を見ていただきますと、少しアメリカとフランスで違っておりまして、連結納税制度は選択適用ということはアメリカ、フランス一緒ですけれども、アメリカは取りやめについては内国歳入庁長官の承認が必要となるということで、基本的には継続適用だと。この取りやめの承認もほとんど認められるケースは少ないと聞いております。それからフランスのほうはどうかといえば、5年間有効とされておりまして、更新も認められるような制度になっておるということでございます。

それから10ページ、事業年度をどうするのかということですが、これは連結グループ内の各法人の事業年度が異なりますと、連結所得の計算というのはほとんど不可能というか、非常に困難となるものですから、これはやはり親会社の事業年度にあわせる手当てが必要となるのではないかと思います。

ただし、事業年度が異なる子会社、つまり、事業年度をある年度から変えましたという子会社が出てきたときに、それは連結グループから除外だということにしますと、恣意的な「連結外し」に利用されるおそれがあるということに制度構築上留意する必要があるのではないかと思います。利益がものすごく出そうだから、事業年度変えたことにして外に出てしまおうというようなことは防ぐ必要があるということでございます。

参考を見ていただきますと、事業年度は定款等に定める営業年度等ということになっていますけれども、それがない場合には、税務署長に届け出た期間、あるいは指定した期間ということでございますので、定款を変更すれば営業年度は変えられるというのはそうですけれども、そういったことを自由に認めていると「連結外し」を恣意的にするようなおそれがあるということでございます。

それからみなし事業年度、これは先般の分割のところでも若干出てきた話ですけれども、解散とか合併、あるいは分割型分割といったことが生じた場合には、その事由に応じて区分された期間が事業年度となるということで、これもかなり技術的になりますが、企業グループの親会社が合併した場合に、親会社ではみなし事業年度ということになってしまうわけですけれども、そうすると子供も全部それにあわせて事業年度やらないといけないのかというような問題も生じてくるということでございます。

アメリカ、フランスはどうかと見てみますと、やはり親会社の課税年度を基準に作成、各子会社は親会社の会計年度を採用するというのがアメリカでございますし、フランスも、連結グループ内の各法人の事業年度を統一する必要があると。ただし、ここは事業年度を子会社が変更した場合には、子会社はグループから離脱することになるということだそうでございます。

それから1ページめくっていただきましてもう一つ、ここら辺になると技術的な項目になってしまうのですけれども、「会計処理方法」という論点もございました。「会計処理方法については、個別にその統一の要否について検討する必要はないか」ということでございます。減価償却の方法だとか収益の計上基準とかいろいろありまして、統一しなければいけないものと統一しなくてもいいものと両方あるのではないかと。それを個々に当たって考えていく必要があるのではないかということでございます。

ちなみに、アメリカ、フランスの連結納税制度においては会計処理方法の統一までは求められていないということでございます。

それから最後の12ページになりますけれども、6つ目の論点としまして「罰則」でございます。罰則につきましては、連結納税ということで、企業グループが一体となって申告納税するという制度になります。現行制度の見直しが、これは必ず必要になるのではないかと思います。これは納税義務をだれに負わせるかということにも非常によるわけですけれども、例えば子会社の役員とか従業員が行為者となって悪いことをして、結果的にグループ全体の納税額を逋脱したというときに、今の制度ですと当該子会社が両罰規定の対象になるのだと思いますが、それは仮に親がその納税義務者だとすると、親会社も罰しないといけないとか、そういった必要が出てくるのではないかと。刑事罰にも絡む話ですので、いろいろ法務省なんかとも調整してやらないといけない論点かなと思っております。

以上でございます。

委員

どうもありがとうございました。それでは、これからまだ1時間半ほど時間がございますので、ご自由に議論いただきたいと思います。論点は多岐にわたっておりますが、ただ決めればいいものから、いろいろ議論して出していただいたほうがよろしいものとかいろいろありますが、ご自由に発言していただいて、後で整理するということにしたいと思います。いかがでしょうか。

まず、この「連結納税制度の導入の意義」ですけれども、報告書の段階で導入の意義ということ、これは正確には覚えておりませんが、前の小委員長のときに課税ベースの拡大のところでも連結納税というのは取り上げてあったわけですが、そこでは鋭意検討するというような形で終わっておりまして、必ずしも積極的な方向づけはなされておりません。ただ、もう5年も前の話になりますが、その間、持株会社の課税の特例もできまして、さらに昨年の企業再編成、組織再編成、特に 100%の企業グループでは自由に組織分割なり合併なりできるような仕組みが税制上とられておりまして、状況が大分変わってきている。他方で、企業会計、証券取引法関係では連結財務諸表というものが義務づけられる。こういう状況ですので、ここに書いてありますように、企業グループの一体的経営といいますか、企業グループの一体化、一体として取り扱うという傾向は非常に強くなってきておりますので、連結納税制度、必要性というよりも、その意義をどう位置づけるかということが大事ではないかと思います。

というようなことでありますが、いろいろご意見をいただけたらと思います。

委員

たくさん書いてありますのでいろいろあるのですが、1つは、例の連結グループの範囲の話でございます。これで100%でどうかということを書いてありますが、私も、当初 100%でいいだろうと思いますが、ただちょっと気になりますのは、そうしたような場合に、従業員持株とか投資オプションとか、新しい問題が生じておりまして、いわゆる持株で 100%でいいと思いますが、そういう非常に特殊な問題について若干考えておく必要があるのではなかろうかということがちょっと気になります。

それから連結納税対象法人のところで、この問題点では法人の類別と申しますか、若干そういうことを考えて、協同組合、公益法人とか、少し課税の範囲が違うものについてどうするかという問題が書いてありますけれども、協同組合と株式会社、普通法人の間は同じように一緒に入れて連結していいように思いますが、公益法人、人格のない社団あたりになると必ずしも持株という関係がない場合も多いように思いますし、この辺の2つの大きい区分、普通法人と協同組合は一緒でいいと思いますが、上のほうは別ではなかろうかとちょっと考えました。

思いついたところから……。

委員

ストックオプションが入るとどういう連結の問題になるわけですか。

委員

それを除いて 100%だったら連結しろというふうな言い方になるのかという気がしますが、それはちょっと別のことだと。単に私、ちょっと今考えて言っているのですが。

委員

ありがとうございます。今の点について何かご意見。

委員

口火を切っていただいたのでしゃべりやすいのですけれども、まず連結グループの範囲のことで、私も制度の簡素化といいますか、ただでさえ複雑になり過ぎると思うのですね。そういうことからすると、可能ならば100%というふうに限ったほうが制度的には範囲になるのかなと。

ただ、実務上、今、委員のおっしゃったように、ストックオプション及び持株会というものが実務界で大きなニーズがあったときに、これを除外する積極的な理由はどの程度あるのかなと。例えばある程度、ちょっと思いつきで申しわけないですけれども、その同意書というものをとって連結グループに入るとか、あるいは非常に少ないパーセンテージを限度にするとかいうことは考えられるかどうかは検討する必要があるのかなとは思うのですね。

ただ、1つには、100%切るところの問題で、アメリカでもフランスでもあるように、税は配分すればいいのではないかという考え方も確かにあるとは思うのです。ところが、例えば連結財務諸表をつくるような場合ですと、親から子に売る場合、子から親に売る場合でも、全額消去が原則ですが、一部、その子会社持分、少数株主持分というものはそこに付加するわけですね。その分については実現していたとみなすということがありますので、そういう内部取引の消去までも考慮して厳密に少数株主の権利を考えると極めて複雑なものになってしまうと。

アメリカ、フランスでは多分そういうものを捨象して、単なる税額を配分することで商法の問題は解決していると言っているのでしょうけれども、果たして日本でそれが商法上許されるのかどうかという検討はいま一つする必要があるのかなと。ある程度以下なら問題ないのかなとか、念書を入れれば問題ないのかなという、そんな気はします。

委員

今の論点ですけれども、2つちょっと性格が違うことがあると思うのですね。あると思うというのは、今から言うことがですね。1つは、完全に一体になっているか否かと、つまり100%でいくかどうかという議論が1つ。それからもう一つは、100%完全に一体になっているということにして、さっきあったような従業員持株会社だとか、持株会の株をどう扱うかとか、ストックオプションのようなものをどう扱うかという問題、2つあると思うのですね。

それで後者のほうは、私はこれはいろいろ調べてみますと、1%とかそこらを従業員に、企業の一体感を持ってもらうためにとかいうようなことで過去に相当数の会社が持株会をつくってやったりしているのですね。子会社でしている実態があって、逆にいうと、そういうことで随分苦労して、それを会社が買い取るの買い取らないのとか、あるいは従業員であるうちはいいけれども、それはいずれやめますよと。やめたときにどう買い取るのかとかもめたり、いやいや、女房に渡すからいいのだとか、そういうつまらない議論が実はあって、それは支配、ちょっとそういうものがあるのですね。

そういうものは私は実態的に考えていただいて、何が何でも 100%、形式的にないといけないということにする必要はないので、その辺は実態に応じてぜひ考慮するというふうにしていただきたいと思うのですね。これはそんなに、実質 100%だということでやれば大した問題ではないと思うのですが、問題は、完全に一体だと、実質 100%に本当にしてしまうのかというところはぜひ私はご議論いただきたいなと思っていて、これはやや理屈でない話があるのですが、経営というか、経営に携わっている人たちは、アメリカのように80とか、そういうのは日本の商法の中で無理だぞという、それはそうですなあということになるけれども、フランスが95やっているわなあと。やや理屈を超えたような話にはなるのですが、95でやっているわなあと。95の会社なんていうのはみんな一体だよと。経営者実感として一体だということではないかと。何でフランスで95でやっているのを100でなければいかんということを言うのだと。それは少数株主の問題があるなら必要な最小限な手当てはすればいいではないかという議論は、これは必ず起こると思うのですね。

それで、私も自信がないのですが、100と95という、仮に95としたときに一体何がどう実質論として、経営実態論として違ったことになるのだということについて、私自身はこだわっているわけではないのですが、スタディをやはり、これは財務省の皆さんも、あるいは我々経済界でそういうことを言うのなら、そういう観念論ではなくて、実質的なきちっとした、何がどう違うのだという議論をしないといけないのではないかなあと。

フランスでは95ではなくて90にしてくれと言って盛んに陳情しているという話がこの間ありましたけれども、それは一体どういうことでそういう議論になるのかいま一つわからないのですが、我々自身も、95と言うのだったらなぜ95なのだと。 100ではなくて。それはどう違うのだと。事実、経済を活性化していこう、インフラだということですから、どう違うのだということを整理する必要があると思うのですが、私が申し上げたいのは、きょうだけではなくて、決め切らずに、その辺をもう少し整理して腹固めをする必要があるのではないかなあと、こういう意見を申し上げておきたいのです。

委員

ありがとうございました。今、連結グループの範囲、この5ページのところですが、何%の問題、いろいろ議論出ておりますが、この点ほかにいかがでしょうか。

委員

何から申し上げていいのかよくわからないのですけれども、商法の観点、どういうふうに考えるかということを何人かの方がおっしゃいましたので、ちょっとだけ申し上げたいのですが、現在の日本の商法を前提とすると、80ならだめで、95ならまあいいとか、そういうのはないですよね。少数株主は1%でもいたら少数株主ですから、それは、アメリカなどでは、先ほどちょっとご指摘ありましたように、連結納税して得した分を、例えば80%と20%いた場合には、親会社は全部とってはおかしいだろうと。20%は少数株主に渡しなさいというのが商法上の議論としてあって、多数の判例、これは訴訟になっているのですね。1つ有名な分野ですけれども。

日本の場合には、これまでいろいろな分野で多数株主と少数株主の利益が対立し得るという場合は、当然税とは関係なく存在しているわけですけれども、それが訴訟になったケース、ゼロではありませんけれども、どういう考え方で整理しているかといいますと、その当該会社の取締役は会社に対して善管注意義務を負うと。ですから、その中で一部の株主に有利なような行動をしてはいけない。もしそういう行動をした場合には責任を負うよと、こういう整理ですね。

それをここに当てはめてみますと、この子会社の取締役というのは子会社の利益を最大化するように子会社に対して善管注意義務を負っているのであって、仮に80・20でいいますと、親会社である、80%を持っている親会社のために働いて、20%の株主の利益を害してはいけないという、そういう理屈になるのですね。それは現在の商法の理屈ですけれども、それは20であれ、5であれ、1であれ同じであって、ゼロならないですけれども、それは理屈だということが1つです。

それからもう一つ、ただちょっと気持ちが悪いのは、比較的簡単だとおっしゃった、私も実務的にはそうだと思うのですけれども、仮に 100なら 100として従業員持株会とかオプションを除きますと、ただこれは私の推測ですが、この秋に商法が改正になれば、オプションのほうはおそらく一体となって運営しているような場合は親会社へのオプションになっていくと思うのですね。ですから、オプションの問題、実務上は現在は当該会社への株式購入のオプションしか商法上付与できませんので、商法上は若干の特例法がありますけれども、ですから、これが改正されていくと思うのです。そういうものを一体で経営する以上そうなっていくと思うのですけれども、しかし、従業員持株会は現に残っているものもあるでしょうし、オプションだって出したものが残っているのは多少あるかもしらん。

そうだとしますと、まさに5ページの図でいう、少数株主というのが子会社の従業員であったり、従業員持株会、あるいはストックオプションを行使した場合に従業員であったり取締役であったりするわけですね。そうすると、それが仮に1%、2%であっても、商法の上は先ほどと同じ問題がやはり出てくる。子会社の従業員がここの少数株主に入るわけですから、従業員持株会でもいいですけれども、これが例えば2%あるとすると、親会社は98%ですね。

その場合に税務上の、これはどっちを所与として考えていいかという根本論はありますけれども、アメリカ風にいえば、連結納税によって得た利益の98%は親会社が持っていっていいと思うのですけれども、100%持っていったら、2%は外せるわけでして、そうだとしますと、先ほど委員がおっしゃったように、これは何か定款で書くとか、同じ会社の従業員とか取締役ですので、何らかの手当てを子会社のほうでおそらくすることになるのではないかと思います。

ですから申し上げたいことは、商法の観点からいうと、少数株主がいるかいないかで、1%でも20%でも何もしなければ同じ理屈になるはずであるということと、もちろん経済実態として程度の差はありますけれども、それからもう一つは、従業員持株会とかそういうものであったって、そこは理屈の上では同じなので、もちろん実務上、私は100%基準をとることに仮にした場合にはそういうものは認めていくべきだと思っていますけれども、そこはやはりそれに応じた手当てがないといけないし、そういう手当てをしていくという方向で考えたほうがいいと思います。

委員

まず、この連結グループの問題は、確かに出発点としまして完全子会社ということでスタートしたほうがいいのかなと思います。といいますのは、この後、各論的な計算規定等が出てきたときに、内部利益をどこまで消去するかとか、あるいは、今日もやりますけれども、会計処理基準等を検討するときにどうするかということについても、少数株主の問題その他も念頭に置きながらやるというのと、100%完全子会社だけを対象にしてそういったものを進めるということとは多少違ってくると思います。したがって、ある程度タイプというものは左なら左、右なら右に寄せておいて議論を展開しないと、この後の各論的な議論のときにいろいろなことでもって複雑に絡まってきてしまうような気がするのですね。

それで、委員がおっしゃるように、個別の規定の中においてどうしても100ではどうも連結的なもので通用しないよというときに改めてそれも検討するといった形をとったほうが議論が進めやすいのかなと思うのが1つ。

それからもう一つは、先ほどの少数株主の中に、私どもが日ごろおつき合いしているいわゆる未上場会社の同族会社というのがございます。こういった会社は一族が複数の会社の株主になっているのです。ですから、これは企業組織再編税制でいうと、同じグループでも、親子会社グループではない、兄弟会社グループというのがあるのですね。

その兄弟会社グループというのは、連結の理論からいえば、当然連結の対象、どっちが親でどっちが子供かわからないものを連結の対象になるわけないのでございますけれども、その中心たる同族株主から見れば、その中心的な同族株主が 100%ずつ支配している会社、これを企業組織再編ではグループと見るけれども、いわゆる連結のほうではグループと見ないのはいかがなものかということもあるのが1つと、それからさらに、会社が30持っていて同族グループが70持っていて計 100というのもあるのですね。会社が会社の株を持つという構造でもって仕切るのは当然でございますけれども、連結の中にそういう問題も入ってくることをまたご念頭に置いて議論を進めていただければと思うのでございます。

委員

前からよくわからない問題がありまして、今のに追加みたいな感じなのですけれども、AがBを100%持っていて、BがCを100%持っていると、多分BもCもグループだと思うのですね。しかし、Aが例えばBとB′というのを60%ずつ持っていて、BとB′でCを100%持っているような場合にはどうするかというのがあって、BとB′は外れるけれども、Cはよく見ると結局 100%だという、その辺の線引きは整理しなければいけないと思うのですね。

いろいろな整理の仕方があると思います。さっき挙げられた例は、上に3・7とか6・4で1社を100%持っている場合というお話で、同族という例を挙げましたので、先生がさっきおっしゃった、協同組合が株式会社を100%持っているような場合というのは税率は違いますよね。同族ということをおっしゃったので。所得税ですし、下は法人税なので。そういう税率が違うような場合にどっちの税率でやるのかという問題があるように思うものですから、そういう両面から範囲を整理する必要があるとちょっと思うのです。

委員

ありがとうございました。今連結グループの範囲についていろいろ話を伺っていますが、100%から出発するというご意見が強いわけですが、100%にならない理由というもので、例えば従業員持株会ありますし、あるいはストックオプション、このストックオプションですが、ただ、今お話しありましたように、商法改正で親会社のほうの株もストックオプションの対象になるということですとこれは随分進みますが、ちょっと議論が混乱するといけないと思いますが、いわゆる子会社の場合、九十何%親会社が持っていると、その子会社がストックオプションをやって、それを役員なりにオプションの権利与えたとしますと、それを今度値段が上がったからとか、一体どこで判断するのだろうかという問題ですね。というのは、上場してないわけですから。それでもやっぱり起きますかね。

いずれにしても、商法が変わって親会社の株でもいいとなると、それに対応した税制もまたでき上がってくることになりますので、その場合にはむしろ子会社は100でもいいのではないかという方向へ動いていくような感じがいたしますけれども。

それから、今、委員が言われた判定株主、同族判定株主のようなもので連結判定株主と言うのでしょうか、それも何らかのルールをつくるかあれですけれども、それも当然考慮に入れなければいけないことですね。

あと、それでは100でなくて95だということで、委員が言われたように、会社の経営から見た場合にどういう違いが出てくるか。これは5%、1%でも同じだと言われましたが、少数株主というのはいるだけで会社にとって非常に、場合によっては困った存在になるような気もいたしますけれども(笑)、どうなのでしょうか。何かやろうとするときに。ここはちょっと私見ですけれども、いずれにしても、大体 100とそれ以外といったものですね。例外的な規定として、持株会ですとかストックオプションといったようなもの、これはみなし規定と呼ぶか何かわかりませんが、そういった形であるいは例外規定を設けるということがありますが、一般的にもう九十幾つでいいという形にする場合には、一番上で完全に一体と言っておきながら一体でないでないかと。じゃなぜ一体でないのに認めたかと。そうなりますと、それなら90でもいいのではないかと。たたき売りになりますと80までいってしまうということになりますが、これはいかがなものでしょうか。やはり 100できちっとやって、例外規定を置くような形で対応するのか、それとも最初から九十幾つでいいと。1%でも外れますと、あとは泥試合は目に見えてますけれども、このあたりですね、論点は。

委員

今の問題ですけれども、100%の場合には問題ないとして、90%でも95%でも80%でも、大株主がいて、あと少数株主がいると。その場合に、例えば95%要件でやった場合には、この少数株主の5%部分の損失も含めて95%の親会社がとってしまうと、アメリカのような問題が起こってきますよね。持分法のようなものを導入して、95%株主が利用できる子会社の損失は子会社の損失の95%だとやることは可能ですけれども、残る5%の処理をめぐって膨大な条文がきっと必要になってきますよね。その分だけ残しておきますと。

じゃ残すのをやめるとしたら、95%親会社のほうに持分法で合算というか、利用させたのだから、これは少数株主についても、親会社を通じてか、子会社から直接かわからないけれども、この5%の欠損に対応するマイナスの税額を少数株主に配ってしまえばいいではないかという考え方はあると思うのですけれども、そうすると、95%を超える株主のいるところの少数株主はハッピーだけれども、50%・50%のところはアンハッピーだという問題が起こってきて、永遠に解決つかない問題になってしまって、手続をいとわなければ何でも可能だとは思いますけれども、100%とその他は商法の問題としてだけではなくて、課税の公平の問題からいっても本質的な差はあるだろうと思うのですね。

ただ、手続をいとわなければもちろんできるだろうと思いますが、それに見合うだけのメリットがあるかどうかと聞かれたらおそらくあまりないので、これからつくるものについては100%でおつくりくださいということだって、企業にとってみれば大変なメリットというのか、企業組織使いやすくなるわけですから、それからあと根性入れて5%なら5%を処理していって、しかも株主平等原則に反さないようにして、しかも納税者の公平の原則も破らないようにしながらつくっていくということもあり得るだろうとは思いますけれどもね。原則をあまり簡単に捨ててしまうわけにもいきませんから、ビジネスのニーズというのはとてもよくわかりますけれども、そこはどうなのですかねえ。大原則ですからね。

委員

ただ 100%のほうが、これはそういう議論できないかもしれません。例外なのですよね。

委員

そうなのですよ。実際にはね。

委員

オランダとかオーストラリアだって。これは損益振替のところに出ていませんけれども、英国は75%だし、ドイツは50%ということですよね。

委員

ドイツはいいかげんな制度ですからね(笑)。

委員

まあ制度は違いますからね。こっちは通算でいこうと言っているわけですから。振替ではなくて。それはまあいいですけれども。もう少し勉強する必要があるなと思っているということで、要するにすぐ決め切らないでほしいということを言っておるわけです。

委員

委員のちょっとおっしゃったことに関係すると思いますけれども、私も勉強する材料ということで申し上げたいと思うのですが、やはり税の理屈で基本的には決めていただくのがいいと思うのですね。商法がどうかというよりも。自信はないですけれども、税の理屈で決まれば、あと多数株主と少数株主、これは繰り返しになりますが、従業員持株会だって少数株主ですから、をどう扱うかは商法のほうでやはり対応しなければいけないことですから、何らかの形で、例えば従業員持株会の場合は対応するでしょうし。仮に80・20なら、それはまたそれで対応するということにおそらくなると思うのです。

それで、政府税調ですからやはり理屈が大事だと思うのですが、1ページ目の実態とかインフラということから見ますと、5ページの言葉で支配と利益という、ここが非常にみそでして、支配だけを見れば、例えばこの少数株主が無議決権の優先株を持っているという場合には100%議決権は親会社にあるわけですね。そこまでいかなくても、普通株だけ出していて親会社が80%、あるいは90%、明らかに法律上支配があって、ただ10%とか20%の議決権を少数株主は持っているわけですね。

したがって、支配は明らかに親会社にあるので、支配があれば利益も持っていっていいというふうに考えるか、委員がおっしゃったアメリカ方式というか、もう8割なら8割、支配があったら 100%持っていってよろしいというふうに税の理屈として考えるのか、あるいは例えば80%の場合には、持っていっていいのは80%を持っていってもいいよという計算をしていくのかというのは、これは税のほうで決めるべき問題だと思うのですね。80%持っていっていいということになると、20%残して計算しなければいけないので、委員がおっしゃるように、どうなるのかちょっと、有能な方がたくさんいらっしゃるのでそれは計算できるのだと思いますが、収拾つかないのかどうかということはあると思うのですけれども。

ですから、支配と利益という、利益も完全にという考え方を税調としてとるのであれば、これはやはり原則100ということを意味していると思うのですね。ですから、そこが諸外国等と比べて日本はどこを選択するのかということで筋を、税のロジックとして通していただきたいと思います。そうすると、あと商法がどう対応するのかと、相互に絡み合うと思うのですけれども、そういうことではないかと思います。

委員

申しわけありません。余計なことですけれども、ドイツ、イギリスのタイプはちょっと別として、アメリカがマニアックな、マニアックと言っては失礼ですが、大変に精緻な制度をつくったというのはありますが、1988年にフランスがこの制度をつくったのは、その前身として、ごく少数の企業しか導入していない、海外進出促進税制としての海外子会社の損失に取り組むための税制というのが1966年にできて、その延長線上にフランスの連結納税制度があって、アメリカのいい点とドイツ、イギリスのいい点とを両方見比べて、アメリカほど精緻につくる必要はないなという何かがあっただろうと思うのですね。

そこはまだよろしいのですけれども、問題はオーストラリアなのです。オーストラリアというのは、最近幾つかの点でオーストラリアに興味を持っているのですが、ヨーロッパでもない、アメリカでもない、ちょっと日本とポジションが似てまして、例えば私、減損会計について調べたのですけれども、アメリカが突っ走って、突っ走っているかどうかわかりませんが、ヨーロッパは、減損会計をヨーロッパ会計基準とは明文からいうと 100%対立するにもかかわらず両者は一体だという詭弁ですり抜けようとしているわけですね。オーストラリアと日本はまじめにどうするのだと見て、よく様子を見て、今オーストラリアで減損会計もいろいろ議論しているみたいですが、連結もそうなのですね。

オーストラリアの置かれている状況というのは日本と似ていて、ヨーロッパでもない、アメリカでもない、両方の影響を受けつつ、なるだけまじめに何かやっていこうというのがあって、逆にいうと、オーストラリアを追いかけると日本は楽かなあという、余計な話ですが(笑)、調べる価値のある国だということなのです。

委員

いかがでしょうか。今オーストラリアの連結の話が出ましたが、これも既にインターネットに全部情報が流してありますね。オーストラリアの連結はこうなるということははっきり書かれて、方向も示されておりますが。

いかがでしょうか。連結グループの範囲。連結が入った場合に、さて、100%という要件にした場合に、企業としても 100に持っていきたいけれども、この少数株主に出ていってもらうこれのエネルギーというのは大変であると、こういう面もあるでしょうし、あるいは逆に、この企業の経営の上で少数株主がいることが何かマイナスではなくてプラスの面もあるのかどうか。この辺は連結と関係なく、従来の会社の中での位置づけということですでにいろいろな面で焦点となっていると思うのですが、いかがでしょうか。現実のところ、これを100にすると、どかすことがすごく大変だという問題であるのか、そうでなくて95で、5残してあることにすごい経営的な意味があるというお話であるのか。

委員

そこが非常に大事だと思うのですね。いや、勉強不足で言っているものですから十分に答えられないのですが、いわゆる95か100かという話は別にして、従業員持株会だとか、たまたま何でそんなことを、上場もできないのにストックオプションなんかやってしまったのかと。それは上場のことは頭に置いてやったに違いないですよね、おそらく。そういうのをどうするかとかいうのは結構、実務的にはかなり厄介だ、そういうことで大変苦労しているのだという話は聞きますからあると思うのですね。ですから、95というのもその辺の延長で考えるのかどうか。しかし、5%下げることで、委員おっしゃるように、税法上の手当てするのに相当複雑な労力が要るということになるのかならないのか。ちょっと私もわからないのですが、その辺をよく考えて決めるということになるのではないのかなと。答えになってないと思いますけれども。

ただ、複雑になることはある程度避けられないということが3ページに書いてあるわけですけれども、ここは実務的にも非常に大事なことで、複雑になることは避けられないのではないかと私も思っているのですが、しかし租税回避だとかが起こるということでは困るわけですけれども、そういう観点から見て軽易な話でしかないと言うのだったら、できるだけ実務的には簡素にしてもらいたいなというのはみんなそう思っていると思うのですね。

それで、これは次回なんかの議論も含めて最終的には私は日本における今度の連結納税制度の思想というか、骨太の設計思想のようなものをつくらなければいかんと思うのですが、100%なら 100%に限定することで、内部取引の問題であるとか、そういうことが大いに簡素化できるというようなことが考えられるということなら、とにかく 100にして、しかし 100の中での内部取引でやるとか、いろいろな連結所得計算上の手続は非常に簡素なものにしていこうという、そういう思想でいくのだとか、何か全体を通じた、この議論だけではなくて、揺り戻しというか、全体を見て、そしてそういう設計思想をきちっとしていくという観点からも、この範囲の問題にまた改めて返ってくるという議論もあるのかなあと思っておりまして、そういうことを含めて結論を出していくということでいいのではないかと、私はそう思っているのです。

委員

よくわかりました。問題の広がりと難しさと。そこで、委員のところ、会社グループというのは何百社あるか知らないけれども、100でやろうと95であろうとすぐさま識別、グループ化ができて、実態的にどっちがどうだということがすぐ簡単にわかるような仕組みになっているのですか。企業のグループというのは。

委員

私のところの実例でいいますと、100であろうと95であろうと……

委員

変わらない?

委員

ただ、過去、子会社の中に、完全に 100%支配していると私なんかが思っている会社が、1%程度ですけれども、ストックオプションやっていたり、あるいは従業員の持株会なんていうものをつくってやっているのはやはり数社あるのですね。当然にして連結会社だと思っているというか、そんなの当たり前だというのが(笑)やっているのですよね。だから、それは私は実感としては救ってもらわなければいかんなあと。ただ95と100と、100でなくてどうしても95でなければいかんというのは私どものグループにはありません。その辺もちょっと見てみなければいかんところですね。

委員

そう思いますね。

委員

結局 100%でなくすると少数株主権の問題が残って、その少数株主権についてのいろいろアクト、税金上の取り扱いを決めていかないといけないと思うのですね。私が言った従業員持株なんかは、例外的に、例外の要件をつくる、同じ書類送付はするつもりで初めいたわけですけれども、そうしないと、少数株主権が残る問題でやるとたくさんのことをやはり決めないといかんのではないかという気がするのですね。それをちょっと心配しております。

委員

これはあくまで連結グループの範囲の話で当然のことなのですが、95、100でやってますが、100でないとだめだというのはその特定の会社がそこへ入らないというだけでありますね。それが 100でないと全部連結できないのだという意味ではなくて、だから 100だけ、100%子会社だけは残りますから、100%子会社だけ集めて、これですと、全部が一体であると。にもかかわらず、5%、いわゆるお邪魔虫みたいなものを取り込んで、連結をやった結果、グループ間がめちゃくちゃにいろんな、あちこちに波及してトラブルが出てきたと。そういうようなことはやはり困ると思いますが、これは95でといいますか、100%でない会社は当然対象にならないと、ならなくするだけでは済まない問題なのでしょうか。税金の計算としてこうやりますと。で、100だけでやってくださいと。 100でない子会社は、かわいそうだけれども、1つでやってください(笑)。それで済まない何かもっと大きな問題というのが起きる可能性というのがあるのでしょうか。

委員

これは経営の、やはり連結納税の対象会社だと。それは実質100%、仮に、さっき言った持株会とか、やはり自然の感情としては、何でそれが外れるのだということに当然なりますよ。それで経営としては、おまえのところも連結納税会社だということで、ちゃんと意識も変えて頑張ってくれという話。これは全部そういうこととつながっているわけですからね。なかなかうまく言えませんけれども、そういうことなんですよね。おまえのところ、連結納税会社だぞと、本当にあれだということですよね。だから、おまえのところはちょっと違うなあというところにはできるだけ、実質的にそう思っている会社についてはそうしてもらいたいのですよね。我々、経営に携わる者の実感としては。せっかくやるのですから。

委員

ちょっとまた確認させていただきたいのですが、委員がおっしゃるのは、従業員持株会はもちろんのことですから、それとストックオプション、よく意味を理解しないで、1%ぐらい子会社のほうでやってしまったと。そういうのは何らかの対応が当然考えられると思いますが、それ以外に、何かどうしても100でない、100になり得ないような状況で、なおかつ事業上合理的な理由があるから、おまえのところも連結なのだと。ほかには考えられますでしょうか。

委員

私の頭の中ではちょっと考えられないのですが、そういうことがあるのかないのか、よく検討する必要があるのではないか。今こういうのがありますよ、ああいうのがあるというのはちょっと私はわかりません。正直いって。

委員

実はまた同族会社の話になるのでございますけれども、先ほどの兄弟会社が連結に入らないとするならば、これは持株会社みたいなものをつくって株式の交換をして、持株会社が結果的に、子会社、孫会社を支配すると。こんな例は連結になることは当然わかるわけでございますが、たまたま同族会社の株主の中に少数株主的な人で、もちろん親族でございますけれども、持株会社の株は持ちたくないというような人も出てくるのですね。そうするとやはり、同族会社においても100%の間柄というのは出てこない可能性もあるのです。そんなこともやはり想定しなくてはいけないのですが、ただ、実際に連結納税を議論するときに 100%とかいうことを前提に置いていかないと、先行きいろいろな細かいことというのは、さっきも言いましたけれども、そのほかに僕が心配しているのは他の税目ですね。消費税とかそういったものにも及ぶことになりますので、そこのところはやはり完全子会社グループだけよということで出発しておかないと、相当税の手当てが膨らんでしまうということになってしまうのではないかと思います。

ただ、例外規定をもしつくるとするならば、先ほど来、95とかいうパーセンテージのことだけで、単にこれは持株ウェイトだけの想定の議論のように思うのですけれども、これは金額的持分と言うのでしょうか、例えば未上場株式で言うならば、現在評価の方法が法人税基本通達9-1-13、14で決まっていますけれども、企業経営支配権のある株主は原則評価といってものすごく高いのですね。ところが、経営支配権から外れている株主になりますと配当還元価格でものすごく安いのです。そうなりますと、金額を加味した配分率を出しますと、仮に持株割合は95:5かもしれないけれども、99.0: 0.1ぐらいになるぐらいになるかもしれないのです。だから、その辺のところも考えますと例外規定の中に参考にするものも出てくるのかなあと思います。

委員

昨日、研究室の助手や大学院の人たちとこの問題について話してみたのですけれども、ちょっとおもしろいというか、不見識だと言って怒られそうですが、100%の子会社を連結する際にも親会社のほうで利用できる欠損金は子会社のほうの欠損金の90%に限るとした上で95%まで認めたらどうかという(笑)、なかなか根性のあるサゼッションが出まして、いやあ、いい味出しているなあと、官僚になったら偉くなるよとほめたのですが、それは幾ら何でもポリシーなさ過ぎますかね(笑)。

委員

実はちょっと進行不手際で、今の連結グループの話だけで40分とってしまいまして、きょう決めるということでございませんので、大方100%の意見強いのですが、委員指摘されたように、まだ検討するところがありますので、また次回にといいますか、別の回のときにまた研究してきていただいて、新しい何か情報、データとかありましたら、またご紹介いただいた上で改めて検討すると。まだその余地が残されていると思いますので、今度は別の論点に移らせていただいて、このパーセントの問題、非常にいろいろな面にもかかわってくると思いますので頭に入れていただいた上でご議論いただきたいと思います。いかがでしょうか、ほかの論点で。

委員

先ほど委員が言われた組織形態、普通法人だけかどうかという話ですけれども、それこそ、これも簡素という問題に絡んでくることになると思いますけれども、適用税率が同一、軽減税率をどうするかという中小企業の問題は後でまた議論すると思うので残るのですが、やはりそれは同一でないとまずいのかなと。まずいといいますのは、例えば公益法人という原則非課税の場合には、例えば一つの取引で親から子への取引でも、親で非課税で、子で課税と。つまり、例えば減価償却資産を売却して減価償却資産を子のほうで減価償却して損金になると、売った方では非課税だというようなことがあると、これはちょっと制度としてはもたないだろうなということがあります。

それ以外に、軽減税率だとしてもやはり同様の効果があると、近い効果があると思いますので、その辺は普通法人だけしかあり得ないのかなと思いますけれども、その辺についてもちょっと議論はいかがでしょう。

委員

実は外国の連結で協同組合と株式会社を連結するかどうかということがやはり問題になりまして、それは行われていると書いてあるのがあるのですね。確かに税率をどうするかという点は僕はあまり考えてはおりませんでしたけれども、日本でも、日生協が持っている株式会社の協同組合貿易とか、いろいろ株式会社を生協の関係会社にかなりの数持っておりまして、そういうことを考えるとやはり、ある意味ではそこは一緒かという気が私はしていたのですが、税率の問題は、さっきの中小企業の軽減税率を含めて、そういうことをするときにはどうするかという問題はちゃんと決めないといけないと思いますが、日本の実態からいうと、普通法人と協同組合はわりあい、協同組合が普通法人をつくるという格好で実際にはあるのではなかろうかと思います。

委員

ありがとうございます。いかがでしょうか。今、先生が言われた外国というのは特定のどの国というのは……。

委員

1つは、会計のほうの連結もやはり協同組合を連結するかどうかというのは問題になっておりまして、国際的にも、今書かれている国際基準には書いてないのですが、当初の案には連結するということが書かれてあったことがあります。それから税法のほうは現在でも、どっち書いてあったかよく覚えていませんが、協同組合が普通法人をか、普通法人が協同組合、両方とも書いてあると思いますが、連結するということを触れている、はっきりするということを書いているのがあると思います。

委員

それでは事務局から。

事務局

今手元にあるのがアメリカの連結納税制度なのですけれども、アメリカの税法では、協同組織というのが免税団体である協同組織と免税団体ではない協同組織があるそうで、免税団体たる協同組織は、これは連結納税の対象にならないと。免税でない協同組織は通常の法人と同様に課税なので連結納税の対象になるという仕組みになっておるようでございますし、オランダがちょっと手元にあるのですが、これは100%の持分比率ですけれども、協同組合が株式会社等の株式資本の 100%所有する場合には連結納税ができるというふうになっているようでございます。

委員

アメリカの場合、法人税の対象になるのはいわゆる法人格を持ったその法人に限らないで、いわゆるアソシエーション、そういうものも入ってきますから、そちらの定義の問題でそういうことが起きてくるのだと思いますが、ちょっとこちらから伺いたいこともあるのですが、組織再編成、あのときに企業グループという言葉を使いまして、100%、あるいはそれ未満となりますが、あのときの企業グループというのは法人税法の定義ではどういうふうに書かれていますでしょう。

事務局

ちょっと今条文を手元に持ってないのであれですが、株式と出資と常に条文で一緒に出てまいりますけれども、株式と出資を100%持っているか持ってないかとか、50超 100未満であるとか、そういった書き方になっております。

委員

「企業」という言葉は使ってましたですかね。

事務局

いいえ、「企業」という言葉は使ってないですね。「株式」または「出資」という言葉を使っていたと思います。

委員

株式というと株式会社で、出資というと協同組合も入ってしまう感じですが、それは両方入っていると。

事務局

入っていると思いますね。

委員

ありがとうございました。ほかの論点でも結構ですが、いかがでしょうか。

委員

ほかの論点ですが、連結対象となる子会社を全部、全社加入とするか、あるいは選択できることとするかと、ここは非常に重要だと思うのですね。これも私十分勉強できてなくて非常に申しわけないのですが、アメリカは全部強制加入だと、ほかは任意だと、こうなっているわけですね。アメリカの場合には、これは連結納税制度の誕生経緯というか、累進課税を回避するということを何としても阻止したいということから、背景が強制加入だという論理というのはそういうところから多分出てきたのではないかと思っておるのですけれども、他の国は任意だということにしているのは一体どういう理由からなのだろうかと。

私なんかの非常に単純な論理からいうと、さっきの話ではありませんが、全部強制加入していいのではないかと思うのですけれども、経済界の人たちが議論すると、何を言うとるのだと、税も任意だと、こう言うのですね。ですから、その考え方というか、各国の考え方というところはどういうことで強制でなくて任意にしているのだということについて、きちっとやはり背景含めて理解しておく必要があるのではないかと思っておるのです。

委員

100%要件で、連結の対象となる子会社は100%だというふうな条文になったとして、任意にしたところで、逃れられますよね、簡単に。つまり、はじきたければ少数株主1株つくって、入れたければそれをとってしまえばいいのですから、実は回避は簡単で。

委員

それはしかし、防止するわけですね。

委員

いや、そこまでどう防止するのですかね。

委員

租税回避行為、意図的連結外しだというようなことで、それは私はチェックするというのはあると思うのですよね。

委員

だとすれば、あとは税率だけの問題なのではないでしょうかね。子会社で、黒字で課税する場合には20%だと。損のところは親会社のほうに持ってこられると、30%、親会社の所得、税額を圧縮するという、税率のバランスを考えるか考えないかということなのではないでしょうか。

委員

そうですね。それでちょっと確認しておきたいことがあるのですけれども、連結外しということですね。任意加入にした場合には、それこそいつでも加入も脱退も完全に自由というのはちょっと問題があると思うのですね。例えば5年縛りとかそんなのがあるにしても、ある程度任意加入にするとまずい状況というのがどんなふうに想定されるかだと思うのですね。

例えば、先ほど事業年度を完全一体で、事業年度を勝手に変えることは許さないこともちょっと検討するということが事務局のあれでありましたけれども、外すことによっての租税逃れというのはどんなケースが考えられるのかなというのがいま一つわからないのです。例えば外れたって、その法人は法人でもって、軽減税率ということになるとまた別ですけれども、実際に税金を納めるわけですよね、明らかに。その辺どんなふうに考えたらいいのかなというのはちょっと疑問なのですが。

委員

1つ、租特はあるのですね。例えば試験研究費の税額控除というのはありますねと。これは前年度よりも試験研究費がふえたら、それの20%は税額控除してあげますよというのはあるわけですね。そういう会社が仮にあるとすると、いやいや、連結してどうなるかわからないような所得を合算されて租特が適用できるかどうかわからなくなるよりも、そんなところに入らないで、研究開発の試験研究費の税額控除を享受したほうがいいというようなのは私なんかの気がつくようなところではあるのですよね。だから、これは租特の問題なんかどう取り扱うのかという、後でまた機会改めて議論するようなことになるのではないかと。その議論が私はあると思いますね。

委員

今の委員のお話のとおりでありまして、企業の規模の大きさ小ささでやはりメリット、デメリットあるのですね。それは試験研究費もそうですけども、そのほかにも交際費の定額控除なんてありますから、場合によってはグループに帰属してしまうと交際費の定額控除が1円もとれないということがありますので、そういうこともあり得るわけです。

ただ、企業組織再編のほうでは試験研究費については手当てしてまして、それがありますので、おそらくこっちのほうもつくってくるとなるとその手当てが及んでくる話になってくるのではないかと思うのですね。試験研究費については。ただ、交際費については企業組織再編では何も言ってませんから、今度はこちらのほうで独自でもって考えなくてはいけないと思います。

委員

我が国の場合、先ほど事務局が言われましたように、21世紀に向けた経済的な基盤であるので世界的、国際的に遜色のないようにというわけですが、やはり理論的にできるだけ一貫した制度であることが望ましいですね。そういったときに一つの連結の理由というのは、企業、いわゆる一体性ということがかなり強調されているわけですね。だから100%であれば全部が一体であると。

ここまでは一体性ですが、さて、選択できるというのは一体どういう理由で選択制が可能になるのか。そういう選択制にした場合にそれなりの説明が必要になりますが、会社はいわゆる私的自治だなんて言い出したらそんなことになりますけれども、一体だと、一体だけれども、入る会社入らない会社があって、それで一体なのかなと。何かちょっとおかしいのではないかと思いますが、選択制だと、選択制がよろしいという立場をとるとしますとどういう説明ができるのでしょうね。いかがでしょう。

委員

ちょっと実務的に思いつくようなことを言うと、私は選択したほうがいいと言っているわけではないのですが、例えば上場するということがもうわかっていると、100%でやるけれども、2年後、3年後上場を予定しているというようなものをね。ですから合理的な理由があるということだと思いますけれども、それは本当にどうせ外すことがわかっているのを入れますかということはありますよね。1つ、例えばですよ。それはだからきちっとそういう要件を決めて、そういうのは入れなくていいと、はっきりしていると。

ただ、ソニーさんなんていうのは1,000社もあるとか、それから日立さんなんかも 400も 500もあるというような、全部を本当に入れるのかと。これは理屈のない話ですけれども、というような実感も持っていると思うのですね。全部入れるのかと、そんな 500、600あるやつを。じゃどういう判断基準で入れるのと入れないのと、逆にいうと決めるのだと、こんな議論ですよね。だから、よくわからないのです。理屈からいうと、先生おっしゃるように、全部入れると、余程のきっちりした理屈がない限りというのが骨太の理論だと思いますけれども、一体それで何が困るのだと。逆にいうと、各国はなぜ任意にしたのだということがわからないかと、こういうのが最初の私の議論なのですけどね。

事務局

やはり一番最初の1ページ目の哲学的なことからいくと全社加入というのが筋かなあというのが私どもの思いですけれども、いろいろご議論いただきたいと思いますが、1つ情報として、オーストラリアですけれども、これはここで言う言葉を使えば全社加入の制度だそうです。オーストラリアは100%ですね。対象になり得る会社は全部入りなさいという制度になっているそうです。だから、任意になっているフランスなんていうのは、理屈ではなくて、国内の事情いろいろあったのではないかと推測できますけれども。

委員

その 100%全社加入というのは、連結納税制度が例えば何年何月何日から導入されるというのが決まる前に、要するに少数株主をつくり出せば幾らだって逃れられるので意味ないのではないかという気がするのです。否認規定は、制度できる前には否認できないですよね。だから、どうなのですかね。実効性。

事務局

そこまではよくわかりませんけれども、確かにこの議論、本当に議論する価値があるのかどうかとおっしゃる立場もあるとは思いますけれども、オーストラリアも、今英語の資料をちらっと見ただけなのであれですが、これはやはりあらかじめリストを出すのですから、先生おっしゃるように、99にしてしまえば対象にならないというのは事実だと思いますけれども、さらにそこで、じゃ直前に99にしたものもみんな租税回避行為なのかと、全部網かけるかと。それもかなり乱暴だなと。個々に見ていかないとやはり、いろいろな事情があると思いますし、なかなか正直いって我々も悩みの深いところではありますが、制度の筋からいくと全社加入ということになるのではないかなという。これも本当に議論を深めていかないといけないところだと思っております。

委員

ちょっとつけ加えますと、諸外国との比較ですけれども、歴史的な経緯でいきますと、アメリカの場合には超過利潤税を逃げるので連結だということで始まりまして、それからドイツの場合は取引高税の問題があって、これで一体といいますか、振替システムができたわけで、どちらもむしろ税金を減らそうという動きがあったのでつかまえたというのがそもそもの出発点になったわけですね。それでだんだん発展してきて、今度は税率が高くなるにつれて、アメリカでいえば、むしろ連結にしたほうが有利な企業というものも出てくるようになったと。

いろいろ経緯がありますから、そのまま横に比較することができない難しさというものがありますので、そこでどうしても、もとへ戻りますが、21世紀で国際的に遜色のない制度ということにぜひしたいと思いますので、あまり、よその国もこうやっているからというので追随するような形にはしたくないですね。やはり一本筋の通ったもので、あと経済的な理由があってしかるべきだというものは外していくと。基本を立てた上で適宜個別ケースに対応できるような形でやっていきたいと思いますが、あといかがでしょうか。ほかの論点も含めまして。

委員

納税義務の関連にもあると思うのでございますが、連結納税グループの親会社、子会社の会社が申告するときの方法でございますが、個別申告を残して連結の親会社の申告と一緒にするのか、それとも親会社に一本化するのかということにつきましては、いろいろなことがあると思いますけれども、決して、私、自分の業界のことだけ考えているのではないですが、基本的にはやはり個別申告があって連結の申告が親でまとめるという形をとったほうが、現下の国税のほうの執行体制その他から見ても妥当ではないかと思いますが、この辺についてもそういうふうに、申し上げたいことを言わせていただきます。

委員

私も、個別申告を維持すべきだと思います。連結の親会社段階に子会社の資料を持っていくときには、イメージ的には別表4の調整みたいな、別表4と言うとちょっと違いますが、何かそういう、おまけにくっつけるという感じでして、個別の子会社は子会社で今までどおり申告、場合によっては納税も行っていただいてというふうにしませんと、1つは、調査と更正処分をどこの税務署がやるのかというようなことで、大変に混乱が生ずると。ローカルなことはローカルなところのほうがよくわかるでしょうから、それを全部麹町税務署で集中してというわけにもちょっといかない。もちろん手続の問題は別途つくれるのはつくれるのでしょうけれども、個別申告のようなのがあったほうがそれに対して情報を得やすいですし、もっといえば納税まで行われていたほうが動きがとりやすいという。あと局外のというか、枠外の調整のような形で親会社段階で連結のおまけというのか、付随的な行為が行われるというほうが制度としては持ちやすいと思うのですね。

それと、地方税は直接この対象に含めるかどうかというのはまたいろいろあるでしょうけれども、地方税との関係も考えると、なおのことそういうことが出てくる。個別申告を残していただかなかったらお手上げということに、事業税のほうに影響が出たりすると、みんな東京にとられるのでは、今だって困っているのに、ちょっと余計なことですが(笑)、それはよくないだろうということだと思いますので。

委員

この論点では手続的には当然各子会社で、今現在の別表4ぐらいまでは、どっちにしろ作らざるを得ないだろうなと。その上で、それを親に送って、親が連結の別表調整をして、その上で申告する。ですから、その段階で4表まで調整したものを税務署に出すか出さないかという手続的な問題があるのと、それからもう一つは徴税といいますか、子会社で何か悪いことをしたときにその責任をどのぐらいまではっきりさせるかというのは明確になると思うのですよね。

ただフランスなんかで、この前もお伺いしたように、税務署が個別に調査するとはいっても、結局は連携してやるということなものですから、そういう面ではどっちにしろ親の所管する署なり局が全部一斉に指示をしてやることになると思うのですね。現在、個別申告をしているグループ会社でも大体一斉にやっている、そんなような実務もあるようですから、そういう面は一斉にやらないと、どっちにしろしようがないのではないかなと。

あと残るのは消費税があるのですね。消費税は個別の申告にならざるを得ないのかなと。そうすると、消費税の申告が正しいかどうかの検証をするためにはやはりそれぞれの申告書というのは必要になりますので、そういう面では、各税務署に対しての申告というか、もしかしたら単なる送付というか、そのレベルの問題はあるにしても、いずれにしても各税務署には申告に行かなくてはいけないのではないか。

あと地方税の問題ですが、委員おっしゃったようなことも確かにありますけれども、ただ東京なら東京の本社のあるところにやるということについては、例えば分割基準をそこに書いて、そして親のほうでそれぞれの分割基準で申告を一斉にするということは当然に可能かとは思うのですよね。そうすると、今と同じように、ほとんど同じ課税標準税額が各公共団体に配分されるということになって、そう問題はないのかなという気はいたしますけれども。

委員

ありがとうございました。地方税のほうで、お願いいたします。

事務局

今2点ほど話題になったので、いずれ次回あたりにまた地方税の議論もあるかと思いますので我々もう少し勉強してみますけれども、仮に、おっしゃるように、どう扱うかの問題で、地方税の場合、事業税なり住民税、連結の対象にしないと、遮断するということになりますと、我々としても、個別申告というのがないと確かにお手上げのところがありまして、その辺については十分関心を持って、もう少し検討した上でまたご説明させていただきたいと思っております。

委員

法人税法の改正だけで済めばいいですけれども、納税地の税務署長ということに、通則法ですから、あまり勉強してないので、あまり勉強してないと言ってはまずいんだな、最近読んでないのでよくわからないのですが(笑)、処分下すのが納税地の税務署長なので、やはり単体申告した上で各子会社の所在地に納税までしていただいてというふうにするのが一番今のシステムを生かせる。その上で、そこでとった分は源泉徴収のように考えて親会社段階で調整というのも、別に今より悪くなる話ではないと思うのですね。

分割基準はちょっときついというのと、それからそういうのを税務署に出ないと、地方税のほう、また独自に全部調査しろと言われても、今の制度のあれもありますし、そこまでの価値が、急に変える価値があるかどうかという問題がありますから、これはやはり申告書、ただ紙を、情報申告のような形で送るのではなくて、やはり納税までいってしまうと、まずいかな、よくわからないですけれども、いいのではないかと思いますけれどもね。

委員

この納税義務の問題は執行の問題が絡んでといいますか、執行の問題が非常に大きなあれですので、どのぐらいが執行のコストとして適当だろうかと、そういうようなことを考えて決めなければいけない問題でありますが、なかなか理論的なところだけで議論していても動かない面もありますでしょうし、あと、基本的には通則法に連帯納税義務という規定があり、また徴収法のほうで第二次納税義務がありますから、徴収を確保するという面ですとかなりいろんな、あちこちから押さえるという可能性は十分ありますので、その辺の基本的な規定も含めてご検討いただいたらいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

事務局

我々、執行当局ともいろいろ意見交換しないといけないと思っていますし、そこら辺全部、いろいろなところにこれは絡んできますので、もっと研究していきたいと思っております。

委員

そうしますと、あとほかの論点ですけれども、かなりいろいろつながっておりまして、例えば今の納税義務に続いて2番目の連結税額の配分というのも必然的に出てくる問題でありますけれども、これは法令で配分方法を明確にする必要があるのではないかというような形で、アメリカ的に契約で決めるということはさせないで、法令で配分方法を定めようと一つの方向が出されておりますが、これについてはご意見いかがでしょうか。

委員

私もそれに基本的に賛成です。ただ絡んでくるのが、フランスにあるように、寄附金との絡みだと思うのですね。そうしなかった場合にどう扱うのかと。ちょっと細かいことになってしまうと思いますが、それだけではなくて、子会社に贈与したときに寄附金認定というような場合にどうするかということも絡んでくると思いますけれども、それが単にグループ内の取引だということで連結消去されるということならば、とりあえずは消去して、フランスのように、ある一定の事項とかそういうものがあるにしても、離脱するときにはそれは併せて遡って寄附金認定するというようなことと一体として考えると、一応法定はする必要あるのではないかなということは考えております。

委員

ありがとうございます。ほかにいかがでしょう、今の点で。

委員

今のではないです。

委員

この配分につきまして、皆様いかがでしょう。○がついたところですけれども、やはり法令で配分方法を定めていくと、これがごく自然ではないかと思いますが、よろしいでしょうか。

では次の論点、別の論点にまいりたいと思います。

委員

全然関係ないことなのかもしれませんが、一体性ということで連結納税制度を仕組むとしますと、タックス・ヘイブン対策税制との関連が必然的に、少なくとも理屈の上では問題になってくるだろうと思います。今のタックス・ヘイブン対策税制は、向こうに黒があったら合算するけれども、赤があったら無視するという制度になっておりまして、そうでない国ももちろんあるわけですが、日本はそういう制度をとっていますけれども、あれこそ一体で、向こうは紙しかないのですから、一体という点では一体なので、連結ができたときに、もちろん100%ではない場合もタックス・ヘイブン対策税制適用ありますから、タックス・ヘイブン対策税制をなくす必要は全然ないのですが、100%の要件があってどうのこうのというときに、そちらはじゃどうなのかなあということは、理論武装も含めて、入れろと言っているのではなくて、何かご説明の、ここで考えていかなければいけないかなあという気も……。余計なことですかね。

委員

ありがとうございます。タックス・ヘイブン対策税制の問題、これは最初のほう、例の4ページの適用対象法人の中の一番下に、外国法人どうするかと。これは理想的な姿ですね。企業の一体性を追求していきますと外国法人も当然入ってこなければいけないのですが、どの国もこれはやってないし、それをやりますと法律レベルの問題でなくなってしまって、とてもそんなに簡単につくれない、むしろそのために混乱が出てまいりますけれども、先ほど確認はいたしませんでしたが、適用対象法人、4ページの一番下の内国法人と外国法人、これは外国法人はまず除くということでやらざるを得ないでしょうね。

委員

タックス・ヘイブンも含めてですか。一般の外国法人は除かないとちょっときついと思うのですが。

委員

タックス・ヘイブンは配当として受け取るという形ではなくてですか。それも合算してしまう?

委員

今合算しているわけですから、それとの説明がどうかという話なのですが。

事務局

先生おっしゃる、要するに連結納税制度は外国法人外すけれども、タックス・ヘイブン税制自体の中で、それと理論的一体性ということで理屈を連結がつくるのであれば、そこの理屈をちゃんとつけておかないといけないよというのはおっしゃるとおりだと思います。

委員

外してもいいですけれども、何か説明が……。

委員

損失の問題ですね、特に際立ってくるのは。

委員

はい。けしからんから、赤は無視するというだけでは済まないのではないかと思うのですね。不満ありますよね。

委員

その点はどういう説明をつけるかという問題ですけれども、いろいろ今後も検討していきたいと思います。

それからあと議論しておりませんところは……。

委員

あと事業年度と会計処理方法かと思うので、事業年度については当然統一しかないだろうと、あり得ない話です。連結は、むしろ会計の話ですと多少アローアンスがありますので、3カ月以内だったらいいとか何とかありますけれども、税の問題で1円まで計算する世界でそれはあり得ないと思います。

会計処理方法ですけれども、基本的に、諸外国あるように、統一することは不要だということはこれでいいと思うのですけれども、ただ内部取引との関係で、親と子の取引が違うために収益の認識がずれてくるという問題についての手当てだけすればいいのかなと。例えばそういう親子間の取引でしたら、親の会計処理方法を子がとったとみなすみたいな、そういう規定があればそれはそれでいいものですから、基本的に統一するというような規定は不要かなと思います。

委員

ありがとうございました。ほかの方、いかがでしょうか。基本的には事業年度は合わせないと計算がめちゃくちゃになってきますし、連結外しの問題、これはいわゆる租税回避といいますか、こういった連結を外れるという目的のために使われるようなものには何らかの手立てをする。当然のことでありますが、これは基本的に親会社の事業年度に合わせると、こういう方向で検討すると、これでよろしいでしょうか。

それから、それと関連しますが、会計処理方法、これは先ほど事務局からご説明ありましたが、個別的に、例えば減価償却、それから収益の計上、棚卸資産の評価とか、いろいろありますけれども、個別の項目によって少し取り扱いが違ってくるだろうなということはありますので……。

委員

会計処理方法について、要するに連結の会社が同業種のものもあれば、非常に変わったものもあって、業種が同じようなものについては同じような方法を行って、違うものは別にせざるを得ないという意味で、全般的に統一しろとは言わないというのは、同業種のものは大体一致させたらいいのだよと、違うものはそれはそれぞれ別でしょうと。そういう意味で、アメリカやフランスもそういうふうに言っているようですから、日本も、全く同じ業種のものをいろいろあるというのはおかしい、違うものは違うと、そういう意味だと思いますが。

委員

同様の業種のものはやはり基本的には統一した方法を採用すべきであると。

委員

はい。

委員

ありがとうございます。というようなことでございますが、今の会計処理、事業年度、よろしいでしょうか。

あと、この罰則の問題ですね。いわゆる行政上の制裁措置としての加算税の問題、それから刑事逋脱ですけれども、これについてはいかがでしょうか。これは実際に刑事罰、法人税法なり、その他、連結、どういう法律になるかわかりませんが、こちらにも書いてありますように、刑法の特別法ということですから、いざ立法するとなりますと、やはり法務省の刑事局とかそういうところとやることになるのでしょうか。

事務局

先ほどご説明の際に申しましたように、当然そっちの方面との、むしろそもそも納税義務者をだれにするのかというところから始まって我々の考え方を固めた上で、あるいはそれと並行して法務省と相談ということになっていくのだと思います。

委員

いかがでしょうか。商法との関係とかになりますといろいろ税金のほうから注文をつけたりすることもございますが、こういう罰則の問題というのはどうでしょうか。特にこういう点に留意すべきであるというようなことがあればご指摘いただきたいと思いますが。特に加算税の問題ですと、これは全く行政プロパーの問題になりますから。

事務局

9ページの2つ目の〇の適用の期間制限のところでちょっとご意見を伺わせていただければと思います。

委員

失礼いたしました。ここを落としましたね。連結納税の選択適用期間、さて選択した場合に、あるいは期間を設けるかとか。(参考)として、下にアメリカ、フランスの例が挙がっております。先ほどご説明いただきましたが、1度連結納税というものを、この選択の意味は先ほどの子会社を入れるか入れないかの意味ではなくて、いわゆる連結納税という制度による申告、それ自体を選択性にするのか、当てはまる以上必ずやれとやるかという一つの論点ですね。それから連結納税で申告をするという場合に期間制限をつけるかどうか、あるいは5年ごと更新といったようなフランス式の考え方もあるということですが、これについて何かコメント、ご意見いただけますでしょうか。

委員

経済のテンポも大変早い時期でもございますので、やはり適用期間というのは設けるべきだと思います。ただし、この適用期間の更新の手続につきまして、現行の消費税のいろいろな手続の中に、いわゆる課税期間開始前に手続をとらないと新しい課税期間に適用にならないということで、いろいろなところで手続ミス等が起きて納税者が困っているケースもございます。したがって、もし期間を設けるとするならば、その手続的なものについては納税者不利にならないような方法を講じていただきたいと、こういうふうに申し上げておきます。

委員

先生、ちょっと補足的に説明いただきたいのですが、時代はどんどん変わるから期間制限を設けたほうがよろしいという、これは例えばどういう場面かお教えいただけますでしょうか。

委員

これはやはり連結を、先ほど委員の話もありましたように、上場の関係もあったり、そういったこともありますが、私の視野にあるのは、中堅・中小会社がいろいろな意味で企業組織再編のほうで、いわゆる非案分型というのは認められないので、どちらかというと会社をきちんと分けることができない状態がありますので、そんなことも含めまして、場合によっては連結のタイプでなくいきたいということもあると思うのです。ですから、その辺も含めまして多少フレキシブルなものが必要ではないかと思っております。

委員

必要性が出たときに、こちらのアメリカ型と言うと間違えますが、いわゆる国税庁長官に、取り下げではないですね、これをやめたいという申請をすると。それではいかがでしょうか。

委員

そこまではちょっと考えてないのですが、むしろフランス型になったほうがいいのかなと思っております。

委員

ありがとうございました。そうしますと、これは技術的ですが、例えば、全然関係ありませんが、青色申告を例にとると、親の代に青色申告承認を受けていて、子供の代になって忘れて、そのまま税務署も忘れていて、どっちも何の手続もしないでいつの間にか続いていたと。こういうような例がわかって、後で無効であったことに気がついたということが出ますが、5年間たったけれども、お互い忘れていたと。知らないうちに続いて、片方は連結を申告して、片方はそれを受理していたと。こういうようなことも出てこないとも限りませんですが、いずれにしても何らかの、ちょっとストップして考えて、場合によってはおりるという手続もあったほうがよろしいということですね。

委員

はい。

委員

わかりました。

事務局

ここの文章、「必要か」という趣旨は、後ろの、設けたり、更新手続を求めることは必要かということで何となくちょっと気分を出したつもりだったのですけれども、やはり連結納税というのが企業の経営の一体性に着目してということで、1度それを選択して、期間を区切るというのはどういう意味なのか、まだ我々も、フランスがどうしてそういう制度をとっているのかとか、ちょっとよくわからないところがありまして、筋としては、これはやはり1度選択したらそのままずっと適用だということが筋ではないかなと我々は思っております。ただ、ご意見ですので、さらに検討したいと思いますけれども。

委員

これは、そうしますと非常に選択制度と絡んできますけれども、やはり企業の必要性があった場合にはむしろおりるシステムにすると。基本的には続けるのだと。それが企業の一体性からいって望ましい、むしろ筋が通ったことではないかと。

事務局

ただ、おりるのも、よっぽどの理由がないと、都合が悪くなったからおりるというのでも困ると思うのですね。引き続き我々も検討、研究していかないといけないと思いますが。

委員

更新手続の形をとりますと、ここで忘れていたの何のとまた変な問題が出てくる可能性が非常にあります。行政的にはコストがといいますか、面倒が出ますね。今事務局に補足していただきましたが、○の上のほうですね。「企業グループがこれを選択した場合に適用することでよいのではないか」。いわゆる企業のほうでやめたいと言った時点で、どこの段階になるかわかりませんが、そこで判定すると。こういうような形でよろしいでしょうか、これは。

委員

課税の安定性といいますか、変な占奪行為をなくすためには、少なくとも加入したり外れたりしょっちゅうされたら、これは制度として全然もたなくなってしまうので論外だと思います。したがって、ある一定期間フィックスするという制度というのはしようがないところかなと。

ただ、先生おっしゃったように、時代がすごく動いているときに、一たんやったらもうアメリカみたいに事実上外れないというのも非常に産業界のフレキシビリティにマイナス効果が働くだろうということを考えると、一定期間まで選択したらあとは、一定の事由つけるかどうかは別として、外れることの選択可能性は残しておくべきだろうと。ただし、一たんそうやって外れたら、再連結というのはやはり制限しないとまずいのかなと。子会社が一たん外れて、その子会社を加入させるのも多分同様なことになってくるのかなと。それさえ注意すれば大枠としてはいいのかなと私は考えております。

事務局

こんなことを私申し上げる必要ないと思うほど専門家の方々ばかりなのですが、今の先生の話を聞いてちょっと思い出したのが、消費税で簡易課税と実額の選択制がございますね。税理士さんの立場からいいますと、納税者に対してどちらが有利なのだと、その問題があるもので、後で、こっちが有利だったではないかと責められる場合もあると。そのご議論が、先ほど先生からありました選択の手続の時期のタイミングの問題になってきて、これは釈迦に説法ですけれども、今そういった選択手続をお決めいただくのはその課税期間の前にやっていただかなければいかんわけでして、それは簡易課税でやるのか実額でやるかによってまさに記帳の仕方とか全部変わってきてしまうわけでございますから、そういったものをこの連結納税制度、中小企業に仮に適用した場合、どちらが有利なのかという観点からのみお考えいただくというのはちょっと違うのではないだろうかと。まさに、一番最初に書いてありますように、実態に合った課税というのでしょうか、そういったことがあろうかと思いますので、その点もご考慮いただきたいと思っております。

委員

私の意見は、アメリカ型でいいのではないかと。つまり、一たん選択したら、これは基本的には継続適用だと、やはり基本はそうではないかと、筋を通せば、思いますね。余程の理由があれば、これは内国歳入庁長官の承認をしてもらえばいいわけですから。やめるときは。余程の理由がない限りそういうことには私はならないと思います。したがって、基本的には継続適用でいいのではないかと思います。

委員

ちょっと司会不手際で時間が延びてしまいましたが、いろいろご意見を幅広にいただきまして、ありがとうございました。どうもなかなか、方向がはっきり出るものもあれば、またこれを議論し直す必要のある論点もございますので、また次のときにお願いしたいと思っております。

次回の日程は、大体今月にもう一度開きたいということでございますので、具体的な日程が決まり次第ご連絡させていただきたいと思います。

それでは、きょうは大変いろいろご意見いただきましてありがとうございました。終わらせていただきます。

〔閉会〕

(注)

本議事録は毎回の審議後、速やかな公表に努め、限られた時間内にとりまとめるため速記録から、財務省主税局及び総務省自治税務局の文責において作成した資料です。

内容には正確を期していますが、税制調査会議事規則に基づき、事後の修正の可能性があることをご承知置きください。

法人課税小委員会